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タイトル:609studio No.543 ◆現代時評「古事記にみる国譲りに思う」:片山通夫  2012/11/06


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/11/6  No.543
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「古事記にみる国譲りに思う」:片山通夫
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 古事記が編纂されて今年は1300年だという。言うまでもないが、古事
記は「神代における天地(あめつち)のはじまりから推古天皇の時代に
至るまでの、神話や伝説を含むさまざまな出来事」が収録されている。

 この稿を書くにあたって、梅原猛氏の「古事記」増補版(学研M文庫
)を買い求めた。梅原猛氏は従来読み解くことができなかった枕詞など
も、日本語の祖語としてのアイヌ語を駆使して解読してゆく。同氏の仮
説が正しいか否かは浅学の筆者などには判断がつきかねるが、興味が湧
くことは確かだ。

 さて、1300年前に編まれた時代は、およそ平城遷都の時代に重な
る。遷都という国家的大事業は、言葉を変えて言えば人工的に設計され
た地に移すということであり、政権にとってかなり危険の伴う決定だっ
たと推察される。このことからも、時の政権が自信と共に不安=正当性
を裏付けるためにも、古事記の編纂は重要だったのではないか?

  通常、我々がこの書から思うところは、《天孫降臨》に代表される神
話の部分だ。それと今ひとつ、出雲の《国譲り》のエピソードだ。大国
主命が、ヤマトの朝廷にほとんど無条件で《国を譲る》という行為は、
昨今我が国を取り巻く領土問題と照らし合わせてみるに、実におおらか
な話である。そこに何があったのか興味は尽きない。現代という世知辛
い世の中の考えに照らしてみると、強大な勢力であったであろうヤマト
の勢力に、出雲という(片田舎の)勢力が、全く歯が立たないという出
雲側の判断があったのではないだろうか。 しかしそれでも《国譲り》
の説明はつきかねる。最後まで戦うという選択は出雲側になかったのは
どうしてだろうか。

 古事記ではこのあたりは実にサラっと書かれている。大国主命が《戦
争》や《亡命》ならぬ《隠遁(=出雲大社の建設要請)》という道を選
んだ理由を知りたいものだ。

 《国譲り》で思い出したのが、本州の北部から北海道(蝦夷地)とい
う自ら生きる地域を《和人》に奪われたアイヌ民族のことだ。以前、北
海道の開拓記念館をある韓国人と訪れたとき「ここにも《日本人の侵略
の跡があるのですね》」と言われたことがあった。そのコーナーには《
先住民としてのアイヌ民族》のことが展示されていた。いま、古事記を
読んでいて、大国主命の《国譲り》とアイヌ民族がその土地を奪われて
《同化》を余儀なくされてきたことを思い合わせている。

 無責任に解釈を広げて行くと、現在のオキナワ問題も同じ根を持って
いるのではないだろうか。

 余談だが、先日、富山県の黒部へ行った。その黒部という地名の語源
だが、《山高く、立の真黒に生茂る日の目も見えない辺りをさしていう
言葉》、《黒部山奥には「ネズコ」と呼ばれる常緑針葉樹が生えており
、この別名が黒檜(くろび)と言われていた》などという説の他に、《
アイヌ語のクンネベツ「黒(暗)い川」、またはクルベツ「魔の川」か
らきている》という説があり、このアイヌ語から来たという説が黒部渓
谷を目の当たりにして当を得ていると感じられた。筆者は沖縄の言葉に
ついてもよくわからないが、《アイヌの言葉が日本の其処此処に残って
いる》ということだけでも知っておくべきだ。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年11月2日号
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州知事からのメッセージ:「国民団結の日」を迎えて

 尊敬する同郷の皆様!11月4日の我が国民団結の日を心からお祝い
申し上げます。同記念日は17世紀の重要事件を記念するものです。当
時、一つの目的の下で団結したロシア国民が動乱を克服しポーランド侵
略者から国を救いました。愛国心と祖国愛―これが階級、民族、宗教を
超えてロシアという国家を保存させたのであります。経済、社会におけ
る問題解決のためには国民団結が何よりも大事です。私達の一致団結、
これそこが生活環境の改善と安全に導きます。職業同盟、各種委員会な
ど社会団体の役割がますます大きくなりつつあるのもこのような理由か
らです。上からのではなく国民側からの主体的意志が最も大事です。国
民一人ひとりが主体となって成功的な未来を築いていきましょう。

感謝の手紙―鄭ワレリ州議員から

 さる10月14日の州議員選挙でイエジナヤ・ロシア党を支持して下
さった皆様方に心から謝意を表します。特に私を支持して下さったサハ
リン州韓人会と地方韓人会の皆様方、誠に有難うございます。これから
5年間、サハリン住民の生活の向上にために最善を尽くすことをお約束
します。又、唯一の韓人出身第6期州議員として同胞社会問題解決にた
めに力になれるように努力することを約束致します。

専門家不足深刻

 さる29日の州政府会議報告によると、10月、サハリン住民月平均
賃金は4万2千800ルーブル(全国平均2万5千700ルーブル)、
貯金総額は519億ルーブル。又、求人先4万2千、就職したのは3万
3千人。9千人の専門職が空きのままである。専門家養成事業が急務で
ある。

クリスティナ・金―ロシアのテゴンドチャンピオン

 10月26〜29日間カムチャッカで開催されたロシアテゴンゴチャ
ンピオン大会で、サハリン出身クリスティナ・金(17歳)選手が優勝
した。12月6〜9日間コロンビアで開催される世界大会へロシア代表
として参加する。

税関収入55億ルーブル

 今年9カ月間、サハリン州税関収入は55億ルーブル。対外貿易の7
5%は輸出で石油製品が1位を占める。「サハリンプロジェクトー2」
からの液化天然ガス輸出量は805万5千トン、石油419万5千トン
。その外、「サハリンプロジェクトー1」からは500万トンを輸出し
た(ハバロフスクのゼーカストリ地域)。そして、水産物11万3千ト
ン、木材及び木材加工品20万トンを輸出した。貿易対象国1位は日本
、それから中国、ノルヴェイ、韓国の順である。国境を越えた人の数は
昨年より6千人増加した14万8千500人だ。

クリル水域生物資源に関する研究論文発行

 サハリン漁業及び海洋学研究所の研究者12人の研究成果をまとめた
本が発行された。カムチャッカから日本までのクリル全地域の生物に対
して採取を始め各方面から研究したものだ。

移民児童のためのロシア語教育実施

 ユジノサハリンスク市政府は労働移民家庭の児童を対象に無償ロシア
語教育を実施する。現在、300人の移民児童が学校に通っているが、
調査によると123人がロシア語をよく分からないことがわかった。そ
のため、彼等のための特別教育プログラムを実施することを気炎他。現
在、ロシア協会で成人移民者を対象としたロシア語教育が実施中にある。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◇メドヴェージェフ首相:ロシアは東に目を向けなくてはならない
ロシアのドミトリー・メドヴェージェフ首相は11月5日から6日、ラオス
で開かれる第9回「アジア・ヨーロッパ」フォーラムサミットに出席す
る。
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_03/medoveejefu-roshia-higashi-ni-me-wo-mukeru/

◇尖閣諸島 中国の監視艇 日本側に退去を求める
中国の監視艇が初めて、尖閣(中国名;ジャオユイダオ)諸島海域から日
本の海上保安庁の巡視艇を退去させた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_31/senkaku-mondai/

◇日本 「ロシア語ロシア文化週間」終了
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_31/nihon-roshia-bunka

◇日立、英国に原子炉建設
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_31/hitachi-eikoku-genpatsu/

◇日本で新しい原子力災害対策指針、決定
日本で水曜、原子力発電所の災害対策に関する新しい指針が決定された
。それによれば、原発から半径30km圏が防災対策の「重要区域」が設定
され、原発事故の際には沈静化のために作業が行われねばならない。
http://japanese.ruvr.ru/2012_10_31/genshiryoku-saigai-taisaku/

◇サラトフで1日から日本アニメ映画フェスティバル開幕
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_01/roshia-anime-fesuchibaru/

◇「クレムリンの赤い星」設置75周年―その火は雨風に耐え
 ちょうど75年前、モスクワのクレムリンを取り巻く尖塔の上に「赤い
星」が灯され、ソビエト時代を象徴するものとなった。
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_02/kuremurin-no-akai-hoshi/

◇バシキール共和国 世界終焉に備えシェルター区画を販売
ウファ近郊には、世界の終焉に備えたシェルター建設が計画されている
。建設会社のエルヴィラ・イシキニナ代表が明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_11_03/bashikiiru-sekaishuuen-sherutaa-hanbai/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 米CNNの電子版によると、パキスタンで、タリバン運動が女子大学院生
(修士課程)に、酸をかけられて二人が顔に重度のやけどを負ったとい
う。マララ・ユスフザイさん(15)が銃撃を受けた事件と根は同じで
ある。タリバンは犯行を認め「この地域の女子が欧米の教育を受けるこ
とは絶対に許さない」「大学へ行こうとする女子を見つけたら同じよう
に処分し、人前に顔を見せられないようにする」とCNNに述べたという。

 実に卑劣な事件だ。イスラム過激派の主張は筆者には理解しがたい。
ムハンマドが、またはアラーの神が本当にそのような行動を許している
のか、判断がつきかねる。

 筆者にとって、宗教は《寛容》だと思う。百歩譲って、厳しい戒律を
守るのもいいが、それを他の人に強要するのはいかがなものか。
 二人の大学院生の顔のやけどが現代医学の力で元に戻ればいいのだが。
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発行     2012年11月6日   No.543
編集・発行  609studio Michio Katayama
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