メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.482 ◆季刊写真誌 Lapiz は8月1日発行です!  2011/07/20


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/7/19  No.482
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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         電子写真誌「Lapiz」創刊準備号

    いよいよ季刊写真誌 Lapiz は8月1日発行です。

            『主な記事』

            特集 原発を考える
            写真 ヒロシマ
            写真 サハリンの夏
            Lapiz図書委員会

              創刊準備号は無料です。
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◆現代時評「菅首相が脱原発に舵を切った」:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:休載

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から

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電子雑誌「Lapiz」ウェブサイト
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◆現代時評「菅首相が脱原発に舵を切った」:片山通夫
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 なでしこジャパンがw杯で決勝進出を決めた。大相撲では魁皇が最多タ
イの1045勝目をなしたその翌日の新聞テレビはこれらのニュースととも
に、菅首相の「脱原発」を大きく取り上げた。(オマケにタイガースが
ジャイアンツに勝った!)

  我が国のエネルギー政策を根底から覆す話だ。十分な議論のないまま
「唐突に」出てきたこの首相の「宣言」に疑問を持つ人々がいることは
首相はわかっているだろう。我々がアクセス出来ない政権内部や政治家
、官僚などの「猛烈な抵抗」があったであろうことは想像に難くない。
3・11以降の「菅下ろし」は野党のみならず、民主党いや政権内部か
らも噴き出している。

 そんななか、マスコミは「菅下ろし」に類するニュースばかりを今ま
で取り上げてきた。政争に明け暮れる永田町、省益に走る霞ヶ関の現状
にはうんざりするばかりだ。フクシマの事故も一向に好転しないなか、
我が国のエネルギー政策を真正面から取り上げる好機ではないだろうか
。菅首相の脱原発宣言を唐突だと言うばかりでは議論が前に進まないで
はないか。

 昨日の首相の会見はマスコミ、政治家、官僚など首相を辞めさせるこ
とばかりに労力を費やしている勢力にはもとより、我々国民に投げかけ
た大きな提案だと思う。
 今脱原発に反対する人々、賛同する人々も含めて国民的議論を巻き起
こす必要がある。首相の提案が「唐突」で「計画性が無い」と批判に明
け暮れるのはもう結構だ。

 国の重要な方向性に関する話だ。我が国の将来のエネルギー政策なの
だ。冷静に受け止めて真摯な議論に戻るべき時期がきている。

 マスコミは国民をこの議論に巻き込める様にすることがその使命だ。
「首相おろし」の片棒を担ぐような不毛な記事でその紙面を占めるべき
ではない。首相が、政府が「脱原発の工程」を詰め切れないのなら、我
々国民がその工程表を作成すればいい。広く国民に意見を募りそれをま
とめ、また国民にフィードバックし、議論を煮詰め、「民意として」政
府に提言するべきだ。

 こんな大問題をわきに置いて政局のドタバタを報じるだけが報道機関
の使命ではあるまい。そんなことを続けていると、本当に国民から見放
される時が来る。「菅首相が脱原発に舵を切った」今がチャンスだ。

 この事実を真摯に受け止めるべきだ。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:休載
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 訳者が夏季休暇のため、届いておりません。
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◆「ロシアの声」が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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◆原発国有化はよりよい選択か
菅直人首相が、日本のすべての原子力発電所国有化の可能性について言
及した。首相が、そうした考えに至ったのは「民間会社では起こりうる
危機的状況を処理できないのではないか」との危惧の念だ。
http://japanese.ruvr.ru/2011/07/15/53282021.html

◆三陸沖でマグニチュード7.3の地震
http://japanese.ruvr.ru/2011/07/10/53015991.html

◆進む非常事態におけるロ日協力
http://japanese.ruvr.ru/2011/07/10/53015413.html

◆ウラジオストク・新潟姉妹都市提携20周年
http://japanese.ruvr.ru/2011/07/14/53247926.html

◆日本の福島原子力発電所 設計上の欠陥あった WSJ
日本の東京電力(TEPCO)の原子力発電所設計担当者らがウォールスト
リートジャーナル紙の記者らに語ったところによれば、今年3月に発生
した福島第一原子力発電所の事故の原因となったのは、設計上の欠陥が
あったことによるものだという。
http://japanese.ruvr.ru/2011/07/06/52849288.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 先日ある大手新聞社の記者から一通のメールを受け取った。彼は震災
当時から東北で取材を続けている若い記者だ。

 そのメールには次のように書かれていた。
「新聞やテレビが伝えているのは、復興できている人や子供の笑顔が中
心です。しかし、立ち上がることが出来ない人が沢山います。新聞は『
死』から目をそらし、復興できない暗い部分から目をそらしています。
なぜか。多くの読者が目を反らしたいからです。読者が見たくないもの
は載せず、見たいものを載せる傾向が著しいです。現場にいると悲しく
なります」と。

「現場にいると悲しくなります」という彼の最後のフレーズに筆者はあ
る種の衝撃を受けた。と同時に、筆者の友人である彼が「ジャーナリス
トとしてまともな神経」を持っていることを知って喜んだ。言うまでも
ないことだが、彼の言う「悲しくなります」は、震災が巻き起こした悲
劇に関してではない。それを掲載しようとしない大手マスコミへの嘆き
である。

 ここで極端な例を一つ。一般に日本のマスコミは「血」や「死体」を
掲載(放送)しない。読者や視聴者がいやな思いをするからという理由
だそうだ。しかし現実はそんなに甘くない。世界に目を向ければ、戦争
、紛争はもちろんのこと、あらゆる場所で血が流されている。それを真
正面からとらえてこそ、次の戦争犯罪を含む犯罪などを抑止できると思
うのだが。

 「血」を見せない報道は、そこで起こっている事態・状況をきれいご
とで済ませてしまう危険がある。昨今、福島はもちろん関東圏でも「放
射能汚染」に対する危機感が市民の間で共有されて来た。これは決して
マスコミによる情報からではなさそうである。いわゆる御用学者や政府
の官僚が発する情報が、本当に正しいのか市民が自らの目で確かめた結
果なのだ。

 それにはインターネットをはじめとする現代の情報ツールが大きく寄
与している。チェルノブイリの最近の情報を手に入れて、現在の福島の
状況と比べて判断することも簡単にできよう。御用学者が「安全だ」と
講演して回っても「彼らが出すデータの信ぴょう性を疑う」ことから、
市民独自の判断が始まる時代になったのだ。

 話をもどす。筆者の友人の記者が送ってきたメールを読んで「いつ頃
から日本のマスコミはそうなったのだろうか」という疑問が浮かんだ。
読者にとって心地よい記事が目立つようになったのはおそらくそう遠く
ない時代からだろうと思う。

 それが「事実を隠す」ことになる。彼の嘆きを「若さゆえ」だという
のは簡単だが、筆者はそうは思えない。
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発行     2011年7月19日   No.482
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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