メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.509 ◆現代時評「星空を取り戻そう」  2012/03/13


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/3/13  No.509
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
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◆現代時評「星空を取り戻そう」
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 一年が過ぎた。広大な地域を汚染した福島の原発事故はなお収束は見
られない。野田総理の「収束宣言」は「事故の収束」だと「踏み込んだ
」ものだった。つまり、今より「悪くなりそうな事故」は起こらないと
いう「希望的観測」だと読んだ。そして「原発再稼働」への道筋の一環
だという印象を筆者は持った。

 最近の報道で、東京電力をはじめ、電力各社は極端に収支が悪化して
いるということを知った。たとえば「関西電力は(1月)31日、20
11年4〜12月期連結決算で純損益が1181億円の赤字(前年同期
は1077億円の黒字)になったと発表した。定期検査で停止中の原発
の再稼働ができず、供給力確保のために稼働率を上げた火力発電の燃料
費が膨らんだ。四半期決算の公表を始めた03年度以降、4〜12月期
としては最大の赤字幅」と共同通信が伝えた。
 
 我が国の原発は2基を残してすべて停止中だ。その2基も5月上旬ま
でには停止するという。関西電力は言うに及ばず、高騰する燃料に悩ま
される状況になりそうだ。こうなると「節電」と「原発再稼働」がセッ
トで国民に要請されることになる。野田政権は「原発再稼働の判断」を
地元に先立って「判断する」と先ごろ発表した。まさに「再稼働の道筋
」をつけるためだという思惑が透けて見える。
 野田政権という、いや、政治に「国民の生命・財産」を委ねていいも
のなのか、ここはもう一度立ち止まって考える必要がある。経済の停滞
、国際競争力の低下、国内産業の空洞化など様々な理由を挙げて「再稼
働の道筋」をつけるつもりだと思われる。

 ある時、筆者の友人がこう言った。「星空を取り戻そうよ。よほどの
ところへ行かなければ星を見ることができないのは、おかしい」と。そ
ういえば筆者が満天の星空を見たのはいつのことだったのだろう。記憶
に残るのは、上九一色村、そして北海道の東端(道東)でのことだった
。日ごろ空を見上げるという習性もなくなってしまっていたことに愕然
とした。

 我が国はすでに「少子高齢化」の域に入っていることは、年金の支払
い状況(予測)や国勢調査、出生率などのデータからも明白だ。経済成
長を永遠に夢見る時代ではない。こじんまりとした、しかし平和な国作
りのピジョンが、政府はもちろん、民間のシンクタンクなどから出てき

てもよさそうな時だと思うのだが。

 「星空を取り戻す」ことは、人間が自然に生きるということにつなが
る。福島原発事故を教訓に、「星空を取り戻そう」ではないか。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2012年3月9日号
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 勝利を祝って

 さる5日、「勝利の広場」で約2千人が集ってプーチン大統領候補の
勝利を祝った。サハリンでプーチン候補の得票率は56.3%、最も得
票率の高い地域は南クリルスク(70%)、最も低い地域はユジノサハ
リンスク市(49.5%)だった。このようなプーチン候補の勝利祝賀
行事がロシア各地で開かれている。

考古学セミナー

 サハリン国立大学とカナダのアベルジン大学が共同主催する考古学セ
ミナーが3月8〜11日までサハリン国立大学が開催される。ロシア、
日本、英国、カナダから関係者が参加する。テーマは「紀元前4〜5千
年土器」。最も古い土器の一つがサハリンにあるとのこと。

大震災から1年

 3月5〜12日までショッピングセンター「シティモール」2階で「
日本の復興」というテーマで写真と絵の展示会が開かれる。日本東大震
災から1年を迎える今、駐ユジノサハリンスク日本領事館が州立美術館
とシティーモールの協力を得て復興現場と救助作業など42枚の写真と
福島県と宮城県の子供達の絵を展示している。

石油採取高5位

 ロシア統計局資料によると(2011年度)、サハリン州はロシアの中
で石油採取量が5番目に高い地域。1〜3位はハントウイーマンシイスク
自治区、ヤマローネネツキ自治区、タタールスタン共和国で、この3つの
地域からの採取量が全体の65%を占めている。

出版ニュース:「サハリン及びクリル島の昆虫」

 サハリン州郷土博物館が「サハリンとクリル島の自然史―昆虫」を発行
した。写真入りで約200種類の昆虫についての説明を掲載。

展示会―「生きている伝統」

 さる2日、サハリン州立美術館でロシアの伝統文化を紹介する展示会が
オープンした。民族衣装、帽子、食器、玩具など約100点が展示されて
いる。展示会は8月2日まで続くがその間、ロシア伝統文化に関する多様
な公演と教育活動が企画されているとのこと。

麻薬取引罪―終身禁固刑まで

 新麻薬取締法により、麻薬取引罪が従来最高20年間自由剥奪刑から終
身禁固刑まで罪をより重くすることが出来るようになった。この他、不法
移民と不法滞在、証明書偽造などに関する取り締まりと刑罰もより重くな
った。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◇ロシア大統領選関連
◆ロシア政府の新閣僚に関する協議開始
ロシア大統領選挙で当選したプーチン首相は8日、次期政府の形成に着
手した。プーチン首相が、ロシアのメドヴェージェフ大統領との会談で
明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_08/67918648/

◆メドヴェージェフ大統領 プーチン首相を祝福
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_08/67892578/

◆勝敗を分けた要因
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_06/67754474/

◆プーチン氏の大統領当選 モスクワ市民の目線から
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_06/67707297/

◇日本関連
◆福島原発事故後60人以上の住民 甲状腺被爆
昨年3月の福島第一原発事故後、原発周辺に住んでいた住民の少なくと
も65人が、甲状腺の内部被爆を受けた。広島大学の専門家達が実施し
た調査結果で明らかになった。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_09/67940874/

◆野田首相 クリル諸島4島返還を期待
日本の野田佳彦首相は議会で自らの意見を表し、政府は南クリル4島の
返還を求めていることを明らかにした。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_08/67888726/

◆日本の防雪柵、サハリンに設置される
10日、北海道から日本の専門家らが、サハリンを訪問し、同州の道路
に防雪柵を実験的に取り付ける。
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_07/67844777/

◆ロシアから「始め!」の号令を待つ日本
http://japanese.ruvr.ru/2012_03_07/67818450/
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◆[編集長から]              片山通夫
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  あれから一年。この一年は「鎮魂の一年」だった。(合掌)

 ところが「原発の再稼働」に関するニュースがかしましい。特に経済
界や政治家辺りから・・。(もしかして霞が関辺りも?)
何なのだろう?経済のほうが人間の命よりも大事なのかと勘ぐってしま
う。

 少子高齢化の顕著な我が国で、それほどの「経済成長」が必要なのか
疑問に思えるのだが、世の中はどうもそうではないようだ。

 一年を過ぎた今、改めて考え直したい。
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発行     2012年3月13日   No.509
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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