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タイトル:609studio No.421◆現代時評:「小沢幹事長と鳩山劇場内閣」  2010/02/09


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【609 Studio 】メール・マガジン 2010/2/9  No.421
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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 3月2日、9日、16日発行予定のメールマガジンは休刊といたしま
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◆現代時評:「小沢幹事長と鳩山劇場内閣」 Ken

◆[セ・コリョ新聞日本語翻訳版]:2010年2月5日号

◆コラムEYE 「カメラが欲しい」:片山通夫」

◆こちらJO3TXK:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:「小沢幹事長と鳩山劇場内閣」 Ken
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◆◆ J-CASTニュース 2010.2.03   小沢一郎民主党幹事長の資金管理
団体の土地購入をめぐる事件で、事態が急展開を見せている。これまで
は「在宅起訴」との観測があったが、それが一転「不起訴処分にする方
向で調整に入った」と複数のメディアが伝えている。

■■ やはりそうなったか。 力んでいた大鶴基成特捜検事も上司から
「国の現状を考慮し、小沢についてはこの辺りで終わりにせよ」と、因
果を含められたのだろう。 誰が検事にそうした指示を出せるか、法の
規定では検事総長だけである。 その検事総長に、政治的意図を持った
指図を出せるのはこれまた法務大臣だけとなっている。 先日、鳩山首
相に「指揮権発動するつもりか」と、質問していた野党議員がいたが、
そのようなことにならずとも、検事総長が気を利かせて「遠慮しておけ
」と一言いえば、部下は「解りました」と引下がる。それが検事という
行政官の職務である。 

■■ 前にもこの現代時評で述べたように、今回は検察がいわば良識(
?)を働かせ、小沢幹事長を不起訴処分にして民主党政権を擁護しただ
けのことである。 これはボクがつねづね言っている検察の非公式な「
初審権」の活用かも知れない。 

■■ 少し詳しく説明しよう。 先ず裁判は、第1審の地裁、第2審の
高裁、第3審の上告審と順序を追って進められ、途中を飛び越えて直接
上級審に行ってはならない、これがいわゆる「級審の原則」である。
 第1審を初審といい、そこで地裁の裁判官が最初の判決を出すのだが
、わが国ではその前に先ず地検の検事が公訴するかどうかを決める。
 その時点で検事が裁判に持ち込まなければ、起訴猶予か、不起訴処分
ということになる。 こうした権限を握っているから、被疑者に対して
検事は居丈高になり、偉そうにする。 つまり被疑者は不起訴を狙って
検察官に頭をさげる。 もし検事に情状酌量とか起訴猶予の権限がなけ
れば、被疑者は検事にアタマなど下げる必要はない。

■■ 他にもう一つ、検事が偉そうにする理由がある。 それは検事の
身分である。 検事と裁判官は国家の官僚として同等であるとわれわれ
は昔から思い込んでいる。が、それは米国辺りと比べて大きく異なる。
 米国などでは三権分立のたてまえから裁判官は高い地位にあり、だい
ぶ下がって検事と弁護士が存在する。 簡単にいえば検事(岡っ引き・
与力)と、弁護士(代言人)は裁判官に比べて大幅に身分が低く、その
両者を法廷で闘わせ、裁判官は高所から両者の言い分を聞いて判決を出
すのである。 ところがそれが日本では、裁判官と検事が完全に同格、
たとえば判検交流人事とか、外見にしても検察庁と裁判所が同じ屋敷内
にあり、裁判官と検事が同じ穴のむじなの体裁になっている。 比べて
英米法国家では、検事は市検事局事務所といった少々安っぽいたまり場
のようなところに居るのが通例で、判・検事の身分の差は歴然としてい
る。 

■■ それが日本では、検事の身分が高すぎ(官吏の号俸報酬は裁判官
と検事はまったく同等)、その上に不起訴処分権という強力な権力を握
っているので、検察の意向はあたかも地裁における初審と同じに見える
。 「検察が初審権を持っている」と言われるゆえんである。

■■ なぜこのようにわが国では検察官の地位が高いか。それはかって
大岡越前守や遠山の金さんが活躍した頃、彼らは検察官と裁判官を兼ね
ていて、その習慣がいまだに残っていることに由来する。終戦後すぐの
ころ英米法の一部が日本に導入され、裁判官と検察官の身分および職分
の差を明確化しようとしたことがあった。 が、検察官の在来からの権
威に気を遣うあまり、うやむやのまま同じ身分を温存し、今日に至って
いる。 

■■ こうした裁判官と検察官の未分化は必ずしも日本だけのことでは
ない。 たとえば近隣中国で先ごろ地元マフィア1500名を一網打尽にし
たとして名高い重慶市書記薄熙来氏などは、市長でありながら、判事と
検事をも兼ねているらしい。 日本流に言えば、さしずめ大岡越前守が
今に残っているようなものか。 

■■ この2月2日に、「小沢不起訴」の情報がマスコミ数社から流れ
た。ところが翌3日には、そうした早耳筋の情報がトーンを落とした。
 「早まるな」との指令が、検察もしくは政府筋から流されたのではな
いかと思った。 それが次の4日には、地検特捜部の正式発表で小沢不
起訴がとりあえず確定した。
 
■■ 「不起訴」でなく、当分の間の「起訴猶予」である、と思いたい
。 このまますんなりと不起訴処分にしてしまえば、小沢氏の政治的増
長を抑える力がよわ過ぎるのではないか、とボクなどそれを心配してい
る。 刑事事件としての立証は難しいとしても、秘書たちが起訴される
ならば彼小沢氏も応分の責任を問われるべきで、政治的斟酌はともあれ
、小沢氏にもう少し痛い思いを長く続けさせる必要がある。 さもなけ
れば、彼の政治家的傲慢さが再発する恐れをなしとしない。 

■■ だからといって、小沢氏の説明責任などをこの期に及んで云々す
る必要など、検察当局以外にはさらさら無い。 どうせ辻褄の合わぬ説
明を小沢氏に求める外野の人たちの心は、他人の懐に手を入れ覗き込み
たがるデバ亀根性以外の何物でもない。 そのようなはしたない庶民の
趣味で、「心不全、重症度3」の既往症の小沢氏を苛め過ぎ、彼の命に
若しものことでもあれば、鳩山内閣のみならずこの日本という国にとっ
て大きな損失になる。 そのことも兼ね合わせてわれわれは小沢氏の今
後の処遇を考える必要がある。なにせ、昨今の自民党の体たらくでは、
われわれは小沢氏にとうぶん日本を託すほかは無く、それでいて叩けば
いくらでも埃が出そうな小沢氏にアンビバレントな思いを持つのはボク
だけではなかろう。

◆◆ 読売ニュース 2010.1.30 「いのちを、守りたい」。
29日午後1時、衆院本会議場。鳩山首相のややうわずった声が響いた
。傍聴席には、「主役」の晴れ舞台を見守る側近2人の姿があった。旧
通産省OBで参院議員の松井孝治官房副長官。昨年10月の所信表明演
説に続き、首相の思いを酌み取って今回の施政方針演説を書き上げた「
脚本家」だ。 本会議直前まで首相の執務室で話しぶりを徹底指導した
劇作家の平田オリザ内閣官房参与は「演出家」の役割を果たした。 

■■ ところで鳩山首相の近況である。 第172回国会が開催され、鳩
山総理は恒例の施政演説を「命を守りたい」というフレーズで一貫し、
そのなかで25回も「いのち」という言葉を連発した。 チェコのハベ
ル元大統領(本業は劇作家)ならともかく、日本国首相としては異例の
文学的でリリカルなスピーチである。 議会に居並ぶ議員たちの多くは
唖然として聞いたらしい。 さっそく、外野の無骨な評論家連中から悪
評が飛ぶ。 いわく「政治はそんな甘っちょろいものではない」、「ス
ピーチ・ライターなどに書かせず、下手でもいいから自分で書くべきだ
」等々。 なぜかあの情緒的スピーチの製作過程が大きく外部に洩れた
からである。 

■■ 書いたのは官房副長官の松井孝治議員。 演出・振り付けは内閣
官房参与で劇作家の平田オリザ氏であるという。 松井官房副長官は喋
るよりも書くことが大好きな東大、ノースウエスタン大学院卒の元通産
官僚。 もう一人の平田オリザ(本名の由)氏は阪大で現代口語演劇理
論を講ずるプロの劇作家兼役者だそうな。 

■■ そうした二人に手をとり足捌きまで教えられた鳩山首相が、ター
ゲットを若い日本人層にしぼり、数日かかって声色から抑揚まで練習し
たという新形式の施政演説。 立派な出来栄えというより、いまや旧人
類化している大多数の、与野両党の政治家たちにとっては歯の浮くよう
なメロドラマ調に聞こえたであろう。 それかあらぬか、悪評嘖々であ
る。 とくに、「自分のスピーチくらい自分で書け」という批判が多か
った。 他人が書いた文章を、専門の芸人に指導されて喋るのでは、舞
台役者と変わらない、というのが大方の酷評であるらしい。

■■ 政治家が演説原稿をスピーチ・ライターに書かせるのは米国では
普通のことである。 ケネディーもクリントンもブッシュも同じであっ
た。 おそらくオバマ大統領も演説はスピーチ・ライターに書かせてい
るのだろう。 米国では、スピーチ・ライターになるのが政治家として
の登竜門であるとされ、新進気鋭が腕に縒りをかけて書く。 今回、わ
が鳩山首相がそれに倣ったのはいいことであると、ボクなどは思ってい
る。 理由の第一に、忙しい総理の書く手間、考える手間が省ける。
 もちろん自分で考え書くのもいいが、忙しい首相としてはそのような
ことにかまける時間が勿体ない。 

■■ 言いたいことの骨子だけを手短く説明しておけば、あとはスピー
チ・ライターが美文にまとめてくれるのだから、世話はない。 ついで
にルビも振っておいてもらえば、前首相のように教養がないなどと揚げ
足をとられる心配もない。 ボクは、麻生前首相の読み方間違いなどは
側近に気のつくきれ者が居なさ過ぎたから、と今でも思っている。

■■ それで思い出したが、昔、北九州の川筋にいなせな代議士が居て
、追加更正予算を「おいかさらまさ予算」と読んだと、文春が報道し、
代議士先生がかんかんに怒り、池島信平編集長にねじ込んだという話を
聞いたことがある。 こうしたばあい、「文字の読み方もしらぬ政治家
」などと悪口いうのは、知識はあるが知恵才覚のない似非インテリと相
場が決まっていて、そんな連中よりは政治家の方がずっと立派な男であ
ると相場は決まっている。 いまの日本にもキャリアと称する字は読め
ても才覚がない官僚が政界を牛耳っていて政治家をバカにしている。
 
■■ 最近、ブログを書く有名な評論家などにも、間違った当て字を書
く人がわりあい多いのも事実で、あながち麻生前首相だけが教養不足な
わけでもない。 日本語に弱い日本人の学者もいまどき少なくは無い。
それに比べると鳩山総理は、日本語がよく出来る方である。 彼の言葉
の遣い方がおかしいという人もあるが、新時代の政治家の言葉としてま
ことに斬新で、今後はあのような言葉が望ましい、とボクなどは思って
いる。

■■ 「命を守りたい」と、議会で青年のような演説をする鳩山首相は
悪く言えば典型的なお坊ちゃまだ。 が、体裁よく言えば純真一途な良
心派である。 そのような首相に率いられた新生日本の将来にこそ期待
を懸けるべき、とボクは期待している。 

■■ 新酒は新しい革袋に盛れという。 羽織ごろのような旧来の政治
家よりも、スピーチ・ライターに書かせ、抑揚しぐさを劇作家に演出さ
せた新しい時代の政治家が、新しい政治の舞台で、新しいオペラか平田
オリザ並みの口語劇を見せてくれる方が、我々にとってどれだけ日本の
未来に期待感を抱かせてくれるか計りがたい。 

■■ つい先年、世間は当時の小泉首相を評して小泉劇場内閣と称した
。 彼小泉の、国民を相手としたドラマティクな立ち回りのうまさを表
現したものであった。 そういう意味で言えば鳩山内閣こそ、小泉劇場
に続くもう一つのヌーベルバーグ、新しい劇場内閣ではなかろうか。
 その期待の星こそ鳩山首相であり、彼の説く友愛を旗印に、米国と中
国との間にわが国を置く正三角形の新しい世界像を我々は求めてやまな
い。 未来への悲観だけでは、日本は立ち直らない。 虹の鳩山劇場内
閣に、とりあえず期待しようではないか。

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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2010年2月5日号
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年金引上げ

 さる1日の州政府会議でア・ホロシャヴィン州知事は、年末までに住
民平均年金額が昨年より20%増加した1万100ルーブルまで上げ、
平均賃金は3万8700ルーブルまで引上げると発表した。

政府記者会見―昨年社会経済部門成果発表

 3日、サハリン州知事が州内マスコミ各社を呼び、昨年のサハリン州
社会経済発展成果の報告記者会見を開いた。州知事によると、昨年サハ
リン州総生産高は3350億ルーブルで前年度比106.4%の成果を
達成した。生産高増加の主な理由は石油ガス分野の成長で石油1540
万トン(昨年比20%増加)、ガス175億m3(昨年比2倍増加)を
採取した。また、工業生産高も極東地域2位の3066億ルーブルで前
年度に比べ22%増加した。今年の工業生産高の目標は10%増加した
3190億ルーブル。

障害者祝典

 先週、州社会保護局が主催する第9回障害者芸術祝典組織委員会の会
議が開かれた。同祝典は毎年2回、各地方と中央で開催されるが、中央
都市ユジノサハリンスク市では4月15日から翌日までの二日間。祝典
では障害者らの楽器演奏、民謡や民族の歌、踊りなどのコンクールと工
芸品展示など多様なプログラムを用意する。

火災防止事業に2.5億ルーブル

 1月27日、サハリン州政府会議で火災防止事業について検討した。
2008年から5カ年計画で火災防止事業を進めているが、昨年は1億
ルーブルの予算が割り当てられ、それをもって消防車17台、消防用ト
ラップ一つを購入した。今年の予算は2.5億ルーブルと発表された。

障害者リハビリセンター建設

 サハリン州政府によると、近々ユジノサハリンスク市内に障害者リハ
ビリセンターができる。25日のボランティアのためのセミナーに出席
した州社会保障管理局のエン・イワノワ部長は「昨年着手予定だったが
予算確保できず諦めた。しかし、今年1月に予定していた予算の5倍も
(2千万ルーブル)確保できた。今年中に設計案を完成させる」とその
間の経緯を説明した。

外国労働者クォータ減少

 サハリン州政府は2010年2万5千人の外国人労働者を受け入れる
ことにした。企業などが雇用主側の希望は3万人以上であるが、経済危
機などでロシア国民の失職が増加する恐れがあるため、国民を優先させ
、外国人労働者の受け入れを減らす方針である。

養父殺人

 今年1月25日、ホルムスク市裁判所で養父を殺した43歳の男性に
11年間の自由剥奪刑が下された。犯人は2008年10月13日、自
宅で62歳の養父と酒を飲んだ。飲んでいるうちに口喧嘩となり、犯人
がノコギリで養父の頭を3回以上殴り、即死させた。翌日彼は死体を畑
に埋めた。3日後親戚らが死体を発見した。犯人は事件12日前刑務所
から出たばかりで、再び犯罪を起こしたくなかったと陳述したという。

2010年―教員の年

 さる1月28日、政府関係者、教育者、学生などが集った中でユジノ
サハリンスク市内の「サフインセンター」で「2010年教員の年」の
開幕式典が開催された。現在サハリン州の教員数は1万人余、その43
%が年金者で教員の高齢化は深刻な問題。州政府は教員の年を契機に教
育機関で働く人々の生活保護をはじめ施設改善など環境作りに力を入れ
ると約束した。

中小企業支援策継続

 1月29日、ユジノサハリンスク市政府会議で中小企業発展事業現況
と課題について話し合い、行政的障害を無くすための支援活動を行うこ
とを決めた。例えば、不動産建設のために敷地を探している中小企業に
、敷地提供手続きを簡単にするなど。

西北地方に韓国語教室開設

 先日、サハリン西北地方に位置するヴォストク集落の中学校で韓国語
教室が始まった。隣りのワホルヴェフ部落からも受講生が来る。生徒は
10―45歳までの同胞とロシア人の子供、大人。教師はチェ・ファザ
宣教師(韓国人)。
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◆コラムEYE 「カメラが欲しい」:片山通夫
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 無性にカメラが欲しいと思う時がある。無論手元に何台ものカメラが
ある。欲しいと思うときは自分で様々な理由をつける。「この手のタイ
プは持っていない」とか、はたまた「これでないとあんな写真は撮れな
い」とか・・・。白状するとみんな「手に入れるための理由」でしかな
い。

 半世紀以上前(1959年)に生まれたハーフサイズのオリンパスペ
ンというカメラがあった。Penと名付けるだけあって、小さくて軽い
カメラだった。これ以降、ハーフサイズのカメラが多く発売されたと記
憶する。 

そのオリンパスというメーカーから、デジタルカメラでPenという名
前のカメラが出たのは昨年の夏のことで半年以上前になる。筆者はこの
カメラが発売当時から気になって仕方がなかった。「気になる」という
のはつまり「欲しい」ということとほとんど同義語である。

 筆者の撮影スタイルは基本的には「いつでも、どこででも、写せる」
ということにある。ここでいう「写せる」というのは、どんな状況でで
も写真作品として鑑賞に耐えうる作品を作れるということである。ここ
が辛いところだが、いつでも「極上の作品」が出来るか否かは保証の限
りではない。

 例えば、とてもきれいで突飛な形の雲が空に浮かんでいたとしよう。
カメラを持っていなければその雲は撮影できない。また、夜の都会で歩
道を歩いていた時、映画のシーンに見られるような恋人同士のシルエッ
トが車のヘッドライトの手前に浮かんだ時、やはり高感度のカメラで撮
りたいものだ。

 このような状況に「いつでも遭遇できる」とは思わないが、「いつ遭
遇するか」わからないので、やはりカメラは常に持っていなければ。そ
んな状況で撮影できる(ハズ)のカメラにぴったりだと思ったのが、こ
のオリンパスペンのデジタル機だ。

 Penというからにはメモをするように撮れなければ意味がない。つ
まり持ち運びに重さを感じさせないものが必要だ。また、頑丈でなけれ
ばならない。肝心の時に壊れてしまっていては意味がない。レンズは明
るいほうがいい。暗い場所でも写るということが重要だ。最近の一眼レ
フのように、図体ばかりが大きいのは、写される人に威圧感を与えるの
で全く論外だ。スイッチを入れればすぐに撮影可能でなければ意味がな
い。シャッターを押せば瞬間にシャッターが落ちなければ・・・。
 それにもっとも重要なことだが「カッコよく」なければ意味がない。
何しろ筆者の信条は「写真はカッコで撮る」ということなのだから...。

 ことほど左様に、カメラを選ぶということは難しいものだ。だから、
何台も買い替えてしまう。手元に残るカメラの山(というほどのもので
はないが)。

 決してオリンパス社の肩を持つわけではないが、このPenというカ
メラ、とても優れモノだ。サードパーティからレンズマウントのアダプ
ターが種々出ていて、往年の名レンズと言われているライカのレンズは
もちろん、Nikon、Canonなどのレンズ、挙句の果てにボレッ
クスなどの16ミリ映画用レンズもアダプターを介して使えるという話
。往年の名レンズでデジタル写真を撮るとどのような表現になるのかこ
れも興味深い話だ。

 かくして筆者の夢(いや、欲)は際限なく「こんなカメラが欲しい」
という志向に向かう。
 嗚呼。
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◆こちらJO3TXK:片山通夫
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  指向性のあるアンテナとは、読んで字のごとく、ある一定の方向に鋭
く電波を出したり受けたりするアンテナのことだ。現在あるテレビのア
ンテナも同じ。最もこちらは受信専用だが。
 そこで、雑誌などの広告や、所謂「アンテナの自作」的な本を片っ端
から読むことにした。何しろ10Wしか出力がないのだから、効率第一
にしなければならない。幸い筆者の住んでいるところは、あまり台風な
ど強風に見舞われることはない。それであまり丈夫とはいえないかもし
れないが、スイスクワッドというタイプのアンテナに照準を合わせた。

 制作もそんなにヤギアンテナほど難しくはなさそうだった。要は、十
文字をアルミパイプで二つ作って、その先端をワイヤーでつなぐだけの
簡単さが気に入った。

 しかしこの選択は自作すると言う観点からは大きな間違いだった。と
いうのは、とても不安定な形を作るということになるからである。
また、とてつもなくサイズが大きくなる(21メガ)ので、このアンテ
ナはとても作れそうにないとあきらめかけた・・・・。いくら風が来な
いと言っても、全体で一波長、つまり15mにもなる・・・。
 
 ところが当時市販のアンテナで21メガのスイスクワッドが売ってい
た。メーカーは忘れたが…。
 「できるんや!」と思い、実際に作ってみることにした。

次週に続く⇒
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◆[編集長から]              片山通夫
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  マスコミ各社の世論調査で民主党の支持率が急落している。むべなる
かなの感が。
 ここは一番、党内の異論を整理して、ドラスチックな解決策を見出す
べきだ。民主党は昨年夏の総選挙で大勝した。このまま後の任期3年半
をこの調子で続けて行くのかと思うとぞっとする。

 そういう意味では、この夏の参議院選ではあまり勝ってもらいたくな
いという気もしてくる。ほどほどの勝利で、小沢暴走に歯止めをかけた
いという気分なのだ。大方の国民の気持ちだという気がこの世論調査で
感じた。

 今日は2月9日。1990年3月1日にすでにソビエト連邦からの独
立を宣言していたリトアニア共和国は、この日の国民投票によりリトア
ニア国民からの賛成を得るにいたった記念すべき日である。
 国民投票の結果は投票者数(投票率84.74%)の内、実に90.
24%の人々がソ連邦からの独立を支持した。

 ウクライナでは親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ前首相が大統領
に就任した。昨日・2月8日の決選投票でのことだ。

 ウクライナが今後ロシア寄りの政策を実施して行くことは間違いない
が、国内の嫌ロシア派の反発が激しくなり政情は不安定になる可能性が
高い。
 
 ロシアの政情を見ていて感じることだが、誇り高い民族だと思われる
ことが多々ある。プーチンが大統領になった時でも、大ロシア主義に国
民は熱狂的に酔った。ウクライナのエネルギーを握っているロシアの意
向を無視して政策を実行する政権はこの国では育たないのかもしれない。

 やはり大方の人々はパンが重要なのだ。当たり前のことだろうが。
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発行     2010年2月9日   No.421
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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