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タイトル:609studio No.457◆現代時評「可視化」  2010/12/28


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【609 Studio 】メール・マガジン 2010/12/28  No.457
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フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
新聞「セ・コリョ」の日本語翻訳版、ロシアやサハリンの話題、投稿、
編集長のコラムなど多彩な話題満載!
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◆現代時評「可視化」:片山通夫

◆セ・コリョ新聞日本語翻訳版:2010年12月17・24日号

◆ロシアの話題・事件

◆編集長から
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◆現代時評「可視化」:片山通夫
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 大阪地検特捜部が手がけた郵便不正事件の内部検証の報告書が公表さ
れた。今後は「一部で取り調べの可視化」を図ると言う。早速、日本弁
護士会は「一部」ではだめだと猛反発している。

 その理由は、「検察側の都合のよい部分だけを可視化する」危険があ
るというものだ。一方で検察官の反応をみると「自供が得られない」と
いう。よくわからないのだが「証拠第一主義」だったのではないのか。
物的証拠や第三者の証言が、容疑者を追いこんでい行くのではなかった
のかと思うのである。

 筆者は弁護士会の反応が順当だと感じる。それに引き換え、検察官の
「自供が得られない」とはどういうことなのか理解できない。いや、こ
う考えればわかりやすいのかもしれない。つまり「検察の作ったストー
リーに基づいた操作を今後も続ける」と言っているのと同じだ。

 これでは「検察、特に特捜」は村木事件を経ても一向に変わっていな
いということになる。
 そういえばICレコーダーに録音されていた警察官の脅迫めいた捜査
が表に出た。

 「自白の強要」。これが江戸時代からの我が国の文化なのか。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2010年12月17・24日号
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12月17日号

韓国済州島代表団来島

 さる12日の夕方、韓国済州島代表団7人が2泊3日の日程でサハリ
ンを訪れた。今年11月、ロシアと韓国の大統領が見守る中でソウルで
サハリンと済州島間で経済友好協力協定が締結され、両地域の知事は地
域間交易の拡大を約束した。その時、済州島側はサハリンへのみかん輸
出を望んでいた。13日、サハリン州政府会議室にての会談の際、サハ
リン副知事エス・ホトツキンさんは「韓国とサハリンは長い間パートナ
ー関係を保ってきた。昨年の取引額は29億ドル、今年は9カ月間でも
う既に30億ドルに達している。有名な済州島のみかん輸出に関心をも
っていることは知っている。サハリン政府はできるだけの協力を行いた
い」と述べた。代表団は農水産関係の担当者との面談、市場調査のほか
、コルサコフ港を訪ね、通関手続きなども調べた後、14日帰国した。

朝鮮民主主義人民共和国外務相ロシア訪問

 ロシア外務省によると、今月13日モスクワで開催された朝鮮民主主
義人民共和国朴・イチュン外務相との会談の際、ロシア側が韓半島にお
ける緊張事態について憂慮を示しながら、人命被害を招いた韓国への砲
撃は非難されて当然なことだと述べた。又、ロシア外務相はUN安保理決
議の履行を促したとのこと。

副総理クリル訪問

 先日、イ・シュワルフ第1副総理をはじめ連邦政府代表団がサハリン
を訪問した。13日、中小企業支援事業動向について調べた後、代表団
はクリルのクナシリとイトロプを訪ねた。クリル島社会経済発展連邦プ
ログラムの進行状況を調べることが今回訪問の目的。代表団は保健、教
育機関の視察を行い、又地域住民らの声を直接聞くなどした後、サハリ
ン州政府と視察結果を審議した。

ツリー点灯式

 6日、ユジノサハリンスク市勝利の広場で新年を祝うツリーの設置作
業が始まった。25.5mのツリーの周りにサンタクロスと白雪姫の人
形が飾られた。州知事によるツリーの点灯式は18日に予定されており
、その日はサンタクロスと白雪姫たちの行進以外にも多様な催しが見ら
れる。

不法漁加工施設発見

 ロシア連邦保安局サハリン国境守備管理局はさる11月末、エトロフ
島で不法漁加工施設を発見し刑事問題として扱っている。同施設では1
38キログラムの鮭のイクラが発見。当局はこのような不法施設を3カ
所発見している。

火災事件で62人死亡

 今年1月〜11月までサハリンで978件の火災が起き、62人が死
亡した。死亡者中38人は事項当時酒に酔っていたか、麻薬中毒状態だ
った。火災の主な原因は不注意と電気設備規則違反のため。特に一戸建
てで火災が多い。今年も全体中704件が一戸建てで起きた。

サハリン州知事、サハリン漁夫権利訴え

 さる7日、ハバロフスク市で極東及びバイカル地域経済協力協議会会
議が開催され、そこでサハリン州知事がサハリン漁夫たちの漁労水域問
題を取り上げたことがわかった。連邦水産業管理局の構造改革のため、
漁労水域協定締結時期を逃してしまったサハリン州内の幾つかの水産企
業が倒産の危機に落ちいており、地元住民らが生計手段を無くしている
と現状を訴え、救済措置の必要性を強調した。

サハリン韓人女性会主催―冠婚葬祭の民族儀式を知ろう

 さる11日、ユジノサハリンスク市のサハリン国立大学でサハリン韓
人女性会が主催する民族儀式を知るセミナーが開催された。学生など若
者たちも参加した中で民族の伝統儀式―冠婚葬祭についての説明を行っ
た後、法事という義式を体験学習をも行い、多くの参加者から好評を得
た。


12月24日号

州知事、外交官たちと会見

 さる20日、サハリン州ア・ホロシャヴィン知事がサハリン駐在外交
官たちと会って色んな問題について話し合ったことがわかった。韓国、
日本、米国、オランダ、英国を代表する外交官たちが集った中で州知事
は亜細亜太平洋地域特に日本と韓国との関係を強調しながら、クリル島
を含めサハリン州と両国との経済協力関係のより一層の発展を望んでい
ると述べた。今年の9カ月間サハリン州の対外貿易額をみると、日本4
3億ドル、韓国31億ドル、そして米国や英国、オランダなどは数百万
ドルを占めている。

多民族フェスティバル

 さる18日、国際文化交流の年を記念してサハリン州政府が主催する
多民族フェスティバルが開催された。ロシア大統領は「連邦をより強く
するためにロシアに住む諸民族の伝統と文化を尊重すべき」と述べたこ
ともあり、100以上の民族が住んでいるサハリンでも各民族文化の発
展・維持を重視している。フェスティバルにはロシア人、サハリン北方
少数民族、アルメニア人、韓人、タタール人、ウクライナ人、アゼルバ
イザン人、ウズベク人、キルギス人などサハリンに住む諸民族の芸術団
が参加して民謡、舞踊などを披露した。

教師ら、民族ゲーム体験

 17日、サハリン韓国教育院が韓国語教師らを対象に民族伝統遊びを
体験する催しを開いた。講師はサハリン駐在の韓国人たち。各地から集
った教師らは子供のように楽しく遊びを体験していた。各学校でこのよ
うな体験学習を希望するなら教育院が遊び道具を購入して提供するとの
こと。

韓人女性会総会

 19日、ユジノサハリンスク市ガガーリンホテルでサハリン韓人女性
会の総会があった。アニワ、ポロナイスク、ドリンスク、コルサコフ、
ホルムスクなどの地方女性会メンバーたちも参加した。アニワやホルム
スク地域女性会では韓人孤児や障害者らを支援する事業も行っているな
ど中央のみならず地方でも女性会の役割や活動がますます活発になって
いる。婦人の日、伝統文化の維持発展事業の他にも韓人社会が主催する
多様な事業にも支援を行っている女性会だが、今後は若い会員の拡大に
も力を入れたいと考えている。

「私達はサハリンカレイツ」制作報告会

 さる20日、ユジノサハリンスク市内のホテルでサハリンウリマル放
送が韓国放送通信委員会の支援下、制作した4部作ドキュメンタリー「
私達はサハリンカレイツ」の制作報告会を開いた。芸術、政治、企業、
教育など各分野で成功を収めた同胞を紹介する同ドキュメンタリの主人
公たちが見守る中で上映会を開いた後、金春子局長は関係者や協力者ら
にお礼を述べた。

韓人同胞韻律詩人の巡回公演

 さる16―18日にかけてサハリン韓人同胞韻律詩人許・ナムヨンさ
んが地方巡回公演を行った。サハリン州議員の鄭・ヴァレリさんの支援
で行われた公演だった。作曲家でもある許詩人はキターを轢きながら自
作の詩朗読や作品説明をするなど積極的に自分の芸術世界を紹介した。
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◆ロシアの話題・事件
            The Voice of Russia http://japanese.ruvr.ru/
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▲露大統領との1年の総括−日本との協力とクリル諸島 1)
 メドヴェージェフ露大統領はこの1年を総括する番組に生出演した中
で、「ロシアは日本と協力する用意がある。しかし共同での経済プロジ
ェクトのために南クリル諸島を手放す用意はない」との声明を表した。
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/24/37677056.html

▲露大統領との1年の総括−日本との協力とクリル諸島 2)
 メドヴェージェフ露大統領は「クリル諸島の全ての島はロシア連邦の
領土である。これはわれわれの領土だ」との声明を表し、日本側に対し
「ロシアとクリル諸島に対する認識を再検討する」よう要請、ロシアの
同地域に積極的に経済やビジネス分野で協力するよう、日本政府と実業
界に提案した。
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/24/37680246.html

▲日本の駐露大使、河野雅治氏の更迭について
 日本の駐ロシア大使であった河野雅治氏が、事実上更迭された。日本
のNHKが政府筋からの情報として伝えたところによると、後任大使の
任命は1月に入ってからとなるとのことだ。
http://japanese.ruvr.ru/2010/12/24/37693546.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 師走に「釈然としない」ニュースがポロポロ…。

 最高検が「村木元局長、起訴すべきでなかった」と発表した。そして
特捜の取り調べを可視化(一部)すると発表。
 これで問題が解決するのかは疑問だ。結局「ストーリーに沿わない証
拠や証言を可視化できるか」に尽きるからである。ストーリーに沿わな
い証言などは「可視化しない」のではないか?

 「鳩山元首相に1億3千万円還付」とあった。なんでも贈与税後払い
の時効分だそうな。みなさん、なるほど!と素直に納得できます?

 「流出のテロ情報、警視庁が内部文書と認める」なんとも奇妙な。

 「名護市へ再編交付金約17億円支給せず」とあった。普天間移設拒
否に対するムチ。それなら名護市への移転は諦めたのか?
 この問題に関して「全国民的な議論」が必要だ。
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発行     2010年12月28日   No.457
編集・発行  609studio Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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