メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.402◆609Studio 今週のホームページ  2009/09/29


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/9/29  No.402
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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◆現代時評: 今週は休載です。

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年9月25日号

◆コラムEYE 編集局からの手紙「脱稿という快感」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です
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 次週をお楽しみに。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年9月25日号
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全ロシアマラソン大会

 さる20日、ロシア連邦63地域で一斉に「民族マラソン大会」が開
かれた。同日、ユジノサハリンスクでは5歳から75歳までの市民12
00人がマラソンに参加した。地方からの参加者や障害者など様々なグ
ループが1キロ(障害者)、4キロ(子供)8キロ(大人)を走った。
ドリンスクから参加したイワン・ゼムヌホフさんは「息子たち(10歳
と12歳)と3年続けて参加している。1等を目指しているわけではな
く辛くても最後まで走り続ける精神を息子たちに経験してもらいたいか
ら」と参加目的を語った。

アジア太平洋国際ビジネスフォーラム

 さる21日、ウラジオストクでアジア太平洋地域の政府代表、企業人
、銀行代表、専門家など600人が集まって「アジア太平洋地域におけ
る企業発展」というテーマで国際ビジネスフォーラムを開催した。隣国
との国際協力を図るために行われる本フォーラムだが、今年は沿海州で
進められている事業の紹介があり、その中には「サハリンーハバロフス
クーウラジオストク」を結ぶガスパイプラインと「ヴォストツナヤーシ
ベリヤー太平洋」を結ぶオイルパイプラインプロジェクトなどが含まれ
ていた。

「サハリン石油ガス国際会議」

 来る9月30日―10月2日までユジノサハリンスク市で「第13回
サハリン石油ガス国際会議」が開かれる。大会にはロシア極東地域の石
油ガスに関心のある世界各国の人々が参加する。韓国の石油とガス公社
の代表らも参加するとのこと。

外国中古車輸入3.5倍減少

 今年1月12日からロシアで外国産中古車の輸入税が高くなってから
サハリン州では輸入車が3.5倍に減った。昨年は6395台が輸入さ
れたが、今年は1767台に過ぎない状態。

民謡フェスティバル

 今月24日から29日までユジノサハリンスク市で州文化局と市文化
局の共催で第3回極東地域民謡フェスティバルが開かれる。ハバロフス
クをはじめユダヤ人自治州、ブリャチヤからも児童や教師、文化関係者
100人ほどが招待され参加する予定。

轢き逃げ事件

 さる木曜日夜9時頃、ユジノサハリンスク市勝利の広場前のゴリキ通
りで横断歩道を渡っていた15歳の少女をトヨタクラウン車が轢き、少
女は死亡。又、逃走中に自転車に乗っていた20歳の青年を轢いて負傷
を負わせた。犯人は23歳の麻薬中毒者と推測されている。

本の寄付を

 サハリン州文化局と州立図書館は9月21日から一カ月間、ネベリス
ク市図書館への本の寄付を呼びかける活動を行っている。新築に移転し
たネベリスク市率図書館に州や中央図書館が1000冊あまりの本を寄
付したが、古典や現代小説、児童文学書などが全く足りない状態。一般
市民を対象にこのような寄付を呼びかけている。

韓半島専門家来島

 今月25日から10月2日まで、韓半島専門家として知られているア
・ランコフ教授(韓国国民大学招待教授)がサハリンで様々な講演を行
う。今度のサハリン訪問は「カレイスキ・クラブ」の招待。レーニング
ラド大学出身の歴史学者であり、韓国や北朝鮮の歴史研究者である同氏
を招待し、南北統一問題やサハリン韓人若者の未来などについて考える
契機を設けようとするのが招待の目的。州内大学での講演会のほか、1
0月1日にはサハリン韓人文化センターで一般市民との公開討論会も開
催予定。

韓国言論財団機材支援

 韓国言論財団メディア振興チームのベク・ミンスチーム長が9月21
ー23日までサハリンへ滞在する。ベクチーム長はセコリョ新聞社とウ
リマル放送の実態を調べると共に両社に機材購入支援金を渡すために來
島。
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◆609Studio 今週のホームページ
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*10月の写真
http://www.609studio.com/web/2009/09/post_276.html

*コラム「隗より始めよ」
http://www.609studio.com/web/2009/09/post_259.html

*09年の肖像「ブイコフの証人」
http://www.609studio.com/web/2009/09/post_258.html

*岡田外相・フリージャーナリストにも開放と明言
http://www.609studio.com/web/2009/09/post_257.html

HP  http://www.609studio.com/
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◆コラムEYE 編集局からの手紙「脱稿という快感」:片山通夫  
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 おそらくこのような原稿を書くことは、イレギュラーの行為だと思う
がお許し願いたい。ようやく脱稿した。やっとである。文字数にして1
7万文字を超える。筆者がここ何年もかかって書いていたノンフィクシ
ョンの話。当たり前の話だが最初は取材に取材を重ねるところから始ま
った。インタビューの積み重ねである。舞台は不便なことにサハリン。
聞いた話を咀嚼して裏を取るための取材を重ねた。韓国へも数回。時代
は戦前から現在に及んだ。

 最初、このノンフィクションを書くにあたって二つの理由で逡巡した
。ひとつは「こんなマイナーなテーマを買ってくれるところがあるはず
がない」という理由。いまひとつは「ノンフィクションは嘘をつく」と
いうこと。

 最初の理由に関しては、大きな「気負い」が原動力になった。カッコ
よく言わせてもらえれば「おれが書かなきゃ誰が書く?」ということだ
った。しかしその「気負い」を維持するのが難しい。最初から最後まで
同じテンションで維持できるはずがないことに気がついたがあとの祭り
だ。そこで筆者は自分の周りの人々を巻き込んだ。取材を手伝ってもら
ったのではない。あらゆる人に「オレ、今書いている」と吹聴したのだ
。吹聴すると、相手は気を使ってくれて「もう書けたか?」とか「あれ
、どうなっている?」とか、甚だしいのは「いつ出版?」と聞いてくれ
る。
 「いやまだやねん」と言い訳しつつ、調査して、確認して、そしてサ
ハリンへ行くこと数回、いやそれ以上。
 時には国会図書館は無論、北海道の図書館や博物館にも行った。こう
してなんとかテンションを維持することに成功した。

 ところが二番目の理由だが、これは筆者にとって難しい問題だった。
いわゆるノンフィクションと呼ばれる書籍を何冊も読んでみたが、どう
してもフィクションだと感じられる部分が目についた。「これでもいい
のか」と思う部分が多数あったのだ。同時にインタビューしようとして
も相手が死亡していたりして、出来ない場合の表現方法を既刊のノンフ
ィクションから学んだ。

 話は飛躍するが、あの湾岸戦争あたりからだろうと記憶することがあ
る。「戦争は茶の間でテレビ観賞する」時代が来たという感慨だ。戦場
に身を置かないで、世界の人びとはまるでドラマを見るように「戦争花
火」をテレビ観賞してしまっていた。そこには戦争に付きものの「死」
は伝えられていなかった。9・11、アフガンやイラク戦争でもやはり
同じだった。線上での「死」というものは「日々増えてゆく数字」だけ
でしか伝えられていなかった。

 「これじゃますます戦争は疑似映像だけで伝えられ、歴史はゆがめら
れる」と感じる。残念ながらイラクやアフガンで取材する機会には恵ま
れなかった。だがだいぶ以前になるが、戦争やそれによる死というもの
を真近に目撃した経験がある。それは「テレビ画面でお茶を飲みながら
見る戦争」とはまったく違う。こんな状況では歴史は映像化された奇麗
事で終わってしまうような危険を感じた。

 今回、やっと書き上げたノンフィクションには「死」や「戦争」は直
接は出てこない。けれども底辺に横たわるそれらを書いたつもりだ。
「戦争によってゆがめられた人生」を。

 ノンフィクションのタイトルは「タンポポは凍土(ツンドラ)に咲く
」と決めた。戦前、日本の植民地時代の朝鮮半島から樺太(現サハリン
)へ渡ったある家族の物語である。

 果たして世の中からどのように評価されるのかはわからないが、一仕
事終えた満足感に浸っているところである。
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◆[編集長から]              片山通夫
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 自民党の総裁選が終わり、大方の予想通り谷垣氏が総裁に決定した。
しかし、「うらぶれた」と言っては申し訳ないほど新聞などの扱いは小
さかった。もっとも、総裁選そのものは自民党員でなければあまり興味
は湧かないが、それにしても小泉、安倍そして福田、麻生の4氏を選ん
だ時の新聞のフィーバー振りは何だったのだろう。
 単に政権与党の総裁(党首・代表)選びだけだったのだろうか。時流
に流されるマスコミの姿を垣間見た気もするが。。。
 いや、「時流はマスコミが作る」のか・・・。このようにして。

 民主党政権は外から見ていると、閣僚の足の引っ張り合いが見立つよ
うに思える。たとえば、本来総務省の管轄である郵政改革に総務省と直
轄の担当大臣。又金融庁と財務省。戦略室と官房長官。
  ここは一番、強力なリーダーシップを鳩山首相が発揮すべきだ。「友
愛」だけではすまない世界がありそう・・・。
 ちょっと悲しいがそれが現実というものかもしれない。
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発行     2009年9月25日   No.402
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
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