|
|
───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2010/5/11 No.430 ───────────────────────────────── 「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時 評」をはじめ、また、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」 日本語版、その他、寄稿記事など話題満載！ ───────────────────────────────── 609studio twitter http://twitter.com/609studio 609studio ウェブサイト http://www.609studio.com/ ＤＶＤ アリランの流れる島 詳細 http://www.609studio.com/html/news-3.html ジャーナリスト・ネット ウェブサイト http://www.journalist-net.com/ ブログ 取材手帖 http://j-net.obei.jp/katayama/ ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評：当分の間休載させていただきます。 ◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]：２０１０年５月７日号 ◆コラムEYE 「メディアに問う」：片山通夫 ◆サハリン余話：片山通夫 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評：休載させていただきます。 ───────────────────────────────── 筆者の都合で当分の間休載となります。 ───────────────────────────────── 【ＰＲ】 ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中！！◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判１６０頁 １６００円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html または office@609studio.com ───────────────────────────────── ◆セコリョ新聞日本語翻訳版：２０１０年５月７日号 ───────────────────────────────── 住民は島の宝物 サハリン州住民たちも全ロシア住民と同様に５月１日、春及び労働の 日を祝った。雨の中、ユジノサハリンスク市レーニン広場で行われた記 念行事に約３千人の人々が参加した。州知事は彼らに感謝の念を伝え「 サハリン住民は島の宝物であり、我々は住民たちの生活水準の向上を何 よりも優先に頑張っている」と述べた。 州知事の露・日知事フォラムへ参加 サハリン州知事広報室によると、さる２〜３日、モスクワで開かれた ロシアと日本の知事らが参加するフォラムで、ホロシャヴィンサハリン 州知事は北海道知事の他初めて鳥取県の知事に会い、両側の交流の可能 性について話し合った。 戦争老兵に支援金を 戦勝記念日の前夜、ロスネプチーサハリンモルネプチェガス社がオハ とのノグリキ区域に住む戦争老兵と労働前線参加者ら３６２人に２４０ ０ルーブルの支援金を与えることを決めた。 最低生活費 サハリン州の２０１０年上半期後半の最低生活費が決まった。即ち住 民一人当たりの平均月生活費は８５１７ルーブル。労働力のある住民は ８９６８ルーブル、子供は８１０５ルーブルである。 障害者に添付補助金支払 サハリン州政府は経済的に苦しい障害者や障害者の子供のいる家庭に １万５千ルーブルの添付補助金を支給することを決めた。 麻薬売人逮捕 コルサコフ市警察はさる４月２７日、麻薬販売の罪で３３歳の女性と ２５歳の男性の二人を逮捕した。 ウニ５千個を海に帰す ４月２７日、ネベリスク市警察はタタール海峡で５千個のウニを不法 に採ったサハリン住民２人を摘発した。警察は彼らの採ったウニを全て 海に帰した。 極東地域韓国語コンテスト さる４月２９日、サハリン国立大学でハバロフスクとウスリスク大学 の学生らも参加した中で第４回目の韓国語コンテストが行われた。初中 高校生１３人、大学生８人総２０人が参加し、「先生の影も踏まない」 というテーマで韓国語実力を披露した。２０１０年はロシア教員の年。 それに因んで学生たちは先生に対する感謝の気持ちを語る他、韓国とロ シアの教育問題について意見を述べるなど多様な発表があった。審査員 たちは年々参加者らの実力が向上し、評価も厳しくなりかねないと感想 を述べた。学生部の１等賞は韓国教育院の受講生シン・チョンミ嬢、大 学部の１等賞はサハリン国立大学韓国語科３年生の孫・インナ嬢に決ま り、孫・インナ嬢はサハリンーソウル間往復アシアナ航空券を商品に貰 った。 サハリン州石油・ガス採集量増加 今年１〜３月までのサハリン州における石油・ガス採集量は次のよう である。石油３９６万９００トン（昨年より１９万９６００トン増加）、 ガス６５億２７３０万ｍ３（昨年比３０億６８００ｍ３増加）。同期間 中、石炭は８９万４千トン（昨年比１９万６千トン増加）、非鉱石建築 材料は２５万９５００ｍ２（昨年同期比８．７％減少）が取れた。 春の播種 最近、サハリン州農業関連機関は春の播種準備で大忙しい。当局によ ると今年は今も田園に雪が残っているため、例年より播種が遅れる。南 部地域は５月の半ば、北地域は５月２５日頃から播種作業が始まる予定 。それに備え、今肥料を購入しているが、今年はドイツから８２５トン の優良種ジャガイモの種を輸入した。 ───────────────────────────────── ◆コラムEYE 「メディアに問う」：片山通夫 ───────────────────────────────── 連休中に鳩山首相が「おっとり刀」で沖縄へ出かけた。新聞各社の評 は首相にとって散々だ。しかし「ちょっと待って」と言いたい。なぜ昨 年夏の総選挙時の民主党への支持が下がったのか？無論首相自身や小沢 幹事長の金の問題が大きく響いていると理解できるが。 それにしても、鳩山政権への新聞各社の攻撃は激しい。少し例をあげ てみる。 朝日新聞社説は「首相沖縄訪問―月末までに何ができるか」と「残され た短い時間で移設先の理解を得ることができなければ、決着の先送りか 、地元の同意なき強行か。首相にはいずれかの選択肢しかなくなる」と 責めた。 読売新聞の社説では「首相沖縄訪問 遅すぎた方針転換と説得工作」で 「本気で５月末の問題決着を考えていたのなら、もっと早期に具体案を 示し、地元との調整に入るべきだった。もはやアリバイ作りのように地 元の首長らと顔合わせをしている段階ではない。ここに至る政府の迷走 ぶりは目を覆うばかりだ」と手厳しい。 またWeb上でもざっと見た限りでは首相に批判的な記事が多い。大手マ スコミなどの「世論誘導」ともとれる結果ではないかと疑いたくなるほ どだ。筆者などはあの小泉劇場の逆の現象が起こっているようでいささ か気持ち悪い思いをしている。しかし筆者が知る限りにおいてだが、新 聞各社が書いていないことがある。それは「沖縄がダメというなら、ど こへ持ってゆくのか」という視点である。勿論、相手のあることだから 、軽々しくは書けないであろうとは理解できる。また「日米安保条約」 の是非、地位協定の全貌と現実、沖縄県民の負担の実情などを総合的に 書かれた記事が見当たらないのは異常だ。 なぜか「本土の新聞」は沖縄の基地問題に関して冷たいようだ。筆者 には新聞各社自身が「沖縄だけの問題として、日米安保条約や地位協定 などを理解している」ようだという印象をぬぐうことはできない。 疑り深い筆者は「巧妙に仕組んだ世論誘導」だという気がする。鳩山 政権の足元を見透かし、沖縄県民の叫びを「黙殺に等しい態度」で紙面 作りをしているとしか思えない。 手前味噌になるがジャーナリスト・ネットの南亭駄楽氏の「島の立場 から普天間基地移転問題を考える」や「似て非なる普天間基地移転問題 の行きつく先」を読んでもらいたい。氏は記事中にあるように鹿児島県 屋久島の出身だそうである。「島の目線」で日米安保を見ようとする姿 勢を感じられる。氏はこのように論じた。少し長いが引用する。 「（前略）国外移転としても、グアム島、サイパン島、テニアン島−と やはり島である。第二次世界大戦の悲惨さを考えれば、単純に移転に賛 成する気にはなれない。現代の戦争はミサイルやテロを考えればすぐに わかるように単純な前線は存在しない。簡単に島を"国家の盾"として使 わないでほしい。島は、海洋の道を通じて世界に開かれた平和の拠点な のである。（後略）」 沖縄の基地問題を「沖縄県民だけの問題」と捉えるのは沖縄県民を愚 弄するだけのことになる。今からでも遅くはない。今一度「日米安保の 是非」や「仮想敵空の脅威」などを検証し、沖縄の基地問題や日米同盟 のあり方を「日本人としてどう向き合うか」を論じることが必要だ。そ のうえで基地問題をどうするのか、沖縄県民や徳之島の島民だけでなく 、日本人全体の問題として国民的議論をすべきである。 まさか本土の人間は「嫌だから沖縄や離島に頼む」とは言えまい。そ して安保、沖縄問題は政治家だけに任せて良いのか？ 「逃げるなよ。大手マスコミ！」と言っておく。 【追記】沖縄の新聞「沖縄タイムス」の５月７日の記事。 「４日の鳩山由紀夫首相来県について、全国紙は翌５日付朝刊で手厚 く報じた。朝日、読売、毎日の３大紙はすべて１面トップで扱い、関連 記事を２、３面や社会面、社説などで展開。仲井真弘多知事らとの会談 や記者インタビューなどの要旨も載せた」 ───────────────────────────────── ◆ サハリン余話 ２題：片山通夫 ───────────────────────────────── 「隠し味はケチャップ」 昨年７月だったと思うが、北海道の札幌から稚内へ車で走ったことが あった。途中、紋別に立ち寄ったためにオホーツク海沿岸を北上した。 猿払という村を越えてなお北上する途中、遅い昼食をとるために、道の 駅に入った。あいにくレストランは時間の都合で閉まっていたが、尋ね てみると「ホタテカレー」なら出来るという。なんでも良かったので、 それを注文した。 実はボクはカレーライスが大好きである。しかしホタテカレーなるも のは食べたことがない。ホタテがカレーの中に煮込んであるのかそれと も？と少しわくわくして待っていた。程なく出てきたのは、直径５セン チ以上もありそうな肉厚の立派なホタテが二個、カレーライスに添えら れている。 サハリンでボクはカレーライスを作るのが恒例のようになっている。 日本からカレールーを買ってゆき、肉や野菜は無論現地調達。昨夜は猿 払のカレーを思いだして、サハリンでも手に入る立派なホタテをあらか じめフライパンでいためて添えて出した。 お世辞の言葉がロシア語に混じって韓国語や日本語で飛び交ったこと は言うまでもない。 隠し味にはケチャップを少々。 ─────────────── 「月明かりの道」 サハリンＴＶ局はユジノサハリンスク刑務所の近くにある。サハリン にいる時、時折ボクはこのＴＶ局に行く。用事が終わると編集局にある 大きなミーティングテーブルがパーティ会場に早変りする。 テーブルの上はたちまちウオッカなどで一杯になり、あとはお定まり の・・・。 宴はいつしか終わる。いやこの場合「果てる」という表現がぴったり。 ＴＶ局は刑務所に近い。その高い塀の前を酔っ払った男たち、女たち は黙々と歩く。 この刑務所は詳しくは調べていないが、戦前、サハリンが樺太と呼ば れていた時代からあったというから６０年以上も前からあったようだ。 当時、このあたりは街のはずれだったが今は中心といってもいいくらい の位置になってしまった。 「戦前からあった」ということは、ソ連がこの街を掌握してから、日本 人をスパイ容疑などで逮捕した時にはここに収監したかもしれない。ま た北方領土海域で拿捕された漁船の乗組員も。 そんなことを思いながら、黙々と歩く。 月明かりの雪道は高い壁に沿って続いていた。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 迷走です。鳩山首相。党のマニフェストでなく「私個人の言葉」だと 開き直りか？それとも逃げ口上か？ この分だと一年持たずに首相を降りそうな気配だ。 やはり「てんこ盛りの公約」は無理だった。特に米軍基地なんてやや こしい問題に関しては…。 １０００トン、３００メートル、真夏。何だと思います？ 北海道は倶知安で「真夏のクロスカントリー」、つまりスキー競技！ １０００トンは保存している雪の量。３００メートルはコースの長さ。 いやー。すごいですね。 沖縄の新聞「沖縄タイムス」の５月７日の記事。 「４日の鳩山由紀夫首相来県について、全国紙は翌５日付朝刊で手厚 く報じた。朝日、読売、毎日の３大紙はすべて１面トップで扱い、関連 記事を２、３面や社会面、社説などで展開。仲井真弘多知事らとの会談 や記者インタビューなどの要旨も載せた」 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-05-07_6297/ ことほど左様に、「本土の新聞は沖縄の基地問題」を報じない。だから こんな記事が掲載される。安全保障は日本全体の問題なのに。 ───────────────────────────────── 発行 ２０１０年５月１１日 No.４３０ 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 mailform http://www.609studio.com/html/mailform.html website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |