メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.610 ◆現代時評「もんじゅ」と安全文化の劣化:井上脩身  2013/05/28


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  【609 Studio】メール・マガジン 2013/5/28  No.610
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   フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
  脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
  訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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 ◆現代時評「もんじゅ」と安全文化の劣化:井上脩身
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 原子力規制委員会は今月15日、高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日
本原子力研究開発機構に対し、運転再開準備を進めないよう命じること
を決めた。規制委は約1万個の機器の点検漏れがあったことを重視し、
「安全文化が劣化している」と判断したという。軽水炉に比べて制御が
難しく、危険性が一層高い高速増殖炉を扱う原子力機構の危機意識が乏
しいというのである。もんじゅを核燃料サイクル計画の要と位置づけて
きた自民党政府の責任は重大である。

 機構は昨年11月、保安規定に基づく機器の点検漏れが9679個あったと
公表。規制委が立ち入り・保安検査をした今年2〜3月にも、非常用発
電機などの重要機器で点検漏れが発覚した。
 規制委は点検漏れの原因について「業務は担当者任せで、現場の不適
切な点検先送りが繰り返された」などと指摘。安全を最優先に業務が行
われる体制づくりができていなかったことを保安規定違反とした。(5
月15日付毎日新聞)
 もんじゅは1983年、国によって設置が許可され、85年、着工。91年
に試験運転が開始されたが、95年12月、ナトリウム漏れ火災事故が
起きて運転を停止。2010年5月、運転再開したが同8月、核燃料交換装
置が原子炉内に落下し、再度停止になった。1兆円以上の予算が投じら
れたが、実用化の見通しはたっていない。

 高速増殖炉は、冷却材のナトリウムが水と反応して激しく燃える性質
があり、制御や事故時の対応が難しい。このため、福島原発事故後、も
んじゅの廃炉を求める声が高まった。11年12月、もんじゅが立地してい
る福井県敦賀市で「もんじゅを廃炉へ!全国集会」が開かれた際、参加
者一同の名前で、同機構の鈴木篤之理事長宛ての廃炉要請文書が機構職
員に手渡された。

 その鈴木理事長は点検漏れ発覚後の規制委の聴取に「事故は常に起こ
り得る。形式的ミスが出るのはやむを得ない」と発言した。
 大型ジェット旅客機の整備について仮に手抜かりがあった場合、「形
式的ミスに過ぎない」と経営トップが開き直ったらどうなるだろう。社
長のクビが飛ぶだけでは済まず、会社への信頼は地に落ちるだろう。高
速増殖炉が、猛毒のプルトニウムが漏れだすような重大事故を起こせば
、福島事故をはるかに上回る被害をもたらす。その自覚があれば、「形
式ミス」という言葉が出るはずがない。

 鈴木理事長は17日、運転再開準備見合わせの責任をとって辞任したが
、このことで同機構の安全軽視体質が不問にされてはならない。しかし
阿部晋三首相は核燃料サイクルに関し、参院予算員会で「継続して進め
る」と明言。同機構にメスを入れようとはしない。

 高速増殖炉については、ドイツは91年、米英は94年に運転を停止
。フランスも98年、実験炉開発を断念した。先進国の中で日本だけが存
続にこだわる。福島事故後も政・官・財・学の「原子力ムラ」が安全神
話にどっぷり浸かり、危機意識が欠如しているからであろう。「安全文
化の劣化」は原子力ムラそのものなのである。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません
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 届き次第お届けいたします。
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 ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
           引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本関連

◇ドリームライナー 再び空へ
日本政府は、旅客機ボーイング787ドリームライナーを日本の航空会社
が再び使用する事を正式に許可した。これは24日、太田国土交通相が東
京での記者会見で明らかにしたもの。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_24/114135575/

◇サハリンでの強い地震 モスクワでも揺れ
マグニチュード8.2の地震がサハリンで発生した。日本の気象庁が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_24/114140880/

◇日本 すべての市民に対して統一個別番号 導入へ
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_24/114142854/

◇日本政府 北朝鮮の対話再開姿勢を歓迎
 日本の菅官房長官は24日、北朝鮮が朝鮮半島問題に関する対話を再開
する姿勢を示したことについて、「北朝鮮が挑発的行動をやめて対話の方
向性を示すことが事実であれば、前向きな動きであると考えられる」とし
て歓迎した。日本のマスコミが伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_24/114144649/

◇日本への渡航が簡略化へ
日本はビザ制度を簡略化してインバウンドの拡大に努める意向を表してい
る。内閣は今年13年のインバウンドを1千万人まで増やし、その後、最
高2千万人にまで増やす期待を表した。昨年12年、日本を訪れた外国人
の数は840万人で、そのうち5万人がロシア人だった。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114238976/

◇世界初 日本の企業「クモの糸」の量産に成功
日本のバイオベンチャー企業スパイバーは、鋼鉄よりも強くナイロンより
も伸縮性のある繊維「QMONOS」(クモの巣)を量産する技術を世界
で初めて確立した。スパイバーが25日、伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_26/114254969/

◆国際───────────────

◇磁気嵐が始まった
地球では磁気嵐が始まった。磁気嵐は太陽フレアによって引き起こされる
現象。アメリカ海洋大気庁、宇宙天気予報センターの調べでは磁気嵐が2
2日に始まったことが確認されている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_26/114254940/

◇誰がケネディーを殺したか?
ケネディー大統領暗殺事件の新説を唱える本、『ケネディーを殺した人間。
L.ジョンソンの帰結に異議を唱える』が出された。執筆したのはニクソ
ン元大統領の補佐官を勤めた、ロジャー・ストーンという人物。この本は
ケネディー大統領殺害の裏にいた真犯人について、再び問題を投げかけて
いる。著者のロジャー・ストーン氏はVORからの特別インタビューに対
し、罰せねばならないのはリンドン・ジョンソン副大統領だと断言した。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114246202/

◇チャド 国家クーデターの試み失敗
アフリカ北部の内陸国チャド共和国当局は、国内状況の不安定化を試みた
陰謀グループを無力化させたと発表した。同国内では、在野勢力の活動家
1人を含め、数人が逮捕された。AFP通信が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_02/112313730/

◇韓国の元モデル 整形で顔面崩壊 顔に食用油を注入
韓国人の元モデルHang Miokuさんは、自分の顔に食用油やシリコンを注入
した結果、美貌を失ってしまった。整形により、Hang Miokuさんの顔面は
崩壊した。英デイリー・メール紙が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_10/112927621/

◇シリア反体制派勢力による化学兵器使用 証拠が国連へ
シリアに滞在したロシア人ジャーナリストらは、アレッポ近郊でシリア反
体制派勢力が3月19日に化学兵器を使用したことを示すビデオ映像を国連
に提出した。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_24/114137059/

◇シリア政府 シリア国際会議への参加を確認
シリア政府は、ジュネーブで開催予定のシリア問題に関する会議への参加を
確認した。ロシア外務省のルカシェヴィチ報道官が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114239161/

◆ロシア国内───────────────
 
◇スパイ事件2013:粗雑な行為
スパイスキャンダルが、露米関係の発展に影響を与えることはない。アナリ
ストたちは、米国務省と同じく、そのような期待を表している。ロシア連邦
保安庁に「スパイ容疑」で現行犯拘束された在モスクワ米大使館のライアン
・フォグル3等書記官は、国外追放処分となった。専門家たちは、これによ
り今回の事件は万事丸く収まったとの確信を示している。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_19/113731297/

◇カムチャツカでより大きな地震の可能性
5月末までカムチャツカ半島南部でマグニチュード7程度もしくはそれ以上
の地震が発生する恐れがある。カムチャツカ半島沖では24日、マグニチュ
ード7.4の地震が発生した。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114227293/

◇ロシアの漂流実験ステーション 計画を切り上げ避難
ロシアの漂流実験ステーション「北極(セーヴェルヌイ・ポリュス)40」は、
事前の計画より3か月早く、その作業を終了する。近く、ロシア天然資源省
は、氷上で年次調査を実施している16名の隊員達の避難計画をまとめる。
現在ステーションは、カナダの経済海域内を漂流中だが、氷が崩れ始めてい
るからだ。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114237086/

◇ロシア外務省代表:橋下氏の慰安婦関連発言は「シニカル」
最近日本の右翼政治家が歴史問題について愛国主義的発言を繰り出したこと
が、モスクワの関心を呼んでいる。リア・ノーボスチがロシア外務省アレク
サンドル・ルカシェヴィチ公式代表の発言を伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_23/114099467/

◇サンクト・ペテルブルグ、建都310年を祝う
 北の都サンクト・ペテルブルグは、5月25日から建都310年の関連
祝賀行事を3日間にわたって繰り広げる。公式的な行事は建都の記念日
である5月27日に行われる。
http://japanese.ruvr.ru/2013_05_25/114249615/

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  ◆[編集長から]              片山通夫
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 《自らがまいた種》を今、橋下市長は、あたふたとほじくり返している
ように見える。25日の民放テレビでの発言を見てみると《在日米軍に
風俗業の活用を求めた発言について、米軍と米国民に謝罪、発言を撤回
する意向を示した》ようだ。

 一般的に思うのだが、政治家などは、前言を撤回し陳謝すれば、それ
でことは収まるというのが筆者には疑問だ。海外の政治家などがどのよ
うな対応をとっているのか知らないから、あまり偉そうには言えないが
およそ、責任ある公人が、陳謝して撤回でことが収まるなら、ずいぶん
楽な商売だと思う。

 世にアドバルーンという表現がある。世論などの反応を見るために、
ひょいと当事者のみならずからに近いグループなどが、言ってみるとい
うあれだ。別名観測気球ともいう。

 この観測気球は時として必要なのかもしれないことは理解できる。世
間の動向を図って政策に反映させるということは重要なことだからだ。
 しかし、今回の橋下市長の言は確信犯だ。観測気球とかいう生易しい
ものではない。

 ここで話は元に戻るのだが、「前言を撤回し陳謝すれば」それでいい
のかということだ。やはりそれはないだろうと思うのだが、わが国の国
民はそれほど肝要なのだろうか。
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  発行     2013年5月28日   No.610
  編集・発行  609studio Michio Katayama
  発行     毎週火曜日  購読料無料
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