メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.528 ◆現代時評「50年ぶりに里帰りした・・・」  2012/07/31


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2011/7/31  No.528
─────────────────────────────────
 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上
脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻
訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載!
─────────────────────────────────
   1人のフリージャーナリストがフクシマで見たものは何か?

   フリージャーナリスト渡辺幸重氏が精力的にフクシマを取材!

          http://blogs.yahoo.co.jp/yaku_no_shima/

             http://www.youtube.com/daraku02/

─────────────────────────────────
                Graphic Magazine「Lapiz」情報

        Lapiz 年間購読で 1000円を800円に!
                  
              詳しくは
   http://www.lapiz.bz/files/library/download_files/index.html
─────────────────────────────────
        Graphic Magazine「Lapiz」β版

  *東日本大震災*Portrait of Sakhalin*自然遺産 屋久島
    以上3点をDLマーケットにアップロードしました。

         販売スタンドなど詳しくは下記へ。
                   http://www.lapiz.bz/
─────────────────────────────────

                      【著書案内】

     「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」

 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太
 への逆密航」を語る貴重な証言!!
 片山通夫 著
 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html

           定価 1900円+税
─────────────────────────────────
◆現代時評「50年ぶりに里帰りした・・・」:片山通夫
─────────────────────────────────
 先月のことだ。サハリンの友人から興味あるメールを受け取った。タ
イトルは「元サハリン韓人の女性医師」というものだった。何を今さら
…と思いながら、メールを開き読んでゆくうちに、俄然興味がわいてき
た。このメールに書かれている「里帰り」とは、祖国韓国へサハリンか
ら帰国したという意味でなく、「北朝鮮からサハリンへ一時帰国した」
という意味だった。

 彼女はコルサコフ(樺太時代は大泊と言って、宗谷海峡を隔てて稚内
との間に連絡船が約8時間で結んでいた港町)の出身である。はっきり
とは言わなかったが、1959年から61年の間に、自身の兄とともに
北朝鮮へ「帰国」した。サハリン出身の彼女たちは、むろんロシア語が
堪能だ。兄は金日成のロシア語通訳を務め、北朝鮮のロシア語教科書編
纂にもかかわったという。

 彼女自身は、北朝鮮の男性と結婚し、医師としての道を歩んだという
から、北朝鮮では大成功をおさめたと言える。彼女の結婚相手も医師で
夫婦ともアフリカの某国で医師として何年も赴任した経験がある。帰国
者で外国へ仕事で赴任するということは、昨今新聞紙上をにぎわしてい
る「労働者の輸出」とはいささか趣が違うように思える。特別扱いされ
ている感がある。

 またロシアへ里帰りした今回、滞在許可日数は3カ月。充分すぎるほ
どの休暇期間だ。ここでも北朝鮮での彼女の北朝鮮でのポジションを推
し量れるのではないだろうか。ただ彼女とともに過ごした筆者の友人に
言わせると「顔色も黒くやせていて病気のようだ」。その姿から友人は
「やはり北朝鮮では食糧事情はあまりよくない」のだと感じたが、彼女
は北朝鮮での詳しい生活には触れない。ただ、今回の訪問では、高麗人
参など結構高価なお土産を沢山携えて来たというから、そんなに苦しい
生活をしているわけではないのだろうとメールには書かれていた。

 たったこれだけの情報で、北朝鮮での彼女自身の生活を推し量ること
は不可能だが、ある程度垣間見ることはできるというものだ。残念なが
ら筆者は彼女がサハリンにいる間に彼の地へ行く予定はない。だから直
接話を聞くことはできない。
 しかし、北朝鮮もある部分、わずかだが「変化してきている」という
ことを推し量ることはできる。一つは彼女は過去に何度か里帰りの申請
をして来たが、今回初めて許可が下りたこと、また家族を北朝鮮の残し
たままの帰国だったが、そんなに家族の身の上を心配する風には見えな
かったということだ。それは彼女の「北朝鮮の生活が安定している」と
いうことでもある。

 残念なことに、北朝鮮での生活を詳しいことは話さないし、名前もこ
こで書くことはできないから、この話の信ぴょう性は低いとも思う。筆
者の経験から書くと、こんな北朝鮮の人の話を聞いたことは初めてであ
る。彼女は3カ月の予定を早めて、二か月で帰国したいと考えているよ
うだ。コルサコフの親戚に迷惑(経済的な負担を指す)をかけられない
からというのが理由だ。

 まだまだ北朝鮮はミステリアスな国である。
─────────────────────────────────
◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版の翻訳者が夏季休暇に入りますので、
 8月は翻訳版をお届けできませんので、ご了承ください。
─────────────────────────────────
◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年7月20日号
─────────────────────────────────
 所得税未納約4千万ルーブル

 先日、ユジノサハリンスク市経済安全捕縄会の定期会議で個人の所得
税未納と賃金未払問題が議題に上がった。年初から所得税未納総額は4
千万ルーブル以上に達しており、それが殆ど個人の所得税未納額が占め
ている(3千850万ルーブル)。市政府は徴収のための強硬たる手段
を講じることを決めた。

サハリン州代表がアルタイ辺境を訪問

 今週、サハリン州代表がアルタイ辺境を公式訪問する。代表団はアル
タイ行政部と2013〜2015年までの経済及び技術、文化交流事業
について話し合う。サハリン州は2004年からアルタイ辺境と経済交
流を進めている。アルタイ辺境から麦粉と飼料を輸入しており、その規
模はアルタイ辺境全体輸出量の59%と33%を占めている。他に家具
、薬品、お菓子、アルコール製品、化粧品、医療設備など多様な商品が
アルタイ辺境から輸入されている。

サハリンの児童オーケストラ、国際フェスティバルで1等

 7月6〜8日間、ブルガリアのオボゾル市で開催された国際フェステ
ィバル「児童の世界」でサハリン州代表のホルムスクオーケストラが1
等を取った。シャクチョウルスクとユジノサハリンスク市代表団も入賞
した。

「親善の船」北海道へ出発

 今年も、サハリン州代表の学生と大学生64人が「親善の船」に乗っ
て北海道へ。
7月31日、コルサコフ港から札幌へ入る。2日間は日本人家庭でホー
ムステイし、受け入れ側が用意した多様な文化交流プログラムに参加す
る。8月6日まで滞在する。来年は北海道から日本人代表団が来る。

市議会が27人に奨学金を

 ユジノサハリンスク市議会は、学業或いは芸術、スポーツなどの分野
で高い成果を上げた27人の学生たちに2千ルーブルの奨学金を与える
ことを決めた。対象は市内学校に在学中の中高校生。
─────────────────────────────────
◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年7月27日号
─────────────────────────────────
サハリン経済、ロシアで4番目

 さる23日の州政府会議によると今年上半期のサハリン州社会経済発
展水準がロシア83地域の中で4番目を占め、昨年の13番目に比べ大
きく成長したことがわかった。
住民の平均所得は昨年より12%増加した3万1千ルーブルで、年金も
8.3%引上。失業率も1%に留まっている。


物流センター建設案

 さる24日、ユジノサハリンスク市政府主催の地域間会議で物流セン
ター建設問題が審議された。ユジノサハリンスク市では数年前から郊外
に物流センターを建設する計画を検討してきた。2010年3千万トン
から2012年には1億トンの貨物を輸送する状況の変化を踏まえ、関
係者からは物流センター建設を急ぐべきであるとの声が高い。会議に参
加した他地域の運輸会社は物流センター建設に協力すると約束した。

年金引上

 7月、ロシア連邦サハリン州年金基金は、働く年金生活者に対し8月
1日から年金額を引上げると発表。

都市美化コンクール

 8月5日から1カ月間、ユジノサハリンスク市政府は都市美化コンク
ールを行う。市誕生130周年記念してのイベント事業として、生活空
間、職場、店や市場の周辺にある花壇を整備し綺麗に飾った人たちに賞
を与えるとのこと。

スポーツセンター建設

 今年の秋にユジノサハリンスク市にあるショッピングセンター「シテ
ィモール」の隣りに総合スポーツセンターができると州政府関係者が発
表。

サハリン人形を日本で紹介したい

 サハリン州政府は、9月20〜23日間東京で開催される国際観光展
覧会にサハリンを代表する人形を制作し紹介しようと、1週間前にアイ
ディア公募を行った。目的は海外観光客を多く呼び寄せるために。

生活用品や家電製品を収集

 ユジノサハリンクス市政府は低所得家庭或いは自立する孤児院出身の
若者達の生活を助けるために、一般住民らにリサイクル品(生活用品や
家電製品など)の寄贈を呼掛けている。
─────────────────────────────────
◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
─────────────────────────────────
◆プーチン大統領: ロシアと日本の関係 悪くない
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はソチで日本の玄葉光一郎外相
と会談し、日本の野田佳彦首相を9月にウラジオストクで開かれるAPEC
サミットに招待した。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/83229245/

◆プーチン大統領 秋田県知事にシベリア猫を贈る約束
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/ro-daitouryou-nihon-shushou-APEC-samitto-shoutai/

◆ロンドン五輪:日本女子バレーがアルジェリアに勝利
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/rondon-gorin-bare--nihon-shouri/

◆刹那的な政治状況に流されるな
平和条約に関するロシアと日本の立場は以前として一致したものではない
が、対話継続の準備は存在する。ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相はソチ
で日本の玄葉光一郎外相と会談した結果明らかにした。今回の外相会談は
ラヴロフ外相と玄葉外相との間ですでに5回目となるものだ。ラヴロフ外
相は「毎回会談する毎に、我々は思いだけではなく、実際にお互いの理解
を深めている」と語っている。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/ravurofu-genba-sochi-kaidan/

◆関西電力 高浜原発の再稼動に期待
次に日本で再稼動する原発は、関西電力が保有する高浜原子力発電所の3
号機と4号機になる可能性がある。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/kansai-denryoku-takahama-genpatsu-saikadou/

◆同じ特使で新たなアプローチ?
日本の森元総理大臣は、日本とロシアの領土交渉の特使としてロシアを訪
問するよう要請を受け、応じる意向を表した。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_27/onaji-tokushi-aratana-appuroochi/

◆EUの対シリア制裁 ロシアは実行に不参加表明
28日ロシア外務省のルカシェヴィチ報道官は声明を表し、EUの対シリ
ア制裁が実行されても、ロシアはこれに参加しないことを明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/EU-tai-shiria-seisaku-roshia-fusanka/

◆ロシアとベトナム 戦略パートナーシップを強化
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_27/roshia-to-betonamu-senryaku-paatonaashippu/

◆第30回夏季五輪 開幕
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_28/rondon-gorin-kaimaku/
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              片山通夫
─────────────────────────────────
 さあ、オリンピックの夏がやってきた!初っ端から熱い戦いを見せて
くれたなでしこJapan。 負けてはならじと、男子も強豪スペインに勝利
した。

 国内では、高校野球の地方大会で続々と代表が決まったいる。まさに
スポーツの夏にふさわしい話題でいっぱいだ。

 一方で、情けないのが政治・国会。毎週金曜日に行われている首相官
邸周辺の反原発デモに全く対応できていないようだ。
 「大きな音」と言って顰蹙を買っている首相をはじめ、原発推進のか
じ取りをして来た自民党など10万人、15万人にも及ぶ自然発生的な
デモの前になすすべを知らない。

 そんな今、「緑の党」がわが国でも結成された。
     http://www.greens.gr.jp/
 環境問題に特化した政党の誕生は我が国では初めてのことで、特筆す
べき大事件だろう。
同党プレスリリース
     http://www.greens.gr.jp/pdf/20120720b.pdf

 怪しげなイデオロギーを振り回す既成政党や、党首(代表)の一言一
言に右往左往しなければならないような政党を打ち破って躍進してもら
いたいものだ。

 課題はイデオロギーに惑わされないで、またイデオロギーでがんじが
らめになっている政党の干渉を排除して真の「市民党」に成長してもら
いたいものだ。
─────────────────────────────────
発行     2012年7月31日   No.528
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020願うのもの
contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html
website  http://www.lapiz.bz
投稿   http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html

           ◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。