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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2011/7/3 No.525 ───────────────────────────────── フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。Lapiz編集長・井上 脩身氏の現代時評、ロシア唯一の韓国語新聞「セ・コリョ」の日本語翻 訳版、ロシアやサハリンの話題編集長のコラムなど多彩な話題満載! ───────────────────────────────── 1人のフリージャーナリストがフクシマで見たものは何か? フリージャーナリスト渡辺幸重氏が精力的にフクシマを取材! http://blogs.yahoo.co.jp/yaku_no_shima/ http://www.youtube.com/daraku02/ ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」情報 夏号6月1日発売中!! 詳しくは http://www.lapiz.bz ───────────────────────────────── Graphic Magazine「Lapiz」β版 *東日本大震災*Portrait of Sakhalin*自然遺産 屋久島 以上3点をDLマーケットにアップロードしました。 また創刊準備号の予告をホームページに掲載しました。 販売スタンドなど詳しくは下記へ。 http://www.lapiz.bz/ ───────────────────────────────── 【著書案内】 「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太 への逆密航」を語る貴重な証言!! 片山通夫 著 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 定価 1900円+税 ───────────────────────────────── ◆現代時評「原発再稼動反対デモに思う」:片山通夫 ───────────────────────────────── 国民が政治に対して、意思表示をする手段として、街中でのデモがあ る。しかし、そのデモは従来政治的な色合いが強く、政党との結びつき も強かった。 しかしここ何年か、アラブの春に象徴されるように、「普通の市民 が、自発的に」参加するような傾向が強まった。そしてそのデモが政 権を倒すという事態にまで追い込んでいる。それには、ツイッターや フェイスブックというようなインターネット・ツールが人々の間に浸 透していることが上げられている。携帯電話が普通の人に持たれてい る証左だ。 一昨日、6月30日、東京で、大阪で、そして福井県大飯町で、関西 電力大飯原発の再稼動に反対する大規模なデモがあった。先に書いた ように、従来のあり方とはまったく違っていた。政党や労組といった 「運動のプロ」の影は感じられないのだ。普通の市民が、自発的に、 原発の危険性を訴えて、政府が闇雲に稼動させようとしていることに 、反発した市民が参加した。 これは画期的なことだ。ツイッターなどを読むと、デモに参加を促 すツイートが瞬く間に拡散して行くのがよく見える。NHKのツイー トでは「NHKニュース@nhk_newsニュースウオッチ9より「大飯原発の 運転再開に抗議する大規模なデモが首相官邸前で行われました。ツイ ッターなどの呼びかけもあり、参加人数が急増。大飯再稼働直前の動 きをお伝えします」と伝えた。 先週まではほとんどマスコミが伝えなかったこのデモは、ようやく 掲載しだした。ある程度強硬な手段(大飯町では道路封鎖)に訴えな ければニュースにならないのかと、ある意味、マスコミの限界も感じ る。最も、マスコミを頼りにしているわけではないが。 デモは特殊な行動ではなくなってきた。政治色の強いデモは影を潜 めた。沖縄でも、福島でも、普通の市民が訴えるようになった。この ことは特筆すべきことである。既成の政党や労組が組織するデモは市 民運動にはなじまない。普通の生活者が見るに見かねてデモに参加す る時代になった。やっとわが国も「民主主義」が本当の意味で根付い てきた。 「お仕着せの民主主義よ、さようなら」だ。 参考 総理はどのように責任をとるのか? http://blogos.com/article/42174/ 大飯原発への道路を封鎖 再稼働抗議 http://www.47news.jp/CN/201206/CN2012063001000921.html ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年6月22日号 ───────────────────────────────── 州知事、訪韓中 ホロシャヴィン・サハリン州知事が4泊5日の日程で韓国を訪問中。 釜山と仁川市、三星物産などを訪ね、代表らと持続的な投資協力問題に ついて話し合うとのこと。特に、サハリンのアルクトン・ダギ埋蔵地で プラットホーム建設を行うデウ朝鮮海洋の作業場の見学を行ったのち、 24日に帰国する。 極東地域農業問題で さる19日、アムル州ブラゴヴェシェンスク市で開かれた極東地域理 事会議に州知事が出席。理事会は極東地域農産物自給自足のための課題 について話し合い、国レベルでの発展戦略が必要であることに合意した 。現在、サハリン州の農産物自給率は、芋と卵100%、野菜70%、 牛乳40%の状態である。 癌センター開院 来る7月1日、オハとホルムスクに癌センターが開院する。ポロナイ スク地域は準備中。地域癌センター開院は保健現代化事業の一環であり 、今後5年間に渡って上の3つの地域癌センターに2,200〜4,8 00万ルーブルの予算が費やされる。 金メダル卒業生77人 サハリン州教育部によると、今年中学校卒業予定の学生中77人が金 メダル(成績最優秀者)を貰う。昨年より2倍増加しており、その大部 分がユジノサハリンスク市学校の学生たち。22日、州知事からメダル が授与される。 大型林産企業設立 さる19日、サハリン州政府と「ベエムサハリン社」が木材加工総合 生産プロジェクトの共同実行についての協定を結んだ。同プロジェクト に従って今後11年間、林業と木材加工業に積極的な投資が行われる。 人口政策に30億ルーブルを投資 2012年7月1日からサハリン州内妊娠婦らに毎月1、500ルー ブルの健康支援補助金が支給される。又、出産の際、15,000ルー ブル、3人以上の子供のある家庭には毎月子供一人当たりに1、986 ルーブルが支給される。 広報活動―父母を探しています サハリン州政府は6月中に、郵便局と共同で孤児院の子供90人に養 父母を探してあげる活動を行う。1歳から17歳までの子供達の写真1 80枚を郵便局に貼るほか、マスコミなどを通じて情報を流す。この事 業は3年前から行っている。 オンライン薬局 インタネットを通じて薬を注文できるオンライン薬局ができた。製薬 会社が運営する「パルマチア薬局」は今月1日から遠距離又は働く人た ちも容易に薬の購入ができるようにインタネットでの注文を受け、自宅 まで配達するサービスを行っている。 ───────────────────────────────── ◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年6月29日号 ───────────────────────────────── サハリン・韓国の交流拡大 21日、訪韓中のサハリン州知事が釜山市を訪ね、市長と地域間交流 協定を締結。経済交流協定書には文化、水産、医療、エネルギー産業、 港湾物流、廃棄物処理分野などにおける協力を約束する内容が含まれて いる。許・ナムシキ釜山市長は7月1日、ウラジオストク訪問後サハリ ンを訪ね、地域代表らと同胞社会代表らと面談を行う予定。 州知事選挙法の通過 サハリン州議会が21日、「サハリン州知事選挙法案」を承認、4年 後から直接選挙に変わる。既に連邦法が州知事の地域住民直接選挙制に 変更されている。これに従って各州は7月1日まで地方関連法案の修正 を行わなければいけない。 首相のサハリン・クリル訪問 7月はじめ、メドベージェフ・ロシア首相がサハリンとエトロフ島を 訪問する。7月2日、ウラジオストクを訪問する首相は、この際極東地 域運輸インフラと住宅政策の実態把握のために各地を視察する。 山火事多発 最近、雨が降らず森の乾燥状態が深刻だ。この1カ月間で9件の山火 事が発生、極東地域センターの世界最大の放火ヘリがサハリン州北部の 山火事消火作業に動員された。山火事で1,643ヘクタールの山林が 焼失した。 住宅管理費2倍引上 州政府によると、今年中(7月1日と9月1日)住宅管理費が12% 、ガス料金15%が引上げられる。暖房費、上下水道料金も6〜7%引 上げられる。 サハリンと日本の海上共同訓練 さる20〜24日、石狩湾でサハリンと日本の海岸守備隊が海上共同 訓練を行った。越境と遭難などの事態を想定し、対応作戦を行った。 原住民の海神祭 さる23日、ポロナイスク近郊の海岸でニブフ民族の風習に従った海 神際が行われた。漁獲シーズンに入る前に海の神様に祈る祭祀儀礼で、 沢山の魚が獲れるように祈りながらご馳走を奉げるのである。各地の少 数民族と地域住民が参加して一緒に祭祀を行う他、料理とゲームなどを 楽しむなどで文化祭のように行われた。 ───────────────────────────────── ◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本・世界」>>> 引用元 http://japanese.ruvr.ru ───────────────────────────────── ◆福島原発事故 日本政府には教訓とならず http://japanese.ruvr.ru/2012_06_29/nihonseifu-fukushima-genpatsujiko/ ◆日本で原発再稼動に対する大規模デモ行動 http://japanese.ruvr.ru/2012_06_30/nihon-genpatsu-saikadou-demo/ ◆在露・独の韓国大使館 統一担当官が新設 今年8月、在ロシアおよびドイツの韓国大使館には一名ずつの朝鮮半島 統一担当官が赴任する。1日、韓国統一部の報道官が明らかにした。 http://japanese.ruvr.ru/2012_07_01/roshia-kankoku-taishikan-touitsu-tantoukan/ ◆仏外相「ジュネーブではアサド退陣で合意に達した」 フランスのファビウス外相は、シリアに関しジュネーブで達成された合 意は、アサド大統領の解任を予想したものだと述べた。ロイター通信が 伝えた。 http://japanese.ruvr.ru/2012_07_01/shiria-kaigi-ikou-seifu-furansu-iken/ ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 関西電力大飯原発が動き出した。これで関西圏の電力不足が解消する のかということにはならないという。(関電) それならなぜ大方の反対を押し切ってまで再稼動に踏み切るのかとい う疑問が残る。関電はそこのところを明確にしていない。「再稼動する ことが目的」のように思えてならない。 いずれにしても電力を無駄に使うということは避けるべきだ。別に電 力だけのことではなく、質素に生きることが美徳と思える生活が良い。 この再稼動は野田総理が「自分の責任で」決断したという。「その責 任」だが、社民党の福島みずほ参議院議員が問いただした。 政府は6月29日、「政治的判断を必要とする国政上の重要な問題で あり、内閣の首長である野田内閣総理大臣がこれに関与し責任を持って 判断を行うという趣旨で述べた」との答弁を閣議決定したのだ。その一 方で、事故発生時の賠償については「原子力事業者がその損害を賠償す る責めを負う」ということだった。 つまり「野田総理が責任を負う」ということではなさそうだ。関電に 丸投げの「責任」だそうな。 (参考) 総理はどのように責任をとるのか? http://blogos.com/article/42174/ なにしろ下手をすれば「ふるさとを失い、いや命までも失いかねな い事態」なのだから、政府は無論、日本全体がここはじっくり判断し なければならないと思うのだが、どうもそうではないようだ。 そんな事態に関電という一民間事業者に丸投げしても、どうにもな らないことは、東電の現状を見れば明白だ。野田総理も政府も無責任 極まりない。 ついでに書いておきたいのだが、大阪の橋下市長あたりが、メディ アを通じて、原発再稼動に関して、あたかも「大阪の意思」のように 「ぶれた発言」を繰り返している。野田首相の「私の責任で再稼動」 といったのと同様、無責任極まりない。「卑しくとも市長ともあろう ものが」思いつき同然に発言するのはいかがなものか。 ───────────────────────────────── 発行 2012年7月3日 No.525 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020願うのもの contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.lapiz.bz 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 解除 http://archive.mag2.com/0000052236/index.html ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |