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タイトル:609studio No.404◆寄稿 徒然のサハリン「選挙の話」  2009/10/13


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/10/13  No.404
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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◆現代時評:今週は休載です。

◆寄稿 徒然のサハリン「選挙の話」:オリホヴィク 美香

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年10月9日号

◆コラムEYE 「映画・鉄道員とJR西」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆寄稿 徒然のサハリン「選挙の話」:オリホヴィク 美香
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 ユジノサハリンスクでは、最近、街の美化事業が盛んに行われていま
す。アパート群の空き地には子供の遊具が設置され、古いアパートの外
壁修理、道路整備などが行われています。今年は10月中旬に市長と市議
会議員選挙があるので、実績を作るためだというのが大方の見方です。
今まで私利私欲を貪られていた分がようやく普通に使われているようで
す。半年ごとに選挙があれば、かなり早くこの街は住みよくなるだろう
ねと皆言っています。地域暖房も10月1日からほぼぴったり始まりま
した。でも、前回の選挙の年には、選挙後にしばらく暖房が止まったと
いうことがありましたから、どうなるやら・・・・。 
 こちらの選挙運動の多くは、街頭の広告とチラシです。資金が潤沢に
ある党や候補者は地元テレビや新聞に広告を出します。現職の市長候補
はロシア与党の支持を得ていて、うちの大学の総長がその政党の幹部な
ので、大学に演説をしにやってきます。(その時は授業はみんなキャン
セルで動員がかかるので、ちょっと迷惑。)選挙戦も後半になると、中
傷合戦がはじまり、連日のように色々な候補者を中傷誹謗するチラシが
アパートの郵便受けに入ってきます。どこまで本当でどこまで嘘かは分
りませんが、この内容が部外者の私などには結構おもしろいのです。誰
それは、何とかの事業でいくら着服したかとか、どこそこからワイロを
もらっているとか・・・・。こういうものは、国政選挙より地元の方が
ずっと身近でおもしろいものです。 

 投票は、学校などを会場に行われます。選挙はお祭りで、私の勤める
大学も投票所になるのですが、風船や花を飾りとてもにぎやかです。時
間内には民族アンサンブルのコンサートが行われたりもします。今年は
若者の関心を集めるため、当日の夜、結構有名なDJを呼んで野外大ディ
スコ大会が行われるのですが、18歳以上25歳以下の人が対象で投票をす
ると入場券がもらえるということになっています。若年層の投票率を上
げるというのは、大変なのです。
続き>>
http://www.609studio.com/web/2009/10/post_282.html
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年10月9日号
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石油輸出9カ月間で400万トン

この9カ月間でサハリン州ではコルサコフのプリゴロドノエ港から40
0万トンの石油と300万トンのガスを輸出した。同時期1130万ト
ンを輸出した沿海州のヴォストツヌイ港の次に2位。3位はハバロフス
クのカストリ港(630万トン)。プリゴロドノエ液化ガス工場では9
60万トンまで輸出可能なので今後も輸出は伸びるであろう。

発電所のガス化

 さる2日、サハリン州ア・ホロシャヴィン知事が「ガスプロム社」の
関係者と会ってサハリン州のガス化事業について話し合った。現在、同
事業は実践課程にあり、ガスプロム社によると、2011年にはユジノ
サハリンスク市の第1発電所がガス化されるとのこと。

風邪危険水位超え

 サハリン州政府によると、最近風邪を引いた住民数が危険水位を超え
るほど多いとのこと。特にネベリスク、アニワ、クリルスキ、コルサコ
フが最も危険な状態で、今も一部学校では休校が続いている。

ネベリスク市内務局建物完成

 さる1日、ネベリスク市で市内務局建物の完成を祝う行事があった。
同建物は内務局のほか、拘置所、自動車監督庁、そして、職員たちのた
めのスポーツ施設など総8600平方米の広さ。

平均収入1万5千ルーブル

 最近、ロシア統計局が今年上半期ロシア各地の社会経済関連指標を発
表した。これによると、ロシア人平均収入は1万5421ルーブル。最
も収入の高い地域はモスクワで一人当たり4万1500ルーブルで、最
も低い地域より8倍も高い。極東地域の平均収入は1万5700ルーブ
ルでサハリン州が最も高い2万3100ルーブル。しかし、極東地域の
場合、住民の収入は0、1%、賃金は0、4%減少した反面、年金は1
2、8%増加した。

750件の火災

 今年に入ってから8カ月間、サハリン及びクリル地域では750件の
火災が起き、51人が死亡した。昨年同期に比べると15%減少した。
火災による損害は総額で2100万ルーブルに達しており、火災の主な
原因は家電設備の使用規則違反。

「世界韓人の日」を祝う

 さる5日、ユジノサハリンスク市ロジナ会館で「世界韓人の日を祝賀
する記念式とコンサート」が、サハリン韓人連合会の主催で行われた。
9月30日はサハリン韓人の日でもあって、サハリン韓人のほか、ロシ
ア人を含め他民族芸術団も駆けつけお祝いの歌や踊りをプレゼントした。

残留韓人たち要請書送ることに

 韓国へ永住帰国せずサハリンに残る1世たちが韓国や日本政府向けに
自分らの声を届けることにし、その要請書をセコリョ新聞に掲載。主な
内容は、二重国籍を認め残留者に対する支援の法的根拠を設けることや
一時祖国訪問の際、健康維持のために温泉旅行と漢方治療を受けたいな
どのこと。

文化教室開講

 今月3日、サハリン文化センターの幼児教室が開講。4歳から7歳ま
での幼児が親や祖父母と共に韓国の歌や踊りなどを習っている幼児教室
。今年は昨年より受講者が2倍に増えた。幼児教室の他、琴教室や女性
合唱団などの多様な教室を運営中。

サハリン州知事と韓国総領事との面談

 石油ガス国際会議に参加するため來島した駐ウラジオストク韓国総領
事他関係者たちが2日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事と面談。今
年8月韓国を訪問したことのある州知事は「初の韓国訪問だったがとて
も良い印象を受けており来年から韓国でサハリン州発展企画会議を開く
予定であり、その際、サハリン州企業のみならずガスプロムやロスネプ
チのようなロシア大企業も参加すると伝えた。
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◆コラムEYE 「映画・鉄道員とJR西」:片山通夫
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 1999年と言うから、もう10年も前の映画に「鉄道員(ぽっぽや
)」と言う映画があった。もうすぐ廃線になる北海道の小さな駅を守る
定年直前の愚直な男(高倉健)が主人公の渋い作品だ。原作は浅田次郎。
1997年の直木賞受賞作品を映画化したものだった。ストーリーは極
簡単なストーリーだったと記憶している。不器用なまでもひたむきに鉄
道マンとして生きる一人の男の物語である。心底、鉄道が好きなのだろ
う。それに加えて責任感の塊(かたまり)のような主人公だった。

 話は変わるが、JR西が引き起こした2005年5月25日の尼崎の脱
線事故の事故調査委員会から、あろうことか、報告書を入手していたこ
とが明るみに出た。会社幹部の指示だそうである。また報告書の書き換
えを依頼したとか・・。
 まことに無責任極まりない。情報の入手先が、当該事故の事故調査委
員会、委員が元国鉄のOBだという。

 事故の直接的な原因は多々あると思われる。それら複数の原因が重な
って、あのような大惨事を引き起こしたと言うことまでは筆者にも理解
できる。しかしその後、昨今伝えられるような「あるまじき事件」を「
性懲りもなく」引き起こしてるJR西の幹部はいったい何を考えているの
か理解に苦しむ。

 「刑(責任)を軽くしたいから早めに対策を」というような理由を挙
げているようだが、それでも理解できない。現実に107人もの命が奪
われた事故である。もう少し謙虚に、責任を全うすることが出来なかっ
たのかと思う。これじゃ、亡くなった人も浮かばれまい。遺族も腹立た
しい限りだろう。

 筆者は子供の頃に「国鉄マン」と言う言葉を聞いたことがあった。国
鉄マンはその言葉に誇りを持っていた。親子三代国鉄の職員だった家族
も多かった。筆者の住む近所に、戦争から復員してきて国鉄の保線区に
勤めていた人がいた。
この人の口癖は「おれは線路工夫だ」
そして「汽車が安全に走れるように線路を毎日見まわっているんだ」と
いうような意味のことを話していた。
 あるとき、大きな台風が来た。その人は、雨と、強くなり始めた風の
中を出動した。幸いその台風時には大きな事故はなかったようだったが
、今考えると、彼らの「安全に走らせる」という目的のために、命をか
けていたのだと気がついた。

  往時の国鉄マンは、映画「鉄道員」のように誇りを捨てなかった。
それが「一介の線路工夫」だったとしてもである。
いくら時代の流れ、立場の違い(会社幹部と一介の駅長・線路工夫)と
いっても、JR西の幹部からは鉄道マンの誇りを感じない。

民営化されたJR。そこには誇りは跡形もなく消え去り、効率のよい経
済活動するだけの組織が残った。

参考:JR西コンプライアンス
http://www.westjr.co.jp/company/action/compliance/
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◆[編集長から]              片山通夫
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 今週号はかなりの手抜き・・・。猛烈に週末から今日12日にかけて
多忙だった。正直言うと、新聞もテレビもネット新聞も読んでいない日
が続いた。

 それゆえ、この欄も徹底的に手抜き・・・になりました。
お詫びします。
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発行     2009年10月13日   No.404
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
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