メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.547 ◆現代時評「ボクは琵琶湖の水を飲んでいる」:片山通夫  2012/12/04


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/12/4  No.547
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「ボクは琵琶湖の水を飲んでいる」:片山通夫
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 滋賀県の嘉田(かだ)由紀子知事(62)は27日、大津市内で記者
会見し、原発依存から脱却する「卒原発」を掲げて「日本(にっぽん)
未来の党」を結成することを正式に表明した。(朝日新聞28日朝刊)

 同氏は新党結成の記者会見で「《びわこ宣言》を発表した。宣言では
「(原発事故のあった)3・11後、初の国政選挙であるにもかかわら
ず、原発のない社会に向けての議論は不透明のままだ。経済性だけで原
子力政策を推進することは国家としての品格を失い、地球倫理上も許さ
れない」と強調。そして「原発事故の潜在的リスクが最も高いのは、老
朽化した多数の原発が集中立地する若狭湾に近い琵琶湖だ」と訴えたと
同紙は伝えた。

  一方、読売新聞の29日社説は「日本未来の党《卒原発》には国政を
託せない」と断じ、「国力を衰退させる《卒原発》を政治目標に掲げる
政党に、日本の未来を託せるだろうか」と攻撃している。原発容認(推
進)派は「日本未来の党」の出現に、読売の社説を見るかぎり慌てふた
めいてる状況が透けて見える。

 日本維新の会の橋下氏は「原発の廃止」の道筋が見えないと批判して
いた。そう言っていた舌の根も乾かない29日には「日本維新の会:衆
院選公約を発表《脱原発》の文言が復活」と、毎日新聞が伝えた。

 民主党政権が行ったヒアリングでも、国民の80%が原発のない社会
を望んでいる。また毎週金曜日には、首相官邸や経産省、国会に向けて
何万人もの市民がデモを仕掛けている。このデモの特徴はまさに市民の
デモであり、組織され、ひとつのイデオロギーの下に動員をかけられた
人々とは全く違う。つまり、国民のあいだで《脱原発》が大きなうねり
になってきているということだ。

 嘉田さんの《びわこ宣言》では「3・11後、初の国政選挙であるに
もかかわらず、原発のない社会に向けての議論は不透明のままだ。経済
性だけで原子力政策を推進することは国家としての品格を失い、地球倫
理上も許されない」と説く。
 まさにその通りである。そして「国家としての品格」という言葉に感
銘を受ける。

  筆者は「琵琶湖の水を飲んでいる」一人だ。是非とも「卒原発」を
実現してもらいたい。

 さて「卒原発」の道筋だが、話は簡単だ。我が国の大企業ももちろん
だが、中小企業にも、驚嘆する程の技術力がある。バイオマス(例えば
雑草からエタノールを抽出する技術)、太陽光、風力、波力・潮力、流
水・潮汐、地熱など数えればきりがない。その道筋を阻んでいるのが、
原発を推進させようとする勢力のキャンペーンだ。しかし従来の枠組み
の中で再生可能エネルギーの開発をするという構造はもはや通用しまい

 時代は変遷する。駅前にあった商店街は郊外型の大規模店舗にとって
変わってきた。また巨大な橋ができて、島を結ぶフェリーや連絡船は消
え去った。同じように再生可能エネルギーの開発の前に現在の枠組みの
中での電力業界も衰退して行かざるを得ない運命にあるのではないだろ
うか。

 私たちは今、大きな時代の曲がり角に立っている。原発に、原子力ム
ラにつぎ込む資金を再生エネルギー開発に投資すれば、10年を待たず
に、嘉田さんの言う《卒原発》は可能だと思えるのだが・・・。それに
は発送電の分離など、電力会社が嫌がる政策を強力に打ち出さねばなら
ない。幸いにして日本未来の党の設立により《脱(卒)原発》がこの総
選挙の大きな争点になりつつある。既成政党はもちろん、日本維新の会
までもが《脱原発》に慌てて舵を切り出した。見ていて見苦しいとしか
言い様がないが、この選挙の争点となるのは歓迎したい。

 《参考》
びわこ宣言:http://kadayukiko.net/?p=1410
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。
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 サハリンのインターネット接続工事の影響で届いておりません。
届き次第お届けいたします。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◇コンゴ イリューシン76型輸送機 人家に墜落 約30人死亡
コンゴで、イリューシン76型輸送機が悪天候のため、同国首都の空港近
くで墜落、およそ30人が死亡した。AFPが伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_01/hikouki-jinka-ni-tsuiraku/
⇒イリューシン76:Il-76は冷戦下の1967年に開発が始まった機体で、6
時間以内に5,000kmの距離を40tの貨物を運搬し、短く整備されていない
滑走路でも使用でき、さらに飛行機が飛ぶ上では気象条件が最も悪い冬
季のシベリアと北極地域でも運用できるという条件を満たすことが求め
られていた。

◇来年夏 若田飛行士と共にロボットもISSへ
東京大学先端研究所のエンジニアらは、電通と共同で、来年2013年夏、
ISS(国際宇宙ステーション)にヒト型ロボット「きぼう」を「派遣する」
考えだ。このロボットは、若田光一飛行士と共に軌道上に向かい、彼が
地球と交信する手伝いをする。AFPが伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_12_02/96554010/

◇日本、イメージチェンジの過程
日本は少しずつ、外国からの軍事的な援助を取りつけつつ地域連合を組
み立ててゆく「平和な国」というイメージから脱却しつつある。
New York Times紙はそう指摘している。ルビコン河を渡ったのは今年の
ことだ。
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_30/nihon-imeejichenji-heiwanakuni-kara-dakkyaku/

◇第5回「シリアの友人達」会合 東京で始まる
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_30/shiria-no-tomodachikaigou-toukyou-de-kaishi/

◇日本と中国:不信の危機つづく
日本政府が行ったアンケートによれば、中国に肯定的なイメージを持っ
ている日本市民はわずか18%しかいない。与論の圧力は、日本政府によ
る二国関係の緊張緩和への阻害となっている。こうした事情は、反日
的気分が高まっている中国においても同様である。
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_28/chuugoku-nihon-seiji/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 あっという間に師走です。これから本格的な冬を迎えます。1日土曜
日に若狭の国小浜と京の都を結ぶ歴史的な街道《鯖街道》へ出かけた。
山間部に入ると、雨がみぞれに変わって気温は2度から3度程度。
 何でもこの冬で最も寒さが厳しいとか。日本海側特有の鉛色の空を見
上げて「冬やー」とため息。

 「日本未来の党:嘉田代表、「再稼働容認」一転否定 脱原発、発言ぶ
れる」と毎日新聞にあった。《えっ?!》と。
 どんな事情か知らないが「ぶれる」というのはよくない。まるで、日
本維新の会の橋下副代表のようではないか。
 本人はあわてて否定したようだが、一旦口から出た言葉は取り消せな
い。

 師走と言えば、イルミネーションというイメージが定着してきたよう
だ。今年も電力不足もなんのその、LEDなど省電力の技術を駆使した
イルミネーションが各地で花を開いている。
 さてきりっとした寒さの中で心温まるイルミネーション散歩とシャレ
こみますか。
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発行     2012年12月4日   No.547
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料

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