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タイトル:609studio No.405◆現代時評:「お役所仕事は旧態依然」  2009/10/20


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/10/20  No.405
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◆現代時評:「お役所仕事は旧態依然」  Ken

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年10月16日号

◆コラムEYE 休載です。

◆編集長から

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◆現代時評:「お役所仕事は旧態依然」  Ken
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■■アサヒコム 2009.10.14   松沢成文(神奈川県)知事は13
日の記者会見で、来年4月から県庁全体で残業をなくすことを目指す「
残業ゼロ革命宣言」をした。試行的に今年度中に取り組み始める。都道
府県では初の試みという。 

◆◆松沢知事は「仕事と生活の調和を図るワークライフバランスに率先
して取り組むためで、人件費の削減が目的ではない」と説明する。具体
的にはフレックスタイムを採り入れ、上司への報告書は紙1枚でまとめ
るなど、効率的に仕事を進めることを目指す。
戦国七雄の「韓」の王、昭侯が学者「申不害」に国を治める方法を問う
た。すると申は「君たるものよく為さじ、よく知らず」と答えた。つま
り法を整備しておきさえすれば、王は何もしなくても国は自然に治まる
と言うのだ。 そこで昭侯は申不害を宰相にし、取りあえず韓はよく治
まった。 史記のなかの話で、この一派を「法家」といい、孔子らの「
儒家」よりも少し前のことである。 

◆◆日本の明治維新後もどうやらその「法家」を倣ったらしく、大いに
法を整備し、その実務担当者としていわゆる「事務官」を量産した。 
その養成機関が、いまなおわが国多くの大学に形骸を留める「法学部」
であると、ボクは解している。 いったん法さえ完備すれば、それを忠
実に実行するだけなら必ずしも有能な「事務官」である必要はなく、単
なる「事務員」でもいいわけで、そこからいまの事務員という言葉が生
まれた。 その事務員が、いま日本の官庁には大量に存在し、日々取り
敢えず、そつ無くお役所仕事をこなしている。

 ところがこの役所の事務員たち、むかしからの決まった仕事をきまっ
た手順でするばかりで、それが時代の変化に合わぬことなど理解しよう
ともしないし、まして仕事の能率など大事と思ってもいない。 それで
も毎日、残業手当だけたんまり受け取っている。 ボクはかねがねこの
ことを疑問に思ってきた。 それをいまようやく松沢神奈川県知事が具
体的に指摘し、「残業ゼロ革命宣言」をしはじめたという。 民間会社
ではすでに多くが実行していることだ。

 親方日の丸の役所だから遅かったが、遅すぎることはない。 全国の
役所がその気になって「残業ゼロ運動」を始めてほしい。それだけで、
だいぶ役所の経費が節約できることは自明である。 たまに役所へ行く
と、非能率きわまる昼間の仕事振りが垣間見られる。 どうやら、残業
というエキストラ収入が欲しさに、昼間の仕事を時間外まで残しておい
ているようだ。

◆◆ボク、現役で会社を経営していたころ、こうした残業稼ぎの社員た
ちをしばしば見かけた。 あるとき意を決して、全社員に「明日から会
社は残業代をいっさい拒否する。 が、無料サービス残業したい社員の
残業は大いに歓迎する」と申し渡した。 すると驚いたことに、毎日夜
の9時ごろまで残業していた社員たちの殆どが、午後5時定時にさっさ
と帰宅するようになった。 それでいて、会社の業務にはいっさい支障
がなかった。 おそらく役所仕事も同様であろう。

◆◆もう一つ思い出がある。 先年、ボクはあるボランタリー公益団体
を創った。 創立総会の景気付けに地方首長の祝電を貰うべく、役所を
訪ねた。 すると、そこの総務部の課長が言う、「なるべくページ数の
多い趣旨説明兼事業計画書をつくり、<祝電お願い>の文書を提出して
欲しい。 文章は長ければ長いほどよい、少なくとも1センチ以上の厚
みがある書類が望ましい」。 これは聊か面倒だ、なにしろ今から始め
る新団体だから、書くべき内容も、いまのところあまりない。 だいい
ちそのような煩雑な書類は作る方も、読む役所側も労働時間に無駄がと
もなう。
 ところが、こちらの新団体役員に名を連ねる予定の一人が、こうした
お役所仕事に通暁していて、「私が書きましょう」と簡単に言う。「知
事自身は多忙でそのような願い書に目を通すとは思えぬし、内容を真剣
に吟味する役人など居ないから中身など皆無でいい、決まりきった定型
文句の冗長な文書を作るのに私は慣れている」。
 ということで、然るべき願い書を作成し、提出した。 それについて
は、役所から何のコメントも照会も無かった。 しかし創立総会には、
会場のホテル気付けで、麗々しい知事の祝電が送られてきたのはもちろ
んであった。

◆◆いま、松沢神奈川県知事の「上司への報告書は紙1枚でまとめよ」
という通達をニュースで知って、なるほど、よほどきつく申し渡してお
かなないと、役所の文書などはついつい繁文縟礼になり、労働力の不当
浪費に直結するものである、と思い当たった。

 役所の人員削減などは、分限令との兼ね合いもあり難しい。それに、
旧自治労の幹部連中がおおぜいいまの民主党の幹部の中に潜り込んでい
る実態からして、鳩山内閣も公務員の減員に難渋するだろう。 大阪の
橋下知事も役人の減給にはいっときバトルを繰り返していた。 私見で
は、いちばんいい方法は、公務員が定期退職したあと補充をしないこと
だ。 そのためには先ず予備行動として、普段から公務員には不要不急
の業務をさせず、つねに余裕ある勤務状態にとどめておくことである。
 さもなければ、かれら役人どもは「仕事が多過ぎて困るから、補充採
用してくれ」と、ついつい言いつのるものである。 
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年10月16日号
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朴・ウラジミル氏市長当選

 11日の総選挙で、サハリン州では329人の議員と11人の自治体
長を選んだ。投票率は30%弱。投票率の最も高い地域は北クリル(6
4%)、最も低い地域はオハだった。ユジノサハリンスク市長選では現
市長ア・ロブキン氏が57%の票を獲得して当選、共産党推薦の呉・チ
ンハ氏は22%の得票率で2位に留まった。しかし、ネベリスク市では
朴・ウラジミル元市長が56%以上の票を得て再当選した他、コルサコ
フ市では二人の韓人が市議員に選ばれた。

復帰事業に7千万ルーブル割り当て

 今年の夏、2回の強力な台風に襲われユジノサハリンスク市は大きな
被害を受けた。緊急復帰作業は終えたものの、復帰事業は今なお続いて
おり、州政府は7千万ルーブルの支援予算を割り当てる予定であり、市
政府はこれを契機に水道管や道路など老化した社会インフラの整備に注
力するつもりである。

漁獲量28万トン以上

 サハリン州の今年マスと鮭の漁獲量が28万3800トン。クリル島
では11月まで漁業が続くので漁獲量は一層増すであろう。

外貨法違反

 サハリン州税関によると、最近、空港で2件の外貨法違反が摘発。ユ
ジノサハリンスク市に住む男性と女性が90万円と170万円の外貨を
申告せず持出そうとして捕まった。現ロシア税関法によると、3000
ドル以上のお金を海外に持出す祭には必ず書面申告をすべきであり、又
、1万ドル以上の現金は持出せないようになっている。

10月9日はハングルの日

 10月9日はハングルの日。サハリン州韓国教育院は当日サハリン韓
人文化センターで「ハングルの日を記念しての特技大会」が開かれた。
学校で韓国語を習っている学生たちや韓国文化教室に通っている生徒た
ちがそれぞれの特技を韓国語の詩、歌や踊り、ミュージカルなど披露す
る場であって、各地方から、幼児から大学生まで多くの学生たちが参加
してお互い実力を戦いあった。大賞は韓国の詩と童謡を詠ったポロナイ
スクの学生たちに。

クラスノゴルスクでも韓人の日、お盆の日を記念

 クラスノゴルスク韓人会長(文・チョンギ)による、さる3日の土曜
日、クラスノゴルスク韓人たちは旧盆と韓人の日を迎えて祝いを兼ねて
野外で楽しいひと時を過ごした。韓人会が用意したバスで35人がライ
キシ湖畔に出かけ、各自が持参した料理を出し合い、楽しく食べ、歌い
、そして飲み、踊りながらの一日。本行事を支援してくれた韓人連合会
のベク・スギョン会長に感謝する地元。
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◆コラムEYE 今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆[編集長から]              片山通夫
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 最近・・・、いや、かなり以前から筆者はアイヌ民族の歴史に興味を
覚えている。高校生の頃、一人で北海道を旅したことがあった。そこで
知ったのがポロトコタン(白老町)だった。
 そこでは、単に「見世物」然としたコタンがあり、観光客がぞろぞろ
訪れるだけの小さなコタンだったような記憶が残っているが、これは定
かではない。ずっと後年、サハリンへ取材に通うようになり、ユジノサ
ハリンスクへの航空路が日本からは札幌もしくは函館からだけだったの
で、その行き帰りに何日かアイヌ民族の歴史などを知るために、アイヌ
民族博物館や北方民族博物館など、それに北海道大学などを訪ね歩くこ
とが多くなった。

 しかし博物館の展示物や書籍から得られる知識には限界がある。そろ
そろ、北海道でフィールドワークをしてみたい気持ちが高まってきた。
その手掛かりになったのが、三重県松坂市の松浦武四郎という人物。松
坂市には彼の記念館があり彼の足跡をみることができる。彼はサハリン
(北蝦夷)も踏破したようだ。

 そこで彼の足跡をたどりながらのフィールドワークを試みようと最近
計画している。はたして実際に辿れるのかどうか不明だが、自分ではや
ってみる価値があると決めてかかっている。

 情報などおもちのかたがおられたらご一報ください。
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発行     2009年10月20日   No.405
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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