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タイトル:609studio No.431◆寄稿「徒然のサハリン」  2010/05/18


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【609 Studio 】メール・マガジン 2010/5/18  No.431

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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、また、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」
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◆現代時評:当分の間休載させていただきます。

◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]:2010年5月14日号

◆寄稿「徒然のサハリン」:オリホヴィク 美香

◆サハリン余話:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:休載させていただきます。
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 筆者の都合で当分の間休載となります。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2010年5月14日号
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戦勝65周年慶祝行事―老兵に感謝

 5月9日―戦勝の朝、サハリン州知事と政府関係者は戦争老兵、労働
戦参加者らと共に州中央都市栄誉(スラヴァ)の広場の聖火に犠牲者ら
を追悼する花をささげた後、記念式場勝利(パベダ)の広場に向かい、
そこで祖国戦争を勝利に導いたすべての人々に感謝の言葉を述べた。夕
方10時には祝賀花火の打ち上げがあった。

クリルで4千トンの明太

 ロシア水産業広報センターによると、今年に入ってロシアでは昨年同
期に比べ2万2600トンも多い11万9700トンの明太が獲れた。
その中の極東地域での漁獲量はオホーツク海で5600トン、ベーリン
グ海で6900トン、南部クリルで4千トンである。

アルコールの無い日

 5月12日のサハリン州水産業及び食品局会議で、5月25日を「ア
ルコールのない日」ときめ、一日アルコール類の販売を禁じることにし
た。5月25日は学校の最後の授業日で未成年のアルコール消費量を減
らすためにこのような措置をとったのである。25日には各学校で教師
や医師、専門家たちからアルコール中毒やその影響についての説明会
が開かれる。

ロシア正教会で

 ロシア正教会は今年から毎年5月9日の戦勝日に追悼式を行うことを
決めた。ユジノサハリンスクの正教会もさる9日、戦死した兵士たちの
ために追悼式を行った。

農業博覧会開催

 今月22〜23日両日間、ユジノサハリンスク市勝利の広場で朝9〜
17時まで農業博覧会が開かれる。サハリン州政府が毎年開催している
同博覧会には州内の農業関連企業や個人経営者、自家栽培者たちが参加
して、肉類や野菜、パン、お菓子などの紹介と直販を行う。

ファシスト収容所囚人らに特権

 サハリン州議員らは戦時中ファッシスト収容所に送られ、過酷な強制
労働を強いられた人々に対する支援を骨子とする新法案を州議会に提案
した。同法案が採択されると犠牲者らには毎月750ルーブルの補助金
と住宅管理費の支援が行われる。対象者数は215人という。

科学者評議会設立

 サハリン州政府はサハリン州科学者及び専門家評議会の設立を検討中
である。現在、ロシアの78地域に科学者や専門家からなる科学者評議
会が組織されている。

飲酒運転で6人死亡

 今月9日、ホルムスク市内で飲酒運転のため6人が死亡する事件があ
った。運転免許もない22歳の青年が酒を飲んで運転しているうち、歩
道へ入り、歩いていた3歳、6歳、10歳の子供の他、妊娠中の女性な
ど6人を死亡させた。他に数人の負傷者も出ている。

韓人文化センターで戦勝日と両親の日を祝う

 サハリン州文化センターはさる8日昼、戦勝65周年を迎えて30人
余りの戦争老兵同胞を招待して慶祝会を開いた。又、夕方には韓国の両
親の日を記念する行事をも行った。韓国の両親の日の歴史を紹介するほ
か、年寄りに感謝の気持ちを込めて、子供たちが踊りや歌をプレゼント
するなどの催しがあった。
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◆寄稿「徒然のサハリン」:オリホヴィク 美香
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 「ロシアのゴールデンウィ−ク」

 日本ではゴールデンウィークの時期、ロシアでは5月1日のメーデー
、5月9日の戦勝記念日に合わせて3連休が2回ありました。
 前半の3連休はお天気に恵まれ、とても暖かい初春の日をだれもが堪
能しました。私達は、日本人ばかり8名でネベリスクへトド見物に行き
ました。


 ネベリスクは、樺太時代、本斗と呼ばれたところで、ユジノサハリン
スクから車で約2時間のところにあります。2年前には大地震に見舞わ
れ大きな被害を受けました。この時期、野生のトドがやってくるところ
としても有名です。
 朝7時半にユジノサハリンスク駅前に集合し、ワゴン車のバスで8時
に出発。天気に恵まれ、道路状況も良好で、道中初春の景色を楽しみな
がら1時間半ほどでネベリスクに到着。私には見慣れた北海道と同じ景
色も、本州出身の他のメンバーたちは「雄大できれい」と大感動してい
ました。
 ネベリスク到着後、レーニン広場、稚内広場、稚内通りなど街を見学
しながらトドのいる防波堤まで、約1時間かけて皆でブラブラと歩きま
した。この日は波が荒く、防波堤にいるトドは少ないとのことで、詳し
い様子は双眼鏡でなければ見えませんでしたが、野生動物の迫力を堪能
することができました。野生のトドが人間の住処の近くで見られるのは
、ここの他にはアメリカのシアトルなど世界でも数か所しかないのだそ
うです。

旅行ではトイレと食事の場所の確保は最重要課題ですが、今回の小旅行
を企画してくれたMさんの友人のロシア人Aさんがずっと案内してくれ
たおかげで解決。ネベリスクの市議会議員であるさんは顔が広く、休日
で閉まっている図書館などの警備員に話をつけてきれいなトイレを使わ
せてくれたり、昼食の場も探してくれて、本当に助かりました

 行きのバスではにぎやかに過ごしていた私たち一行も、帰りのバスで
はほぼ全員疲れて爆睡。ユジノサハリンスクについてから、2次会とば
かりにコルサコフの地ビール「ゲルサフ」のユジノサハリンスク支店に
繰り出し、ビールを飲みたくさんおいしいものを食べて解散。実に充実
した休日でした。

 戦勝記念日の連休は、あいにく寒い休みとなりました。私と息子は、
日本人同僚夫婦と一緒に新しくできたショッピングモールのシネコンで
映画のはしごをすることにしました。
 今年は終戦65年の大きな節目の年で、その祝い方は尋常ではないほ
どです。店という店、街のあちこちに戦勝65年のポスターが貼られ、街
中の人が退役軍人を称えるゲオルギエフスカヤ・レントチカというオレ
ンジと黒のリボンを身に付けています。テレビは一日中、戦争関連の番
組ばかり。愛国心を煽るというか、なんとなくうん臭い感じが私にはす
るのですが・・・。でも、考えてみると、第2次世界大戦を経験した退
役軍人も高齢で次の大きな節目である70周年にはほとんどが恐らくこの
世にいないでしょう。戦争を知る人がいなくなってしまうと、また愚か
な間違いを繰り返してしまうのではないかと心配でもあります。
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◆ サハリン余話 2題:片山通夫
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「小さな新聞社」

 セコリョ新聞という小さな新聞社がユジノサハリンスクにある。発行
部数は2000部程度。セコリョは新高麗と書く。つまり韓国語新聞だ。
ソ連邦が健在だった頃は「レーニンへの道」という共産党の機関紙だっ
た。そこへ突然ソ連邦が崩壊したため、いきなり自由経済の荒海に投げ
出された。 
 ソ連邦の崩壊は同時に韓国との交流が自由になるということ。早速韓
国の新聞社などが支援の手を差し伸べた。印刷機、紙、コンピュータな
どが瞬く間にそろった。

同社に支援の手は出されたが大きな悩みを抱えている。発行部数の低迷
である。韓国語を理解する人々の減少が主な原因だ。若い韓国系ロシア
人は韓国語を解さない。在日韓国人たちと同じだと思う。
  全8ページタブロイド版の紙面のうちロシア語のページが2ページあ
る。せめてもの対策だ。しかし、ロシア語のページの増加は韓国語を解
する高齢者たちには評判が悪い。民族の文化が失われるというわけだ。

 ロシアという多民族国家のなかで全ロシアにたかだか50万といわれ
ている韓国系の人々の殆どは今韓国語を解さないといっていいかもしれ
ない。

 セコリョ新聞の存在はだから光っているのだが、経済的な悩みは尽き
ない。 
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「氷の海」

 冬の間、サハリン島を囲む殆どの海は氷の海と化す。どこまでが陸地
でどこから海なのかわからない真っ白の氷の世界である。厳寒の中、人
々は海に穴を開けてコマイ(氷下魚)釣りに精を出す。だいぶ以前の話
だが、ボクも出かけたことがある。 
当時持って行ったカメラはフィルムカメラ。
フィルムの巻き上げは手で巻くタイプだった。

夕日が真っ白い氷の海を照らし出した頃、海のあちこちでウオッカをぐ
いぐいやりながら、釣りにいそしんでいる姿が見える。
近づいてみると、氷に開けた穴から短い竿でルアーを下ろして誘いをか
けている。
しかし穴はすぐに氷でふさがる。小さな網でふさがろうとする氷を救い
出す。その合間に竿を上下に動かして誘いをかける。結構忙しい釣りだ。

釣れた魚は氷上に投げるとたちまちの内に「急速冷凍」。
そんな風景を写真に撮ろうとフィルムを巻き上げたらなんだかいやな音
がした。
帰国後現像したら、フィルムは寒さのために割れていた。
知らなかったがフィルムって割れるんだ。   
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◆[編集長から]              片山通夫
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 いよいよ末期?いや最早末期症状。鳩山内閣の支持率。
迷走する普天間基地移設問題は袋小路に入った模様だし、首相や幹事長
の資金問題はうやむや・・・。これじゃ「汗して働くところもない」庶
民は怒るわな。

 「天安」、韓国軍の哨戒艦の沈没事件は「北朝鮮の魚雷」という見方
が鮮明になってきた。スポンサーの中国は「うちの子に限って」と困惑
を隠しきれない様子。さすがに「お灸を据えた」のかドラ息子は、予定
を切り上げて、早々に帰ったとか。

 戦争出前噺の本多立太郎さん作詞の「トンダ・モンタ音頭」のCDが
発売になった。歌は書生節の宮村群時さん。

「今」を歌っています!
http://www.journalist-net.com/office/2010/05/cd.html
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発行     2010年5月18日   No.431
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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