メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.464◆現代時評:「Interactiveを考える」  2011/02/22


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【609 Studio 】メール・マガジン 2011/2/22  No.464
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  フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評:「Interactiveを考える」片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年2月11日号・18日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から
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◆現代時評「Interactiveを考える」:片山通夫
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 一般的に「 インタラクティブ」とは、インターネット上などで、サ
イトやブログなどに掲載されている内容に対して、購読者(閲覧者)が
その内容に対して意見や考え方を述べたりするケースやそのシステムを
言うようだ。この「双方向のシステム」は従来の紙の新聞やテレビ放送
にはなかった画期的ともいえるシステムである。(注参照) 

 このシステムは、時としてネット広告などで、購読者の傾向を知るこ
とのできる素晴らしい能力を持つ。例えばアマゾン(通信販売)などの
販売システムを見れば非常によくわかる。筆者もアマゾンはよく利用す
るが、筆者の嗜好(もしくは思考)の傾向をつかんで、「お勧め」を表
示するという場合に使われる。これはもっと言えば「思想傾向調査」に
も利用されている可能性を秘めている。 

 また、筆者のようにWEBサイトを個人で持っている場合、単に筆者自
身の「広告媒体」としてのWEBサイトに留まらないケースがある。 
もし、読者が筆者のWEBサイトを常時見ているとしよう。その閲覧履歴
はもしかして、どこかの誰かが毎日チェックしている可能性がある。そ
れは例えばプロバイダーであり、某国の情報機関(?)である可能性も
否定できない。つまり、密かに読者のコンピューターを監視できるとい
うことでもある。このように「インタラクティブ」は単に「双方向」通
信が可能で、従来のメディアにはなかった「画期的なシステム」という
だけにはとどまらない危険がある。
 あなたのコンピューターが「自動的に」情報を発信している危険があ
るということだ。 

 ところで筆者は「サハリン残留朝鮮人」を取材し続けている。そして
サイトの内容を見れば筆者の仕事内容がある程度理解できる。そして「
朝鮮人」と言う言葉に異常に反応する人々が世の中にはいて、筆者に様
々な「中傷」ともつかないメールを送って来る(最近はほとんどないが
、当初は大変だった)。また筆者が書いた内容に対して「二次・三次資
料をもとに」反対意見を書いてくる人もいる。

 少なくとも筆者は直接取材したことを書いている。また当然のことな
がら、可能な限り裏もとっている。つまり一次資料がほとんどである。
ところが困ったことに、すべてを調べたわけではないが、「二次資料は
あるひとつのWEBサイト上に掲載された情報」が再生産されて、あちら
にもこちらにも、あたかも「一次資料」のように一人歩きする場合があ
る。(つまりコピーしてペーストすればもうそれは別の人が書いた事実
になりかねない)昨今、大学の論文などでもそれが見られるようだ。 
 このようなケースが多く見られると「インターネット上に書かれてい
る内容は信じられない」と言うことになる。まして二次資料をもとにし
た内容では。 

 「インタラクティブ」がサイト上の情報を確かなものにするひとつの
手段として使われるケースはまれである。その大きな原因の一つに「匿
名性」がある。「匿名」はインターネット上の権利として認められてい
るようだが「匿名」で書かれた情報は信頼できないというケースが見受
けられる。「インタラクティブ」の可能性として考えられるのは、クイ
ズや世論調査での利用だ。「匿名」を前提にすればこれは利用価値があ
る。このようにサイト上の危険があるから「インタラクティブ」が「従
来のメディアにない長所」として素直に認めることは、筆者には出来な
い。 

 膨大な数のメールが一時筆者の元に届いたことがある。イチイチすべ
てに返事を書く時間的な余裕もないので、そのままにしておいた。する
と「返事がない」とお叱りのメールが届く…。 
 結局「インタラクティブ」はよほど時間的余裕がある人しか、その価
値を認めることはできないのではないだろうか。 
少なくとも筆者には無理だ。

註:【インタラクティブ】 Interactive 「対話」または「双方向」と
いった意味で、ユーザーがパソコンの画面を見ながら、対話をするよう
な形式で操作する形態を指す。具体的には、コンピューターからの画像
や音声によるメッセージに対して、ユーザーがマウスやキーボードを入
力して操作を進めていく。ユーザーが積極的に参加できるため、コンピ
ューターを利用した学習教材にも使われる。インタラクティブの反対の
意味としては、コンピューターが自動で処理するバッチ処理、非対話型
、一括処理などの概念がある。(デジタル用語辞典)
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年2月11日号
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政府主要事業―住宅建設

 さる4日、サハリン州知事が地方自治体長会議で住宅建設事業の必要
性について強調。州知事は2011−2015年までの長期特別プログ
ラムの中に住宅建設が含まれていると伝え、同期間中の目標は150万
平米の住宅建設だと発表。

サマータイム制廃止

 ロシア大統領が先日サマータイム制の廃止を法制化することを支持し
」たことがわかった。経済的理由で同制度を実施してきたが、電気節約
の効果はあまり無くて国民の健康に悪い影響を与えるために今年から廃
止することになった。

中国記者クリル取材

 中国で昨年末南部クリルに関する番組が放送された。昨年8月ロシア
政府は中国の人気TV局のル・ユイグアン記者に南部クリル訪問を許可
した。日本が北方領土と呼ぶ南クリルに入り、クナシリの自然、地方政
府、連邦クリル発展プログラム対象、文化、一般住民たちとのインタビ
ューなど多様な内容を1週間の滞在期間中に撮影した。ル記者は「ロシ
ア大統領の訪問を知ってその時期に合わせてクリルに行った。撮影目的
はクリルへの投資価値を中国人に紹介することだった。しかし、私達が
クリルに入った時、日本外務省から強い抗議があった。しかし、我々は
取材を続けた」と話した。

交通事故

 2011年1月中、サハリン及びクリル地域の交通事故は39件で(
昨年同期47件)、交通事故による死亡者5人(昨年9人)、負傷者5
6人(昨年63人)だった。サハリン州警察サイトによると交通事故の
4件は子供と未成年者によるもの。

青年シンポジウム開催

 サハリン州政府は今年10月4―7日間ユジノサハリンスク市で「極
東における現代科学研究」というテーマで青年シンポジウムを開催する
ことにした。同シンポジウムには極東地域の大学生、若い学者、科学研
究員など100人が参加する予定。開催目的は若者たちの科学分野での
成果交換を通じての若者専門家養成。

サハリン韓人ら各地で旧正月を祝う

 2月3日は旧正月。民族伝統に従いサハリン韓人らも各地で旧正月を
祝う集いを開催。ユジノサハリンスク市、マカロフ、ポロナイスク市な
どで民族衣装を着た子供達の歌や踊りを見ながら民族料理を楽しんだ。 
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◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2011年2月18日号
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インフルエンザ猛威 サハリン州で

 2011年2月14日現在、サハリン州内23の学校がインフルエン
ザで休校中。学校や幼稚園の先生達は風邪気味のある学生を見つけた場
合、直ちに帰宅させる他、医療機関をはじめ人の出入りの多い職場では
必ずマスクを着用しなければいけない。また、免疫力を高めるためにビ
タミンを十分摂取するように気をつけるべきである。

安全対策

 さる14日、サハリン州政府が交通機関関係者と警察関係者らを招集
し安全対策会議を開いた。道路、空港、鉄道、港などでのテロ犯罪を防
ぐために、関係機関の相互協力体制を整えるのが目的。

米国総領事館副領事来島

 駐ウラジオストク米国総領事館のリュ・ゾナダン政治経済担当副領事
がさる13−17日間サハリンを訪問し、地方間政治、経済協力拡大可
能性について調査した。ネベリスクの朴・ウラジミル市長とコルサコフ
のロータリークラブ会員らと会うほか、州立図書館、韓人文化センター
、セコリョ新聞社なども訪ね現地実態把握に努めた。

サハリンエネルギー社とサハリン国立大学間協力

 先日、サハリンエネルギー社とサハリン国立大学が戦略的パートナー
協定を締結したことがわかった。長年協力を続けてきた両者が従来の経
験を基に今後新たな共同事業を展開するために行ったもので、具体的に
は共同学術大会開催や資料開発及び提供などの事業が計画されている。

ロシア大統領強調―南部クリルはロシアの領土

 先週クレムリン広報室は、D・メドヴェジェフ・ロシア大統領が国防
省と地域発展省の指導者たちを招集し、クリル列島の経済発展と安全保
障問題について真剣な論議を行ったことを伝えた。クリル列島への関心
と支援を指示した大統領は政府官僚の現地視察を命じ、発展事業の進行
状態や問題などについて注意深く聞き入れた後、ロシア政府及びサハリ
ン州政府はクリルがロシア領土であると改めて確認し、隣国とのよい関
係を発展させていくべきだと強調したとのこと。

韓国企業が漁船造船所問題で來島

 さる9日、サハリン州エス・カルペンコ経済担当部長が韓国企業<ハ
ナロ朝鮮海洋―Hanaro Shipbuilding>の代表と会談した。両者はホルム
スクにおける小型漁船造船所建設問題について話し合った。ハナロ社は
昨年ソウルで開催されたサハリン投資説明会に関心を示し、その後専門
家たちがサハリンを訪問し実態調査を行ったことがある。両者はプロジ
ェクト関連の財政及び法的問題について話し合った。
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◆ロシアの話題・事件
            The Voice of Russia http://japanese.ruvr.ru/
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◆ロシア漁船がオホーツク海で遭難 捜索活動が空からも
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/16/44566885.html

◆ロシア国境警備隊、日本漁船に照明弾を発射
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/15/44472169.html

◆NASA 太陽活動の活発化を確認
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/16/44588445.html

◆ラヴロフ外相 日本は第二次大戦の結果を認めるべき
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は15日、日本は平和条約問題解決に
向けて、第二次世界大戦の結果を認めるべきだ、との声明を発表した。
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/15/44483568.html

◆日本の北方領土交渉は弱腰 国民7割が内閣批判
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/15/44395292.html

◆ロシア大統領 収賄罪に賄賂の100倍の罰金科す法案提出
メドヴェージェフ大統領は、収賄をした者に対し、受け取った賄賂の1
00倍の額の罰金を科す事を定めた法案をロシア議会下院(国家会議)
に提出した。
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/16/44656651.html

◆ロシア社会院 汚職対策のホットラインを開設
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/16/44655818.html

◆イラン 反体制派と政府支持派の間で新たな衝突
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/16/44653163.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 前首相の感覚には驚いた。沖縄県民が必死に向かい合っている「基地
問題」で「方便だった」とのたまった。
 地元紙はこう書く。「政治音痴の素人政治家に、国政を委ね、安保・
外交政策を左右されることの怖さに、身震いした」(琉球新報)と。
続けて「万死に値する」とも。
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-173465-storytopic-11.html

 当然のことだ。県民の命を生活を「方便」で逃れようとした一国の宰
相の姿勢は「万死に値する」。「所詮は宇宙人」と笑ってはおられない。
ことは県民の命にかかわる。

 ここで提案したい。現在開かれている国会を沖縄で開催してはどうか。
また外務省や防衛省という官僚機構も基地周辺に移転しては?
この国の将来を考える為にはこの程度の措置は必要だ。そのために必要
な住居などを沖縄に建設すればいい。あの洞爺湖サミットのバカ騒ぎを
みれば、簡単なことだ。経済的にも潤う可能性がある。こうしてせめて
一年をその地で暮らし沖縄県民の目線で考えてみるのも必要だ。

 いっそ「国会並びに政府機関移転法」を制定し、目の見えない政治家
や官僚の眼を覚まさせる必要がある。この国には。
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発行     2011年2月22日   No.464
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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