メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.514 ◆現代時評「野田政権と原発再稼働」  2012/04/17


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/4/17  No.514
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
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◆現代時評「野田政権と原発再稼働」:井上脩身
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 野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚は13日、定期検査
で休止中の関西電力大飯原発3、4号機について、「再稼働は妥当で必
要」と判断した。再稼働を急ぐ野田首相。その姿勢は、わが国のエネル
ギー政策について、福島第1原発事故以前と同様、引き続き原発を基軸
としていくことを示したといえよう。

 野田首相と関係3閣僚は4月6日、大飯原発3、4号機の再稼働を判
断するための新たな基準を決定。これを受けて関電が9日、政府に提出
した安全対策の実施計画(工程表)を野田首相らは「基準に適合してい
る」としたうえで、さらに協議を重ね、9日、「安全性の判断基準を満
たしている」ことを最終確認した。一連の素早い動きは、「初めに稼働
ありき」と見られても仕方がない。何ゆえに野田政権は原発運転に固執
するのだろうか。

 3月25日から柏崎刈羽原発6号機が定期検査で休止しており、現在
稼働しているのは泊原発3号機のみ。これも5月5日には定検で休止す
る。大飯原発3、4号機が再稼働しなければ、「稼働原発ゼロ時代」に
入るのだ。「原発がなくともやっていけるではないか」との思いを国民
が抱き、世論が一気に「脱原発」に傾くのを野田政権は恐れているのだ
。再稼働が一層困難になるからにほかならない。

 1970年に敦賀原発1号機が運転を開始して以来、これまでに54
基の原発が造られ、わが国の経済成長を電力供給面で支えてきた。この
40年余りを、自民党政府と官僚、電力会社や原発推進派学者らで作り
出された「原子力エネルギーの時代」といっても過言ではない。だが、
福島原発事故によって、その根柢が崩れ落ちた。

 同原発事故は、明治維新や終戦に匹敵する歴史的大事件だといわれる
。明治維新により近代国家に脱皮し、終戦により平和国家になった日本
。8月15日をもって軍国主義の時代が終焉したように、3・11は新し
いエネルギー時代への転換点でなければならない。

 国際的環境保護団体、グリーンピース・ドイツの気候変動・エネルギ
ー部門長、トーマス・ブリュアー氏が3月、福井県小浜市で講演。同氏
によると、ドイツでの2010年の電力に対する原子力の比率は24%
、2011年は15%の見込み。一方、自然エネルギーの割合は201
1年に20%に達するという。かつて金融アナリストだった同氏は「自
然エネルギー利用によって2010年には9000億円もの経済効果が
生みだされた」と述べた。

 同氏の主張を丸のみするわけにはいかないだろう。だが、温暖化が進
みつつある21世紀の地球環境の面からみれば、放射能汚染の恐れがな
く、かつCO2の排出も少ないエネルギーは喫緊の課題である。資源の
ないわが国が21世紀のこの世界でも先進国であるためには、原発を国
是とした時代から、新エネルギー創成の時代に移行すべきなのだ。いま
野田首相に求められたているのは、そのプログラムづくりである。大飯
原発の再稼働を認める野田政権。21世紀のエネルギー観を持ち合わせて
ない証左と言わざるを得ない。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。
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 届き次第、お届けします。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆露日の政治日程 新大統領就任後に合意−外務省
ロシア外務省のルカシェヴィチ報道官は、日本との平和条約締結問題に
関する協議を含めた政治日程は、プーチン首相が大統領に就任した後で
合意されると伝えた。ロシア外務省のルカシェヴィチ報道官は、日本の
マスコミが報道した玄葉外相の発言についてコメントした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_14/71710186/

◆露日 領土問題での対話活発化
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_14/71701219/

◆東日本の沿岸部で大きな地震
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_13/71638251/

◆ロシア紙「独立新聞」より 1960年代のソ日関係
人類初の有人宇宙飛行を成し遂げたユーリー・ガガーリンは、ソ連と日本
の関係強化に貢献した。露紙「独立新聞」が伝えている。
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_12/71513940/

◆日本発祥のイベント「ぺちゃくちゃ」 ロシアのカザンで開催
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_11/71299456/

◆中国 世界ウイグル会議の日本開催に反対
中国は日本に対して9日、東京で開かれる予定の世界ウイグル会議を開催
しないよう呼びかけた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_09/71171967/

◆ロシア 日本市場へ「すり身」の供給を開始
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_09/71157064/

◆福島原発事故でロシアの漁業活動修正へ
ロシアは日本の「福島第一原子力発電所」での事故後の情報を考慮し、極
東における自国の自然保護および漁業活動の修正を開始した。
http://japanese.ruvr.ru/2012_04_10/71301165/

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◆[編集長から]              片山通夫
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 福井県の大飯原発の再稼働が秒読みに入った。民主党政権は稼働に向け
た動きが活発化していることはすでに報道された内容から周知の事実だろ
う。大飯原発から30キロ圏内に入る京都と滋賀の知事に何の相談もなく
再稼働する姿勢を見せている政権に不信をあらわにしている。

 そんな中、発信力が強烈な大阪市長は「民主党政権を倒す」と息巻き、
これを受けて輿石民主党幹事長が「受けて立つ」と。

 今一つ信じられないのがこの市長。「発信力は抜群」だが、風向きが変
わるときれいに忘れるという病気(?)をお持ちのようだ。
 本気で「原発反対」を唱えるなら、自らを抜き差しならぬところまで追
い込むべきだが、どうも「何時でも逃げられる」姿勢が透けて見えるのは
、筆者だけなのか?

 福井県知事が「使用済み核燃料の中間貯蔵施設を電力消費地に置くこと
を提案」した。市長はさっそくこれに飛びつき「中間貯蔵施設の負担を考
える」とのたまった。しかし・・・である。中間貯蔵施設を造るとなると
青森県六ケ所村を見る限り、相当の面積の土地が必要だ。周辺住民の同意
も。何よりも市長率いる維新の会の合意がまず先決だろう。
 この会を構成している大阪府議や大阪市議の考え方が見えてこないのだ
。もと自民党員や民主党員がほとんどであろう彼らの顔が見えないという
ことが、筆者をして「疑問視」する要因だ。
 選挙目当ての烏合の衆なのかは知らない。市長の「過激ともいえる」言
動についてゆけるのかは、はなはだ疑問だと言える。

 以前、知事時代に「関西空港に米軍基地を」と言ってみたり、「咲島に
府庁舎を」と言ったり、今度は「使用済み核燃料の中間貯蔵基地を」とい
う。

 府・市民はもちろん、関西の県民が納得できる計画が立てられるのか。
単なるパフォーマンスで終わるなら、ハタ迷惑この上ない。

 しかし「トイレの無いマンション」のトイレはどうにかしなくてはなら
ない状況であることは間違いない。そういう意味でも原発から出る「使用
済み核燃料」はこれ以上増やさないほうが良い。
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発行     2012年4月17日   No.514
編集・発行  609studio Michio Katayama
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