メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.460◆現代時評:「ネット時代のレジスタンス」  2011/01/18


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2011/1/18  No.460
─────────────────────────────────
「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
─────────────────────────────────

                        【著書案内】

              好評発売中!
       
       「追跡!あるサハリン残留朝鮮人の生涯」
   
 日本の植民地統治が生んだ一家離散「二重徴用」「急速転換」「樺太
 への逆密航」を語る貴重な証言!!

      片山通夫 著
      凱風社 刊 http://www.gaifu.co.jp/index.html 
      定価 1900円+税

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「ネット時代のレジスタンス」片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:12月31日・1月7日・14日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から
─────────────────────────────────

 【PR】

電子雑誌「Lapiz」ウェブサイト
http://www.lapiz.bz/

2011年カレンダー
http://www.609studio.com/html/2011/index.html

609studio twitter
 http://twitter.com/609studio

609studio ウェブサイト
 http://www.609studio.com/
─────────────────────────────────
◆現代時評「ネット時代のレジスタンス」:片山通夫
─────────────────────────────────
 ここ何年かの間に国際情勢を眺めてみると、インターネット、もしく
は携帯電話でのメールなどで、様々な現象が起きている。つい最近、チ
ュニジアでも、市民が立ち上がりデモを繰り返した。そのデモを弾圧す
る警察の動きを、ツイッターなどネットで逐一流したという。

 この現象を「情報技術は時間と距離の制約を取り払った」と1997
年に(フォーリン・アフェアーズ誌に寄せた論文でこう切り出した)シ
ティコープ(現シティ・グループ)の元最高経営責任者ウォルター・リ
ストンは次のように述べている。「独裁者が市民を支配するジョージ・
オーウェルのビジョンが実現することはなく、(情報技術革命によって
)市民が独裁者を監視できるようになる。そして、自由という解毒剤の
ないウイルスが、電子ネットワークをつうじて世界のあらゆる地域に拡
散されていく」 と。

 先のチュニジアの大統領はサウジアラビアに亡命を余儀なくされた。
このチュニジアの現象に固唾をのんで見守っているのが、アラブ世界の
いずれ劣らぬ独裁国家だ。エジプトは早々に「我が国はチュニジアほど
(市民の)自由を奪っていない」と影響を最小限にとどめる措置をとっ
た。しかしムバラク政権も長期にわたり「腐敗が続いている」という観
測がささやかれている。他のアラブ諸国も同様だと思われる。いや、ア
ラブ諸国だけではあるまい。WikiLeaksに揺れる先進国首脳も同様ネット
社会の「恐ろしさ」を痛感しているはずだ。

 しかし考えてみれば当たり前のことを当たり前に行われているだけな
のだ。「政治も国家も国民のためにある」という原則から大きく外れた
場合、大騒ぎしているのはその政権だけである。国民(市民)は「もっ
と知らせるべきだ」という要求を突き付けているだけなのだ。政治は国
民(市民)のためにあるべきだという「幻想」が「現実」になっただけ
なのだから、慌てるほうがおかしいのだが。
─────────────────────────────────
◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:12月31日・1月7日・14日号
─────────────────────────────────
  2010年12月31日号

州知事の記者会見―今年社会経済発展について

 24日、州知事が1年間の事業総括記者会見を開催。州知事が指摘し
た今年重要な事件は次の5つ。

1)大統領のクリル訪問
2)第2次世界大戦終戦日を公式国家記念日に指定
3)エネルギー関連事業の順調な進み
4)住宅や幼稚園建設
5)韓国でも投資説明会。


航空運賃特別割引継続

 2011年度も極東地域の大学生や年金生活者らにはロシア連邦政府
の支援でモスクワとサンクト・ペテルブルグまでの航空運賃割引が適用
されると16日極東地域ロシア大統領代表が発表。

チェーホフの年を総括

 さる17日の州政府会議にてサハリン州文化管理局長はチェーホフ誕
生150周年及びサハリン訪問120周年を記念して1年間に渡って行
われた行事内容とその成果について報告。州内知識人、教師、学者、機
関と社会団体の協力の下で成功裏に終えたと評価。

数百人ロシア国籍取得

 16日サハリン州移民管理局の発表によると、2010年サハリン州
に居住する外国人中614人がロシア国籍を取得した。以前国籍をみる
とキリギズスタンが最も多い485人を占める。2007年から今日ま
でサハリン州では4187人の外国人がロシア国籍を取得しており、以
前国籍別にみると、キリギズスタン人1346人で最も多く、その外タ
ジキスタン686人、ウズベキスタン人240人、カザフスタン人10
7人、アゼルバイジャン人425人、アルメニア人272人だ。

偽造貨幣注意

 さる5日、55歳の男性が銀行で公共料金を支払った1千ルーブル札
が現場で偽札であることが発覚。男性は拘束され調べを受けている。


2011年1月7日号

州知事とプーチン首相と会談

さる12月29日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事がプーチン首相
と会談。そこでプーチン首相はサハリン地域の経済発展を肯定的に評価
し、最近の石油採取量の低下について言及。実は<サハリンー1,2>
プロジェクトが技術的な問題で石油採取量が減っているほか、毎年ガス
80億立米供給計画が未決のままである。また、2010年は前年度に
比べ漁獲量が3分の1にしか達しなかったため生産量に大きな影響を与
えた。

未成年深夜外出禁止策効果的

 昨年末ユジノサハリンスク市社会団体会議で未成年法違反予防問題が
審議された。報告によると、昨年導入された深夜未成年者外出禁止措置
以後、若者の法律違反件数が17.2%も減った。市政府は今年も同措
置を続けて実施するほか、未成年者にアルコールやタバコを販売するナ
イトクラブ、ディスコテック、深夜未成年者を受け入れるインターネッ
ト・カフェなどへの取締りを一層強化すると共に違反した場合の罰金額
を6倍以上に引上げることを決めた。

追放外国人センター予算800万ルーブル

 昨年12月サハリン州議会は、追放通告を受けた外国人を出国まで滞
在させるセンターの2011年度運営費として800万ルーブルを拠出
することを決めた。昨年150人が法律違反で追放通告を受けたが、一
部移住民は旅券も帰国費用も持っていない。

北方少数民族3800人

 昨年12月末の「2011−2016年間サハリン州北方少数民族住
民らの確実な発展計画立案会議」によると、現在サハリン州に居住する
北方少数民族は約3800人。その7割が地方農村に住んでおり、彼ら
の労働集団は50カ所が登録されている。彼らの発展のためには伝統的
な居住地と自然資源の保護が何より重要であり、彼らの労働集団の現代
化も課題として指摘された。


2011年1月14日号


戦争老兵らに添付支援

 2011年1月1日からサハリン州政府は祖国戦争老兵と参加者、封
鎖された当時のレニングラード住民らに特別支援金を毎月1175ルー
ブルと385ルーブルを支払うことにした。

学齢前教育充実化プログラム

 さる12日、サハリン州政府は学齢前教育に関する「2011−20
15年間特別プログラム」を審議、採択した。同プログラムによると、
同期間中に7525人の児童が幼稚園に入園可能にするほか、29カ所
の幼稚園新設し、入園を待っている人数を半分以上に減らす。現在、サ
ハリン州には143カ所の幼稚園があるが、慢性的な施設不足で1万4
千人が入園を待っている状態。

最低賃金引上

 サハリン州政府は年度内に2回にわたって最低賃金を引き上げ、6月
1日まで9200ルーブル、年末までは9500ルーブルまで引上げる
と発表した。

年金引上

 ロシア年金財団によると、来月から労働年金が8%、4月からは社会
年金も8%引上げられる。現在労働年金は3660万人が、社会年金は
330万人が受けている。又、1700万人が受ける一時補助金も年内
に6.5%引上げられるとのこと。

漁獲量

 サハリン州では元日から恒例のナワガ漁がスタート。この10日間で
170万トンも釣れた。天気がよければ1月末まで8300万トンを釣
れると予測している。又、明太、ニシン漁も始まったが、今年は明太は
少なく、ニシンが多く獲れるとのこと。

大気汚染防止対策

 昨年12月27日、サハリン州政府はサハリン州大気汚染を防ぐ対策
を講じる必要性を認識した上、「2012−2015年間サハリン州大
気汚染保護特別プログラム」の審議を行った。報告によると、毎年大気
汚染が深刻化しており、主な原因は自動車数の増加とエネルギー関連設
備の老化と指摘されている。

児童補助金2倍引上

 サハリン州では今年から児童補助金が2倍に増える。現在、地域によ
って420−600ルーブルが一人当たりの児童に支払われている。特
に3人目の子供以後から出産の時一回1万ルーブルを支援する他、16
歳までの補助金支給期限を18歳まで引き延ばすことにした。
─────────────────────────────────
◆ロシアの話題・事件
            The Voice of Russia http://japanese.ruvr.ru/
─────────────────────────────────
◆日本で匿名の慈善活動が広がる
日本では昨年末から、匿名で慈善活動を行う波が広がっている。日本全
国の児童養護施設などから、匿名の人物から現金や贈り物が届けられた
との報告が伝えられている。
http://japanese.ruvr.ru/2011/01/12/39421788.html

◆新START条約 ロシア、批准に向けさらに一歩前進
http://japanese.ruvr.ru/2011/01/16/39939199.html

◆インフルエンザ感染者 ロシアとヨーロッパで急増
http://japanese.ruvr.ru/2011/01/16/39895640.html

◆オホーツク海に取り残された海上基地 無事に救出
http://japanese.ruvr.ru/2011/01/16/39917953.html

◆イラン ツポレフ154型機の運用を禁止 2月から
http://japanese.ruvr.ru/2011/01/16/39920689.html
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              片山通夫
─────────────────────────────────
 今週の話題はやはり「タイガーマスク」現象でしょう。ロシアでも話
題になっているようです。

 それに16年目を迎えた阪神大震災のニュースや鹿児島県阿久根市の
市長選。相変わらずの菅政権の内閣改造劇と民主党の内紛。

 寒さ厳しい折、ご自愛ください。
─────────────────────────────────
発行     2011年1月18日   No.460
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020
e-mail       office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿     http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 購読解除は websiteへ

           ◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。