メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.486 ◆電子写真誌「Lapiz」創刊準備号 発行!  2011/08/16


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2011/8/16  No.486
─────────────────────────────────
 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
─────────────────────────────────
 ─────────────────────────────────
         電子写真誌「Lapiz」創刊準備号

         季刊写真誌 Lapiz は8月15日発行
            無料ダウンロードはこちらから
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/page/1/products_id/155479


            『主な記事』

            特集 原発を考える
            写真 ヒロシマ
            写真 サハリンの夏
            Lapiz図書委員会
─────────────────────────────────
         電子写真誌「Lapiz」β版

  *東日本大震災*Portrait of Sakhalin*自然遺産 屋久島 
    以上3点をDLマーケットにアップロードしました。
    また創刊準備号の予告をホームページに掲載しました。

         販売スタンドなど詳しくは下記へ。

                   http://www.lapiz.bz/
─────────────────────────────────
                      【著書案内】

     「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」

 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太
 への逆密航」を語る貴重な証言!!
 片山通夫 著
 凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html
 定価 1900円+税
───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評「ヒロシマ・ナガサキそしてフクシマ」:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月12日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から

─────────────────────────────────
【PR】

電子雑誌「Lapiz」ウェブサイト
http://www.lapiz.bz/
609studio twitter
 http://twitter.com/609studio
609studio ウェブサイト
 http://www.609studio.com/
─────────────────────────────────
◆現代時評「ヒロシマ・ナガサキそしてフクシマ」:片山通夫
─────────────────────────────────
 66回目の原爆忌がやってきた。ヒロシマでもナガサキでも例年と違
うそれぞれの市長の「宣言」があった。

 広島市長はその「平和宣言」のなかで次のように述べた。「翌日の8
月6日午前8時15分に、一発の原子爆弾でそれまでの生活が根底から
破壊されてしまいます。(中略)東京電力福島第一原子力発電所の事故
も起こり、今なお続いている放射線の脅威は、被災者をはじめ多くの人
々を不安に陥れ、原子力発電に対する国民の信頼を根底から崩してしま
いました。そして、『核と人類は共存できない』との思いから脱原発を
主張する人々、あるいは、原子力管理の一層の厳格化とともに、再生可
能エネルギーの活用を訴える人々がいます」と。
 また長崎市長は「福島の原発事故が起きるまで、多くの人たちが原子
力発電所の安全神話をいつのまにか信じていました。 世界に2万発以上
ある核兵器はどうでしょうか。 
 核兵器の抑止力により世界は安全だと信じていないでしょうか。核兵
器が使われることはないと思い込んでいないでしょうか。1か所の原発
の事故による放射線が社会にこれほど大きな混乱をひきおこしている今
、核兵器で人びとを攻撃することが、いかに非人道的なことか、私たち
ははっきりと理解できるはずです」と平和宣言の中で述べた。

 66年も経った両都市の原爆被災はこれら両市に受け継がれて世界に
「核兵器の廃絶」を訴え続けていることは周知のとおりだ。然しながら
、我々日本国民は「過ぎ去ったこと」として問題をとらえ「核兵器と原
子力発電」とは全く違うものだという、あえて言えば「核の平和利用」
というまやかしの言葉で、真摯に向き合ってこなかったことも事実であ
る。

 それがこの3・11で「核の平和利用(=安全神話)」が根底から崩
れ去ったことはだれしも認めざるを得ない現実だが、なお「安全神話」
にすがる人々が世の中にいるようである。それでもある世論調査では原
発容認の人々の中でも「原発立地自治体に住むのはごめんだ」という人
々が75%もいるという。何をかいわんやである。

 我々はヒロシマ、ナガサキ以後、両市の市民はもとより、国の内外の
人々のたゆまぬ努力で復興を成し遂げた。このことは世界に誇るべき歴
史的事実である。然しながら同時に「核の平和利用」というまやかしも
信じて来たことは反省すべきである。「核には平和利用も軍事利用」も
ない。人類が持つべきでなかった恐ろしいものであることを、今回の東
京電力福島第一原子力発電所の事故を見て改めて認識したはずだ。たと
えば広島では14万人もの人々がなくなった。今なお後遺症に苦しむ人
々がいる。同じように福島では9万人に上る人々が住む家を追われて避
難を余儀なくされている。

 我々はこの事実に目をそらせてはいけない。この事実に真正面から向
き合うべきである。広島や長崎の市長は「核の廃絶」を毎年世界に向か
って叫び続けて来た。今、福島の人々も同じ思いであろうと考える。
 米倉経団連会長は「脱原発なら経済成長落ちる。場合によっては原発
の新設もあり得る」といったようだ。
 しかし「脱原発で経済成長が落ちる」前に、福島のように国民の基本
的な生活の場を奪われては、元も子もないではないか。それでも「経済
成長を優先」するというのは、あまりにも不見識な発言だ。「原発をな
くして成長する方策を提示する」のが経済界・産業界の今の使命だと考
える。

 最後に長崎市長の平和宣言の中から1節を紹介したい。
「1か所の原発の事故による放射線が社会にこれほど大きな混乱をひき
おこしている今、核兵器で人びとを攻撃することが、いかに非人道的な
ことか、私たちははっきりと理解できるはずです」

参考
広島平和宣言
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/declaration/Japanese/index.html

長崎平和宣言
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/peace/japanese/appeal/
─────────────────────────────────
◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年8月12日号
─────────────────────────────────
州知事就任式

 8月11日、サハリン・チェーホフセンターでア・ホロシャヴィン知
事の知事就任式が行われた。周知のようにさる7月7日、ロシア大統領
の推薦、サハリン州議会の承認により現知事の就任が決まった。就任式
には各界代表ら出席して祝ってくれた。

マス・鮭10万トン獲る

 サハリン州水産業管理局によると、8月9日現在、サハリンとクリル
島の今年の漁獲量は10万トン。目標の47%を達成したもの。マスは
ポロナイスクとドリンスク区域、鮭はオハと北クリル地域で最も多く獲
れている。

じゃが芋の収穫良好予測

 サハリン州農食品局によると、今年は、じゃが芋が9.1万トン、野
菜は3〜3.5万トンほどの収穫が予測されている。しかし、すべては
気候状態による。

滞納のない年金支払

 今年上半期、サハリン州年金基金はすべての年金生活者に年金を支払
っている。その総額は109億ルーブル。年金や補助金などを受け取っ
た住民数は16万1千人。

海外からロシア人移住本格化

 さる7月29日に開かれた「2010年〜2012年間海外居住ロシ
ア人のサハリンへの移住協力事業を担当する部局の会議」によると、今
月からCIS 地域からの移住が本格化する。2011年上半期まで30件
の移住申請があった。申請者の現居住国はウクライナ、ウズベキスタン
、アルメニア、タジキスタン、アゼルバイジャン、キルギズ、カナダ、
モルドヴァ、トルクメンスタンなどである。職業は経済専門家、運転技
師、教師、電気技師などである。サハリンでの就業可能性などの判断基
準により7件が許可を受け、5件は審査中。今月ウクライナから初の移
住者たちが来る。彼らの希望移住先はネベリスク地域だ。同プログラム
により移住可能な地域はホルムスク、ウゴレゴルスク、ポロナイスク、
ノグリキ、オハなどである。

火災で40人死亡

 サハリン州火災監視局によると、今年に入って7カ月間625件の火
災が起きて1200万ルーブルの損害を被った。又、40人が死亡、3
9人が火傷を受けた。

国際先住民の日を記念して

 8月9日、国会先住民の日を記念してのサハリン州少数民族女性らを
対象とした多様なコンクールがユジノサハリンスク市の郷土博物館で行
われた。言語、民族舞踊、民謡、料理など部門別に分かれて才能を発揮
する場を設けた。主催はサハリン州政府、後援はエクソン・ネプチェガ
ス社。

広告「光復節記念行事」
2011年8月20日、ユジノサハリンスク市ガガーリン公園内コスモ
ス競技場で光復66周年を記念する行事を盛大に行いますので多くの方
のご参加をお待ちしております。(記念行事組織委員会)
─────────────────────────────────
◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
─────────────────────────────────
◆日本の防衛白書に隠された意図
日本の防衛省は今年度の防衛白書を発表し、ロシア軍の行動が活発化し
ていることと急速に近代化が進んでいることに注意を喚起している。特
に、クリル諸島に駐留する部隊の軍備の更新に注目しているようだ。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/04/54195529.html

◆「原爆の日」、広島で平和記念式典
 http://japanese.ruvr.ru/2011/08/06/54278189.html

◆中国 日本人植民者への記念碑 解体へ
中国のハルビンの近くにある村では、20世紀前半に中国に住んでいた日
本人植民者への記念碑を解体することが決定された。この記念碑は1ヶ月
前に建てられたばかりだったが、インターネット上などで「日本人を侵略
者だ」とするような中国人からの反対が相次いだ。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/07/54305015.html

◆前外相のビザなし渡航はロ日の相互理解に通じるか
日本の政治家達の間で、南クリル(北方領土)へのビザなし渡航が「人気」
だ。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/09/54384505.html

◆日本、災害やテロに備えて副首都建設へ向けて用意
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/09/54387082.html

◆原子力アレルギー
日本の菅直人首相は、原子力に頼らない日本の姿を目にする日を待ってい
る。菅首相は9日、広島と長崎で開かれた66回目の原爆犠牲者を悼む平
和祈念式典でそのような声明を表した。
http://japanese.ruvr.ru/2011/08/09/54423979.html
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              片山通夫
─────────────────────────────────
 今週は少し長いが「原発考」です!

 「菅おろし」が完了?した。しかしこの執拗な力を他に向けられなか
ったものかとつい考えてしまう。
菅首相が辞めたからと言って、後に強力な内閣ができるという期待はな
い。おそらく永田町でも同じだろう。また足の引っ張り合いの政治が続
く可能性が高いと危惧する。いったい誰が後を継げるのか?自民党は無
理。だって少数政党だ。民主党しかない。ネットなどでは小沢一郎氏を
熱望する向きもある。そうなると今更自民党は「閣外協力」できまい。   
おまけに民意は「反(減・卒)原発だ。民意にそむいた内閣運営ができ
るほど「強力(強引)な内閣」を誰が作れるのかと考えざるを得ない。
さてその原発だが…。

【原発立地】
 今、我が国は大震災と原子力発電所の事故、それに伴う、電力不足が
全国的に起こっている。産業界からは「原発を動かせ」と大合唱。それ
なら原発立地に工場などを移転させれば、過疎や地域経済格差など吹っ
飛んでしまうと思うのだが、そんな話は産業界からは全く聞こえてこな
い。なんでも原発に賛成の人の中でも75%の人が「立地自治体に住む
のは嫌だ」という勝手な話。だから延々と何百キロも送電線を引っ張っ
て大都会などに送電する羽目に陥る。送電線そのものもすこぶる景観を
損なう。たいてい緑深い山を越えてあの無粋な鉄塔と送電線が張り巡ら
されているのだ。おまけに長距離に及ぶので、すこぶる効率が悪い。原
発の熱効率に関しては他の発電設備に比べてよいとされているのだが、
この送電線で失われる電力は勘案されているのだろうか?

【風前の灯】
 九州電力玄海の「やらせメール」に端を発して、でるわでるわ・・・
。四国電力や中部電力の話。挙句にそれに一枚噛んでいたのが、原子力
安全・保安院だというからあきれる。 
最近、覆い隠せない部分だけでも書かざるを得なくなってきたのかどう
かは知らないが、新聞も書き出したのがこれらの不祥事。
これに勢いがついたのか、菅首相の脱原発への意気込みがすごい。先日
も「厚生相時代に体験した薬害エイズの構造とそっくり」だと保安院を
非難。その上、海江田経産相も巻き込んで「発送電分離」実現に意欲を
示した。まあ無理だ。
 
【トイレのないマンション】
 原子炉で使用された使用済み核燃料は、冷却するために原子力発電所
内にある貯蔵プールで3年〜5年ほど保管。その後、核燃料サイクルに用
いるために再処理工場に輸送されて処理が行われるか、もしくは高レベ
ル放射性廃棄物処理場での長期保管が行われるという厄介な代物だ。経
産省(2010年9月末)のデータによると次の通り。煩わしいがあげて
おく。

原発の使用済核燃料プール 
(原発名・1取替分・貯蔵量・最大容量トン)
泊 50 ・350・ 1000 女川 60・ 390・ 790 
東通 30・ 60・ 230 福島第一 140・ 1820・ 2100 
福島第二 120・ 1130・ 1360
柏崎刈羽 230・ 2210・ 2910 浜岡 100・ 1090・ 
1740
志賀 50 ・120・ 690  美浜 50・ 360・ 680 
高浜 100・ 1160・ 1730 大飯 110・ 1350・ 2020 
島根 40・ 370・ 600
伊方 50 ・550 ・940 玄海 90・ 760・ 1070 
川内 50・ 850・ 1290 敦賀 40 ・580 ・860 
東海第二 30・ 370・ 440

合計 1340・ 13530・ 20420 
20420トン!である。このまま行けばあと6年ほどであふれだす…。
トイレのないマンションといわれるゆえんだ。
この厄介な使用済み核燃料をどうする? 

【もんじゅ】
 恐れ多いが「智慧を司る仏様である文殊菩薩」の「もんじゅ」である。
先に述べた使用済み核燃料を再利用して発電するという意図から作られた
。核燃機構によると、これまでに「もんじゅ」に使われた費用は約800
0億円。「もんじゅ」は1995年8月29日発送電開始。同年12月8
日ナトリウム漏れ・火災事故。このときまでの費用が、およそ7000億
円で原子力委員会の見積もりの約7倍だという。事故で運転を停止してか
らも、ただ維持するだけで年間約100億円の税金を食っているという。
その上、事故だらけでまともに動いていないというのが実情。
 この危険なホトケサマ、どうする?おまけに活断層の上に建っていると
いう最近の調査結果。
赤字国債を出し続けている我が国の持てるものじゃないぞ、これは。
─────────────────────────────────
発行     2011年8月16日   No.486
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020
contact us http://www.609studio.com/html/mailform.html       
website  http://www.609studio.com
投稿     http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 購読解除は websiteへ
◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。