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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2013/1/22 No.554 ───────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載! ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」情報 Lapiz2012冬号好評発売中! 詳しくは http://www.lapiz.bz/ ───────────────────────────────── FaceBookをはじめました。 http://www.facebook.com/#!/michio.katayama.5 ───────────────────────────────── 新刊書紹介 《タイトル》 《ふるさとはポイズンの島 ビキニ被ばくとロンゲラップの人びと》 電子雑誌 Lapizで活躍中の渡辺幸重さんがこのほど上梓されました本 を紹介します。 渡辺幸重 (著), 島田興生 (写真) 価格: ¥ 1,575 発行 旬報社 《内容》 中部太平洋のマーシャル諸島で、アメリカは1946年から67回の 原水爆実験を行いました。特に、1954年3月1 日の水爆ブラボーは、広島に落とされた原爆の約1000倍の威力を持 つという強大なものでした。 それは広く太平洋に大量の放射能をまき散らし、さんご礁の島々で平和 に暮らしていた多くの人びとを被ばくさせました。 その日、ロンゲラップ環礁では、胎児4人を含む86人がその放射性 物質降下物を浴びました。しかも3日間何も知らされないまま放置され たのです。島外に避難して3年後、1957年にアメリカが安全宣言を 出し、島に帰ったものの、島にはまだ強い放射能が残っていました。そ れから28年間、数百人が放射線を浴び、がんや白血病、甲状腺障害、 流産・死産、先天性の身体的・精神的障害に苦しまされたのです。 1985年、人びとは自分たちの判断で故郷の島を脱出しました。 “ポイズン(毒=放射能)”に汚染された故郷を捨てなくてはならなか ったのです。 ◆主な目次 1)脱出 2)メジャトでの暮らし 3)被ばくとの闘い 4)思いはふるさとへ 5)ふるさとの島ロンゲラップ 6)リーボムの想い 7)ジョン・アンジャイン村長の生涯 【解説】ビキニ水爆実験とロンゲラップの人びと ロンゲラップ1次被ばく者全リスト 旬報社ホームページ http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/808 ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」β版 *東日本大震災*Portrait of Sakhalin*自然遺産 屋久島 以上3点をDLマーケットにアップロードしました。 販売スタンドなど詳しくは下記へ。 http://www.lapiz.bz/ ───────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 片山通夫 著 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ───────────────────────────────── ◆現代時評「アベノミクスの危険性」:井上脩身 ───────────────────────────────── デフレ患者をアベ病院に転院させた。院長が「アベノミクス」という名 の治療方針を示しただけで、回復し始めた気になる。安倍晋三首相が示し た緊急経済対策は、こんな感じで景気回復へのカンフル剤のように受け止 められている。だが、膨大な国債を抱える上にさらに借金を重ねようとの 安倍処方箋は、国の財政を破綻させる危険性をはらんでいる。 政府は11日に打ち出した20・2兆円にものぼる大型の緊急経済対策につ いて、首相は「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起 する成長戦略」の3点を強調。要するに、日銀に札をどんどん刷らせて企 業が銀行から金を借りやすくしたうえ、財政出動と公共投資という名のば らまきをしようというものだ。政府は、企業の設備投資や事業活動が活発 化し、賃金も上昇、実質国内総生産(GDP)を2%押し上げ、60万人 の雇用の創設になる、との甘い設計図を描く。 安倍首相の就任とともに、景気回復への期待が広がり、4日の東京株式 市場では日経平均株価が一時、東日本大震災前の1万700円台まで上昇 。円安傾向も出ており、輸出関連産業界には安ど感が漂い始めている。 しかし、見通しは明るくない。まず金融緩和策。政府は2%の物価上昇 を目標に置いているが、物価がインフレカーブを描きだすと、コントロー ルが難しくなる。かつての狂乱物価のようなハイパーインフレにならない とはいえず、年金で暮らす高齢者ら低所得者の生活は危機に瀕しかねない。 機動的財政対策とは、国が借金をして積極的に財政出動するということ 。ばらまかれた金が無駄に使われてきた過去の例をみれば、安易な財政出 動は借金漬けの国家財政をさらに悪化させるだけである。 今回の緊急経済対策では公共投資は実質4・7兆円にのぼる。これによ って潤うのは一部の土建業者だ。政治家と業者の癒着でできあがったハコ モノが全く利用されていない例は日本中どこにでもある。かつての自民党 時代の轍をまたもや踏もうというのだろうか。 わが国のデフレの要因の一つは、国内企業が生産を賃金の安い東南アジ アにシフト換えし、安価な商品を国内に持ち込んだためだ。価格破壊構造 が変わらない限り、デフレから脱却できない。だが、現実には企業の海外 脱出が進む一方だ。加えて欧米の経済は好転の兆しが見えない。アメリカ は「財政の崖」を一応回避したものの軍事費の肥大化などによって、財政 状況は相変わらず厳しく、ギリシャやイタリアの信用不安を抱えるヨーロ ッパ経済も暗雲がたれこめたままだ。 今回の経済対策による成果、つまり税収が上がらずさらに国債発行をす ることになれば、泥沼の底にとめどもなく落ち込んでいく。「アベノミク ス」は「アベのミス」だった、と国民がほぞをかむ結果になることを恐れ る。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2013年1月11日号 ───────────────────────────────── ガス採取量増加 リア・ニュースによると2012年度サハリン州ガス採取量が5%増加 し、石油採取量は7%が減った。石油採取量の減少はプランに従ったもの である。 年金引上 新しい年金法により2013年から労働年金が2回に渡って(2月と4 月)約10%が引上げられる。また、仕事を続ける年金生活者の年金額は 新たに再検討されることになる。社会年金も4月1日から5.1%増加し 、13年度の平均労働年金額は1.313万ルーブル、社会年金額は61 69ルーブルとなる。 養育支援金支給 サハリン州では2013年1月1日から、3歳未満の子供のいる家庭に 毎月1.500ルーブルの補助金が支給される。子供の食費名目で支援さ れる同補助金は家族の所得に関係なくすべての該当家庭がもらえる。 コマイ23.4トン 2013年1月8日現在、サハリン漁夫たちは23.4トンのコマイを 釣った。これは今年予定漁獲量の0.3%に該当するとロシア水産庁が伝 えた。 SATの乗客26万7千人 昨年、航空社SATの乗客数は26万7千人。国内便21万7646人 、国際便4万9561人。同社は昨年カナダ産「DHC−8300型」飛 行機を購入し、現在保有数は12機。2011年度は「ロシアの羽」とい うコンクールで優勝したこともある。今年の目標はサービス質の改善と安 全な飛行保障であると伝えた。 北朝鮮、子供達に飴1Kgをプレゼント フランス・プレス通信社によると、北朝鮮の金・チョンウン国防委員長 が自分の誕生日に全国の10歳未満の子供達に1kgの飴をプレゼントし た。国家指導者の誕生日に飴やお菓子をプレゼントするのは1980年金 ・イルソン主席の時からの伝統である。金・チョンウン委員長の誕生日は 1月8日だ。 SATの航空券割引 航空社SATは毎年1月1日〜3月31日までウラジオストクやハバロ フスク、マガダンからユジノサハリンスクへの航空券の割引販売を行って いる。スキー場などへの観光客誘致のために関係業者と提携して進めてい る事業である。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2013年1月11日号 引用元 http://japanese.ruvr.ru ───────────────────────────────── ◇日本 メタンハイドレート採掘に着手 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_13/100942921/ ◇カザフスタンから 日本経済に対する一つの視点「東アジア共同体」 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/100961662/ ◇日本、反中国ブロック構築か 日本の安倍晋三首相は今週、就任後初となる外遊を行う。訪問先は東南 アジアの国々。うちの数カ国は日本と同様、中国と領土紛争を抱えてい る。しかしロシアの一部の専門家は、「日本が東南アジア諸国と関係を 強化することに意欲的であることは、対中関係の険悪化に引き起こされ たものというわけではない」と見なしている。専門家ヴィクトル・パヴ リチェンコ氏もそうした立場をとる。 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/nihon-tanchuugoku-burokku/ ◇放射線への恐怖が日本の農業ビジネスに悪影響を及ぼしている http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/nihon-houshasen-nougyou/ ◇自衛隊 尖閣諸島の警備強化へ http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/101025616/ ◇中国 尖閣問題で 日本に対して対話による解決呼びかけ http://japanese.ruvr.ru/2013_01_18/chuugoku-nihon-senkakushotou -taiwa-ni-yoru-kaiketsu/ ◇福島第一原発港湾内の魚 規制値2540倍のセシウム http://japanese.ruvr.ru/2013_01_18/101541996/ ◆国際─────────────── ◇タイのお笑い芸人 王室侮辱で禁固2年 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_19/101562224/ ◇シドニーで最高気温更新 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_18/ousutoraria-saikoukion/ ◇郵便切手はポルノグラフィか http://japanese.ruvr.ru/2012_12_29/99616921/ ◇日立のロシア現地社員、アイロンとバットで2時間拷問される http://japanese.ruvr.ru/2012_12_24/roshia-hitachi-satsugai/ ◇イタリアで5歳の少女、妖婆と遭遇し恐怖の余り死亡 イタリアで5歳の少女が、家族で迎えた新年の休暇で、親戚のひとりが ベファーナ(有名なイタリアの魔女)に扮した姿を見て心臓発作を起こ し、死亡した。 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_09/100491015/ ◆ロシア国内─────────────── ◇ロシア外務省:日本の官房長官の声明は受け入れがたい 南クリル諸島に関して、それにロシアの主権が及ぶことに異議を唱えた 日本の菅義偉官房長官の発言は、受け入れがたいものである。ロシア外 務省のマリヤ・ザハーロワ情報・広報局次長が述べた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_14/101056676/ ◇カムチャッカの火山、「オレンジ」指定、空の便を脅かす http://japanese.ruvr.ru/2013_01_18/101538053/ ◇沿海州 シベリア人が列車から転落 7キロを厳寒のなか走破 モスクワと沿海州のネリュングリを結ぶ列車から男性が転落したが、一 命はとりとめた。輸送警察は事故の状況を調査している。インターファ ックス通信が伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/2013_01_18/roshia-shiberiajin-ressha-kara -tenraku-genkan-souhou/ ◇2014年冬季五輪でのロシアの目標−メダル総獲得数で1位ロシア 代表選手団は、同国ソチで2014年に開かれる冬季五輪で、メダル総 獲得数トップになる計画。この目標を達成するために、ロシアオリンピ ック委員会は、選手のための個別の準備プログラムを作成した。 http://japanese.ruvr.ru/2012_12_17/sochigorin-roshia-no-mokuhyou -medarusoukakutokusuu-ichii/ ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 大阪市の橋下市長が、同市立桜宮高校の体罰・自殺事件で、突飛なこ とを言いだしている。今年度の入試を取りやめるべきだ、取りやめない と、予算を執行しないという。 市長は以前体罰が必要だと確か話していたと思うが「管理者としての 我が身が危なくなって来て」またもや豹変した。事の善悪はさておいて 市長の言は看過することはできない。 発信力の強い(=突飛な思い付きを言うこと)市長の言をそのまま常 時、垂れ流しているマスコミにも猛省を促したい。 そして、教師にももちろん、教育委員会、父兄にも改めて問いたいし、 この事態を感情に流されずに処理してもらいたいと願うものだ。 「教育はだれのためにあるのか」と改めて考えてみたい。 決して「発信力の強い市長」の発信力補完のためにあるわけではない。 アルジェリアでの事件が毎日の新聞・テレビをにぎわせている。犠牲 になった方々は《無念》の思いだったろうと思う。憎むべきはテロリス トだが、根の深い問題が横たわっている。 言うまでもなく、前世紀、アフリカは多くが植民地だった。アルジェ リアはフランスの。またキリスト教とイスラム教の文化のぶつかり合い ともいえる。 根本的な問題だが、この文化のぶつかり合いを解消できなければ、ま た同じような事件が起こる危険がある。 「テロリストは卑劣だ」というのは易い。しかし相互の文化を認め合う 度量を持ちたいものだ。 ───────────────────────────────── 発行 2013年1月22日 No.554 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.lapiz.bz 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |