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タイトル:609studio No.436◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]:2010年6月25日号  2010/06/29


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【609 Studio 】メール・マガジン 2010/6/29  No.436
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フリージャーナリスト片山通夫のメールマガジン。ロシア唯一の韓国語
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◆現代時評:当分の間休載させていただきます。

◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]:2010年6月25日号

◆ロシアの話題・事件

◆ サハリン余話 2題:片山通夫


◆編集長から

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◆現代時評:休載させていただきます。
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 筆者の都合で当分の間休載となります。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2010年6月25日号
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6月25日―愛国・哀悼の日

1941年6月25日はドイツとの戦争が始まった日。この日は「ロシ
ア愛国・哀悼の日」。記念する式典が去る22日、ユジノサハリンスク
市のスラヴァ(栄誉)の広場で盛大に行われた。多くの市民と政治家、
社会団体と宗教関係者、軍人、学生などが参加して戦没者らに献花した
。式典でサハリン州知事は「ロシア歴史上最大の悲劇である対独戦争と
数百万人に上るこの戦争の犠牲者たちを忘れてはいけない」と強調した。

国際観光大会

 来る8月23〜26日までヤクーツクで極東地域の観光事業を紹介す
る国際大会が開かれる。サハリン州は同大会で夏季と冬季の観光事業―
夏のモネロン島観光、冬のスキーと氷穴釣りとガニ獲りーを紹介する予
定。

シャクチョルスクで採炭再開

 シャクチョウルスク地域の採炭会社「サハリンウゴリー6」がさる1
8日、再び採炭を始めた。100万ドルにも及ぶ先端安全システムを導
入するなど近代化を進めた同社の採炭再開の日にサハリン州知事も訪ね
、現場の様子を見守った。同炭鉱では年間70万ドンの採炭を目標とし
ている。

警察に新しい自動車

 さる17日、ユジノサハリンスク市ポベダ(勝利)広場にサハリン州
各地の警察関係者が参加した中で自動車伝達式が行われた。サハリン州
政府は犯罪行為予防政策の一環として各地域の警察署に合計12台の新
車を購入して提供した。

写真コンクール

 サハリン州博物館協会は6月15日から8月31日まで、「我が都市
―平等な地域」をテーマとした写真コンクールを開催する。応募できる
のは15〜35歳までの青年層。同事業は青少年文化活動振興が目的。
応募締め切りは7月17日まで。その後8月1日から1カ月間の公開展
示会を経た後、授賞式を行う。

熊に襲われる

 夏には餌を求めて民家に熊が現れることが多い。さる16日、コルサ
コフ市の共同墓地で男性が3匹の熊に出会った。母親の熊が男性を襲っ
た瞬間、それを目撃した近くにあった女性が大声を上げ逃げ出すと、熊
がその女性を追い掛けた。幸い女性は素早く車で逃げ、男性も逃げるこ
とができた。

障害者に追加支援

 サハリン州政府は今年から経済的に苦しい障害者約160人を支援す
ることを決め、年間850万ルーブルの予算を策定した。今年1月から
毎月支援金が支給されており、1万5千ルーブルまで受け取っているケ
ースもある。しかし、この間、114人が更なる支援を要請してきたこ
とがわかった。

6月27日―青年の日

 6月最後の日曜日と決まっている青年の日。ユジノサハリンスク市で
6月27日、5カ所で記念行事のコンサートやスポーツ競技を行う。

新刊

 近々ア・テ・クジンさんの「サハリンカレイツたちの歴史的運命」が
発行される。光復65周年を記念して、19世紀半ばから今日までのサ
ハリンカレイツたちの歴史―ロシア皇帝時代からの移住史を整理したも
の。
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◆ロシアの話題・事件
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▲露日首脳が会談 領土問題前進への意志確認

 ロシアのメドヴェージェフ大統領は26日、G8サミットの開かれた
カナダのムスコカで菅直人首相と会談し、経済協力や領土問題を話し合
った。日本外務省が発表した。 
 両国首脳会談は今月上旬の菅首相就任後初。外務省によると、菅氏は
対露関係を重視した鳩山前首相の路線を引き継ぎ、関係を前進させてい
く姿勢を強調した。 

 領土問題では、首脳対話ほか高官級の接触を通じた調整を図っていく
ことで一致した。メドヴェージェフ大統領は問題を「両国関係の中で最
も難しい」としつつ、双方に受け入れ可能で建設的な解決策を模索して
いきたいと述べた。また、菅首相は、解決を「国民の悲願」として、最
終的な解決を目指すとした。 More↓

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/27/10796192.html

▲イラン核 ロシア、G8で独自制裁に反発

 ロシアのドヴォルコヴィチ大統領補佐官は26日、ムスコカ・サミッ
ト閉幕後の声明で、メドヴェージェフ大統領が欧米の進めるイランへの
独自制裁に反対する立場を伝えたと述べた。国営テレビのヴェスチが報
じた。 

▲モスクワ映画祭 国際批評家協会賞にチェコ映画

 第32回モスクワ国際映画祭では、閉幕式を前に、国際的な批評家団
体から贈られる賞の受賞者が発表された。

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/26/10762025.html

▲キルギス:避難民がウズベキスタンから帰国

 キルギス南部で11−14日に発生した騒乱時に隣国ウズベキスタン
に逃れた避難民のほぼ全てが祖国に戻った。

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/26/10750863.html

▲ロシア アフガン安定化に向けたアメリカの政策を支援

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/25/10660953.html

▲流出した頭脳戻せるか 露ハイテク発展の鍵に

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/24/10632458.html

▲毎日80人が麻薬で死亡 ロシア

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/16/9962452.html

▲キルギス オトゥンバエワ暫定大統領 「南部騒乱の死者は10倍」

http://japanese.ruvr.ru/2010/06/18/10079513.html
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◆ サハリン余話 2題:片山通夫
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「吹雪の夜」

3月も半ばになると、日本ではさくらの開花予想などが人々の話題に上
る。サハリンでも春は近いとすこしだけ人々の心は弾む。 
そんな3月の半ば。突然猛吹雪に見舞われる時がある。
そんな日でも人々は黙々と仕事に出かける。
余り吹雪が激しいと午後から仕事や学校は休みになる。
人々は仕事場や学校から黙々と帰宅する。

そんな夜のこと。
「明日も降ると言う話だ」
写真記者とボクは小さなバーでウオッカのグラスを傾ける。
店の中は静かで暖かい。客は我々だけだ。

「もう帰ったほうがいいのかな」
写真記者は店のオーナーに聞いた。
「ニチェヴォー(かまわない)」
「アンタもここで一緒に飲もう」

かくして3人でウオッカを傾ける。
「サハリンの春は近い」
突然写真記者がつぶやく。

こんな吹雪なのに?
思わず聞くボク。
「サハリンでは一日のうちでも四季があり、こんな吹雪の次の日は暖か
い日が来て・・・」

三寒四温が一日のうちにあるってことか。 
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サハリン余話「これでおしまい!」

 ひとまず「サハリン余話」は終了です。また書く時が来ると思います
ので、その時はよろしく。最後にこの「サハリン余話」によく出てくる
「ウォッカ」について。

ウォッカ三昧
 ウォッカと呼ばれる種類の酒をご存知の方も多いだろう。我が国では
スピリッツに分類されていてその成分のほとんどは水とエタノールであ
る。原材料は様々で、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなどで、蒸留後
、白樺の炭で濾過して作る。そして一般に無味無臭無色である。 
 ソ連が崩壊し、ロシアの経済が最悪の状況だった頃もウォッカ工場だ
けは生き残ったと言われるほど、ロシア人にとっては「重要な」酒だっ
た。ゴルバチョフがソ連共産党の書記長だった頃、ペレストロイカの一
環でウォッカの製造を削減したことがあった。しかし自宅で密造をした
ため効果はなかった。そのうえ税収で重要な位置を占めていた酒税が落
ち込みソ連は財政難に陥る。

 ウォッカにちなんだ話を少し紐解いてみると、1917年の革命時、
「スミルノフ」という会社が、パリに亡命しそこでウォッカを製造販売
した。その製造権と商標権を買い取ったのがロシアからアメリカに亡命
していたルドルフ・クネットという人物。彼はカナダとアメリカでウォ
ッカを製造販売し、アメリカは世界屈指のウォッカ消費国となった。ロ
シア革命の意外な効果?だった。今でも勿論アメリカ産のスミルノフと
いうウォッカは販売されている。

 筆者は10年余りの期間、サハリンへ通っている。サハリンでは勿論
飲むのはウオッカ。おかげでアルコール度40%の酒をストレートで飲
むことを覚えた。

 そのウォッカだが、筆者は事務所で「唐辛子入り」のウォッカを作っ
ている。唐辛子の量を間違えて相当辛く、いささか閉口している。それ
で、蜂蜜を混ぜて辛さを緩和しているがまだ辛い。捨てればいいのだが
なんとなく「もったいない」のだ。酒呑みはいじましい。そのほか、ウ
ォッカにブランデーを混ぜるという方法も試してみた。これはかなり呑
める。ウォッカがとてもまろやかになるのだ。

 このようにウォッカに様々なものを混ぜて楽しむという味を覚えてし
まった筆者は、並の酒では心もとない。以前、サハリンで筆者は写真展
を開いたことがある。この時、打ち上げと称して何人かのロシア人たち
とレストランで呑んだことがあった。酒はもちろんウォッカだ。気がつ
いてみたら、テーブルの上に500ミリリットルの瓶が6本寝転がって
いた。単純計算でも一人あたり1.5リットルを呑んだことになる。

 ウォッカは至極呑みやすい。そしてブランデーやウイスキーのように
、とてつもなく高い代物でもない。ジュースで割って飲めば、何しろ無
味無臭なのだから、あまり酒を飲んでいるという味はしない。覚えてお
いてほしいのは、ウォッカは冷凍庫でよく冷やしてからストレートで飲
むのが「正しいウォッカ呑み」の作法だ。凍りかけたウォッカはまった
りとして味わい深いのだ。

 最後にとっておきのロシア小噺を。

  ウォッカの行列にならんで男たちが・・。
  「なんだってウォッカを買うのにこんなに苦労するんだ」 
  「これもみんなゴルバチョフのせいだ」          
  彼らの中のひとりが息巻いて言った。      
  「オレ、ちょっとクレムリンまで行って、
  ゴルバチョフを1発ぶん殴ってくるぜ!」                  
  男は走って行ったが、やがてがっかりとした様子で戻って来た。
  行列に残っていた男の仲間たちが尋ねる。   
  「よう、どうだい。ゴルバチョフを殴ってきたか?」    
  男は哀しそうに首を横に振って言った。          
  「いやダメだ。あっちの行列の方が長かった」

今宵も筆者はウォッカ三昧。いやロシア人でなくて良かった。
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◆[編集長から]              片山通夫
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 熱くなりました。サッカーの話。すごいですね。岡田Japan。当分寝不
足が続くようです。暑さも増してきました。御身大切に…。

さて、近頃巷をにぎわす話題。

▼大相撲。協会の存続かかわる一大事。ここは一番、お灸では足りん?

▼サミットで北朝鮮非難。目に見える制裁ってあるのだろうか?戦争はだ
めだが。

▼由美かおるさんが「水戸黄門」から足を洗う。もう見られないんだ。あ
の「健康なお色気」は…。

▼「二つの祖国」に悩む人々がいる。いえ、今日W杯で日本と対戦するパ
ラグアイの日系移民の人たち。挨拶は「どっちを応援?」悩ましい問題だ。
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発行     2010年6月29日   No.436
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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