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タイトル:609studio No.472◆現代時評「義によって助太刀・・・」  2011/04/26


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/4/26  No.472
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◆現代時評「「義によって助太刀・・・」:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から
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◆現代時評「義によって助太刀・・・」:片山通夫
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 未曾有(「みぞうゆう」ではありません)の大震災、それに伴う津波
と原発事故。まだおそらく「試運転中」の民主党・菅政権にとってはそ
れこそ「未曾有の驚愕」だったろうと推測する。大地震と津波に関して
はともかく、原発事故がここまで悪化(レベル7)するとは、東京電力
は勿論、政府も民主党も国会議員も「思ってもみなかった」のではない
だろうか?

 しかるに、今、ツイッターやブログはもちろん、週刊誌などでも「無
能の菅内閣」というレッテルを張ろうと躍起になっている勢力が存在す
る。「試運転中」だからすべてが後手後手に回るのは仕方がないとは言
わないが、もう少し大きな眼で見ることはできないかと思うのである。
自民党政権、旧通産省、マスコミ、原子力が専門だと言う学者などは、
こぞって原子力発電を推進してきたのではなかったのか?国民も「有り
余る電力を使って」生活をしてきたのではなかったのか。

 私たちは、あの小泉改革を大きな拍手で迎えた時代があった。劇場型
の政治はなるほど興奮はする。しかし幕が下りてしまうと虚しさだけが
残った。そして興奮して囃したつけは、格差社会であり、地方切り捨て
だったことは記憶に新しい。いや、その後遺症はまだ引きずって生きて
いる。

 原発事故に話を戻そう。我が国には「原子力ムラ」というものが存在
すると、4月21日付毎日新聞「記者の目」に書かれていた。なんでも
「大学や大学院で原子力を学んだ学生は、電力会社やメーカーに就職し
たり、国や立地自治体の技官になる。就職先は担当教官の意向で決まる
ことが多い人脈社会で、彼らは官民に分かれても『ムラ』の一員として
育っていく」のだそうな。

【記者の目】
http://bit.ly/erhPB8

 およそどの時代でもムラ社会は閉鎖的だ。このムラも排他的で閉鎖的
だと言う。その一端が、東京電力の記者会見に見られる。彼らは決して
「心底謝罪していない」風に見受けられる。つまり「慇懃無礼」なのだ
。だから「都合の悪い質問には、記者をにらみつけながら木で鼻をくく
ったような対応をする幹部もいる」と同「記者の目」にある。

 さてこのような体質がこびりついている原子力ムラを相手に「試運転
中」の菅内閣に何が出来るのか。見方を変えれば、菅首相が事故の翌日
に、福島原発を視察したことさえも「東京電力やそれを取り巻く原子力
ムラ」から、非難を浴びているように筆者には思えるのだ。さすがに東
京電力はそんなそぶりを見せてはいないが。

 ひとつ菅内閣を批判する、もしくは菅首相の辞任を要求する勢力に聞
きたいことがある。「そうですか、それなら辞めます」と過去に一年程
度しか持たなかった数人の首相のことを思い出してもらいたい。あの頃
は今のような「未曾有の国難」には陥ってはいなかった。それでもなぜ
か辞任が流行った。それもたった一年(ほど)で。

もうひとつ、気になることがある。
それは、マスコミの政治報道だ。与野党の綱引き、民主党内の不協和音
などを興味深く伝えてはいる。しかしその視点は従来からの「永田町報
道」の視点でしかないように思えるのだ。国難に直面していると言って
いい状況の中で、相も変らぬ報道姿勢でいいのかどうか、筆者には疑問
に思える。ここはひとつ、国民が「本質を読むことのできる」報道に徹
してもらいたいものだ。例えばなぜ「核アレルギーが顕著な我が国にお
いて30%もの電力を原発に頼ってきたか?」また、「原発を誘致する
ことによって、財政的に潤う地方自治体は自立という言葉を失っている
」という視点が必要かもしれない。青森県六ヶ所村では、政府がエネル
ギー政策を転換して原子力発電から手を引けば「村の存続にかかわる」
と危惧を抱いているようだ。
 これら、電力会社のみならず、政治の世界が、「自立を阻害してきた」
のだと言えるのではないか。

それはともかく、

 筆者は「義によって・・・」菅内閣を、菅首相を励ましたい。
どんな「義理」があるのかって?
そんなものはないよ。
過去数人の首相と同じにしたいのか?
それこそ「世界の笑い物」だ。

それに
狡猾な政治家どもは決して貧乏くじは引かない。
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:届いておりません。
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 届き次第お届けします。
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◆ロシアの話題・事件>>>引用元:ロシアの声 http://japanese.ruvr.ru
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 ロシアでもこの度の東北大震災に「深い連帯と救援の意思、募金など
のニュースが満載されています。また刻々と情報は更新されています。

すべてを網羅できませんので、以下のページからご覧ください。
http://japanese.ruvr.ru/

◆ロシア赤十字、慈悲深さの伝統
何百倍にも大きくなった善良な行いは、強い説得力を持っている。ロシ
ア赤十字の基金に寄せられた4000万ルーブルの義援金は、恐ろしい
技術災害に見舞われた日本の打撃を少しでも軽減するために日本の被災
地へ送られる。
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/21/49269708.html

◆福島原発20キロ圏内に立ち入り禁止令
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/21/49250322.html

◆露政府 「20年にはGDPで世界5位に」
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/21/49263019.html

◆露財務相 石油価格高騰による経済効果は終焉
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/21/49269132.html

◆東京で原発反対デモ 5千人が参加
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/24/49391864.html

◆福島第1原発:ロシア地理協会の調査団、日本海へ出発
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/22/49301948.html

◆日本政府 福島原発事故・避難ゾーン拡大
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/24/49388657.html

◆ロシア赤十字、慈悲深さの伝統
http://japanese.ruvr.ru/2011/04/21/49269708.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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  環境省が勇気ある試算を行った。「風力発電で原発40基分の発電可
能」だというものである。特に東北地方は風が強いので実現性が高いと
も言及している。この試算を政府は経済産業省を抜きにして本格的に検
討する必要がある。なぜ経済産業省を除くかと言えば、これまでの原子
力政策を一手に推し進めてきた省庁だからである。
 要らぬ抵抗が起こるとも限らない。

 東京電力の清水正孝社長は22日、福島県庁で佐藤雄平知事と面会し
た。県側は「収束に向けた道筋を必ず実行してもらうことを約束しても
らうため」と説明し、福島原発について「再開なんてあり得ない」と認
めない姿勢を伝えた。この間15分だったと言う。

 まだと言うか、口が裂けてもと言った方がいいのかもしれないが、東
京電力は「廃炉」や「再開」は口にしなかった模様だ。
 
 このあたりが「誠意がない」と思われる所以。清水社長、在任中に、
「私が社長でいる間に原発は廃止する」と言えば男が上がるのに。
 でもそうは言えないか。大東京の電力消費者が黙っていまい。

 それなら原発を東京湾沿岸にお持ちと言いたい。
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発行     2011年4月26日   No.472
編集・発行  609studio Michio Katayama
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