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タイトル:609studio No.488 ◆現代時評「官産複合体」と渡り合う気はなさそうだ。  2011/08/30


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/8/30  No.488
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「官産複合体」と渡り合う気はなさそうだ:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月26日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から

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◆現代時評「官産複合体」と渡り合う気はなさそうだ:片山通夫
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 ここでいう「官産複合体」とはいわゆる原子力ムラを指す。そして「
渡り合う気」を感じられないのが、ポスト菅の民主党代表選の候補者た
ちである。

 27日に福島市で開かれる「原子力災害復興再生協議会」の初会合で
「(福島県双葉町・大熊町)今後10年は住めない」と表明されるとい
う事態だというのにである。二つの町で人口はおよそ1万7千500人
に上る。
 もちろんこれらの地域に住む人たちだけではない。原発立地の「恩恵」
を受けてこなかった周辺自治体の人々も「避難」を余儀なくされている。

 「最低でも10年」ということは、もうその土地に住むのは諦めろと
言うことである。10年も他の地域で住んでいたら生活は決定的に変化
する。たとえば現在14歳から18歳の中高校生は、結婚しているかも
しれない。無論就職も。その人たちに「10年経って安全になったから
」と帰すことができるのか?いや帰る意味があるのか。

 この事故はこうした側面を持っていることを、民主党代表選の候補者
たちは知っているのか、決して明確ではない。それに加えて、キーマン
ともいえる小沢氏の原発に対する姿勢も、筆者が知る限り定かではない
。好むと好まざるにかかわらず、渦中の人になっている小沢氏は、原発
に対する姿勢を明確にする義務がある。

 こうして今回の代表選挙に臨む人々を見てみると、どうも「官産複合
体」と渡り合う気はなさそうに見えてくる。

 「菅おろし」の根はここにあったようにも思えてくるのは筆者だけか。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月26日号
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北海道代表來島

 先日、北海道の高原副知事を団長とする地域代表らが観光交流の発展
について話し合うためにサハリンを訪問した。サハリン州政府によると
昨年日本と商品流通額は60億ドル、今年上半期には32億ドルに達し
ている。高原副知事はサハリンにおける市場拡大に協力して欲しいとの
望みを伝えたという。

障害者体育大会

 先日、サハリン州障害者体育大会の予選が行われ420人が参加した
。決戦は15カ地域の代表112人が参加した中で9月21〜23日ま
でユジノサハリンスク市のスパルタク競技場で行われる予定。種目は卓
球、陸上競技、水泳、シャフマトなど多様である。

大腸菌病流行

 現在、サハリン州で大腸菌患者数が123人を記録。特に幼稚園に通
っている3〜6才の子供たちの発病率が高い。

飛行機無事に着陸

 さる21日、モスクワ発ユジノサハリンスク行の飛行機が、整備不良
の着陸装備を備え付けて飛んだとの連絡があり、消防隊、救急車など1
38人の救急隊員と26台の設備が緊張の中で待機。幸い、無事に着陸
に成功し乗客251人、乗務員9人など全員が怪我も無く安全に帰宅で
きた。

熊狩りーズン

 さる20日から熊狩りが始まった。来年の2月末まで380頭の熊狩
りが許可された。しかし、子供のいる母親の熊狩りは禁止。

各地で光復節記念行事

 さる20日、ユジノサハリンスク市で光復節(解放記念日)を祝う恒
例の運動会が開かれ、韓人2500人が参加。韓国からも歌手、舞踊団
が招待、応援に来てくれていつものように盛大な行事となった。ユジノ
サハリンスク市だけではなく地方でもそれぞれが運動会や遠足などの催
しを通じて、一緒に祝った。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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 旧ソ連時代にチェルノブイリを経験したロシアの福島第一原子力発電
所の事故に対する見方が興味を引く記事だ。必読!

◆放射線量に安全な数値はあるか?
 人間にとって個人的な生活や健康よりも重要なものは何かと問われれ
ば、多くの人々は、自分達の子供の生活と健康と答えるだろう。 日本
の複数のマスコミが伝えたところでは、福島第一原発事故後、発電所地
区周辺に住む子供のほぼ45%の甲状腺から、放射性ヨウ素による放射
線が検出された。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/23/55066551.html

 菅以後の日本にとって副大統領の訪日記事はロシアのスタンスが覗え
る。

◆バイデン副大統領の日本へのメッセージ どう読み解くか
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/24/55078229.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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「所詮は神話だった」

 1957年8月27日午前5時23分、茨城県東海村の日本原子力研
究所第1号実験原子炉が臨界に達し「原始の火」がともった。その火は
「第三の火」とも呼ばれる。そして「現代の神話」がここから始まった。
 54年前の昨日のことである。

 そして2011年8月27日、つまり昨日、菅首相は「最後の仕事」
として、福島県の佐藤知事に会い「放射能廃棄物の中間貯蔵施設の福島
県内に設置」の意向と「長期間にわたって住民の帰還や居住が困難にな
る地域」が生じることを伝えた。
 ここに来てやっと政府は、住民が早期に帰郷する可能性を否定しだし
たわけである。

 このことが避難を余儀なくしている人々に与える絶望感は大きい。3
・11以降政府はもとより東京電力やいわゆる原発推進派の学者、政治
家たち、そしてまったくチェック機能の働かなかったマスコミが従来唱
えてきた「安全神話」の崩壊が地域住民の目の前に立ちはだかった。

 しかしそれにしても遅い。すでに半年を迎えようとしている。今にな
って「現実を直視」させられる人々の心情は如何ばかりかと思う。政府
が行った試算では、広島に投下された原爆168個分もの放射性セシウ
ムがばらまかれたというではないか。単純に比べるべきではないという
(楽観的な)意見もある。しかし、セシウムの半減期は約30年。30
年経っても半分にしかならない計算だ。残念ながら現実を直視して「次
の手」を地域住民、否日本人は考えたほうがいいのではないか。

 安全神話をいまだ信じようとしている人々がいることに驚きを覚える。
そして、この被害をわい小化する輩には怒りを感じる。

 ところでまた総理大臣が変わる。昨日民主党の代表選があった。決選
投票の結果、財務省に取り込まれているといううわさしきりの野田財務
大臣が代表に就任した。
 復興は?原発は?対外政策は?そして経済政策は?
ああ、問題山積だ。
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発行     2011年8月30日   No.488
編集・発行  609studio Michio Katayama
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