メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.550 ◆現代時評「自民党一人勝ちと国民性」井上脩身  2012/12/25


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/12/25  No.550
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
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◆現代時評「自民党一人勝ちと国民性」井上脩身
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 自民党が圧勝した今回の衆院選結果をみると、日本人は、嫌なことは
忘れる国民性であるようだ。約20万人以上が犠牲になった広島、長崎
の原爆の記憶は風化し、福島原発事故からまだ1年9カ月しかたってい
ないのに、早くも忘却の彼方に消えかかっている、としか思えない。

 衆議院全議席480の内訳は自民294、民主57、維新54、公明
31、みんな18、未来9、共産8、社民2、大地と国民各1、無所属
5。明白に「憲法9条の変更反対」を打ちだしたのは、共産党と社民党
だが、合わせて10議席。比例代表だけでは両党の得票率は計8.5%
にのぼるが、それでも「憲法9条を守る」との積極的な声は極めて少数
派となった。

 04年6月、ノーベル賞作家、大江健三郎氏らが呼びかけ人となって
「九条の会」を設立、「平和を求める世界の市民と手をつなぐために、
憲法九条を激動する世界に輝かせたい」とアピール。全国各地に九条の
会がつくられた。毎年、東京で講演会などが行われているが、その運動
が実を結んでいるとはいいがたい。その最も大きな理由は、同会の参加
者の大半が60歳以上の高齢者であることだ。戦中はもちろん、戦後の
貧しい時代の体験がない60歳以下の人たちには浸透していないのが実
態だ。

 こうした世代間ギャップが衆院選にも現れ、「憲法改正」を党是とす
る自民党や、改憲に積極的な日本維新の会を合わせると、議席数は35
1と、全衆院議席の3分の2を超えた。自民党の安倍晋三総裁は、連立
を組む公明党を慮って、「憲法審議会での議論を促進する」ことにとど
めているが、来年夏の参院選にも勝利すれば、一気に9条の「改正」に
踏み切ろうとするだろう。

 一方、今なお16万人が避難をしている福島原発事故を受けて、民主
、未来、共産、社民など各党は「脱原発」や「卒原発」を訴えたが、「
再稼働の可否は3年以内に結論」と先送りをした自民党が政権を奪還。
この国を原発大国に仕立て上げた自民党が、遠からざる将来、再び原発
推進に舵を切るのは火を見るよりも明らかだ。

 自民党の得票率は小選挙区が35.3%、比例区が27.6%。同党に投票し
た有権者の全てが、「憲法を変えて戦争のできる国に」「原発を再稼働
させて電力の安定供給を」と考えているわけではないだろう。だが、「
原爆の放射能も、原発の放射能も二度とごめん」という強い意思があれ
ば、投票行動は異なっていたはずである。「悲惨な出来事忘却症」とで
もいうべき、世界でも稀有な日本人の国民性が自民党を一人勝ちさせた。
                        (フリーライター)
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。
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  届き次第お届けします。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◇ロシアと日本の市民は3年間のビザを無料で発行される
ロシアおよび日本の市民は3年間のマルチビザを無料で手に入れること
が出来るようになる。ロシア外務省のアンドレイ・デニーソフ次官が述
べた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_21/98871584/

◇日本 東通原発 敷地内に活断層 再稼働困難
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_21/98767675/

◇選挙を機に維新起こるか
自民党は他政党と妥協し、合意を取り付けねばならない。新党は急速に
自身の立場を固め、発言力を増している。とりわけ、維新の会の躍進が
見られた。得票率は自民党に僅かに劣る程度というまでに伸張した。自
民党は既に維新と連合することで合意している。自民党自身の組成が変
化することも排除されない、とロシアの政治学者アンドレイ・フェシュ
ン氏は語っている。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_19/98605058/

◇「三菱自動車」 オランダの工場を1ユーロで譲渡
日本の自動車大手「三菱自動車」は、オランダにある工場を1ユーロで
譲渡した。これによる約3億ドルの損失は、特別損失として計上される。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_17/mitsubishijidousha-oranda
-no-koujou-ichiyuuro-de-jouto/

◇日本の問題:思考の停滞
日本で政権交代が行われた。2009年と同様、前与党の敗北の原因は、
有権者の重要な望みが叶えられなかったことであった。つまり、199
0年代初頭から日本が陥っている停滞からの抜け道が見つけられなかっ
たからだ。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_17/nihon-daha/

◇メタンハイドレート、次世代燃料か新たな危険か
ロシアの学者らは、人類にメタンハイドレート革命が訪れるかもしれな
い、と考えている。もっとも、それは今日明日のことではない。メタン
と水が結合し、結晶化したもの、これがメタンハイドレートである。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_21/metanhaidoreeto-jisedainenryou-kiken/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 韓国に初の女性で親子二代の大統領が生まれた。報道を見ると、かな
り激しい接戦だったようだ。筆者などはいささか認識が古いのだろうが、
「あの儒教の国が…」と驚きの念が先に立つ。おまけに、南北に分断さ
れた国家であり、今も臨戦態勢のにあるというのにと思ってしまう。

 朴次期大統領は「南北対話に前提条件はない。必要なら首脳会談にも
応じる」と柔軟な姿勢を見せている。また南北両国の代表部の役割を果
たす南北交流協力事務所をソウルと平壌に設置すると言っているようだ。

 無論今後の北朝鮮の出方にもよるだろうが、朴次期大統領のこの姿勢
を無にすべきではない。現政権の北への姿勢が強硬路線一辺倒だったか
ら言うのではないが、あからさまな挑発行為は絶対に慎むべきである。
 そして、朴氏のいう「連絡事務所」を相互に開設して、経済交流から
文化交流、そして政治的な課題に順次その守備範囲を広げて、相互理解
を深めるべきである。

 所で我が国の次期安倍政権は「原発の再稼働はおろか、新設にまで」
含みを持たせたようである。オトモダチと揶揄された麻生氏も副総理格
で入閣するとか。まるで「きかん坊に危険なおもちゃ」を我々は、選挙
であたえてしまったのではないだろうか。

 それとも、我が国の国民はここまで右傾化しなければならないほど切
羽詰まっているのか。もしそうなら、こんな閉塞感の我が国の状況を利
用して、自衛隊を国防軍にし、基本的人権をないがしろにし、ひとたび
地震が来れば、人間の住める所でなくなる危険のある原発の再稼働や、
新設を強行するのは、あまりにも理不尽な政治判断ということができる。

 東京新聞によると、先の総選挙で「自民党の小選挙区全体の得票率は
43%程度だったにもかかわらず、獲得議席は二百三十七と全議席の7
9%を占めた。また、総務省は小選挙区の確定投票率は59・32%だ
ったと発表。衆院選の戦後最低記録で、前回2009年(69・28%
)から約10ポイント下落した」と報じた。

 この数字が何を意味するのかは読者ご自身で考えてほしい。ただ言え
ることは「議席数に見合った支持数ではなかった」ということだ。
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発行     2012年12月25日   No.550
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料

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