メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.428◆コラムEYE 「ピューリッツァー賞をめ・ざ・せ!」  2010/04/27


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【609 Studio 】メール・マガジン 2010/4/27  No.428
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、また、ロシア唯一の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」
日本語版、その他、寄稿記事など話題満載! 
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◆現代時評:当分の間休載させていただきます。

◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]:2010年4月23日号

◆コラムEYE 「ピューリッツァー賞をめ・ざ・せ!」:片山通夫

◆サハリン余話:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:休載させていただきます。
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 筆者の都合で当分の間休載となります。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2010年4月23日号
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州知事訪日

さる20日、ヴィクトル・イサイエブロシア極東大統領代表が率いる極
東地域訪日ロシア代表団の一員として、またサハリン州知事も日本を訪
ねた。代表団は鈴木宗雄国会外交委員会長をはじめ、鳩山首相と経済産
業相に会い、両国の協力関係について話し合ったと州プレスセンターが
伝えた。

ヨーロッパ芸術展

先週、ユジノサハリンスク市でヨーロッパ芸術展が開かれた。モスクワ
やオリュル、オレンブルグなどの国内とベラルーシ、ブルガリアなどの
国外から100以上の学生らが参加してピアノや歌、踊りの実力を競い
あった。ピアノ部門での1等賞はユジノサハリンスク市中央音楽学校8
年生のア・クズネチョワさんが、そして歌部門の1等賞は朴・ユリヤさ
んが受賞した。

火災で24人死亡

 サハリン州火災監視担当局によると、今年に入って過去3カ月間州内
で1689件の消防法違反が発覚されるほか、292件の火災事件があ
り、24人が死亡、25人が火傷を被った。火災の原因は色々だが、特
に多いのは子供たちの火遊び、消し忘れのタバコの灰、家庭用の暖房器
の故障などが指摘された。

最低賃金9100ルーブル

 サハリン州労働管理局の調査により郵便局など最低賃金以下の給料を
はらっている機関があることが明らかになった。最低賃金も払えないほ
ど経営が苦しいと企業側は言っているが、出路を見付けようとする努力
が十分ではないと政府は批判している。

故イ・パルフトジノフ知事を偲ぶ

 さる16日、サハリン州政府人事や政治家、社会団体関係者、企業家
、一般市民などが集って故イ・パルフトジノフ知事の生誕60周年を記
念しての追悼会を開いた。追悼会では知事として活動していた記事の記
録映画の上映も行われたが、故人を偲ぶ人たちは口を揃えて「1990
年代ロシアが最も経済的に苦しかった時、彼は経済難からの突破口とし
てサハリン大陸棚開発に取り組み、今も続いている開発事業はすべて彼
から出発しているとも言える」とサハリン州に対する故人の愛情と業績
を忘れることができないと語った。

サハリン州投資説明会参加者安山コヒャンマウル訪問

 さる14日から2日間ソウルで開催されたサハリン州投資説明会(サ
ハリン州と韓国貿易協会共同主催)に参加するために韓国を訪問した州
政府関係者や州議員、学者などがサハリン韓人帰国者の住んでいる安山
のコヒャンマウルを訪ね、400人の居住者たちと懇談会を開いたこと
がわかった。永住帰国者たちはロシアからの訪問者に対して経済状況や
年金問題など気になるサハリンの状況について色々質問した。

第7次サハリン韓人同胞団体代表者会議

 さる20日、ユジノサハリンスク市のサハリン韓人文化センターで、
韓国赤十字社の特殊福祉事業本部(サハリン同胞担当)の職員ら4人が
ロシアと中央アジアのサハリン韓人団体代表らを招待して事業報告と今
年の事業計画について説明会を開いた。赤十字社は、今年4月から来年
3月末までの1年間の事業別対象者数は一時母国訪問団160人、里帰
り675人、永住帰国170人であると発表した。朴ヘリョンサハリン
韓人会長は「永住帰国希望者が一人でもいる限り帰国事業は継続させる
べきだ」と強調した。

5月の休日

 今年の5月の休日は10日間。5月1日の動労の日が土曜日であるが
故に、休日は1、2、3日まで。又、5月9日の戦勝の日が日曜日であ
るために、8、9、10日まで休みになる。
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◆コラムEYE 「ピューリッツァー賞をめ・ざ・せ!」:片山通夫
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  報道の一つのスタイルに「調査報道」というものがある。先日、ピ
ューリッツァー賞を米国の非営利オンラインニュースサイトProPublica
のシェリ・フィンク記者がネットメディアで初めて受賞した
。http://www.propublica.org/

 世界金融危機以来、アメリカでも我が国でもマスコミの人員整理が進
み、それと同時に夕刊の廃止(日本)や、ウェブサイトへの移行も顕著
だ。原因は広告収入の減少と新聞などの売れ行きの減少がある。それら
財政的に苦戦するマスコミが時間と費用のかかる「調査報道」への取り
組みも経済的な理由から打ち落ち込んでいるのではないかと思われる。

 その「調査報道(Investigative journalism)」の意味を調べてみる。
「あるテーマ、事件に対し、警察・検察や行政官庁、企業側からの情報
、すなわち記者クラブ、リーク、広報、プレスリリースなどからだけの
情報に頼らず、取材する側が主体性と継続性を持って証拠を積み上げて
いくことによって真相を突き止めていこうとするタイプの報道。もっと
も代表的なのが『ワシントン・ポスト』によるウォーターゲート事件報
道」を言う。

また我が国で特筆すべき調査報道は次の通りとなっている。
1.『文藝春秋』における立花隆の「田中角栄研究−その金脈と人脈」 
2.朝日新聞横浜・川崎両支局によるリクルート事件 
3.新潮社『フォーカス』とANN系『ザ・スクープ』における桶川ストーカ
ー殺人事件 
4.『ザ・スクープ』における北海道警裏金事件 
5.TBS系『スペースJ』における下村健一の松本サリン事件冤罪事件・報
道被害事件
となっている。(以上ウキペディア)

 昨年12月に早稲田大学大学院政治学研究科ジャーナリズムコースの
主催で開かれた「ジャーナリズムの新しいかたち〜非営利化するメディ
アと調査報道の可能性」というシンポジウムで、「米国では非営利のジ
ャーナリズム組織が誕生し、調査報道の主役を担い始めている実態」が
紹介された。

 ここで注目すべきは「調査報道」が大手マスコミの守備範囲から、非
営利のジャーナリズム組織に移行しようとしている現象である。世界不
況による広告収入の落ち込みが、新聞の発行はもとよりテレビの番組制
作にも大きなダメージを与えている中で「非営利組織のジャーナリズム
」が大手マスコミの穴を埋め出したと言われている。アメリカでは多く
の調査報道NPOはニューヨーク・タイムズやCNNテレビなど国際的に有名
なマスコミと提携し、質の高いコンテンツを提供しだした。

 今後、この傾向は今後我が国でも強まる可能性は否定できない。大手
マスコミが二の足を踏むであろう「調査報道」というジャンルは「非営
利ジャーナリズム組織」の生きる道になりそうだ。従来、我が国のマス
コミ大手は、デパートよろしく「すべてを自社で」賄うのが当たり前と
して来た。しかし発行部数の落ち込みと広告収入の減少はその「当たり
前が当り前でなくなってきた」可能性がある。また、Webというツー
ルは国境をいとも簡単に進む。「非営利ジャーナリズム組織」は、我が
国のマスコミだけをターゲットにする必要はない。

 一方、我が国で著名だったWeb新聞が相次いで休刊もしくは廃刊に
追い込まれたことは記憶に新しい。これらのWeb新聞は「大手マスコ
ミの模倣」だったのではないか。「今日、今ここで起こっている事件」
を論評なしで速報しても、アクセス数(=発行部数)は決して上がらな
い。じっくりと腰を据えて「ニュースを掘り起こし、その背景を調査=
取材して伝える」という姿勢がWeb新聞には少なかったように思える
。市民記者の質の問題だけのせいではない。

 今一度「主体性と継続性を持って証拠を積み上げていく調査報道」と
いうジャンルを検証してみる必要がある。
無論、609studioも然りである。ピューリッツァー賞をめ・ざ・せ!。
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◆ サハリン余話 2題:片山通夫
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「サハリン慕情」
いささか古いが「歌謡曲」という時代があった。日本での話である。
その「歌謡曲」と言う言葉のもつ意味にぴったりのシーンがユジノサハ
リンスクの中心にある。

雪に覆われた小さな川が流れていて、いわゆる「ヨーロッパ風」の歩行
者専用の幅の狭い木製の橋が架かっている。橋からすぐのところにノス
タルジーという名前のこれも木製のレストランがひっそりとたたずんで
いると言う風景だ。

雪が舞う夕刻、橋の上に立ってノスタルジーの建物をながめる。ライト

アップされたその建物は舞う雪の向こうでいかにも「流行歌的」だ。

ボクは最初にこの風景を見つけたときには驚いた。おそらく橋の設計者
やノスタルジーの建物の設計者はそんなことを考えもしなかっただろう
。いや、今でもそんなことを考えてはいまい。

異邦人であるボクの単なる感傷?!。 
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「乾杯は果てしなく」

殆ど毎日と言って良いほどボクはサハリンの夜をどこかの家庭で、また
レストランで夕食時に招待される。
だから毎晩酒を飲む。男たちは「古くからのロシアのウオッカを飲むと
言う儀式」をかたくなに守っている。女たちは「飛んでいる」のかは知
らないが、最近ではワインやコニャックを飲む。
「ウオッカなんて野蛮な酒は飲めないわ」というわけだ。 
無論ボクはウオッカを飲む。小さな、そうウイスキーのストレートを飲
むような小さなグラスにウオッカをなみなみと注いで皆で「今宵の楽し
い夕食に」乾杯して食事は始まるのだ。

既に有名な話なのでご存知の方も多いと思うが、乾杯は果てしなく続く。
「今宵の雪のために」
「明日の片山さんの取材がうまく行きますように」
その家に生まれた赤ちゃんがいれば「赤ちゃんの健康を祈って」
孫が生まれた夫婦だったら「孫の健康とおじいさん、おばあさんの健康
に」
などなど乾杯は続く。
挙句の果てには「乾杯がまだまだ続けられるように」乾杯!

かくしてボクはその家を辞する頃には酩酊一歩手前の状態。

雪の夜道をフラフラと家路に着くという毎夜だ。 
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◆[編集長から]              片山通夫
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 先週にもお伝えしましたように、twitterを始めました。ホームページ
の更新で疲れることがあるので、「軽く」呟くことにしましたが、中々
「軽く」とは行きません。又いらんことを始めてしまった・・と反省し
きり。
 それでも、このツールは簡単に携帯電話から写真も送れるので、旅行
した時は重宝しそう。

 この前の日曜日(25日)は重要な日だった。JR西が起こしたあの
事故から5年目。いまだに後遺症に悩む人もいるという。

 一方、沖縄では9万人を超える人々が集って、4・25県民大会が開
催された。天間高校3年の志喜屋成海さん、岡本かなさんが登壇し、基
地のない沖縄の未来に向けたメッセージを読み上げた。
 また大会は基地の問題を「日本国民として考えよう」と呼びかけた。

 偽装献金問題で鳩山首相「不起訴相当」検察審査会議決・・・。この
際、はっきりしたら?と思うのだが。幹事長も。
そうすればだいぶすっきりするのだが。

 普天間も高速道路も待ってくれないぞ。
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発行     2010年4月27日   No.428
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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