メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.648 ◆現代時評「平和力の劣化と集団的自衛権」:井上脩身  2014/03/11


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   【609 Studio】メール・マガジン 2014・3・11 No.648
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    フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
  脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
  訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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<あらすじ>

 福島第一原子力発電所はメルトダウンをした。原発近隣に住む人々はど
うなったか!?同時にテレビ画面上でその出来事を知った人たちは何を考
え、どうしたか?原発事故が日本人に問いかける。言葉とチカラで出来上
がった大人の世界を子どもの純粋な心が、言葉やチカラの枠を外して凝り
固まった大人たちを動かしていく。私たちの未来は何処にあるのでしょう
か・・・。

 現実とファンタジーが入り交じりながらストーリーは展開していく。


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◆現代時評「平和力の劣化と集団的自衛権」:井上脩身
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 安倍晋三首相は2月の衆院予算委員会で、集団的自衛権の行使を認め
る憲法解釈の変更について、「(政府の)最高責任者は私だ」と述べ、
集団的自衛権行使に踏み切る姿勢をみせた。従来、政府は集団的自衛権
の行使は憲法上許されない、としてきた。憲法をも自分勝手に踏みにじ
る安倍首相の反憲法主義は、民主主義国家として到底許されるものでは
ない。にもかかわらず、集団的自衛権に関する国民的議論は沸き上がっ
ておらず、目立った反集団的自衛権運動もない。この国の平和力の劣化
は深刻である。

 集団的自衛権は国連憲章で明文化された。ある国が武力攻撃を受けた
場合、直接攻撃を受けていない第三国が協力して共同防衛する権利であ
る。我が国では、内閣法制局が議論を重ね、憲法第9条との関係で「国
を防衛するための必要最小限の範囲を超えている」として、「憲法上認
められない」と結論。政府はこの議論を踏まえて、「集団的自衛権の行
使はできない」、としてきた。安倍首相は従来の自民党政権ですらとら
なかった基本方針を180度転換、内閣部内の法律の専門家の見解をも
「官僚は単なる部下」とばかりに無視する専横的な態度をとった。

 憲法第9条の解釈については、「自衛のための戦争も認められない」
との説が有力で、1973年の長沼ナイキ基地訴訟では、札幌地裁の福
島重雄裁判長が「自衛隊は違憲」の判断を示した。しかし、政府・与党
は一貫して「自衛のための戦争は許される」として、自衛隊の軍備を増
強してきた。それでも、さすがに集団的自衛権の行使については「憲法
の許容を超える」として踏み切らなかったのである。

 選挙公約にもない集団的自衛権を、巨大与党をバックに、自らの考え
だけで「合憲」にねじ曲げる強硬な安倍首相の政治姿勢は民主主義の否
定である。だが、マスコミ各社の世論調査によると、国民の半数は安倍
首相を支持している。国民の多くはこの国の行く末までもアベノミクス
に丸投げしているのであろうか。

 日本は1945年の終戦時から70年近くにわたって平和を維持して
きた。だが、平和が勝手に転がって来たわけではない。60年前、ビキ
ニ環礁でのアメリカの水爆実験で第5福竜丸の船員が被爆した際には、
原水爆実験反対運動が燎原の火のように全国に広がり、1960年の安
保条約改定に際しては、反安保デモが国会を幾重にも取り巻いた。原水
爆や安保が平和を脅かすものと感じ取った国民の怒りのうねりだった。

 だが、経済成長期に入り、人々は平和であることを意識しなくなりだ
した。まるで平和は空気のような存在になったのだ。大江健三郎氏らが
中心になって2004年に「九条の会」を設立し、「平和憲法の改悪阻
止」を訴えたが、その集会の参加者の大半は高齢者だ。若者たちの多く
は「平和のことなど国に任せておけばいい」というあなた任せになって
いるようにみえる。

 集団自衛権行使についての安倍首相の強気の言動の背景には、こうし
た平和への無関心世相がある。アメリカ軍の戦争に自衛隊を援軍として
派兵することは、日本がアメリカの戦争に巻き込まれることにほかなら
ない。だが、この国の“空気のような平和”の中にきな臭いガスが染み
込みつつあることに、多くの人たちは気づかないでいるようだ。

 平和力は、国民が「戦争へのきな臭さ」を覚えた時、事前にその根を
断つ力、といえるだろう。集団的自衛権という名の戦争のタネを、今の
うちに断ち切らねば将来の禍根となろう。だが、平和力が低下した国民
の前では、戦争をしたがる国のトップの思うがままである。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。
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 届き次第お届けいたします。
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◆みほの独り言「安倍さんが怖い」:はないみほ
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 普段お母さん層からは政治の話は話題に上がらない。あがっても受験
や部活の話ばかり。
 そんな時あるお母さんが「安倍さん怖いね〜」って言った。
 大変新鮮な言葉だった。
 安倍さんを怖いと思っていたんだ・・・とホッとした。
 そして「普段ニュースや新聞を読んで情報を入れようとしても、トピ
ックスだけが単発で流れるだけで、要は私達にいったい何が影響される
のか、そのもの自体がどうなのか分かりにくいし、いやな出来事ばかり
があっちこっちで点在しているから整理つきにくかった・・・」と言っ
た。

 わかりにくい政治がこの日本の現状である。
 わかりにくくあえてしているからわかりにくい。
 様々なマスコミによるプロパガンダがひっきりなしだから。
 今安倍政権が押し進める原発推進、集団的自衛権の問題、特別秘密保護
法、環境法改正(放射能拡散の都道府県ごとの状況提示が環境省に変わり、
放射能の拡散状況が表に表示されなくなった)、憲法改正などなどは、子
どもの未来を考えていない権力者、企業の利のための政治である。

 アメリカを牽制し、岸信介氏の安保条約時にやった功績(それが何かは
言っていない)をたたえ、その岸氏の上を行こうとする安倍晋三氏。

 岸氏は、A級戦犯でありながら、死刑ではなく、さらに内閣総理大臣にな
っている。そこをどう見るか・・・
 権力を握る者は一人では存在していない。
 その後ろにはその人が権力を握り、利を得る人たちが後ろに常にいるの
だから。巨大勢力が渦巻いている。
 各地で戦火の火種をあえてマスコミ報道させている。
 資本主義の崩壊を食い止めようと、武力行使を押し進めていると同時に、
農業、食、医療にも利権が絡み付く。
遺伝子組み換え、F1種、食品添加物、水、薬、保険制度・・・今でも人
の命を食い物にしている現状であるが、TPPが通れば、そしてと特別秘密
保護法が施行されれば、憲法改正されれば・・・いろんな事が見えなくな
る。

 その影響を一番受けるのは、これからの日本を作る子どもたちである。
その子どもたちを守るのは、国ではなく、怖いという感覚をもつ大人一人
一人なのである。

 そして次に、無知からの脱却が子を救うのである。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◇日本外務省、ウクライナ財政支援への参加に用意あり
日本政府はウクライナへの財政支援への参加を決定し、IMFとの協議のも
とで一定の金額を拠出する用意がある。7日、東京で開かれた記者会見で
、岸田外相が述べた。
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_07/268386011/

◇米国の対ロシア制裁の呼びかけと日本
国は、ロシアに対する経済制裁を呼びかけているが、日本が制裁に加わる
ことは恐らくないだろう。なぜなら、対ロシア経済制裁を受け入れれば、
日本の利益が損なわれるからだ。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_06/268301526/

◇東日本大震災 今も26万7000人が避難生活
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_05/nihon-ie/

◇日本外務省 日ロの外交スケジュールに変更ない
http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_05/268134246/

◇世界最高齢の日本人女性、大川さんが116歳
世界最高齢者の日本人女性、大川ミサヲさんが3月5日116歳のお誕生
日を迎えた。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_05/268120517/

◇麻生副首相「ロシアとの平和条約交渉で急速な進展は望めない」
麻生副首相兼財務相は、記者会見で「領土問題により、日ロ間の平和条約
作成交渉が、迅速な成果を得られることは恐らくないだろう」との見方を
示した。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/ronichikankei-heiwa/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◇フランス 古代のウィルスを蘇らせる
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/shiberia-uirusu/

◇北朝、短距離ミサイルをさらに1基発射
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/kitachousen-misairu/

◇ウクライナ地対空ミサイル部隊、3分隊がクリミア側につく
ウクライナ軍の地対空ミサイル部隊に属する3つの分隊がクリミア側に就い
た。シンフェローポリのクリミア自治共和国政府が4日、発表した。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/ukuraina-kurimia/

◇世界で最も生活費がかかる都市はシンガポール
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/shingapo-ru/

◇ロシア 2月21日の合意に基づきウクライナ情勢を話し合う
ロシア外務省筋が記者団に伝えたところでは「近くロシア政府は、あらゆ
るウクライナの政治勢力の幅広い代表参加の原則に基づき、パートナー諸
国と2月21日の合意を基盤にウクライナ情勢を話し合う」。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/ukuraina-kaigi/

◇ヤヌコヴィッチ氏がキエフに戻るのは不可能 ロシア理解
ヴィクトル・ヤヌコヴィッチ氏がキエフで政権に返り咲くのは不可能であ
ることをロシアも理解しており、そのような意志も持っていない。ロシア
のヴィタリー・チュルキン国連代表が安全保障理事会会合のなかで発言し
た。
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/yanukobichi/

◇米国 ロシアとの二カ国間貿易投資および軍連絡に関する対話を停止
米国はロシアとの二国間貿易および投資に関する対話を停止した。米国
の貿易交渉担当者が明らかにした。この決定はウクライナ情勢を背景と
したもの
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_04/beikoku-roshia-ukuraina/

◆ロシア国内───────────────
http://japanese.ruvr.ru/russia/

◇エストニア外相:狙撃兵の背後にいるのはヤヌコーヴィチではない、
新政権内の何者か
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_06/268321479/

◇パラリンピック選手の歴史は、自分に対する勝利の歴史
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_06/268317139/

◇ロシア 経済的見地から外国人の市民権取得手続きを簡素化
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_03/129357177/

◇ソチ・オリンピック閉会式をみて泣く少女の動画が大ヒット(ビデオ)
ソチ・オリンピックが閉幕してから約1週間が経過したが、SNSでは未
だにオリンピッが最も大きな話題となっている
http://japanese.ruvr.ru/2014_03_03/129355047/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 ウクライナ紛争に関して、我が国の安倍首相は、打つ手を見いだせな
いでいる。まるで金縛りに遭ったようだ。ロシアに対して強硬な姿勢を
見せる米・オバマ大統領やドイツ・メルケル首相らは、プーチン大統領
に電話で「懸念」を表明し、G8への不参加の可能性をも表明した。

 安倍首相は、ロシアとの「蜜月」関係を最近まで国際関係にまで吹聴
していた矢先、現状のような状況になって、日米同盟との板挟みに苦し
んでいる。もしも「苦しんでいない」というならそれはあまりにも無責
任であり、認識不足も甚だしい。
 ネット上などでは「安部さん、プーチン大統領に電話しろよ!ファー
ストネームで呼び合う仲なんだろ」と揶揄されているようだ。
 戦略なき外交の末路を見るような思いである。

 ところで3・11から3年がたった。まだ苦しんでおられる方々の多
い中、この号が皆様のお手元に届く頃、是非心の中でも、合掌していた
だければ幸いだ。
 というのは、この日、この時間に仙台市で、浄土宗の若い僧侶のチー
ムとともに、海に向かって声明(しょうみょう)をあげているはずだ。
 筆者も同行する予定でいる。次号で詳しく報告したい。

声明:
1 古代インドの五明(ごみょう)の一。文字・音韻・語法などを研究する
学問。
2 仏教の経文を朗唱する声楽の総称。インドに起こり、中国を経て日本
に伝来した。法要儀式に応じて種々の別を生じ、また宗派によってその歌
唱法が相違するが、天台声明と真言声明とがその母体となっている。声明
の曲節は平曲・謡曲・浄瑠璃・浪花節(なにわぶし)・民謡などに大きな影
響を与えた。梵唄(ぼんばい)。

                             合掌
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   発行     2014年3月11日 No.648
  編集・発行  609studio Michio Katayama
   発行     毎週火曜日  購読料無料

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