メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.631 ◆現代時評 《小泉元首相の脱原発発言》:井上脩身  2013/10/26


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  【609 Studio】メール・マガジン 2013/10/29  No.631
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
  脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
  訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評 《小泉元首相の脱原発発言》:井上脩身
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 「原発をゼロに」と言い出した小泉純一郎元首相の脱原発発言が波紋
を呼んでいる。放射性廃棄物の処分場がない、というのがその論拠のよ
うだ。小泉氏の首相在任期間は、高速増殖炉もんじゅの運転をめぐって
住民が起こした裁判が、高裁の原告勝訴から最高裁で一転、国の推進政
策に軍配が上げられた時期と重なる。国は危険性を指摘されているもん
じゅの存続方針を今も変えていない。小泉氏は小泉政権の原発政策を反
省し、今すぐ、もんじゅ廃炉を強く訴えるべきである。

 もんじゅ訴訟は、動力炉・核燃料開発事業団が1980年、国に原子炉設
置許可の申請を行ったことに始まる。83年、国が許可処分を出したのに
対し、85年、住民が原子炉の建設・運転の差し止めを求める訴えを起こ
した。
 もんじゅについては、燃料に含まれているプルトニウムが極めて強い
毒性をもつうえ、冷却材として用いるナトリウムのコントロールが難し
いことから、危険増殖炉といわれていた。はたして95年、配管からナト
リウムが漏れて火災が発生、運転休止に追い込まれた。ところが2000年、
福井地裁は「設置許可処分に違法はない」として、住民側の請求を却下
した。
 「自民党をぶっつぶす」と威勢よく旗揚げした小泉氏が政権の座につ
いたのは01年4月。03年1月、もんじゅ訴訟で名古屋高裁金沢支部は「
安全審査の看過しがたい過誤と欠落がある」として、「設置許可処分は
無効」の判決を下した。原発の安全審査の在り方に疑問を投げかけた判
断だった。

 しかし05年5月、最高裁は「安全審査の過程に何ら過誤、欠点はない
」との国側の主張にそって「設置許可に違法性はない」と判決し、住民
の請求を退けた。国は司法のお墨付きを得てもんじゅ運転再開に向かう。
小泉氏が政権の座を退くのは翌06年9月である。

 もんじゅは10年5月に再開。しかし同8月、装置の不備から落下事故
が起き、またも休止になった。だが、国はなおもんじゅを存続させる方
針である。
 小泉氏の脱原発発言が注目されるようになったきっかけの一つに、今
年8月26日付毎日新聞のコラム「風知草」がある。同コラムによると、
小泉氏は8月中旬、フィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」を
見学した。コラム筆者の山田孝男記者が感想を尋ねたところ、「(核廃
棄物の保存は)10万年だよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原
発ゼロしかない。今ゼロという方針を打ち出さないと、将来ゼロにする
のは難しい。総理が決断すりゃできる」と答えた。

 小泉氏が総理であった時に、もんじゅ廃止を決断していれば、最高裁
の判決は違っていたかもしれない。高速増殖炉による核燃料サイクルは
何の展望もないことはもはや明白である。小泉氏が元首相としての責任
を自覚するならば、もんじゅ廃炉運動の先頭に立つくらいの気構えを持
つべきであろう。でなければ、「目立ちたがり屋の小泉節」と安倍政権
になめられる。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:
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 届いておりません。届き次第お届けします。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本関連

◇東京電力 福島原発事故被害者らへの賠償金用に500億円近く
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_25/123395800/

◇ユジノサハリンスクの市民 日本総領事館にレクリエーションゾーン
を保護するよう要請
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_24/123339559/

◇日本のメーカー 放射線遮蔽服の生産開始
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_24/123327744/

◇福島第一原発 排水溝のベータ線レベル 2倍に
福島第一原子力発電所の汚染水タンクのそばを通る排水溝の水のベー
タ線量のレベルが、1リットル当たり最大14万ベクレルに達した。
24日、東京電力が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_24/123325203/

◇福島での状況 国際コントロール下に
 IAEA(国際原子力機関)の専門家グループは日本政府に対して、福島
での汚染土壌の処理および浄化についてまとめた提言書を提出した。
これは周辺2000万立法メートル以上の膨大な土壌を処理するという遠
大な課題である。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_23/123291094/

◇福島第一原発 排水溝の水の放射性ストロンチウムの濃度 約12倍
に上昇
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_23/fukushima-mizu/

◆国際───────────────

◇中国 国家債務はコントロールされている されど規模は不明
中国政府は、国家債務は安全にコントロールされているとしているが、
その規模については明らかにしていない。それが中央政府による債務な
のか、地方行政府によるものなのかもうやむやなままだ。地方が銀行や
投資家からどれほど借り入れているのかは、2010年末から試算も上がっ
ていない。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_24/123338959/

◇メルケル、米国の諜報機関に対する共闘を欧州諸国に呼びかけ
ドイツのアンゲラ・メルケル首相はブリュッセルで24日開幕したEUサミ
ットで、ドイツはフランスとともに米国の諜報機関との共同関係を見直
すことについて「イニシアティブをとっていく」と発表した。英紙フィ
ナンシャル・タイムズが報じた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_25/123396173/

◇中国 漢方薬原料として養殖されていたゴキブリ150万匹逃亡
http://japanese.ruvr.ru/2013_08_26/chuugoku-gokiburi/

◇ウクライナ 新しい火力発電所建設で チェルノブイリの放射性雲を
懸念
チェルノブイリ・ゾーンの境界に位置するイワンコフ村では、新しい火
力発電所が建設されている。地元ではこれが「第二のチェルノブイリ」
と呼ばれている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_22/123226837/

◇よかったね、ハリー王子! ガールフレンドがプロポーズ承諾
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_08/122551623/

◇日本のファーストフード食材に福島産
日本のファーストフードチェーンである「吉野家」は、食材を福島で
栽培することを計画している。福島原発からおよそ100キロのところ
だという。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_02/122289221/

◆ロシア国内────────────

◇安価な石油を謳歌した時代は終焉に近づく
世界エネルギー会議は、現在世界で探査が終了している油田の石油の
量はこの先56年しかもたず、ガスにいたっては55年という調査結
果を発表した。むろん、このシナリオに専門家らの全員が賛成してい
るわけではないが、大多数の意見では、石油・ガス部門には苦しい時
代の到来が予期されている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_22/123234441/

◇ガスプロム、日本代表部を開設へ
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_14/122868818/

◇ロシア製のお盆に載せられた日本の昔話
モスクワ郊外のムィチシでロシアの民俗工芸、日本の伝統芸術を紹介す
る展覧会が実施されている。実は、ジョストヴォのお盆やフェドスキノ
のパピエマシェ漆細工はまさにこのムィチシに程近いジョストヴォ村、
フェドスキノ村で生まれたもので、こうした場所では現在でも驚くほど
繊細な工芸品が生み出されている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_21/123185954/

◇五輪聖火、史上初めて北極点へ
ソチ冬季五輪の聖火が原子力砕氷船「戦勝50年」号に乗って、史上初め
て北極点に届けられた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_25/123387210/

◇旅する猫
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_25/123336155/

◇モスクワ女性の東南アジア節約旅行 
http://japanese.ruvr.ru/2013_10_25/123411063/

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◆[編集長から]              片山通夫
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 大手メディアの動きが鈍い。安倍内閣の目論む秘密保護法案に対して
である。今が、おそらく治安維持法が出来た前夜と同じような閉塞して
いる時代なのかもしれない。
 先日、友人と飲んでいてこんな話になった。
友人「昔、フランスに行きたし、されど(だったか?)フランスはあま
りに遠し」なんて詩があったようだったが」
筆者「《ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し》だ
な。萩原朔太郎の詩だ」
友人「秘密保護法案見ていたら、どこかへ亡命したくなる」

 秋の夜の会話・・・。
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  発行     2013年10月29日   No.631
  編集・発行  609studio Michio Katayama
  発行     毎週火曜日  購読料無料
  配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
  MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020
  contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html
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