メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.534 ◆セコリョ新聞日本語訳 ◆現代時評「ロシアと日本・領土問題」  2012/09/11


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/9/11  No.534
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「ロシアと日本・領土問題」:片山通夫
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 国境問題がメディアをにぎわせている。尖閣列島、竹島に関しては
、問題がかなりヒートアップしている様相だ。また、北海道・根室か
ら望む北方領土に関しては、政府や根室市などはもちろん、元住民も
しくはその子孫たちは、返還を望んでいることは周知のことである。

 メドベージェフ前ロシア大統領は(現首相)二度にわたって、北方
領土を視察した。我が国はと言えば、細々と続く「ビザなし渡航」で
まるでロシアの譲歩のもとに「人道的」な配慮で、元島民などが彼の
島々を訪れるのみである。我が国の政治家はと言えば、航空機に乗り
空からの視察か、せいぜい納沙布岬から備え付けの望遠鏡で見るだけ
のことである。

 北方領土に関して言えば、ロシアとの平和条約を結ぼうにも、我が
国は「領土問題の解決」がなされない間は結ぶことができないと、建
前上も譲らない。ところがここにきて、ロシアの セルゲイ・ラヴロ
フ外相は、毎年恒例のモスクワ国際関係大学の学生及び教師達の会合
で講演し「第二次世界大戦の結果、日本との間には平和条約がないが
、そのことは日本政府との関係を妨げるものではない」と述べた。
(9月1日イタル・タス)

 奇しくもAPECがロシアのウラジオストックで開催された。
我が国と領土問題を抱える国々の首脳がウラジオストックに集まった
わけである。ところが残念なことに、領土問題をテーマにした首脳会
談は予定が立っていないというニュースも流れた。そして先に述べた
ロシアの セルゲイ・ラヴロフ外相の講演はこのAPECに先立ち、
日本側に釘を刺した格好だ。

 ロシアは、プーチン大統領は、はたして北方領土問題を解決する意
思があるのか。もっともはっきりしないのは、もしかして我が国の政
権と外務省なのかもしれない。毎年65億もの予算が費やされている。
 つまり、これだけの予算を稼げるのが北方領土問題(復帰運動)な
のだ。もし我が国の思惑通り、4島が復帰したとすれば、外務省では
なく、国土交通省や、厚生労働省などが開発などの予算を「大手を振
って」要求することになり、外務省の出番はなくなる。

 筆者は長らくサハリンへ通っている。そこで聞く領土問題は、当た
り前のことだが、全く違った方向性を見せる。第二次世界大戦で「血
であがなった領土」という認識である。残念ながら4島を訪問したこ
とはないが、ユジノサハリンスクに住む4島出身者に言わせると「ソ
連崩壊後の何年間かは、見捨てられた島という思いだった。しかしこ
こ数年は、政府が予算を投入して、インフラの整備に力を入れだした。
メドベージェフ首相も訪問して、ロシア全体での知名度も上がってき
た」という。

 こうしたことを考えてみると、ロシアは本気で北方領土を日本に返
すという意思があるとは思えないのだが。
 と、ここまで書いた時点で、韓国とロシアが「ビザなし体制へ」と
いうニュースが飛び込んできた。残念ながらわが国の国民がロシアへ
行くにはビザが必要である。露韓間の交流はますます増えてゆくと思
われる。
 なんだか取り残される日本というイメージを持つのは筆者だけか。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版
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2012年8月3日号

サハリンー大陸間運輸橋梁建設案

9月7〜8日、ウラジオストクで開催されるAPECのために組織された特別
実務チーム会議で、サハリン州政府がAPECでサハリンと大陸間の橋梁問題
を取上げようと提案し承認をもらったことがわかった。サハリン州とハバ
ロフスク辺境の発展に大きな役割を果たすと期待されている同事業案によ
ると陸地を走る鉄道線543kmとネベルスコエ海峡に17kmの鉄道を
引く大型プロジェクト。

日本でロシア文化を紹介

 8月4〜14日間、北海道で開催される第7回「ロシア文化フェスティ
バル」でサハリンの民謡アンサンブルとニブフ族創作団体がロシアを代表
して参加する。彼等は道内の10都市を巡回公演をもする。


検事がサハリン道路調査

 ロシア連邦総検事局の指示によりサハリン州検事局が、7月31日から
道路安全法を守っているか又は道路の状態を調べている。

輸出増加

 今年上半期は昨年同期に比べ輸出量が30%も増加した(海産物7万3
千トン、木材17万立米など)。輸入品は以前通り自動車と機械及び設備
で昨年同期に比べ自動車の輸入が40%も増え2300台に達した。税金
収入も30%増えた30億300万ルーブル。

今年の遠足

 さる28日、ユジノサハリンスク市韓人会が主催する夏の運動会があっ
た。毎年、年寄りを招待して娯楽プログラムや運動会、食事会を開いてい
るが、今年は幼児教室に通う子供達が来て歌をプレゼントして大きな喜び
を伝えた。

サハリンで伝統婚礼式を

 さる7月28日の夕方、ホルムスクのあるカフェで鄭ワジムと金アンナ
の結婚式があった。二人はこの日、結婚届けを出した後、披露宴の式場で
あるカフェで、もう一度チマチョゴリを着て民族伝統方式で婚礼式を挙げ
たのである。サハリン韓国教育院が専門家から伝統の結婚衣装を入手して
から希望者を探したところ、二人が要望したのである。専門家が立会って
司会と説明を勤めた。新郎新婦は勿論、親戚、友人など皆から大変好評を
受けた。1940〜60年はサハリン韓人たちの多くがこのような結婚式
を挙げていた。「忘れかけた民族伝統文化を復活させ、民族意識を高める
一つの契機になればと思って企画した」と朴・ドクホ教育院長はいう。

2012年8月10日号

州政府の沿海漁業発展構想について

 さる6日、州政府会議で2013〜18年間の沿海漁業及び海岸下部構
造発展事業案が論議された後、支援措置が講じられた。政府は海岸下部構
造発展と現代化を計る企業を優先的に支援する他総予想事業予算100億
ルーブルのうち、50%に対し民間投資を誘致することを決めた。

献血の土曜日

 ロシアは4年前から8月の第1土曜日を「献血の日」と決めている。さ
る4日の土曜日、州立病院に設けられた献血センターを50人の市民が訪
ねた。昨年に比べて献血者が減ったと病院長はいう。

戦闘栄誉博物館開館計画

 さる7月31日、州政府代表とドリンスク行政、戦争老兵団体が戦闘栄
誉博物館開館問題について話し合った。地域戦争老兵団体は数十年間戦争
関連資料を集めており、見学ガイドも担当するなどとても積極的である。
2014年児童芸術学校が新築建物へ移った後、古い校舎に博物館を開館
する予定である。

世界原住民の日を記念して

 さる4日、世界原住民の日を記念して「生きている伝統」というテーマ
で原住民フェスティバルが開催された。郷土博物館の広場で手工芸品の制
作過程の紹介及び展示直販、コンサートなど多様なプログラムが披露され
た。

サハリン韓人歴史記念館建立のための国際ワークショップ

 さる5日、サハリン韓人文化センターで約200人が集った中で「サハ
リン韓人歴史記念館建立」のための国際ワークショップが行われた。サハ
リン州韓人会と韓国の市民団体KIN(Korea International Network)が共同
主催。韓人のほか、サハリン州政府関係者や研究者らも参加した。韓国と
日本からNGO活動家、教授、学生、弁護士など38人が來島した。イム
・ヨングン韓人会長は「記念館建立は我々の苦難、傷、涙と血を認めても
らえるもので、今後の成功と幸せ、平和に繋がるものでなければいけない
」と記念館建立の意義を述べた。イム会長は建築費用と運営は韓国や日本
政府から調達(補償或いは未払い貯金の支払など)したいことのほか、5
階建て或いは5棟からなる設計構想をも発表した。韓国キョウヒ大学の朴
シンイ教授は「記念館の基本方針、性格などについての十分な議論が必要
だ」と述べる他、韓国の民主社会のための弁護士団体の弁護士6人は過去
2年間の準備期間を経て、8月6日「サハリン韓人国籍確認と慰安金支給
請求」を求める訴訟を起こしたと発表した。又、父親をさがすため代表団
と同行して再び來島した鄭・テランさん(70才)が家族史の紹介と共に
父親の痕跡でも探したいと協力をうったえた。 
 
2012年8月17日号

ロシア大統領とサハリン住民との会談

 さる13日、ソチでプーチン大統領とサハリン州知事とサハリン住民代
表らとの会談があった。会談ではSAT航空社の社長が小規模の地方航空
社の悩みを打ち明けた後、支援策として飛行機購入の際、免税措置を講じ
てくれるように頼んだ。しかし、大統領は「国産飛行機の生産を準備して
いる。我々は生産の道を選ぶべきだ。輸入の道を選ぶと最後は釘も宝石も
輸入し石油とガスだけを輸出する国になるだろう」と提案を受入れなかっ
た。また、スポーツ界代表が2018年冬季オリンピック選手チームの訓
練を韓国と近いサハリンで行うことを提案するとサハリン及びカムチャッ
カ、沿海州で訓練するようにすると約束した。大統領はサハリン経済が発
展を成し遂げていると評価した。

州議員選挙

 さる13日、サハリン州選挙委員会は第6期州議員選挙に参加する政党
登録を始めた。政党設立の自由化後「雨後の竹の子」のように急速に増え
て200にも達している。サハリンには12政党の支部があり、選挙には
10政党が立候補した。議員定員は28人。ところが立候補者は500人
。厳しい競争になりそうだ。


シャフチョルスク港、貨物積載量約4万トン

 先日、サハリン石炭歴史上の大事件が起きた。シャフチョルスク港から
3万8千トン級のディゼル船「HIGHNY」への積載を終えた。石炭タ
ーミナルの現代化により一日の積載量が2500トンから9千トンまで増
加した。更なる投資で現在は一日1万5千トンを積載できる。

漁獲量5.4万トン

 州水産管理局によると、サハリンとクリルにおける現在までに今年の漁
獲量は5.4万トン。漁労計画の64%を実行できた。マスが最も多く、
東海岸で4.5万トンが獲れた。

2012年8月24日号

韓国交通研究院と州政府との協力協約

 さる21日、韓国交通研究院代表団が來島し州知事と会った。実は今年
6月に仁川で州政府と共同協力意向書が締結された。州知事はサハリン及
びクリルの交通インフラ構築事業への韓国側の参加を積極的に勧めている
。州知事は仁川空港建設にも参加した当院をユジノサハリンスク空港の拡
張事業へ参加させようとしている。サハリン専門家らの研修を当院が行う
ことになっている。今回、両者間で事業協力議定書が調印された。

故パルフトジノフ知事らの追悼式

 さる20日、ユジノサハリンスクのヴソクレセンスキ大聖堂で、200
3年8月20日カムチャッカで、ヘリ墜落事故で亡くなったイゴリ・パル
フトジノフ前知事と同僚らを偲ぶ追悼式が行われた。

「サハリンエクラン」国際映画祭

 8月23〜29日間、ユジノサハリンスクのオクチャブリ映画館で国際映
画祭「サハリンエクラン」が開催される。主催は州政府文化局。ロシア、中
国、日本、韓国、フィリピン、イラン、フランスなど50余編の映画が上映
される。

国際青少年教育フォーラム

 20日、アニワのキャンプ場で青少年教育フォーラムが開催され、前ロシ
アから500人、中国、日本、台湾、シンガポール、香港、インド、アフガ
ニスタンなどからも30人の若者が参加した。フォーラムで発表された優秀
な事業案は政策に反映する方針だと主催側はいう。

日本製品の試販

 8月24〜26日間、ユジノサハリンスク市内のショッピングモールで北
海道をテーマとした博覧会が開催される。日本側は自国産の食品と商品、そ
して北海道観光について紹介する。又、2カ月間に渡って38種類の日本産
製品を販売して反応をみるとのこと。

光復節記念行事

 サハリンでは毎年8月の第3土曜日に光復節を祝う。18日もユジノサハ
リンスク市のコスモス競技場で光復67周年を祝う記念行事が行われた。い
つもの様に地元の多民族は勿論韓国からも来客があって、一緒に喜びを分か
ち合った。会場には永住帰国して里帰りした1世たちとその孫達、そして地
方から団体で駆けつけた韓人などで賑わった。伝統舞踊や歌を習っている若
者達の公演、運動会、喉自慢大会などいつものように多様なプログラムが用
意されたが、何によりの楽しみは韓国から来る歌手の歌。今年はサハリンの
娘と呼ばれている歌手李ヘミさんが来て同胞を慰めた。


2012年8月31日号

文化発展に注力

 さる27日、サハリン州政府は2011〜2018年間の文化発展事業案
の実行問題で会議を開いた。文化局長によると専門職員の増加、英才教育支
援、施設の整備、7つのフェスティバル開催など注目すべき発展があった。
しかし、地方では予算を受けても実行しないなど不十分な状態が続いている
。文化発展事業予算として450億ルーブルが策定されており、州政府は積
極的に事業案の実行に取り組む姿勢だ。

サハリン国際映画祭最優秀作は「コンヴェイ」に

 さる29日夕方7時、「サハリンエクラン」国際映画祭が幕を閉じた。韓
国の映画監督朴・チョンボムさんをはじめ15人の審査委員はアレクセイ・
ミスギレフ監督の作品「コンヴェイ」を最優秀作に選んだ。又、男女俳優賞
も「コンヴェイ」から出た。

サハリンとクリルを紹介する本の出版会

 さる22日、州立図書館でコラムニスト兼地理学者のセルゲイ・ポノマリ
ョウフ氏が書いた「サハリンとクリルは我が島だ」の出版会が開かれた。サ
ハリン州言論媒体に掲載された資料を基に書かれた本で歴史や地理、論争な
ど多様なものが紹介されている。

州成立65周年を記念する多様な行事企画中

 9月14〜16日まで州成立65周年を迎えての多様な催しが企画中であ
る。ロシアの人気歌手をはじめ、シベリアを代表する地方芸術団の公演が続
く。

韓民族文化を紹介する日

 さる26日、郷土博物館で「我々は違うが、共に生きる」というプロジェ
クトの一環として韓民族の文化を紹介する催しがあった。同プロジェクトに
より毎日曜日博物館で多様な民族の文化が紹介されている。タタール、アル
メニア、アゼルバイジャン、北方少数民族による紹介は既にあった。この日
、韓人文化センターの生徒達を中心に歌や踊りの披露があるほか、伝統料理
の試食会も行われた。

9月1日―知識の日

 9月1日から新学期が始まる。この日を知識の日と呼んでいる。サハリン
州内には400の教育機関がある。保育と幼稚園151、小中高校の統合学
校116、夜間学校11、美術や芸術学校39、孤児院5、職業教育機関―
大学8、専門学校13、職業学校8などに9千人が通っている。今年小学校
新入生らには2セットの教科書が無償配布される。一冊は授業用、一冊は家
庭での宿題用。だからこれからは重いカバンを担いで登校しなくても済む。

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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆米国 日本で新たなレーダーシステムの配備を計画
米政府は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からのミサイル攻撃を防ぐた
めに、日本国内に新たなレーダーシステムを配備する意向。北朝鮮の朝鮮中
央通信が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_10/beikoku-nihon-de-reedaa-shisutemu
-haibi-keikaku/

◆温家宝首相−中国は領土問題で譲歩しない
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_10/chuugoku-nihon-ryoudomondai-jouhoshinai/

◆トヴェリ植物園に広島の被爆樹木を移植
モスクワの北隣トヴェリ州の州都トヴェリに、広島から運ばれた木々や灌
木が植えられた「開かれた心と記憶と希望の庭園」が開園する。トヴェリ
植物園のユーリイ・ナウムツェフ園長が、インターファクス記者に伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_10/87713790/

◆プーチン大統領:APECサミットのボランティア500人に日本観光
をプレゼント 
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_09/apec-samitto-borantia-nihon-ryokou/

◆プーチン・野田両首脳 領土問題協議で合意
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_08/87594489/

◆シリア:アサド、化学兵器を地中海沿岸に移送
http://japanese.ruvr.ru/2012_09_10/shiria-asado-kagakuheiki-chichuukai/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 「政府は2030年代の「原発ゼロ」や高速増殖炉「もんじゅ(敦賀市)
の廃止などを検討」していると伝えられている。
これらの報道などに対して、原発立地自治体のひとつ、福井県敦賀市の市
長が、共同通信によると「原発排除せず国は現実的選択を」と同市市議会
本会議で述べたという。

 敦賀市は28,374世帯、約7万人の人口を持つ。原発関連の市の歳
入は51億3千万円で、市全体の実に19.1%を占める。

 一方、毎週金曜日の夕方、原発ゼロを訴えるデモが首相官邸をはじめ全
国で行われていて、衰えることがない。

 筆者はこれら二つの報道に接するたびに感じることがある。
ひとつは、これら原発立地自治体の経済対策である。はっきり言って、原
発を設置させるため、国、電力会社などからの交付金・協力金などで、「
シャブ漬け」同様の施策を改め、どのような対策を立てられるかを早急に
立案する組織を立ち上げることである。少なくとも3・11以前まで、一
般我々は「電力不足を意識しないで」生活してきた。故に、このテーマは
国民的議論が必要だ。
 そして今一つは、再生可能エネルギーへの投資拡大である。この投資は
決して、予算だけではない。再生可能エネルギーの開発に支障が出る場合
に備えて、発電と送電の分離など、あらゆる手段を取るのに必要な法の改
正などももちろん含む。

 今、民主党や自民党の党首選びのニュースがマスコミを賑わし、第三極
がどーしたという話題が世間を席巻している。
 政治を志す人たちに訴えたい。「一体何をしているのか」と。

 原子力ムラや原発立地自治体の抵抗はあくまで経済的な問題だと感じる
筆者にとって、第三の施策を政府や議会が示すことができないなら、早々
に退場すべきである。

 これはイデオロギーの問題ではない。国の存亡をかけた問題である。
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発行     2012年9月11日   No.534
編集・発行  609studio Michio Katayama
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