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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2009/12/15 No.413 ───────────────────────────────── 「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時 評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一 の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など 話題満載! ───────────────────────────────── 【PR】 CD「トンダ・モンタ音頭」発売開始 ジャーナリスト・ネットが、この夏から企画していたCD「トンダ・ モンタ音頭」がいよいよ発売開始になった。戦争出前噺で著名な本多 立太郎さんの詞に、関西を中心に活躍中のバンジョー奏者でまた演歌 師の宮村群時さんの作曲・歌で「制作したもの。 本CDには本多立太郎さん作詞の「トンダ・モンタ音頭」のほかに 、本多さんの著書「トンダ・モンタ総理っ!」を題材に宮村さんが作 詞作曲した「あらずもがなの物語」を収録。 価格 1000円(送料別) 詳しくはメールでお問い合わせください。 2010年カレンダー紹介 詳しくは http://www.609studio.com/html/2010calendar.pdf 企画展「サハリンを読むー遥か[樺太]の記憶」 北海道立文学館(札幌市)で、「サハリンを読むー遥か[樺太]の 記憶」という企画展が開催されます。私の写真も一部展示される ことになりました。お近くの方は是非・・・。 チラシ http://www.h-bungaku.or.jp/event/2009/pdf/karafuto.pdf 北海道立文学館 http://www.h-bungaku.or.jp/ ───────────────────────────────── 609studio ウェブサイト http://www.609studio.com/ オリジナルプリント販売開始 詳細 http://www.609studio.com/html/originalprint/index.html DVD アリランの流れる島 詳細 http://www.609studio.com/html/news-3.html ジャーナリスト・ネット ウェブサイト http://www.journalist-net.com/ ブログ 取材手帖 http://j-net.obei.jp/katayama/ ───────────◆◆◆INDEX◆◆◆─────────── ◆現代時評:「ユニクロが栄えると、はたして国は滅ぶか」 Ken ◆[セ・コリョ新聞日本語版]:2009年12月11日号 ◆コラムEYE :「トンダ・モンタ音頭騒動」:片山通夫 ◆こちらJO3TXK:片山通夫 ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評:「ユニクロが栄えると、はたして国は滅ぶか」 Ken ───────────────────────────────── ◆◆読売オンライン2009.12.07 ユニクロや大手スーパーの商品は、 薄くて温かい点では共通しており、基本構造は大きく分けて2種類ある 。体から出る水蒸気を繊維が吸収し、その際の化学反応で熱を起こすタ イプの代表格が、発熱・保温素材を使った肌着ブームに火を付けたユニ クロの「ヒートテック」。2003年に発売され、37種類、カラーも 最大23色と商品群も豊富だ。 ■■「ユニクロ栄えて国滅ぶ」は同志社大学院教授浜矩子先生の文春1 0月号に載った論文(雑文?)のタイトルである。浜先生は、三菱総研 ロンドン事務所に居たこともあるエコノミストだから、彼女の論は市中 に予想以上の波紋を投げかけた。「安く造って、安く売る商法では誰も 得にならない」というのが先生のご趣旨である。 ■■これについて思い出すことがある。昭和30年代の初め、ボクは浜 先生の仰せとそっくりな商売を創めた。「安く造って安く売る衣料」の 製造輸出である。主要客先は米国のKマートで、シアーズ・ホールディ ングスの一員として気息奄々のKマートが、クレスギのディスカウント 部門として創業したのと同時であった。 最初、Kマートは驚くほどの 拡大政策をとり、10年経つと世界最大のディスカウント・チエンにま で急成長した。お蔭でボクの会社も予想外に業績を伸ばし、Kマートの 社長が初来日したとき、その歓迎パーティを主催させて頂くまでになっ た。 ■■米国というのは面白い国柄で、その後Kマートの向こうを張る類似 会社がつぎつぎ続出しては消え、お陰でわが社も盛況に重ねててんやわ んやの大騒ぎだった。そして最後に現れたのがアメリカ中部の荒物問屋 を出自とするウォルマートで、この会社とボクは最後まで付き合わされ た。 いまのところ、ウォルマートは世界最大の小売チエンと持て囃さ れているが、先行きは神のみぞ知る。 ■■Kマート、ウォルマートのみならず、彼らの類はみな商品の品質に 目を瞑り、徹底的に値段にこだわり、買い叩くことに大いに務めた。 「安かろう、悪かろう」を地でいき、日本で値が合わなければ、台湾、 韓国、香港と仕入れ先を時代に応じて変更した。 それに伴い、ボクも 台湾、韓国、香港と移動し、ついにはフィリピンにまで工場を持つに至 った。 値段は買い叩くが、彼らの仕入れはすべてコンテナー単位の量 であり、ボクらとしてはそれが目当てであり、魅力でもあった。 ■■そうした取引はまこと同志社浜矩子教授仰せのとおり、「安く造っ て安く売る商売」で、結果的に誰も幸せになれず、関連する業界すべて が「流浪の民」の様相を呈し、発展途上国に流れ、流れていった。バイ ヤーもメーカーもその間に、殆どはこの世から消え去ってしまっていた。 ■■さて話はユニクロのことである。市中にちらほらユニクロの看板を 見るようになった頃、ある日ボクはその店を覗きに行って驚いた。彼ら の品揃えは、初期のKマートとそっくり同じ商品だった。粗悪な安物規 格品がうず高く店頭に積まれ、「これならKマートと同じ末路をたどる 」とボクは即座に断定した。「規格衣料の類をユニクロが数十万着単位 で販売している」と、ニュースは報じていたが、その使用素材はなんと 、ボクがKマート用として最初に開発した「フリース」と称する同じ粗 悪なニット生地だった。 ■■参考までにいえば、フリースとはもともと、尾州(愛知県)辺りの 特紡業者が襤褸の再生繊維を使用し、超安物のニット裏地にしたもので 、これ以上の安い起毛ネルはないという極め付けの粗悪品であった。米 国バイヤーの買い叩き値段では、ふつうの繊維素材を使用するには限度 があり、窮余の策としてボクが採り上げてバイヤーに見せたところ、こ れでよいと言われた見た目だけの素材である。最初、「ナンと言う素材 か」と訊ねられ、「日本ではサントテと通称しているが、強いて英語に 訳せばフリース(fleece)でもあろうか」とバイヤーに返事したのが業 界で通例になり、途中で需要の急増に応じきれず、襤褸の特紡変じて、 原料だけはいちおうスフ混紡糸を使用したネル地である。それが思いが けず、ユニクロの規格安物商品になっていたのである。 このような安 物の、見掛け倒しの商品を売るユニクロなど、近い将来に消え去るであ ろうと、ボクはそのとき思った。 ■■それ以後、ニュースは「ユニクロ快調」を報じ続け、ボクは不思議 でならなかった。それがごく最近、ボクは近所のユニクロへパンツを買 いに行って、見て驚いた。なんと、むかし見たユニクロ商品と品質がぜ んぜんちがうのである。ボクのかっての予想は大きく外れていた。なる ほど、商品の品揃えだけは、その昔のKマートと同じ規格量産品のまま だが、品質とその素材の厳選ぶりに目を見張った。Kマート、ウォルマ ートの品質とは雲泥の違いなのだ。これならいける、とボクは即座に思 った。その間、年月の隔たりは四半世紀にもなるであろうか。 世に「三歳児も三年経てば六歳になる」という、ボクは迂闊だった。 ■■ボクが業界にあったころの台湾、韓国、フィリピンの繊維商品は縫 製も粗悪なら、使用する素材も粗悪品だった。まして中国などにはそう した繊維産業の萌芽も無かった。そうした粗悪品のマーケットは米国安 物市場だけだった。それがどうしたことか、いまや世界一品質に厳しい と定評がある日本マーケットにも中国製品が溢れる時代になったのであ る。いや、中国だけではない、ベトナム製造の商品すら日本市場で普通 になっている。ボブ・ディランではないが、時代はまさに変ったのであ る。 ■■こうした発展途上国での製造指導は、米国のみならず欧州諸国がよ く成し得なかったところで、とくに繊維製品の製造では日本の業者の独 擅場の分野ではないだろうか。そしてその先端を切ってユニクロが、中 国から、最近はベトナム辺りの縫製業者に技術指導し、いまの成功をみ たのであろう。さらに、ユニクロは自社で販売網をもっていて、価格決 定権を握っているから強い。もしこれがKマート・ウォルマートなどの 米国バイヤーならば、品質の如何に関らず最低値段を要求し、それはす ぐさま品質低下に跳ね返り、こうした立派で安定した商品を継続供給す ることは不可能であったろう。 ■■浜矩子教授は市場経済の専門家ではあるが、商品の専門家ではない 。だから「ユニクロ製品は安物の安売り」と決め付けられた。だがボク の見るところはそうでない。ユニクロのいまの商品は、値は安いが決し て粗悪品でなく、EUの中級ファッション衣料チエンC&Aで売られて いる衣料と同程度の品質と考えられる。換言すれば、中流市民が必要と する衣料はこの程度のユニクロ製でじゅうぶんである。 ■■もしこれ以上の、いわゆる高級品を欲しがる伊達男は米国の高級品 ブルックス(Brooks Bros)ブランドのものを買い求めればいい。 そうすれば、米国大統領オバマさんと同じものが着られる。ただし値 段はユニクロの数倍を覚悟しなければならない。要は、商品は値段との 兼ね合いである。 ■■さらにいえば、ユニクロの現在の価格設定ならば、ボクらが米国辺 りの量産品バイヤーに買い叩かれたときの値段よりはずっと正常である 。エコノミスト浜矩子教授にはお気の毒だが心配ご無用、ユニクロも栄 えるが、日本も栄えるだろう。そして、ここまで低開発国に於ける衣料 縫製の技術を向上させたユニクロという会社の努力と執念に賛辞を贈り たい。 ───────────────────────────────── 【PR】 ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判160頁 1600円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html または office@609studio.com ───────────────────────────────── ◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年12月11日号 ───────────────────────────────── 戦後65周年行事準備会議 サハリン州国際対外経済交流委員会は、先日の州政府会議で戦後65 周年を迎える来年の9月に多様な記念行事が行われると発表した。「時 効は消滅しない」というセミナーをはじめ、日本と共同で第2次大戦犠 牲者らを追悼する慰霊祭も行う予定であり、このような行事にウラジオ ストク駐在米国総領事館も関心を示し、協力すると約束したとのこと。 料理コンクール さる4〜5日、ユジノサハリンスク市サフインセンターで第3回サハ リン州料理コンクールが開かれた。料理人とレストラン経営者など60 人が集って実力を披露した結果、コルサコフ市にあるカフェ「555」 の菓子が最も高い評価を受けた。 78万の鱈 ロシア水産業センターによると、今年ロシア水産業界は121万トン の鱈を獲った。オホーツクで78万トン、ベーリング海で34万トン、 南部クリル水域で10万トンが獲れた。 食品値上げはない ロシア連邦農業省は2010年度には食品価格の引上げはないと発表 した。あったとしても数%に留まるほどであるとのこと。今年は食品価 格より工業品価格の値上げが大きかったが、海産物11%、アルコール 8.5%、砂糖42.2%のように一部の食品は値段が大幅に上がった 。農業省は来年から徐々に肉の輸入量を減らしていく予定であり、20 10年度には30%、その2年後にはさらに18%を減らすと発表した。 百科事典発行会議 先日の2日、「百科事典:サハリン州」を発行するための準備会議が 開かれた。州政府の指導の下で75人の学者、専門家らが集って経済、 文学、歴史に分けて編集を行うとのこと。 お正月休みを海外で サハリン旅行社によると、サハリン住民らに最も人気のある旅行先は タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、シンガポールなどで、冬 のスポーツは日本や韓国へ行って楽しむ人が多い。経済危機にも関わら ず一部の住民は9月に既にお正月休みを東南アジアで過ごすために飛行 機の切符を買ったとのこと。 1000ルーブル札の偽造貨幣 今月、ユジノサハリンスク市レーニン通りにある銀行「スベルバンク 」で一日に2枚の偽1000ルーブル札が発見された。22歳と37歳 の女性が送金や貯金をしようとする際に発見された。偽札の出所を警察 が現在捜査中。 危険なアルコール 今年の9月、南クリルのオトラダという農村に住む女性が750gの 密造酒を作り、売った。彼女の作った密造酒は体にとても悪い。彼女は 3年の自由剥奪刑の猶予判決を受けた。 麻薬保管罪で サハリンに住む64歳の男性が麻薬の保管場所を提供したため5年間 の自由剥奪刑をうけたことがわかった。男性は5年前からアームル州か ら麻薬を受けて自宅に保管していた。 ───────────────────────────────── ◆コラムEYE 「トンダ・モンタ音頭騒動」:片山通夫 ───────────────────────────────── 本多立太郎という方から、この夏にメールが届いた。「こんな歌が出 来ました」と言う。出来たからには何とかしなけりゃという事態に陥っ た。 「どうにかしなけりゃ」と思ったって、音楽には全くの門外漢の筆者 の手に余ることは保証できる。さてどうしたものかと思案した・・・。 歌詞を読んだ。まさに音頭というにふさわしい歌詞である。ジャーナリ スト・ネットのメンバーに相談したら「あの男がいいのでは?」と言う 案が浮かんできた。 あの男とは、宮村群時さんのことである。宮村さんは本来バンジョー 奏者。時折「流し」をしたり、書生節をヴァイオリンを弾き歌う。早速 電話してみた。ともかくお会いしましょうということになり内心「しめ た!」と喝さいしたことは言うまでもない。 「やりましょうか」と心強い返事が来た。しかし当方は先立つものが ない。正直に打ち明けた。「安く上がる方法を考えます」・・・。涙が こぼれそうになる。持つべきものはなんとやら。これから、筆者はまさ に、「ときどき相談、あとはまるなげ」の人生。なんだか申し訳なかっ たが、門外漢の筆者の出る幕ではないと勝手に「割り切る」ことに。さ ぞかし宮村さんにとっては無責任は男と映っただろうと思う。 かくして、苦節半年・・・(これは宮村さん)。ようやく先日出来上 がった。 さて後は筆者の出番。このCDを売らなきゃ。というわけで、メディ アには売りこむわ、ブログでも、書きまくり...。 誰かメディアを紹介してよ...。特にラジオ。コミュニティ放送なん かとても良い...。 なんて虫のいいこと考えている年の瀬デス。ハイ...。 註:本多立太郎さんのこと 1914年、北海道小樽市に生まれる。第二次大戦の2度の従軍とその 後のシベリア抑留を体験し47年シベリアより帰国する。金融機関勤務を 60歳で定年後、市民運動などに参加。86年より「戦争出前噺」と銘 打って戦争体験を語り続け現在に至る。出前先は全国47都道府県すべ てにおよび、出前回数は2009年12月10日現在、1313回延べ 15万人以上に及ぶ。 著書 『ボレロが聴きたい』(耕文社)『せんそうでまえばなし』(み ずのわ出版)『トンダ・モンタ総理っ!』『父を語る』(すりふか文庫) 受賞歴 「第10回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞」「関西こ ころの賞」 また、戦争出前噺活動のラジオドキュメンタリー番組『おれは闘う老人 (じじい)となる』で毎日放送は「第45回ギャラクシー賞ラジオ部門 優秀賞」と「第4回日本放送文化大賞ラジオ部門グランプリ」受賞。 ───────────────────────────────── ◆こちらJO3TXK:片山通夫 ───────────────────────────────── 読者諸兄はアマチュア無線と言う趣味のことをご存じだろうか?筆者 は中学生のころから、ラジオや無線通信というものに興味を持っていた。 所謂ラジオ少年だったのである。はんだごてを持って、その類の雑誌に 掲載されていた配線図を見ながら、真空管のラジオやアンプを作ったの はその頃だった。 その前には、鉱石ラジオという電源のいらない、だからスピーカーを 鳴らせないラジオを作っては壊ししていた。アンテナとアースを確実に とって、バリコンをゆっくり回すと、かすかに放送が聞こえてくる。そ の時の感激!とてもじゃないけどここでは書けない・・・。 けれども、鉱石ラジオでは物足りなかった。まず持って歩くというこ とが出来なかった。いや、出来たのだが、聞きながら歩くということが 出来なかった。アンテナとアースになるハリガネ(当時は銅線はなかな か子供のポケットマネーでは買えなかったので、鉄の針金)を束にして 持って歩き、近所の里山で、木にアンテナを張り、アースを地中に埋め て「聞こえた、聞こえた」とたわいもなく遊んでいたことを思い出す。 鉱石ラジオは歩きながら聞くことはできなかった。まさか数米もある 針金を引きずって歩くことはとても・・・。そのころ、巷にはポータブ ルラジオと言う、ミニチュアの真空管を使って、ロットアンテナを立て 、乾電池を入れた弁当箱の親分のようなラジオが売られていたが、とて もじゃないけど買えなかった。その後はポケットラジオと称したトラン ジスターを真空管代わりに使った煙草の箱くらいのラジオが出た。 その頃だったと記憶するが、短波放送というものを知った。地球のか なたからラジオ放送が流れてくる。中東あたりからはエキゾチックなア ラビアの音楽。とても聞こえにくいが、地球の裏側からはラテンミュー ジック、そして、これは強力に受信できたが、隣の国々、韓国、中国そ してロシア(当時はソ連と言った)などである。 無論言葉はわからないから、ただ音楽を聴いたり、周波数をチェック したり、なんとなくニュース番組だなと理解したり…。それでも楽しか ったことを覚えている。だから受験勉強なんて・・・・。 こうして、筆者の「無線生活」は始まった。 ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── 民主党政権は「産みの苦しみ」を味わっている。テレビ、新聞や週刊 誌などマスコミは容赦ない批判を浴びせているように見える。 地殻変動的な自公政権からの移行なのだ。そんなに何もかもスムース に行くわけがない。少しは時間を与えるべきだ。 マニフェストで、硬直化した官僚制度の打破を目指す民主党の姿勢や 沖縄米軍基地移設問題において、右往左往する政権の足を引っ張ろうと しているかに見える。 そこに見られるマスコミの姿勢には、この国の将来を見据えた報道姿 勢は見えない。ただ「面白おかしく」バラエティ番組を見るような無責 任さを感じるだけだ。 国民大多数の選択なのだから、それの揚げ足取りで終わらせてはなら ない。例えば、沖縄基地問題を例にあげよう。 国民世論を引っ張って行こうとするなら、一つは現行憲法に照らして 政権への批判なり、同調なりの記事を書くべきだ。現にそれは我々の前 に厳然とあるのだから。日米同盟も重要だろう。しかし沖縄問題もそれ 以上の問題を抱えている。我々は過去半世紀以上、どれだけ沖縄におん ぶにだっこで、すべてとは言わないまでも押し付けてきたか。 今や全国民的視野に立って沖縄を語るべき時期だ。そろそろあの小さ な島々からなる沖縄の過酷な運命をまず知らしめ、そして所謂本土がど れだけ沖縄の現状を負担できるのかという議論に発展させなければなら ない。 原子力発電所の建設地域の選定と同様、僻地、地方、人口の少ない地 域を選んで、大都市の住民ははるか離れたところでエネルギー消費の快 楽をむさぼるような地域エゴを沖縄報道に見るのは筆者だけか。 ───────────────────────────────── 発行 2009年12月15日 No.413 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |