メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.633 ◆現代時評 《結婚していない男女間の子の相続》:井上脩身  2013/11/12


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  【609 Studio】メール・マガジン 2013/11/12  No.633
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
  脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
  訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評 《結婚していない男女間の子の相続》:井上脩身
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 結婚していない男女間の子についての民法の相続分格差規定を、最高
栽が「憲法違反」と判断したことに対し、自民党の保守派議員から「こ
れでは安心して婚外子を産める」などと、筋違いの最高栽批判の声が公
然とわきあがった。結局、11月5日に開かれた同党法務部会で民法改正
の政府提案を渋々了承、今国会で成立する見通しとなったが、「法の下
の平等」という憲法理念を全く理解していない政治家が少なくないこと
を露呈。彼らが唱える「憲法改正」は、非人権尊重型憲法を目指すもの
であることをうかがわせた。

 最高栽は9月4日の大法廷で、05年に亡くなった東京都や和歌山県の
男性の遺産分割に関し、「結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産
相続分を、結婚した男女間の子の半分」とする民法の規定を、「法の下
の平等に反する」として、「憲法違反」との初めての判断を下した。1
4裁判官の一致した判断だった。

 日本の憲法については、1946年2月4日からわずか9日間で、G
HQ民政局の25人のメンバーが7つの小委員会に分かれてその草案を策
定。「人権に関する小委員会」に属したベアテ・シロタ女史は、「私生
児は法的に差別を受けず、法的に認められた子供同様に、身体的、知的
、社会的に、発展することにおいても権利をもつ」と書いた。(鈴木昭
典『日本国憲法を生んだ密室の九日間』創元社)

 「細部は法律で決めればいい」と反対され、非嫡出子平等規定は憲法
上明文化されなかった。しかし憲法第14条の「すべて国民は法の下に平
等」が、非嫡出子についても適用されるべきであるのは、草案を作るプ
ロセスからみて明らかだ。

 しかし民法第900条の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の
相続分の二分の一」の規定は削除されなかった。憲法施行から68年を
経た今年になって、最高裁の違憲判断を受け、ようやく政府がこの格差
規定の削除に動き出した。

 ところが、自民党の法務部会で「伝統的な家族制度を崩壊させる」と
異論が噴出。「国権の最高機関が、司法判断が出たからといって、ハイ
ハイと従うわけにはいかない」「自民党として最高裁の判断はおかしい
というメッセージを発するべきではないか」「違憲審査権があるからと
いって、オートマチックに受け入れられない」などの発言があった。
(10月31日付毎日新聞社説)

 自民党法務部会では、大塚拓部会長が、党内に「『家族の絆を守る』
特命委員会」を設置するなどの方針を示し、民法改正案を了承した。
(11月6日付毎日新聞)

 同部会での自民党議員の態度をみると、憲法の「法の下の平等」の理
念をはき違えていることに驚く。ここでの問題点は、生まれてきた子の
不平等をどう考えるか、なのだ。子どもを産む親が結婚しているかどう
か、が問題なのではない。こうした基本的なことも理解できない彼らが
衆参両院での多数を占める与党として政策決定に影響力を持つことに慄
然とする。

 保守政治家たちの憲法感覚の欠如を思うと、安倍政権が目指す改訂憲
法は人権擁護とは無縁の、むしろ人権抑圧型になると疑うべきであろう。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2013年10月25日号、11月1日号
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2013年10月25日号

幼稚園問題解決中

 さる22日、州政府会議で幼稚園問題が議題に上がった。政府は20
15年まで23カ所の新しい幼稚園を建設して3〜7歳までのすべての
子供が入園できるようにした後、2カ月〜2歳までの子を対称にする保
育施設も設ける計画だ。教育局長によると、今も幼稚園需要の70%し
か受容できない状態であり、教師や保育士も122人が足りない状態だ。
サハリン国立大学の関連学科で勉強している学生達が卒業するまで不足
減少は続くだろう。教師不足問題の解決のために持続的に給料を上げて
おり、現在幼稚園教師等の平均給料は月4万ルーブルまで達している。

イリインスコエ村のインフラ構築事業スタート

 トマリ区域イリインスコエ村が変わる。州政府は当村の近代化と住民
誘致のために住宅と発電所の建設に総力を注いでいる。来年から本格的
に関連工事が始まり、今後3年間30億ルーブルを投資する予定だ。2
500人が入居できるアパートの他、スポーツセンター、文化施設、幼
稚園などの建設も進められる。

裁判所の新築

 来年1月から、ユジノサハリンスク市のレーニナ通りとブマズナヤ通
りの交差点に7階建ての裁判所新築工事が始まる。完成は18年、予定
建築費は11億3千6百ルーブル。

民俗創作祝典

 25日・26日の両日、ユジノサハリンスクで「第10回サハリン州民
俗創作祝典」が開催される。音楽舞踊コンサートのほか美術展示会も開
かれる。今年はウラジオストクから民謡アンサンブルも参加する。主催
は州文化局。

ニブフ語とロシア語のオーディオ本出版

 有名なニブフ族出身作家ウラジミル・サンギ氏の童話「クイクイク、
女の子―白鳥」をニブフ語とロシア語で録音したオーディオ・ブックが
出版された。さる23日、ユジノサハリンスク市クズネチョブ図書館で
出版記念会があった。本は州内すべての図書館に置かれる。

飲酒量減少

 サハリン統計局によると、過去9カ月間、昨年同期に比べサハリン州
民飲酒量が10%減って、一人当たり8リートルだ。又、小売販売量は
昨年より3%増加し、住民一人当たり購買量は平均17万ルーブルでそ
の中で食品購買49%、非食品51%を占めた。

永住帰国説明会開催

 さる23日、サハリン韓人文化センターで2013年度永住帰国説明
会があった。説明会のために韓国から外務省、赤十字社など関連機関の
担当職員が來島した。韓国側の説明によると12月77人が京畿道パジ
ュ市へ永住帰国できる。その後は未定。まだ180人の希望者がいる。



2013年11月1日号

国際会議―「サハリンー日本橋梁工事」について

 来る11月18日、ユジノサハリンスク市で「日本―ロシア間橋梁工
事展望」を巡って議論する国際会議が開かれる。日本とロシア、ヨーロ
ッパを繋ぐ橋の建設がもたらす経済的効果、建設技術など多様な側面か
ら橋梁建設問題を検討する。会議には連邦政府極東地域大統領代表をは
じめ関連連邦政府関係者、企業家、日本代表ら参加する。

吉林省知事来島

 さる28日、中国吉林省知事を団長とする代表団がサハリンを訪ね、
投資説明会を開いた。吉林省知事とサハリン知事が会って両側の協力問
題についても議論した。サハリン州ホロシャヴィン知事によると、現在
中国はサハリン対外貿易相手国3位で最近交易量が15倍増加した。2
012年相互貿易額は24億ドル。中国は海洋バイオテク公園や林業分
野への投資する可能性があり、今後は人文学的分野へと交流を拡大して
いく予定だ。

樺太時代の遺物保存問題でシンポジウム

 10月30日から2日間、ユジノサハリンスク市で「第6回樺太時代
遺産保存国際シンポジウム」が、サハリン州文化局と駐ユジノサハリン
スク日本領事館、北海道大学の共同主催で開催された。参加者等は歴史
的遺物保存経験を交換しながら樺太時代の記念物の研究と保存に関する
事業方向を議論した。昨年札幌で第5回シンポジウムの際はコルサコフ
の日本時代銀行保存問題を審議した。

サハリンチーム、ソチ障害者スポーツ大会で入賞

 さる24日、ソチで16カ都市から140人が参加した「第3回障害
者文化スポーツ大会」でサハリン代表チームが2位を獲得した。代表団
の同胞青年二人は長飛びと車椅子走りで優勝と2位を取った。

糖尿病治療に関する研究会

 さる24日、ユジノサハリンスク市で糖尿病治療研究会が開かれた。
州内医師30人を相手にチュメニ国立研究員教授でありながらチュメニ
州立病院医師・ロシア内科技師連合会副会長のリュドミラ・スプロトワ
氏が現代的な治療方について説明した。サハリン州の糖尿病患者数は1
万3800人で糖尿病の原因となる肥満者は人口の60%。州政府は過
去16年間糖尿病治療に注力してきて肯定的な結果を生み出して居るが
、平均寿命が延びている故に患者は平均して毎年1千人ずつ増えている。
スプロトワ教授は予防策として「正しい食生活と体重管理」を強調しな
がら特に肥満との闘争が何よりも大事と述べた。

芸術学校「エトノス」がソチオリンピックで2回公演

 州政府によると、サハリン芸術学校「エトノス」がソチオリンピック
でサハリン州を代表して公演を行う。2月13〜16日まで3つのチー
ム(ロシア民謡アンサンブル、朝鮮舞踊団トラジと朝鮮国楽サムルノリ
チーム)が40分の公演を2回行うとのこと。

スキー博物館創立準備

 サハリン冬スポーツ青少年学校がスキー博物館設立のために住民らに
協力を訴えている。即ち、博物館に展示する関連資料の寄付を願ってい
る。スキー関連ものなら何でも寄付できる。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本関連

◇ロシア、日本の「ジュネーヴ2」参加を支持
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_02/123794837/

◇ロ日 アデン湾における海賊対策で協力を強化
ショイグ国防相は「2プラス2」会合を総括する記者会見で「アデン湾での
両国艦船の相互行動を強化する」と伝え、次のように続けた
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_02/123797922/

◇東京 マクドナルド ホームレス締め出し見直し
東京・京王八王子のマクドナルドが、ホームレスを歓迎されざるお客とす
る張り紙を出した事が、日本国内で差別に当たるとして批判を呼んでいた
が、27日、店からそれは撤去された。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_02/123799219/

◇ロシア ビザ廃止・優遇体制について 日本と合意する準備あり
ロシアは短期滞在についてのビザ廃止について日本と合意することを望む
ものの、日本側が主張するように、段階的に進んでいく準備もある。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_01/123764380/

◇ロシア、米国の核の傘の下の日本と軍事協力を発展できるか
露日の外務・防衛担当閣僚による協議が始まる。いわゆる「2プラス2」協
議である。ラヴロフ外相とショイグ国防相が既に日本に入っている。非常
に重要かつ非常に複雑なテーマ、露日の安全保障・防衛分野における協力
という問題が話し合われる。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_01/123777180/

◇モスクワで「47人の浪人」展が開幕
モスクワで「47人の浪人(赤穂浪士)」をモチーフにした展覧会が開幕し
た。展覧会では18世紀の江戸の町や桜の咲く日本庭園のマルチメディア・
プロジェクションが映し出される。いずれもロシアでは初めて公開されるも
のばかり。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_04/123857629/

◆国際───────────────

◇金正恩の叔母 米国に政治亡命
北朝鮮の指導者である金正恩氏の母親の妹は1998年から米国に在住している
と見られていたが、米国への政治亡命を認められた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_05/123927109/

◇豪州 歯のある巨大カモノハシの化石が発見
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_06/123931197/

◇ジンバブエの4つの学校 ゴブリンで閉鎖 (ビデオ)
ジンバブエの南マタベレレンド州にある小学校および中学校では、教師らが
ゴブリンに襲撃されたことをうけて閉鎖となった。4つの学校が影響を受けた
。AllAfrica.comが伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_01/123718598/

◇アラブ諸国連盟、シリア反体制派に「ジュネーヴ2」参加呼びかけ
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_04/123868594/

◇中東で作戦を変える米国
共和党議員らは中東における姿勢が弱腰だとしてオバマ大統領を非難してい
る。共和党上院議員のジョン・マケイン氏とリンシー・グレム氏は、シリア
への武力介入に向けた路線を大統領府が取り下げたことで中東における米国
の権威は広範な範囲で危機に陥ったと批判した。その証拠として二人の議員
は、サウジアラビアとの関係悪化に特に注意を傾けている。だが共和党とワ
シントンのサウジアラビアのロビーストらが昔から緊密な関係を有している
ことは周知の事実だ。このため米国がシリア攻撃を取りやめたことを理由に
サウジアラビアが嘆くのを、有力な共和党議員があたかも自分の不幸のごと
く受け止めたのも、なにも驚くことではないのだ。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_30/123644784/

◇メディア報道:CIA シリア武装組織を訓練
CIAは総勢1000人近くのシリア武装グループを訓練したという。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_01/123760151/
◆ロシア国内────────────

◇ロシア、武器輸出の半分がアジア向け
ロシアの武器輸出の約半分がアジア太平洋地域諸国に向けられている。4日バ
ンコクで開幕したアジア「国防・安全保障2013」展で、「ロスオボロンエク
スポルト(ロシア国防輸出)」のヴィクトル・ブラクノフ報道官が述べた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_04/123875506/

◇五輪マークのついた「ソユーズ」 打上げへ準備(フォト)
五輪シンボルマークのついた宇宙船「ソユーズ」のバイコヌール宇宙基地か
らの発射準備が進んでいる。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_05/soyu-zu-sochi/

◇モスクワの「ミス・ユニバース」、民族衣装で百花繚乱
モスクワで「ミス・ユニバース」コンテストが開催中だ。86人のコンテスタ
ントの中で誰が一番美しいのか。それは間もなく9日に決定する。少女たち
は影に日向に「自分を見せる」戦いを続けている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_05/miss-universe/

◇ルーブル札の図柄、ロシア国民自身が選ぶ
新ルーブル紙幣の図柄決定が大詰めだ。ロシア中央銀行は公式サイトに5つ
の図案を提示、決選投票を呼びかけている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_11_05/123927580/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 秋の好天が続いていたと思ったら、7日、秋田で強風による被害が。
秋田魁(さきがけ)新聞によると「秋田市強風被害、少なくとも14棟」
とあった。原因がはっきりしないとか。何か怪しの気配がする。

 怪しの気配と言えばこちらも。極端に国民を縛り、監視する政策のよ
うだ。これを世間では《愚民化政策》というらしい。
 日本の話だ。隣の大国のことでもない。いや、いっそ一党独裁と言っ
たほうが、よほどわかりやすい。これも我が国のことだ。

 誰かが止めてくれるという期待はしないほうがいい。それは時として
日和見になりかねない。

 秘密保護法案、原発再稼働、食品偽装・表示・・・・。
これみんな我が国のことだ。今の問題だ。
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  発行     2013年11月12日   No.633
  編集・発行  609studio Michio Katayama
  発行     毎週火曜日  購読料無料
  配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
  MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020
  contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html
  website  http://www.609studio.com/
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