メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.531◆現代時評「菅降ろしと脱原発封じ込め」  2012/08/21


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/8/21  No.531
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
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◆現代時評「菅降ろしと脱原発封じ込め」:井上脩身
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 東京電力は6日、福島原発事故発生直後の社内テレビ会議の録画映像
を報道陣に公開した。菅首相(当時)が東電本店で何かを激しく訴えて
いる様子が映し出されていた。「現場介入をして混乱させた首相」の“
いら菅”ぶりを印象付けようとする東電側の意図は明白だ。実際、菅氏
が東電に乗り込んだり、上空から事故現場を視察したことで、野党から
だけでなく民主党内部からもリーダー失格の烙印を押されるはめになっ
た。だがむしろ問題なのは、寄ってたかって菅氏の性格をあげつらい、
彼が打ち出した脱原発依存方針を事実上葬り去ったことである。

 菅氏が東電本店を訪れたのは、原発事故から4日後の昨年3月15日
午前5時過ぎ。8月7日付毎日新聞によると、映像は菅氏がマイクを右
手に持ち、左手を腰に据えて演説するところから始まる。約5分が経過
した後、東電社員に向けて左腕を振り上げるなどの動作をした。11分
の演説を終えた後、再び3分間スピーチ。マイクを返した後も、両手を
頭部で広げて爆発を表現するような仕草を見せ、東電社員にしきりに何
かを訴えたという。

 菅氏が東電を直接訪問することになったのは、前日、東電が福島第1
原発からの退避との情報が官邸に入ったからだ。「全面撤退」と受け止
めた官邸。菅氏は怒りを爆発させた。既に1号機の原子炉建屋で水素爆
発が起きており、誰の目にも事故処理を一歩誤れば列島全体が放射能汚
染される恐れのある極めて危険な状態だ。「いら菅」と陰口をたたかれ
るほど、気に入らないことがあると大声で叱りつける菅氏である。東電
ではエリート意識の塊のような幹部社員らを激しく叱責したこと間違い
ないだろう。

 菅氏は事故翌日、陸自ヘリで官邸から現地視察に出向き、第1原発所
長と面会している。こうした菅氏の一連の行動について、事故調査報告
書は「現場を混乱させ、弊害の方が大きい」(政府事故調)、「指揮命
令の混乱を拡大させた」(国会事故調)、「場当たり的泥縄的危機管理
」(民間事故調)、「無用の混乱を助長させた」(東電事故調)と、い
ずれも否定的評価だ。

 確かに、首相としては軽率であったといわれても仕方がない点は多々
ある。だが、安全神話がまかり通り、リスク管理が全くなされていない
中、冷静でかつ的確なリーダーシップを執れる政治家が、果たしてこの
国にいるのだろうか。

 昨年5月6日、菅氏が浜岡原発の停止を要請。このころから、自民党
だけでなく民主党内部からも「菅降ろし」の動きが出始めた。7月13
日の記者会見で菅氏が「原発に依存しない社会を目指すべきだ」と、脱
原発依存方針を明言すると、「国民の生活を無視した無責任発言」「独
りよがりのパフォーマンス」などと、財界だけでなく原発推進派議員が
反発。菅氏を首相の座から引きずり降ろすことで退陣脱原発依存方針そ
のものをも封じ込めた。

 今年7月、野田首相は大飯原発再稼働を認めた。原発は息を吹き返し
たのである。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版の翻訳者が夏季休暇に入りますので、
 8月は翻訳版をお届けできませんので、ご了承ください。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆野田首相、中国人活動家の国外追放を了承
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_17/noudashushou-chugokujinkatsudouka-
kokugaitsuihou-shounin/

◆中国の反日運動 コントロール下に
中国警察は19日、日本人活動家のジャオユイダオ(尖閣諸島)上陸を
受けて発生した抗議活動をコントロール下に置いたという。新華社通信
によれば、「抗議活動は警察の監視の下、整然と行われている」という。
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_19/nihon-chuugoku-senkaku-demo-kontoro-ru/

◆世界で最も居住に適さない都市
英国の調査機関エコノミスト・インテリジェンス・ユニットは、世界で
最も居住に適さない都市リストを発表した。リストには140の都市が
入った。
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_19/sekai-ichiban-kyojuu-tekisanai-toshi/

◆京都で出土のガラス玉 古代ローマ製か!?
京都の古墳で1988年に発見されたガラスの装飾品は、古代ローマ帝国で作
られた可能性が高い。21日奈良文化財研究所が発表した。
http://japanese.ruvr.ru/2012_06_23/79026473/

◆英国防省 UFO研究打ち切り
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_19/eikoku-ufo-kenkyuu-uchikiri/

◆昇地三郎氏、「公共交通機関を利用して世界一周をした最高齢者」に
106歳の日本人男性、昇地三郎氏が、公共交通機関を利用して世界一周
をした最高齢者として認定された。金曜、ギネスブック委員会が伝えた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_08_17/shouti-saburou-sekaiisshuu-saikoureisha/

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◆[編集長から]              片山通夫
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 わが国を取り巻く領土問題がきな臭くなって来た。ロンドンオリンピッ
クに目を釘づけにしているうちにだ。

 最初にお断りしておきたい。筆者は決していわゆる保守派でもなければ
、左翼でもない。ましてコチコチのナショナリストでもない。
 ただ、歴史をありのままに見たいと思っているだけである。

 また筆者は何度もサハリンへ出かけている。今後も行く予定だ。
サハリン州の管轄下に北方領土がある。サハリンでの印象を言うと、北方
領土=四島は決して返す気がないように見える。メドベージェフ氏は、大
統領の時と先日、首相になって二度も島を訪れている。遅れているといわ
れるインフラに整備にかなりの額の予算を割いている。
 その上、それらのインフラ建設に中国や韓国の企業が参入している。

 「血であがなった領土」であるという意識がロシア人の間には強い。
だいぶ前になるが、サハリン州の州議員にインタビューをしたことがあっ
た。議員は「我々(サハリン州民)は四島を日本に返すというプログラム
は持ち合わせていない」とにべもない。またサハリン残留韓国人組織の会
長は「我々は日本に連れてこられて、戦後は日本に捨てられた。そして今
やロシアが我々の(第二の)祖国でもある。南クリル(四島)にも戦前は
我々の親や兄弟が滑走路を作らされた記憶がある。そんな日本にどうして
?」と詰め寄られたこともあった。
 
 北方四島はもちろん、竹島や尖閣列島に関してもそうだが、我が国の政
治は領土問題に真正面から向かわなかった。その理由は様々あるだろうが
筆者は次のように思えてならない。

 戦後、アメリカの占領時も含めて、アメリカの意向を無視した政策はと
らなかった。ドイツのように、徹底した「戦後処理」を全くしてこなかっ
たということが、今の東アジアの状況を生んでいあるのではないか。

 外務省の歴代官僚も、自民党をはじめとする政治家たちも、「戦後の清
算」をまともにしてこなかった。都合の悪いことは「棚上げ」して相手国
にも自国民にも良い顔をすることで「決着をつけて」きた。

 東西冷戦が、共産党の脅威という理由が、それらを歴史のかなたに隠し
てきた。

 しかし筆者は思うのである。東西冷戦などの理由は、分断国家を余儀な
くされたドイツやベトナムそして朝鮮半島は現在もそうである。いずれも
アメリカが介在している。どうして我が国はアメリカに弱いのだろうか?

 この辺でアメリカの意思とは別に独自の外交政策を毅然と立てるべきだ。
聞けば外務省には「チャイナスクール」などわけのわからないグループが
存在するとか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8A%
E3%83%BB%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%AB

 ただ残念なことに、ジャパンスクールはないようだ…。
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発行     2012年8月21日   No.531
編集・発行  609studio Michio Katayama
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