メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.512 ◆現代時評「ストレステストは許された危険か」  2012/04/03


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/4/3  No.512
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「ストレステストは許された危険か」:井上脩身
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 運転停止中の大飯原発3、4号機の安全評価(ストレステスト)につ
いて、経済産業省原子力安全・保安院が「妥当」と判断した審査結果を
、内閣府原子力安全委員会(斑目春樹委員長)が了承。これを受けて政
府は地元自治体に再稼働を要請したうえで、「最終的に政治判断する」
という。ストレステストのパスをもって「原発は安全」とする政府の姿
勢そのものを国民は厳しくテストしなければならない。
 原子力安全委は「さらなる安全対策を速やかに行うよう」求めており
、関西広域地域連合も「安全評価の結果だけで判断しないよう政府に申
し入れる」との態度。福島原発事故の原因究明がなされていない段階で
の再稼働には、地元自治体も否定的、もしくは懐疑的だ。
 ここで「危険」について考えてみたい。
「許された危険」という法理がある。たとえば車。事故で人をはねると
死に至らしめる。飛行機が墜落すれば、乗客、乗員全員が犠牲になる。
列車も船も同様だ。危険性を少しでも小さくするために、免許証の取得
など、運転や操縦に条件をつけ、事故防止のための法整備や防止教育、
道路整備など、ソフトとハード面の対策がとられている。
原発が事故を起こすと放射能が漏出し、人体に悪影響を及ぼすことは初
めからわかっていたはずである。だから、原発の立案以前に、「許され
た危険性」なのか「許されざる危険」なのかを十分、国民的議論をなさ
れるべきであった。ところが、原発推進派は「安全」だと言い募り、多
くの人々は原子力ムラの大学者の言を信じてきた。その結果、「許され
た危険」なのか、そもそも「許されざる危険」であるのか、という根源
的議論を避けたまま40年以上も原発が運転されてきたのである。
福島原発事故によって「安全」ではないことが誰の目にも明らかになっ
た。すると今度は「ストレステスト」という条件をつけ出した。つまり
「なるほど危険ではあるけれど、ストレステストのパスにより稼働は許
される」というわけだ。「安全」から「許された危険」に、論理を変え
たのである。
「許された危険」とされた車や飛行機をみよう。事故さえ起きなければ
まことに便利な乗り物である。では原発はどうか。事故が起きなくても
、使用済み核燃料の処理の問題が依然として残る。放射能の不安は何万
年も先まで消えないのだ。それでも「許された危険」といえるのか。
「許された危険」なのか「許されざる危険」なのか。再稼働の前に、今
度こそ国民的議論がなされなければならない。でなければ福島の事故の
被災者は浮かばれない。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年3月23日号
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暖房予算増加

 サハリン州政府は2012年度暖房予算を11年より5.5%増額し
た17億ルーブルを割当てることにした。過去4年間、州政府は住宅管
理のために110億ルーブルを費やしたが、その中の半分が冬の暖房費
に使われた。

今年、石炭輸出2倍増加

 今年、石炭会社「サハリンウゴリ」は輸出量を昨年度2倍に当たる1
75万トン。主な輸出先は日本で93万トンを輸出する予定。2011
年、「サハリンウゴリ」は100万トンを輸出した(日本へ53万55
00トン、中国へ36万9500トン、韓国へ8万トン)。昨年の採掘
量は185万トン、今年は240万トンを採掘する予定。

サハリン州観光へ関心高い

 3月17〜24日間、モスクワで国際観光博覧会が開催された。州政
府当局によると、世界的有名な放送局から撮影の提案があるとのこと。
BBC WORLDNEWSが サハリンの自然を紹介する37分間のビデオ撮影を、
又NATIONAL・GEOGRAFICからの撮影提案があった。他にヨーロッパで最
も有名な旅行情報サイト「Tripadvicor」がサハリンを紹介したとの提案
があった。国内の関係者からも関心を集めている。

サハリン州百科事典出版

 3月23日、サハリン州百科事典WEBサイトのプレゼンテーションがあ
った。現在サイトには700余りの記事が載っている。これは3年前か
ら準備してきたもので、2年後は本も出版する予定である。サイトに者
を書いている人は研究者、教師など100人余りの専門家で、写真も1
500枚が掲載されている。

朴ヘリョン前韓人会長が李・ミョンバク大統領に書簡

 民主平和統一諮問議員の朴・ヘリョン前サハリン韓人会長が、さる22
日李・ミョンバク大統領に書簡を送るために出国したとサハリン現地マス
コミが伝えた。書簡の内容は、今年9月ウラジオストクで開催される予定
のAEPEC期間中は軍事訓練を控えて欲しいとのこと。米国との合同訓練が
北朝鮮を刺激し緊張状態が生じるかも知れないというのが理由である。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本経済は競争力を弱めるか?
日本経済は予想以上に落ち込んでいる。これには日本の主要な輸出先で
ある欧州での危機が大きく影響している。日本製品は激しい円高により
外国の買い手にとってさらに高価となり、それが輸出に反映されている。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_30/70137488/

◆日本の防衛省 北朝鮮と中国が脅威
  朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核プログラムの更なる発展は、
日本、韓国、米国にとって深刻な脅威となる。30日に発表された防衛研
究所の報告書ではそのように述べられている。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_30/70090071/

◆日本 解散総選挙か
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_30/70071518/

◆大主教ニコライ・イポンスキー没後100年展
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_29/70019938/

◆原子力への信頼を回復するための調査
 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は、原子力エネルギ
ーへの信頼回復のためには、人々への情報公開が重要だとの考えを表
している。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_28/69878991/

◆東京地裁 グーグルに予測検索機能の停止命令
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_28/69824181/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 本来、原子力規制庁なるものが、この1日から発足するはずだった。
しかしながら、まだ法案の審議にも入っていない。政府は法案を今国会
に提出したが、「自民、公明両党は「人事面、予算面での独立性をもっ
と確保しなくてはいけない」(茂木敏充・自民党政調会長)と、法案審
議への慎重姿勢を崩していない」としているようだ。(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20120330ddm002010068000c.html

 その結果問題になるのが、原発の「安全評価」だ。その信頼が地に落
ちた今までの「原子力安全・保安院」は、動きが停止状態である。また
「ストレステスト(一次)」だけでは原発の安全は担保できないという
立地自治体も出てきている。
 だからと言って、従来の「原子力安全・保安院」で判断するには、荷
が重いし、世論も納得することはないようである。

 自・公両党は、独立性を保つために「公正取引委員会」のような組織
にすべきだと主張していると伝えられている。

 このような中、野田政権は関西電力大飯原発の再稼働に進もうとして
いる。
 果たしてこれでいいのか。「不退転の決意で」消費税増税を目指す野
田政権。どこかで何かが狂ってる。
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発行     2012年4月3日   No.512
編集・発行  609studio Michio Katayama
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