メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.643 ◆現代時評「秘密法にみるジャーナリズムの危機」:井上脩身  2014/02/04


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   【609 Studio】メール・マガジン 2014・2・4 No.643
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    フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
  脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
  訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「秘密法にみるジャーナリズムの危機」:井上脩身
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 特定秘密保護法が昨年12月6日、強行採決で成立した。同法は民主
主義の基本である国民の知る権利に背を向けた、いわばジャーナリズム
活動制限法である。ところが、読売新聞や産経新聞は同法の成立を歓迎
する社説を掲載した。特に読売新聞は1千万部ともいわれる我が国最大
の発行部数を持つだけに、国民世論に与える影響は無視できない。同法
が施行される今年、日本が「国家主義元年」になることを恐れる。

 戦前、国が情報を統制、太平洋戦争の多くの戦場で日本軍が玉砕して
いたことすら国民は知らされなかった。新聞は大本営発表をそのまま伝
える御用新聞と化し、結果として、悲惨な結末を迎えることとなった。

 この反省の上に立って日本は戦後、国民主権を基調とする民主主義国
家としてスタート。新聞も国民の知る権利に応える媒体として、沖縄返
還に伴う日米間の密約など、政府や官僚が隠そうとする秘密をあばき、
読者に明らかにしてきた。国が国民に隠しごとをすることは原則として
許されず、外交上、仮に秘密が必要な場合でもあくまで例外的である、
との理論が戦後ジャーナリズムの支柱なのだ。したがって秘密情報も、
できるだけ早く公開されるべきものとされる。

 公開原則主義から秘密原則主義に180度変える同法について、「憲
法を骨抜きにする愚挙」(朝日)、「民主主義の土台を壊しかねない」
(毎日)と、朝日、毎日両紙は12月7日付社説で否定的に論評した。
国民主権を守る立場から当然であろう。
ところが、読売新聞は「日本も先進国並みの機密保全法制が整った」、
産経新聞は「日本の平和と安全を維持するために必要な法整備」と同法
の成立を評価した。読売社説をさらに分析すると「米国はじめ各国から
重要な情報を入手し、連携を強めねばならない。それには秘密保護への
信頼を高めることは不可欠」としたうえで、「今回、防衛、外交、スパ
イ活動防止、テロ防止に関する、政府全体の統一的かつ本格的な秘密保
持ルールが整った」と、まるで政府機関紙のごとき賛辞を連ねている。

 この論調には、国民の視点が全く欠けている。同社説では「法の趣旨
を国民に丁寧に説明し、理解を求めていくべきである」とも付言してい
るが、ここでの国民は「国民主権の国民」ではなく「国家主権のなかの
国民」といえるだろう。

 読売の社説の検討から以下の点がうかがえる。「お国のための国民」
であった戦前から、戦後、「国民のための国」作りを始めた。ところが
今、再び「国のための国民」に戻そうとする動きがマスコミ界にも出て
来ている、ということである。

 巨大与党をバックに「強い国」づくりを目指す安倍晋三首相。権力へ
の厳しい目を研ぎすますべき新聞が政府与党となれば、戦前の体制翼賛
体制の再現になりかねない。ジャーナリズムはいま危機の時である。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2014年1月31日号
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サハリン代表団、ソチへ

 来る2月7日の20時14分にソチ冬季オリンピックの開幕式が行わ
れる。世界80余りの国から参加する2500人の選手が98のメダル
を目標に戦う。審判とボランティア、公演団などサハリンを代表する人
々もソチへ向かった。オリンピック会場には各地域を紹介する催し会場
も設けられ、サハリンも展示や公演などを行う。

州知事訪日中

 今月28日、東京で開催される「国際会議―東アジア開発展望」に参
加するためにア・ホロシャヴィン州知事が日本を訪問中だ。30か国余
りの国から政府関係者や研究者、企業家が参加する会議で州知事は「日
本―ロシア間のエネルギー橋梁調整プロジェクト」について発表した。
また、「三井」の社長や政府実務者、研究者らとも会って日本との交流
を深める問題について議論した。昨年、日本はサハリン州対外貿易量相
手国1位だった。

文化の年

 1月29日、チェホーフセンターで「文化の年」を立ち上げる公式記
念式があった。当日、州文化局長は「文化への関心を高めると共に、地
域社会経済発展における文化の役割と位置づけを模索するために文化の
年というのを制定した」と説明した。今年22の大型プロジェクトが推
進される。

新しい文化褒賞できる

 1月24日、州知事は文化分野に新しい褒賞制度を作って優秀な人材
を養成するほか、同分野の予算あるいは支援金を大幅に増やすことを指
示した。賃金の引き上げ、各地の関連施設の充実化などに力を入れる方
針だ。

旧正月を迎えたサハリン

 1月31日は旧正月。韓民族が最も重んじる日である。サハリンでも
ユジノサハリンスク市は勿論のこと、各地方で韓人団体を中心に皆が集
まって共にこと日を祝った。お正月の料理を食べながら伝統文化公演を
楽しみ、最後には一緒に歌い踊って楽しむのである。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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 今週は休載します。最新情報は下記アドレスへ。

◆日本関連
http://japanese.ruvr.ru/russia_japan/

◆国際───────────────
http://japanese.ruvr.ru/world/

◆国内───────────────
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◆[編集長から]              片山通夫
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 長らく休刊させていただきました。実はサハリンへ行っておりました。
かの地は勿論真冬で、筆者がかの地で体験したのは氷点下28度・・・。
ユジノサハリンスクから1時間ほど北へ行った山間部のシネゴルスクとい
う炭鉱の町。ここは戦前「川上」と呼ばれていた。
 
 一時期、中国資本がこの炭鉱の採掘権を取得していたが、現在はは手を
引いたという。老朽化した設備がほとんど放置されたままだった。

 これからゆっくりとサハリンレポートを書いてゆきます。
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   発行     2014年2月4日 No.643
  編集・発行  609studio Michio Katayama
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