メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.476◆現代時評「被災地から考える」  2011/05/31


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/5/31  No.476
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 フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
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◆現代時評「被災地から考える」:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年5月27日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から

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◆現代時評「被災地から考える」:片山通夫
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 時を経るにつれて、福島原発事故の深刻さが明らかになってくる。
政府も東京電力もひた隠しにしてきた情報が次々に明らかになって来る
と言う「不可思議」と「醜悪さ」には驚きを越えて惨めになる。こんな
政府を持っていたのかと、これが日本の大企業なのかと・・・。

 ともあれ、事態は深刻さが増してきた。今日5月24日、午前8時3
0分から東京電力は「福島第一2、3号機のメルトダウン認める」と記
者会見を開いた。ようやくである。国民はもう驚かないしパニックにも
ならないという頃にポツンと発表して認めると言う姑息な手段をとって
いるとしか思えない。

 事故当時、筆者の元に海外の友人たちから「テレビで恐ろしい光景を
見たが生きているか?」とか「フクシマが大変なことになっている。私
たちの国に避難する方がいいのではないか?」また「まだ日本にいるの
か」と言う叱責まで様々な便りを頂いた。
 そんな便り(電子メール)に接するたびに、「なんと大げさな」と思
ったり「過剰な報道だな」と憤慨したりしていた。そのうち、東京の外
交官たちが大阪など関西の領事館に避難する騒ぎになった。
 あの騒ぎは冷静な判断の元に起こったとは思えない。しかし今になっ
て考えると、あのときの各国の判断は「正しかった」と言えるのかもし
れない。
 何しろ「メルトダウン」していた原子炉が3基もあったのだから・・。


 ドイツはフクシマの事故を受けて「原発撤退」に踏み切ろうとしてい
る。無論フクシマの事故を受けての結果だ。メンケル首相はそれまでの
原発容認姿勢から、はっきりと「原発からの撤退」を打ち出した。しか
るに「被災地」である我が国は、一向に明確な姿勢を国民の前に打ち出
せないで、昨今の国会論議の場でも「言った」、「言わない」と下らな
いことに貴重な時間を費やしている。無論、国会では政府・行政のチェ
ックを厳格に行うことも重要な機能であり権利である。しかし今、国民
はそんなことに時間を費やすことを望んでいるのだろうか。

 明確な事実を迅速に公表して対策を早急に立てることを望んでいるの
ではないか。岩手や宮城はもとより、原発事故のあおりで国民の生活が
危機的状況になっていることの対策が急務だ。

 被災地で聞いた声を最後に紹介しておこう。
「東京目線で見ないでほしい」これは現場でしかわからないことが多い
のだから、東京の机上での議論の結果を押し付けるなと言う意味だ。今
こそ中央からの「権限委譲」が必要な時だ。
無論、予算をたっぷりつけて。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年5月27日号
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「最後の鐘」のなる日を祝賀する州知事

 5月末は中高校の終業を知らせる―「最後の鐘」の鳴る時期。9年生
と11年生らには卒業を迎える日でもある。州知事は彼らに希望と勇気
を与える祝賀メッセージを新聞紙上に掲載。

国際水産博覧会開催

 今月25〜27日間、モスクワで国際水産博覧会が開かれる。「ロシ
アの水産業と食品安全」というテーマで座談会も開かれる予定であり、
そこでサハリン州の水産業問題が重点的に取り上げられるとサハリン漁
業会A・ポポフ会長が伝えた。

在外ロシア人のリターンを誘導

 先週極東地域会議で「外国居住ロシア人の極東への自発的移住を促す
連邦政策」の成果についての議論があった。637人のロシア人が極東
地域へ移住したが、会議を招集した極東地域大統領代表はこの数字はあ
まりにも低いと難色を示した。同政策は2007年から2012年まで
実施される。

コスモス展示コンクールで画家朱・ミョンス氏大賞受賞

 今年4月12日から1カ月間、サハリン州立美術館は宇宙をテーマと
した作品の展示会を開くと共に展示作品を評価するコンクールをも同時
に行った。その結果、朱・ミョンス氏の作品が大賞に選ばれた。美術学
校の生徒らの作品も展示されたが、彼らの作品は約500人の観覧客が
点数をつけた。その結果、アンナ・バラノワ嬢が大賞を受賞した。展示
会は6月4日まで。

韓国国会議員らクリル島訪問

 さる23日、韓国国会の独島領土守護対策特別委員会のカン・チャン
イル委員長を含め3人の国会議員がサハリンを訪ねた。訪問団はウラジ
オストクの抗日遺跡地を見学した後、現地同胞たちとの懇談会も開いた
。サハリンでも23日同胞達に会って独島を巡っての意見を交わし、翌
日はサハリン国立大学歴史博士M・ヴィソコフさんとロシア人のクリル
島に対する考え方について話し合った。そして、午後クナシリ島を訪問
、現在進められているクリル開発事業の現場を視察して帰ってきた。彼
らのクリル訪問に対して日本政府は大変敏感な反応を見せた。
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◆ロシアの声が伝える「ロシアからみた日本」>>>
         引用元 http://japanese.ruvr.ru
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 今週から少し体裁を変えて、「ロシアは日本をどのように見ているか
」に焦点を当ててニュースを探してみることにしたい。
 そのほかのニュースなどは「ロシアの声」でご覧ください。
      http://japanese.ruvr.ru

◆半歩互いに前進 G8枠内での露日首脳会談
仏ドーヴィルでの露日首脳会談は、両首脳の握手と互いの目を見詰め合う
所作から始まった。本会談で両国関係に大きな突破口が開かれることを期
待する向きはなかったものの、何の成果もなく終わったわけでもない。
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/28/50948073.html

◆露外務次官:ロシアは、クリル諸島への外国投資を歓迎する
ロシアは、クリル諸島のインフラ発展において、日本を含めた外国企業の
投資を受け入れる用意がある。イタル・タス通信からのインタビューの中
で、ロシアのボロダフキン外務次官が声明を表した。
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/25/50806027.html

◆国連、福島第1原発の事故調査に着手
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/21/50614441.html

◆ロシアの保養地アナパで、日本の子供たち270人が保養
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/20/50563727.html

◆原子力エネルギーを利用しない未来は可能か?
http://japanese.ruvr.ru/2011/05/20/50589818.html

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◆[編集長から]              片山通夫
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  グリーンピースと言うNGO組織がある。その組織が今大活躍をして
いるが、我が国のマスコミはほとんど報道しない。例えば先日この組織
が、福島県沿岸の魚介類の放射能濃度の調査を行った。
このニュースはフランスのAFP通信が伝えたが、筆者が知る限り、日
本のマスコミは全く伝えていない。
   AFP日本語版 ⇒ http://bit.ly/j7hNBK

 これはどうしたことなのか。グリーンピースは、2008年に「鯨肉
窃盗事件」を起こしている。その「前科」が災いしているのか、オラン
ダ政府を通じて、福島沿岸の「放射能調査」を日本政府に申請したが、
断られた。そして領海外での活動を余儀なくされた。
 
 我々は現在いわば「インターネット社会」に生きている。マスコミが
伝えようとしない「ニュース」も、中東や北アフリカの民主化運動が示
すように、ツイッターなどの簡単なツールを使って、あらゆる情報を手
に入れることが出来る時代に生きている。マスコミが伝えなくとも「そ
んなに不自由はしない」のだ。

 例えばツイッターを使うのに、携帯電話一つあれば可能だ。その気に
なればあらゆる情報を入手できる。その情報は玉石混合だが。
しかし「意図的に整理編集された情報を読まされる」より、自らの判断
で情報を分析する方が、世の中が透けて見えるというものだ。

 かくいう筆者も朝夕の電車の中で携帯電話とにらめっこしている。
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発行     2011年5月31日   No.476
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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