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タイトル:609studio No.487◆現代時評「原子力安全庁」は期待できるか?  2011/08/23


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/8/23  No.487
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「原子力安全庁」は期待できるか?:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月19日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から

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◆現代時評「原子力安全庁」は期待できるか?:片山通夫
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 原子力の安全規制を担う新組織が環境省・外局として設置される。I
AEAからも問題視されていた「経産省の内部組織」は一応のところ解
消され、環境の安全を担う環境省に置かれることになった。

 内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は閣議に先立って「現在は
(上層部が)推進側と規制側で行ったり来たりしている。これでは国民
の納得を得られない。安全庁から推進側に戻ることは絶対禁止にすると
か、原理原則をはっきりさせる必要がある」と述べたと毎日新聞は8月
15日付で伝えた。

 この報道を受けて、ツイッターなどでは「斑目委員長にだけは言われ
たくない」と不評だ。彼の過去の言動を見ると、「彼にだけは」と不評
なのも肯ける。先月1日に静岡市で開かれた「浜岡原発運転終了・廃止
請求」の訴訟団の記者会見で、訴訟代理人の河合弘之弁護士が「斑目委
員長を承認として呼びたい」と述べた。
 「原発事故は起こるはずがない」と過去の裁判や国会での参考人答弁
などで言明していた斑目委員長の過去の証言に問題があるからだ。

 さて、新たに設置される「原子力安全庁(仮称)」に我々はなにを期
待できるか?いや、その前に心配なことがある。まず、人材不足だ。原
発を理解するには、高度の専門知識が必要だ。今まで環境省が専門家を
擁して来たわけではないから、決定的に人材不足である。となると、従
来の専門家をどこからか引っ張ってこなくてはなるまい。その先はいわ
ゆる「原子力ムラ」からでしかない。

 純粋に技術的な専門家を寄せ集めて組織が成り立つのかという心配が
ある。組織を運営するにはそれなりのマネージメントの能力が必要とな
る。技術者にその能力を望むことは無理だ。環境省の官僚の力を借りる
しかない。

 一方、現在の組織に不可解な事がある。なぜ、事故当初からデータの
収集・発表を東電だけに任せたのか?なぜ保安院が率先してデータの収
集にだけでも現地に赴かなかったのか?保安院には約800人の人員と
年間376億あまりの予算がついている。こんな非常時に「東電任せの
データ収集」としか思えない対応に終始していたのはなぜなのか?
 はっきりしていることは「身を呈して国民生活を守る気がない」こと
が分かっただけである。
 
 これらを鑑みて、はたして「原子力ムラ」からの圧力を環境省ははね
つけることができるか大いに疑問だ。先に述べたように、斑目委員長の
いう「人事交流をなくする」だけで事はすむのかという問題がある。

 幸いにしてわが国にはいわゆる「反原発派」といわれている専門家も
存在する。官僚組織に反発する官僚もいる。彼らはそれぞれの「ムラ」
から干されてきた人たちだ。この際、彼らの能力を頼む必要があるので
はないか。
 
 そうすることによって、環境省の外局・原子力安全庁の存在価値が生
きてくる。むろん安全庁をバックアップする強力な法整備が必要なこと
は言うまでもない。菅内閣以後の政府の「やる気=立ち位置」を測るバ
ロメーターになることは明白だ。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月19日号
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セコリョ新聞の未来は?―ベ・ヴィクトリア社長からの要請

尊敬する読者の皆様! 発行から62年間当社の社員たちは最善を尽く
してきました。ソ連崩壊後、廃刊の危機に陥るほど経済的に苦しかった
けど絶えず発刊してきました。サハリン州政府と韓国在外同胞財団から
の支援金は予算の半分にも満たないものです。財政難の上に人材不足ま
で抱えている苦しい状況が続いております。どうか読者の皆さまのご支
援をお願いしたいです。(ロシアと韓国の銀行口座番号省略)

新しい人形劇場オープン

 さる15日、サハリン人形劇場がユジノサハリンスク市カプリチオコ
ンサートホールに移され、新しくオープンした。9月6日、「神秘な島
々」というテーマで国際人形フェスティバルがここで開催される。

光復節特集「34年ぶりの墓参り」

 8月15日、コルサコフ市共同墓地にユ・ヨンサンさん(68歳)と
母親の羅・ジュングム(87歳)さんの慟哭の声が響いた。1945年
2月サハリンへ強制連行されて以来、消息の分からなかった父ユ・ホン
ジュンさんの墓を探し続けて4年。サハリンに来て捜しても見つけるこ
との出来なかった墓地なのに、偶然市民団体が撮影した墓地の写真にユ
・ホンジュンさんのものが写り、新聞を検索している内、それを見つけ
た息子が34年ぶりに念願の墓参りを果たした。ユ・ホンジュンさんは
再婚もせず一人暮らしをしていて1977年サハリンで亡くなり、墓の
世話をしてくれていた友人も1980年に亡くなった。 父の墓を探し
にはるばる韓国から来た4年前、知っている人が誰も居なく、幾ら墓地
を探し歩いても見つからなかった。墓地の調査に訪れた韓国市民団体K
INのメンバーが指定調査区域の帰りに思わずシャッターを押し、その
写真を後で報告のつもりで新聞に載せたのを息子が見つけたのである。
世話をする人もいなかったはずなのに不思議にも墓は綺麗に残っていて
そして、碑には息子の名前も刻まれていた。ヨンサンさんは自力でも遺
骨を故郷にもって帰るつもりである。

ロシア人口

 ロシア統計資料によると、過去9年間ロシアの人口は220万人減少
しており、今後も毎年100万人ずつ減っていく上、国内の多くの地域
が極貧状態に陥ると予測されている。

鮭・マスの無料提供

 スミルヌイフ地域の漁夫たちが地域の戦争老兵と低所得家庭、病院と
学校などに獲れた鮭とマス11.5トンを無料で配ったことがわかった
。彼らは2009年度にも7トンの魚を低所得住民に無料で提供したこ
とがある。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆日本政府 クナシリ島の日本人解放を要求
日本政府はロシアに対し、クナシリ島付近で拘束された日本人を早急に
解放することを求めた。日本外務省によれば、この要求はロシア大使館
を通じて行われたという。これより先、ロシアの国境警備隊はクナシリ
島北部の海域で、モーターゴムボートで不法に上陸を試みていた日本人
1名を拘束していた。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/22/54990606.html

◆日中の新たな輸送ルート ロシアの港経由で
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/18/54824180.html

◆ハバロフスク石油精製所火災事故 1名が治療で日本へ
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/14/54624692.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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  一体なにをしているのやら・・・。民主党の話です。次の政権を担う
べき、民主党の代表を選ぶのに「小沢詣で」やお互いのけん制ばかり・
・・・。
 わが国の現在の状況を知っているのか、知らぬままにやっているのか
、一向に政権構想が見えてこない。「政策」という言葉を忘れた政治家
はその存在を自ら否定している、単なる権力亡者でしかない。

 新代表候補に聞きたい項目を挙げてみた。

 円高対策・対外政策(北方領土など領土問題)・福島原発事故の対応
・わが国のエネルギー政策(簡単に言えば脱原発に進むのか否か?)・
少子化問題・年金問題などなどの国民生活への対応。
 そして東に本題震災の復興プランとその財源。


 菅首相が27日に福島市で開く「原子力災害復興再生協議会」の初会
合で「今後10年は住めない」と表明する予定だ。
 このニュースを聞いて「やはり」と思った御仁も多いと思う。「直ち
に影響はない」という台詞の裏にはこんな事実が隠されていた。

 震度3、時々5強。東北を中心としての余震のことだ。まだまだ気は
抜けない。

 カダフィのリビアが危うい。だからもっと早く開放すればよかったの
に。権力の中枢にいると事態の深刻がわからないのだろうか。
 わが国の政府も東京電力も同じ。

 東京電力の柏崎刈羽原発7号機が定期点検のために停止作業に入った。
これで全国の原発のおよそ4分の3が止まることになる。
 一方、電力会社の電力需給予測は「危ない」から「安定的に供給」と
変遷。この暑さにもかかわらずである。
 たとえば東京電力の8月22日の実績では67%だった。23日の予
測は柏崎刈羽の完全停止が23日午前2時頃に完全停止する予定でも、
1同日14時で75%!で25%の余力があるという。

 節電キャンペーンが行き届いているのかどうかはわからないが、電気
はある。
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発行     2011年8月23日   No.487
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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