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───────────────────────────────── 【609 Studio】メール・マガジン 2013/3/12 No.601 ───────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載! ───────────────────────────────── ◆◆休刊のお知らせ◆◆ 都合で3月29日および26日のメールマガジンは休刊いたします。 セコリョ新聞日本語翻訳は後日まとめてお届けいたします。 ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」情報 Lapiz2013春号好評発売中! 詳しくは http://www.lapiz.bz/ ───────────────────────────────── FaceBookをはじめました。 http://www.facebook.com/#!/michio.katayama.5 ───────────────────────────────── 新刊書紹介 《タイトル》 《ふるさとはポイズンの島 ビキニ被ばくとロンゲラップの人びと》 電子雑誌 Lapizで活躍中の渡辺幸重さんがこのほど上梓されました本 を紹介します。 渡辺幸重 (著), 島田興生 (写真) 価格: ¥ 1,575 発行 旬報社 《内容》 中部太平洋のマーシャル諸島で、アメリカは1946年から67回の 原水爆実験を行いました。特に、1954年3月1 日の水爆ブラボーは、広島に落とされた原爆の約1000倍の威力を持 つという強大なものでした。 それは広く太平洋に大量の放射能をまき散らし、さんご礁の島々で平和 に暮らしていた多くの人びとを被ばくさせました。 その日、ロンゲラップ環礁では、胎児4人を含む86人がその放射性 物質降下物を浴びました。しかも3日間何も知らされないまま放置され たのです。島外に避難して3年後、1957年にアメリカが安全宣言を 出し、島に帰ったものの、島にはまだ強い放射能が残っていました。そ れから28年間、数百人が放射線を浴び、がんや白血病、甲状腺障害、 流産・死産、先天性の身体的・精神的障害に苦しまされたのです。 1985年、人びとは自分たちの判断で故郷の島を脱出しました。 “ポイズン(毒=放射能)”に汚染された故郷を捨てなくてはならなか ったのです。 ◆主な目次 1)脱出 2)メジャトでの暮らし 3)被ばくとの闘い 4)思いはふるさとへ 5)ふるさとの島ロンゲラップ 6)リーボムの想い 7)ジョン・アンジャイン村長の生涯 【解説】ビキニ水爆実験とロンゲラップの人びと ロンゲラップ1次被ばく者全リスト 旬報社ホームページ http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/808 ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」β版 *東日本大震災*Portrait of Sakhalin*自然遺産 屋久島 以上3点をDLマーケットにアップロードしました。 販売スタンドなど詳しくは下記へ。 http://www.lapiz.bz/ ───────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 片山通夫 著 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ───────────────────────────────── ◆現代時評_1「国家のグランドデザインを描け」:片山通夫 ───────────────────────────────── 東日本大震災から2年がたった。民主党政権の2年間は、不毛の2年 間だった。菅政権時代に起こった大震災は未曾有の被害をもたらし、福 島県では「原発事故」が今も「収束」できずに、原発周辺の住民の避難 は続いている。 昨年末に民主党政権から自民党政権に代わった。安倍首相は「原発の 再稼働」を優先する為にか「環境相の審議会で脱原発派3委員の起用撤 回」した。石原環境相の意向かと言われている。 福島の現状はどうか。朝日新聞に目を向けると「原発事故で避難の福 島県民、5.4万人あと4年は帰れず」とあった。2008(平成20) 年10月1日現在で、2,055千人(福島県HP)だったので、じつ に27%近い人が今後4年間は自宅に帰れないということだ。つまり、 事故から6年間は帰れないということになる。 6年間と言うと長い。長いということは、避難先で居住地と仕事を求 めてゆかなければならないということだ。 4年後に「はい、除染できました」と言って故郷に帰ることが可能か 否かはもちろん人にもよるだろうがかなり難しい問題だと言える。はた して何人の人が4年後に帰る意思を持ち続けることができるか。 一方、安倍政権は、福島の現状を横目で見ながら、再稼働を見据えて 着々と手を打っている。 経済のためなら、田を犠牲にしてもよいという姿勢にしか見えない。 はたして、その政策がこの国の将来のためになるのかどうか疑問だ。 政治は、目先にとらわれないで「国家100年の計」、つまり国家の あるべき姿=グランドデザインを描くことから始めなければならないと 思うのだが。 ───────────────────────────────── ◆現代時評_2「春まだ浅く…」:片山通夫 ───────────────────────────────── 春まだ浅く 月若き 命の森の夜の香に あくがれ出て 我が魂の 夢むともなく夢むれば 狭霧(さぎり)の彼方そのかみの 望みは遠くたゆたひぬ 石川啄木の《雲は天才である》という作品に含まれている詩だ。 さて、異常に長いというか、寒い冬が終わろうとしている。こんな時 期にふと思い出すのが、啄木のこの詩。 啄木が《雲は天才である》を書いたのは、1906年のことだった。 この前年には日露戦争が終わって、南樺太をロシアから割譲を受けた。 おそらくその頃の我が国は、朝鮮半島を併合し、樺太を手中にして意 気軒昂だった。それもロシア帝国という大国に勝った勢いは国民を鼓舞 したことだったろう。 その頃の世情のなかで書いた《雲は天才である》には、当時の啄木が 日露戦争に勝利し、朝鮮半島を植民地にしたことを素直に喜んでいた。 啄木は岩手日報に「戦雲余録」(1904年3月3日−19日)を断続 的に掲載していた。《世界には永遠の理想があり、一時の文明や平和に は安んずることができないから、文明平和の廃道を救うには、ただ革命 と戦争の2つがあるのみだ》と断じていた。また《今の世には社会主義 者などと云ふ、非戦論客があって、戦争が罪業だなどと真面目な顔をし て説いて居る者がある…》と書き、幸徳秋水や堺利彦らをばっさり切っ て捨てている。啄木は《露国は我百年の怨敵であるから、日本人にとっ て彼程憎い国はない》と書き、ロシアに対する反発も強かった。 ところが啄木は一転して反戦派に変わった。何があったのだろうか? 日露戦争講和後、大逆事件が発覚(1909年年6月)した後、幸徳 秋水の「平民新聞」を調べ、トルストイの戦争論を書き写し、考えたと いうか、目を見開いたようだった。無造作に戦争を是認し、かつ好む「 日本人」の1人だった事を告白、トルストイや幸徳秋水らを切実に思う ようになったと言えるのではないか。 そして啄木は詠んだ。(一握の砂) 地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風を聞く 《春まだ浅い》夜に啄木を思いつつ・・・。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2013年3月8日号 ───────────────────────────────── 州知事からのメッセージ:女性の日を祝う 3月8日は我国で最も愛されている日です。この世に美しさを齎し、 子供達に生命を与え、家庭で暖かさと道徳を教える人たち、即ち尊い貴方 −女性の日だからです。人生の成功は完璧かつ健全たる家庭のうえに立つ もの。だから、我々は良い家庭を作り上げるために最善をつくしておりま す。サハリン州では毎年多数の子女家庭が増えており、多くの孤児が養子 縁組の機会を求めています。また、州政府は社会保障政策を通じてすべて の子供たちが母親の愛情の元で育つことを願って支援を行っています。母 親として又社会人として活躍する女性の方々を応援しながら、皆様方のご 健康とお幸せを心からお祈り申し上げます。 日本外務省代表來島 さる5日、日本外務省東北アジア局代表等がサハリン韓人支援事業を審 議するために來島した。6日、代表団はイム・ヨングン韓人会長をはじめ、 関連社会団体代表らと会談するほか、ウリマル放送局とセコリョ新聞社を 訪ねて実態把握に努めた。 今年のスケソウダラ漁業 今年に入ってからの2カ月間、サハリン州でのスケソウダラ漁獲量は7 万3千500トン。極東で3番目に多い漁獲量だ。漁獲量1位プリモリエ (14万7千トン)、2位ハバロフスク(12万400トン)だ。クォタ ー実行面ではカムチャッカ地域が最も優秀だ(50.8%)。 吹雪で大被害 3月2日、一日中強風を伴った大雪が降った。2日1日で1カ月分の積 雪量で都市は大混乱。空と海の運輸手段がすべて運行中止、市内バス運行 もできなかった。また、電気や水道、暖房が止まった地域も多かった。 大学生才能フェスティバル 3月22日、サハリン州国立大学は州内学生を対象に「才能フェスティ バル」を行う。今年で10回目を迎える同行事は音楽や舞踊、演劇分野な どで才能のある学生等を発掘、励ますために企画されたもので今年はジャ ーナリズム分野が新たに加えられた。 CCTVで窃盗犯逮捕 昨年12月8日、ユジノサハリンスク市内の宝石店で25万ルーブル相 当の宝石を盗んだ窃盗犯が逮捕された。店内に設置していたCCTVで犯 人を素早く見つけ出すことが出来たのである。 盗んだお金で借金返済 最近、コルサコフ市で財務担当の会社幹部が公金200万ルーブルを横 領して個人の借金返済に使ったことがわかった。 ───────────────────────────────── ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>> 引用元 http://japanese.ruvr.ru ───────────────────────────────── ◇約300名の日本人 南クリルおよびトクトに住民票 現在、約300名の日本人が南クリルおよび韓国が実効支配する竹島(トク ト)に住民登録をしているという。本日、そのような調査結果が共同通信 によって伝えられた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_05/106990907/ ◇韓国 日本製品ボイコットというブーメランを投げる http://japanese.ruvr.ru/2013_03_05/106980450/ ◇ロシア鉄道 日本製のレールを購入 「ロシア鉄道」は2012年、ロシアの冶金業界が製品を供給できなか ったため、日本製のレールを購入する必要に迫られた。リア・ノーヴォス チ通信が、「ロシア鉄道」のヤクーニン社長の発言を引用して伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/2012_11_21/95409241/ ◇モスクワで開かれた「ひな祭り 子供たちはお祝いが大好きだ。特に、自分が主役のお祝いは喜びもひと しおだ。モスクワにあるプーシキン美術館付属の青少年芸術教育センター 「ムセイオン」で3月3日、日本の「ひな祭り」が祝われた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_07/107264124/ ◇日本 36回にわたる「救急搬送受け入れ拒否」で男性死亡 埼玉県の25の病院が、集中治療室への救急患者の受け入れを36回にわた り拒否し、その結果、久喜市在住の75歳の男性が亡くなった。AFP通信が 、日本の複数のマスコミ報道を引用して伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_06/107060151/ ◆国際─────────────── ◇インド 女子学生レイプ事件の被告 自殺 インドのNDTVの報道によれば、昨年12月起きた女子学生レイプ事件の主犯 の1人とされるラム・シン被告が、現地時間で朝5時頃(モスクワ時間で3 時)ティハル刑務所の独房で首を吊った。この他の詳細は伝えられていない 。AFPは「彼は死んだ」という刑務所のスポークスマンのコメントのみを伝 えている。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_11/107549761/ ◇カザフスタン、豪雪による通行止めで数百人が避難 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_10/107491035/ ◇ベネズエラでチャベス元大統領の葬儀(ビデオ) http://japanese.ruvr.ru/2013_03_09/chabesu-sougi/ ◇米国の小学校でおもちゃの兵隊、暴力のプロパガンダだとして没収 米ミシガン州の小学校校長が3年生からおもちゃの兵隊を取り上げた。彼の 母親が彼の誕生日のケーキの飾り用いたものだ。The Daily Mailが伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_10/107471981/ ◆ロシア国内─────────────── ◇ロシア、米国と同様の特殊任務部隊を創設 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_06/107131999/ ◇プーチン大統領:3期目、最初の一年 プーチン大統領に対するロシア国民の信頼は、依然として高い。大統領選 挙から1年が経過した今も、国民の65パーセントがプーチン大統領を支 持している。 http://japanese.ruvr.ru/2013_03_04/106833149/ ◇ロシア議会、辞職でスキャンダルを回避 ロシア議会は所得隠蔽を行なったり、独自の事業を続けるといった違法行 為で摘発された議員を排除する。議会では数名の議員が全権を剥奪される という事件が続いたあと、自ら議席を退く議員らが相次いだ。2月末、下 院(国家会議)からは与党「統一ロシア」党出身の3人もの議員が去って いる。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 昨日のテレビ放送や新聞は《あれから2年》というニュース番組のオ ンパレードだった。 筆者も新聞やテレビにかじりついて、あの大震災を思い起こしていた。 合掌 ───────────────────────────────── 発行 2013年3月12日 No.561 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.lapiz.bz 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ─────────────────────────────────****** |