メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.542 ◆現代時評「週刊朝日のハシシタ記事」:井上脩身  2012/10/30


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 【609 Studio 】メール・マガジン 2011/10/30  No.542
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  フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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 ◆現代時評「週刊朝日のハシシタ記事」:井上脩身
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  週刊朝日が10月26日号から「ハシシタ奴の本性」の連載を始めた
 ところ、橋下徹・大阪市長が激怒、同誌は連載を取りやめた。橋下市長
 がヤリ玉にあげたのは、父親の素顔をあばくなど、出自をあからさまに
 した点だ。同市長の高圧的な行政姿勢は大いに批判されるべきだが、だ
 からといって、部落差別を助長しかねない記事がまかり通っていいはず
 はない。iPS臨床応用問題で読売新聞が大誤報をしたばかりである。今
 、ジャーナリズムの在り方が問われている。
 
  週刊朝日は、朝日新聞社の関連会社「朝日新聞出版」が発行。連載第
 1回は、「日本維新の会」の旗揚げパーティーの模様を中心に橋下市長
 を難詰。問題になったのは被差別部落の地名を明記するなど、橋下市長
 の出自にまで筆が及んだことだ。筆者の意図にかかわらず、「非差別部
 落の人は悪い人」ととられかねない記述になっている。「週刊朝日」と
 いう歴史と権威を誇る雑誌が、被差別部落の人たちへの思いが欠けてい
 ることに驚く。
 
 だが、それ以上の驚きは、筆者がノンフィクション作家の佐野眞一氏
 であることだ。表紙に「緊急連載スタート――ハシシタ橋下徹のDNA
 をさかのぼり本性をあぶり出す」とあり、佐野氏の名前が刷り込まれて
 いる。同誌が著名な佐野氏のルポ記事に力を入れたことがうかがえる。
 
 「旅する巨人」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した佐野氏は9
 7年、東京都渋谷区のアパートの空き室で、東京電力のエリート女子社
 員が絞殺され、ネパール人男性が逮捕された事件を丹念の追い、「東電
 OL殺人事件」(新潮社)を上梓。同容疑者が冤罪であることを示す一
 方、女性総合職の草分けであった被害者の心の内面にまで迫り、話題を
 呼んだ。
 
 また、福島第1原発事故を取り上げた「津波と原発」(講談社)では
 、原発導入期の政治紋様をきめ細かくトレースし、「原子力平和利用」
 の光と影を描いた。その取材力が高く評価されている佐野氏である。今
 をときめく橋下市長にどのような切り口で肉薄するか、佐野ファンなら
 ずとも注目されたところだ。だが、「愚劣ジャーナリズム」と言われて
 もやむを得ないような記事になってしまった。あえて次元の低い筆致を
 試みたのだろうか。
 
 朝日新聞出版は「非差別部落を特定できるなど不的確な記述があった
 」として第1回だけで連載を取りやめたうえ、橋下市長に謝罪した。だ
 がそれだけで済む問題ではない。次期衆院選に候補者を立てる予定の「
 日本維新の会」の代表として、国政上でも無視できなくなった橋下市長
 。その政治姿勢への追及が腰砕けになったことの方がはるかに重大だ。
 ジャーナリズムがひ弱になれば、政治はファシズムに進むことを歴史が
 教えているからである。(フリーライター)
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 ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:
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 2012年10月19日号

州議員選挙結果

 さる14日、州議員選挙に27.48%の投票者が参加、28人の議員
が当選した。議員候補者は638人で厳しい選挙戦であった。イエジナヤ
・ロシア党が議席の50.18%を獲得し第1与党となり、共産党18.
33%、自由民主党8.36%の順。議員の任期は5年間だ。

特別な展示会

 先週、州立歴史古文書館でユジノサハリンスク市成立130周年を記念
して「記録写真展」が開催された。流刑時代、樺太時代、1946〜85
年までのソ連時代の写真50点が展示されたが、1946年、1950年
代の写真など15点は、はじめて公開されるもので大きな関心を集めてい
る。写真は古文書館が保管しているものと、郷土博物館が提供したものだ。

永住帰国説明会

 さる16日、韓人文化センターで永住帰国説明会が行われた。韓国の外
交通商部東北アジア局と大韓赤十字社のサハリン事業担当職員らが來島し
、2012年度永住帰国事業内容を伝えた。説明によると、今年韓国政府
は108人の永住帰国者を受け入れる方針だ。サハリンから76人、モス
クワなど他地域の元サハリン韓人らが永住帰国対象となる。入居予定地は
仁川(18世帯)と金浦(32世帯)。説明会に参加した200人の1.
2世たちは残留者らへの支援問題と二重国籍を認め、韓国政府の支援を受
けられる条件を作って欲しいと訴えた。

被虐殺27人の追悼碑整備

 さる12日、雨の中、韓国ロータリークラブ代表団9人と地元ロータリ
ークラブ会員ら、韓人会関係者らなど30人がポザルスコエ(旧ミズホ村
)に立つ27人の韓人被虐殺者追悼碑に集った。2008年、追悼碑を訪
ねた韓国ロータリークラブ3730地区会長の呼びかけで数次に渡って周
年整備作業が進められた。サハリンのロータリークラブ、韓人会も協力し
て80万ルーブルを費やして追悼碑の周りを整備し、又人々が訪れやすい
ように道路、駐車場も整備した。


2012年10月26日号

サハリン同胞議員1人

 23日、サハリン州選挙委員会は州議員選挙の最終結果を発表した。発
表によると、イエジナヤ・ロシア党が全体議席中21席、共産党3席を獲
得した。そして、韓人議員は第5期2人から1人へと減少、第6期では鄭
・ワレリ(イエジナヤ・ロシア党)一人のみ。24日、第6期州議員長と
してウラジミル・イエプレモフ氏が再選、副議長はアレクサンドル・キス
リチンが選ばれた。

在外同胞財団理事長来島

 さる19〜22日間、在外同胞財団金・キョングン理事長がサハリンを
訪ねた。第1回韓国文化フェスティバルに韓人会から招待を受け、訪問。
フェスティバル現場を訪ねるほか、同胞社会関係機関訪問や団体代表等と
の面談を通じて実態把握に努めた。イム・ヨングン韓人会長はサハリン韓
人文化センター敷地購入の際、8万2千ドルを支援してくれたことに感謝
の意を伝えた。

李・ヤング総領事来島

 駐ウラジオストク韓国総領事館のリ・ヤング総領事が韓国文化フェステ
ィバルに参加するために來島した。21日、韓国食文化フェスティバル会
場で、UN傘下国際機構緑色気候基金(GCF)事務局の韓国誘致を成功
したことと韓露ノービザ協定交渉が順調に素早く進められているとの嬉し
いニュースを伝えた。23日午前中はサハリン州副知事と会って、より長
期的・計画的事業案の下で韓国とサハリンの交流を発展させていく必要が
あると指摘した。

特集―サハリンに吹く暑い韓流バラム(風)フェスティバル

 周知のように10月18〜24日間、サハリンで初めて「韓流熱風―韓
国文化芸術フェスティバル」が開催された。オペラ、韓国現在美術展示会
、ハングルの日を記念しての作文大会、K−POPコンクール、韓国食文
化フェスティバル、伝統楽器演奏と舞踊、テゴンドショーなど多様な行事
が成功裏へ幕を閉じた。このフェスティバルを祝うために、韓国在外同胞
財団の金・キョングン理事長、李・ヤングウラジオストク駐在韓国総領事
がサハリンを訪れる他、80人以上の芸術家と公演関係者が韓国から來島
した。このような大きな行事を主催、主管し、成功させた地元の韓人会、
婦人会、教育院、ウリマル放送、国立大学韓国語科など関係機関、関係者
らに拍手を送りたい。
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 ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
          引用元 http://japanese.ruvr.ru
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 ◇日本、竹島の帰属をめぐる国際司法裁判所への提訴を一時中断
 日本政府は竹島(独島)の帰属をめぐるハーグの国際司法裁判所への提
 訴を、少なくとも11月まで停止する。金曜、日本外務省の情報筋が伝え
 た。
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_26/nihon-kankoku-takeshima-kokusaishihousaibansho/
 
◇専門家:「フクシマ」原発の放射能漏れは続いている
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_26/fukushima-houshanoumore-tsuzuku/
 
◇日本と中国の「海上連絡メカニズム」協議が中断
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_26/nihon-chuugoku-kigyou-chuudan/
 
◇日露の対話、活発化
 ロシア安全保障評議会のニコライ・パトルーシェフ書記が日本を表敬訪
 問した。書記は野田佳彦首相および玄葉光一郎外相との会談の後、現在
 ロシアと日本の対話はかつてなく活発化しており、さまざまな部局で意
 見の交換が行われている、と自身の見方を示した。
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_25/92418612/
 
◇露日を近づける路線 極東−北海道
 ロシアと日本は、経済協力に向かっている。これは最近始まったことで
 はない。だが、ロシアのウラジオストクでAPECサミットが開催され
 た後、日本は互恵的な協力のための新たな分野を積極的に検討するよう
 になった。
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_25/92410766/
 
◇フクシマの悪果:汚染水を保管するための土地が日本には足りない
 「フクシマ第一」原発の管理責任者は、事故原子炉の冷却に用いた放
 射線汚染水の保管場所を探している。木曜、アソシエイテッド・プレ
 ス通信が伝えた。
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_25/92389980/
 
◇カムチャッカ当局、漁業部門に日本の資本を呼び込む
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_24/92178721/
 
◇日本 5年以内に新型戦闘機開発開始
 http://japanese.ruvr.ru/2012_10_24/92175418/
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 ◆[編集長から]              片山通夫
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  24日、原子力規制委員会が、原発事故が起こった場合の拡散予測を
 発表した。読売新聞は翌25日朝刊で「4原発30キロ圏外拡散」と一
 面で報じた。朝日新聞は「再稼働 さらなる壁」と防災計画づくりの困
 難さを報じた。
 
 簡単に色分けすると、読売新聞は「原発推進」の、そして朝日新聞は
 「抑制」のスタンスだ。同じ日の読売の社説では「原発で最悪の事故を
 防ぐ一助に」と説き、朝日では「防災が無理なら廃炉に」と全く立場の
 違う社説を掲げた。
 
 はたしてまた大事故が起こることは絶対避けなければならないが、い
 わゆる原子力ムラを筆頭に、政府も主たる政党も「容認」の立場である
 というのが、筆者には理解できない。
 
 経済も重要だということはわかる。しかし、しかしだ。「国破れて」
 の言葉もあるように、フクシマの現状をみて、よくそんなことが言える
 なというのが筆者の率直な考えである。
 
 「そして誰もいなくなった」日本なんて、あまりぞっとした話ではな
 い。
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 発行     2012年10月30日   No.542
 編集・発行  609studio Michio Katayama
 発行     毎週火曜日  購読料無料
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