メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.555 ◆現代時評「厳寒のとき」:片山通夫  2013/01/29


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 【609 Studio 】メール・マガジン 2013/1/29  No.555
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  フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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 《タイトル》
 《ふるさとはポイズンの島 ビキニ被ばくとロンゲラップの人びと》
 
電子雑誌 Lapizで活躍中の渡辺幸重さんがこのほど上梓されました本
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渡辺幸重 (著), 島田興生 (写真)
 価格: ¥ 1,575
 発行 旬報社
 
《内容》
  中部太平洋のマーシャル諸島で、アメリカは1946年から67回の
 原水爆実験を行いました。特に、1954年3月1
 日の水爆ブラボーは、広島に落とされた原爆の約1000倍の威力を持
 つという強大なものでした。
 それは広く太平洋に大量の放射能をまき散らし、さんご礁の島々で平和
 に暮らしていた多くの人びとを被ばくさせました。
 
 その日、ロンゲラップ環礁では、胎児4人を含む86人がその放射性
 物質降下物を浴びました。しかも3日間何も知らされないまま放置され
 たのです。島外に避難して3年後、1957年にアメリカが安全宣言を
 出し、島に帰ったものの、島にはまだ強い放射能が残っていました。そ
 れから28年間、数百人が放射線を浴び、がんや白血病、甲状腺障害、
 流産・死産、先天性の身体的・精神的障害に苦しまされたのです。
 
 1985年、人びとは自分たちの判断で故郷の島を脱出しました。
 “ポイズン(毒=放射能)”に汚染された故郷を捨てなくてはならなか
 ったのです。
 
◆主な目次
 1)脱出
 2)メジャトでの暮らし
 3)被ばくとの闘い
 4)思いはふるさとへ
 5)ふるさとの島ロンゲラップ
 6)リーボムの想い
 7)ジョン・アンジャイン村長の生涯
 【解説】ビキニ水爆実験とロンゲラップの人びと
 ロンゲラップ1次被ばく者全リスト
 
旬報社ホームページ
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 ◆現代時評「厳寒のとき」:片山通夫
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 ここ何日か、日本列島だけではなく、東アジア全体が寒さに震えてい
る。ユジノサハリンスクからの連絡によれば、先週は連日吹雪で、外出
もままならないという話が伝わってきた。先週の金曜日に、ある取材で
福井県敦賀市へ行った。当初、車で出かける予定だったが、気候情報が
全て情報が《猛吹雪》の予報だったので、急遽列車で向かった。
 途中、滋賀県内はほとんど雪もなく「なんだこれじゃ車のほうが・・
」と思ったが、福井県に入るとそこは立派な《雪国》だった。

 この季節、気候を読むのは難しい。まして今ここはいい天気だと思っ
ても、行き先によっては、かなり変化する。筆者の知り合いに富山県に
住む人がいる。テレビなどのニュースで富山は猛吹雪だとか聞いて、「
雪見舞い」と称して電話などしても、「ウチは大丈夫」という返事が来
たりして、驚くばかりの時がある。

 先日も、地球温暖化が原因で、氷山の崩落が話題になったことがある。
しかしここのところの寒さに接してみると、温暖化なんてどこ吹く風の
感がある。

 さて、敦賀で聞いたのだが、「この街ではまだ星空がきれいし、天の
川も見える時があるのですよ」という。冬の星空は冴えてよく見えると
も。
 敦賀は原発の町である。原子力で発電された電力は、列車で2時間あ
まり、車でも3時間足らず大消費地・大阪に運ばれる。その大阪の街で
は「星空がみえない」日がほとんどだ。もちろん、原因はほかにあるの
だが、なぜか不思議な気がしてならない。つまるところ、原子力発電所
は、人口の少ないところでしか《建てられない》し、多くの人間が生活
を営む街では《危険すぎて》建てられないということになる。

 星空と厳寒の話をほとんど同時期に聞いたとき感じたことだった。
寒さ厳しいおり、ご自愛ください。
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 ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2013年1月18日号
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 ユジノサハリンスクは吹雪で新聞を入手できません。
後日、届き次第お届けいたします。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
          引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◇日本 世界でも最大の原発が閉炉の恐れ
東京電力が管理する世界最大の原子力発電所「柏崎刈羽原発」は、安全
基準が引き上げられた際、閉炉に追い込まれる恐れがある。本日、日本
の各メディアが日本原子力規制委員会の報告を引用して伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_25/102444735/

◇フクシマ地域 動物の汚染値は安全
日本の研究グループが行った最新の調査によれば、事故のあったフクシ
マ第一原子力発電所から半径20キロの避難地域における大型有角獣体内
の汚染値は完全に安全であるという。ロシア科学アカデミー原子力エネ
ルギー安全発展問題研究所調整担当次長のラファエル・アルチュニャン
氏がリアノーボスチ通信に対して明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_25/102407920/

◇国連、尖閣諸島に対する中国の申請を検討
国連の特別コミッションは今夏、中国の提出した東シナ海の大陸棚外延
に関する書類を検討する。専門家らの見立てでは、中国政府は、現在の
国境の見直しを通じて尖閣諸島への要求の法的正当性を証明しようとも
くろんでいる。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_25/kokuren-senkakushotou-
chuugoku-no-shinsei-kentou/

◇日本政府、中国漁船を拿捕
日本政府は日本領海で不法操業していた中国漁船を拿捕した。金曜、イ
ンドネシア紙「ジャカルタ・ポスト」が伝えた。事件は木曜、日本の南
西部、長崎県近海で起こった。中国外務省および農水省は、日本側から
ファックスで送られた照会にいまだ答えていない、と同紙。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_25/nihon-chuugokugyosen-daho/

◆国際───────────────
◇ウクライナ人、裸で雪の中に横たわる時間の新記録達成
ウクライナのコロムィヤ市に住むアレクセイ・グツリャクさんは雪の中
で裸で過ごす時間の長さで1時間20分という新記録を打ち立てた。こ
れは日本人が打ち立てた記録を20分も上回る。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_27/nihon-ukuraina-yuki-recorudo/

◇ロバと一緒に路面電車に乗ろうとした男性 運転手に断られる
ウクライナのオデッサで、男性がロバと一緒に路面電車に乗ろうとした
。Odessa.nеtが、目撃者の証言を引用して伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_22/101867889/

◇チャベス大統領 改善に向かう−ベネズエラ政府
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/chabesu-daitouryou-benesuera/

◇ベネズエラ、チャベス大統領暗殺計画の仏スパイが追放
ベネズエラ政府は、同国のチャベス大統領の暗殺を計画した罪で逮捕さ
れていた「フランス特務機関の職員」の追放を明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_30/benesuera-supai-tsuihou/

◆ロシア国内───────────────

◇ロシア オリンピック記念紙幣発行そして消えゆくコペイカの話
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_26/roshia-okane/

◇クリル諸島の発展を続けるロシア
極東バイカル地方発展基金は、極東の優先的投資プロジェクト92件の
中から10件のプロジェクトを選定した。その中には、南クリル諸島・
色丹島の水産加工施設が含まれている。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_23/102127375/

◇ロシア、民間人の武器使用法案を退ける
ロシア政府は、自由民主党が発案した自己防衛のための短銃(ピストル
)の使用許可法案を支持しなかった。
http://japanese.ruvr.ru/2013_01_26/roshia-buki-houan/
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 ◆[編集長から]              片山通夫
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 福井県敦賀市というと、原発のお膝元として有名だ。しかしその歴史
を紐解いてみると興味深いことがわかる。
 平安時代には大陸に存在した渤海(698年ー926年)との交流が
あったということだから古くから港としての機能が備わっていたという
ことなのかもしれない。また時代はグッと下がるが、1912年にはウ
ラジオストク航路(ロシア)に接続する欧亜国際連絡列車が新橋(19
14年からは東京)〜金ヶ崎(後に敦賀港に改称)で運行されたとある。

 この欧亜国際連絡列車だが、東京2200→米原700・730→敦
賀852・905→敦賀港911(ウラジオストク便接続)という時刻
表にある。つまり当時欧州旅行は、敦賀港からウラジオストクへ向かっ
てウラジオストクでシベリア鉄道にのりかえたということのようである。

 そういえば与謝野晶子は1912年5月5日、新橋を列車でたち、福
井県の敦賀からロシアのウラジオストクに渡った。新しい出来立ての航
路だった。
 いままで知らなかった話が旅というほどのことはないが、よく知らな
い土地へゆくと、色々勉強させてくれる。
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 発行     2013年1月29日   No.555
 編集・発行  609studio Michio Katayama
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