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タイトル:609studio No.401◆現代時評: 「回勅レールム・ノヴァルムと米国発の市場主義」  2009/09/22


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/9/22  No.401
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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            お礼とお知らせ
 先週、400号記念で写真贈呈の記事を掲載しました。またたく間に
お申込みが殺到(・・と言えるかどうかはともかく)いたしました。
 昔ながらの籤を作り、勝手に引き当たった方に発送いたしました。
 
    ありがとうございました。改めてお礼とお知らせまで。
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          サハリン・韓国語新聞
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           ブログ 取材手帖
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評: 「回勅レールム・ノヴァルムと米国発の市場主義」 Ken

◆徒然のサハリン「新学期は大変(ロシアの中学校)」
                     :オリホヴィク 美香

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年9月18日号

◆コラムEYE 
  岡田外相・フリージャーナリストにも開放と明言:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:「回勅レールム・ノヴァルムと米国発の市場主義」 Ken
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◆◆ CNN 2009.9.15 オバマ米大統領は14日、米証券
大手リーマン・ブラザーズの経営破綻から1年を迎えることを受けて、
ニューヨーク市内の金融街ウォールストリートで演説し、公的支援など
で金融システムがおおむね安定したものの、危機再発防止策が必要であ
ると強調した。大統領は、景気と金融部門が立ち直リを見せるなか、リ
ーマン破綻や、 依然続いている危機から教訓を得る代わりに、これら
を無視する軽率な動きが金融業界にあると指摘。

■■ マルクス・エンゲルスの共産党宣言から遅れること44年、ローマ
教皇レオ13世は1891年、有名な回勅「レールム・ ノヴァールム
Rerum Novarum」を発布した。副題「資本主義の弊害と社会主義の幻想
」が示す通り、行き過ぎ資本主義にも弊害があるが、唯物史観の社会主
義への過度な期待もまた禁物であると教皇は警鐘を鳴らした。

■■ それからちょうど100年後の1991年、共産主義国家は次々
と崩壊したが、なお世界は共産主義に換わる新しい経済的脅威と課題に
直面しているとして、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世はレールム・ノヴ
ァルムを再確認した回勅『新しい課題(Centesimus Annus)』を発布し
て再び警告した。 その文末には「種々のイデオロギーがますます信頼
を失う」現代世界の、「新しい課題」としての「来るべき世紀」への備
えを訴えた。 

■■ ではその「共産主義に換わる新しい経済的脅威」とはなにか。ま
た「益々信頼を失っている種々のイデオロギー」とはいったい何であろ
うか。 それを教皇は次の二つに要約している。先ず第一は、第三世界
の貧困と搾取の拡大。いわゆる(米国式)グローバリズムの結果として
、先進国の搾取による後発国との貧富格差の増大が進む。次に、台頭し
始めた『市場原理主義』が、労働者・個人の権利や生活などよりも経済
戦争に勝ったものを上位に置くという態度が問題である。つまり、「勝
ったものの勝ち」という勝者絶対優先の考え方が、共産主義の後に続く
新たな経済的脅威になっている。
 
■■ そうした新たな経済的脅威は、「すべての行為は自己責任で」、
つまり失敗も不幸もすべて自分が背負うべきであるというドライで無機
的な論理から発したものようである。 そうした考え方では、いったん
脱落すればどうしようもないという不幸な人々たちへの思いやりが皆無
で、それがこの社会をより住み難くする原因となっている。

■■ 「グローバリズム」と「新自由主義または市場原理主義」は近年
米国の経済学者たちが主導してきたイデオロギーで、その理論的指導者
としてノーベル経済学賞のミルトン・フリードマンが挙げられる

■■ そしてその危険を予知したローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が再び
警告したのが回勅「新しい課題(Sentesumus Annus)」で、かってのレ
オ13世の回勅「レールム・ノヴァルム」をなぞり「新レールム・ノヴ
ァルム」とも称する。 しかもその回勅で示された危険は早くも今回の
リーマン・ショックで実証された通りである。

■■ わが国でもつい先般、小泉内閣の竹中経済財務相がフリードマン
とそっくり同じ主張を繰り返し、わが小泉内閣がそれに同調し、社会的
経済格差を生んでしまったのは、いまになって考えると「魔がさした小
泉政府の浅はかな経済政策」としか言いようがない。

■■ ところがこのフリードマンの「新自由主義、市場原理主義」に日
本で反対する経済学者が居なかったかというと必ずしもそうではない。
真っ向からフリードマンに立ち向かってその危険性を論じた日本人経済
学者も居た。 それが文化勲章の宇沢弘文東大名誉教授である。 宇沢
教授とフリードマンはシカゴ大学教授時代の同僚で、もし宇沢教授が帰
日していなければとうぜんフリードマンより先に宇沢氏がノーベル経済
学賞をもらう順番だったと言われるほど、宇沢博士は世界的に超有名な
大経済学者であった。

■■ しかのみならず、ヨハネ・パウロ2世が1992年に更なるレー
ルム・ノヴァルムの回勅「新しい課題Centesums Annus」を出すにあた
って、教皇から日本の宇沢教授に相談が寄せられ、教授の参画があった
ことは広く知られている。 宇沢教授がフリードマンよりも優れた経済
学者であることは、彼がシカゴ大学、コロンビア大学を辞して帰国した
ときすでにわが国でもよく知られており、そのゆえにこそ日本は彼に東
大教授の地位とともに、のち文化勲章なども授けている。 そしてその
大学者宇沢弘文博士が声を大きくして「フリードマンの頑なな新自由主
義、市場原理主義は危険きわまりない」と唱えているにも拘らず、それ
を敢えて無視したレーガン・ブッシュに続く小泉劇場内閣の日本は米国
に惑わされ、ノーベル賞フリードマンに目を眩まされていたからであっ
た。政治外交だけでなく、経済学においても日本は米国に追随し過ぎて
いたのである。

■■ ローマ法王庁は1892年も1992年のときも一貫して、行過
ぎた資本主義や共産主義の危険を社会に向けて訴え続けた。 その理由
は、いかに論理が精緻であろうと、思いやりの心がないイデオロギーは
危険であるということだった。 たとい少々迂遠であろうと、政治や経
済には人を思いやる心が、より大事であるというのであった。 そして
わが日本の現代政治に、その「心」の典型がようやく出現した。 それ
が鳩山新首相の政治観である。

■■ 鳩山由紀夫氏の論文「日本の新しい道」が「ヘラルド・トリビュ
ーン」紙に、去る8月27日付で掲載された。「反米的」だとして、米
国知識人らのあいだに瞬時に広がり、「ニューヨーク・タイムズ」にも
掲載された。鳩山氏は、それは月刊誌「Voice」9月号に寄稿した「私
の政治哲学」が一部曲解されて翻訳され、載せられていると語った。
 問題とされた鳩山氏のもとの論文はほぼ次の通りである。

 冷戦期、日本は米国主導のグローバル化という名前の市場原理主義に
、間断なくもてあそばれた。結果として、人間の尊厳も失われた。自由
の中に潜む行き過ぎの危険を緩和する力としての友愛に、われわれは立
ち戻るべきである。友愛の精神から生まれるもう1つの国家目標は、東
アジア共同体の創造である。金融危機は米国一国主導の時代が終焉を迎
えたことを示唆し、ドル基軸通貨体制の永続をも疑わせる。
 日本は、超大国の地位を保つべく闘い続ける米国と、大国への道を探
る中国とのあいだで、いかにして政治的経済的独立を保ち、国益を守る
べきか。地域統合と集団的安全保障が日本国憲法のうたう平和主義と多
国間協力を実現する道である。 すべての歴史的哲学はユートピアの夢
として始まり、現実となるのである。

■■ 上記は鳩山新首相の日頃の持論とそっくりであり、ボクらが非難
すべきところは何処も見当たらない、むしろ賞賛に値する。 ところが
わが国の多くの政治家や政治評論家たちは、鳩山氏のそうした理想主義
、友愛主義は苛烈な国際政治の波間では翻弄されるばかりで他国の侮り
を誘発し、日本国家としての実利が望めない、と非難する。

■■ がしかし考えてみるがいい。 そうした鳩山氏の身上や態度であ
るからこそ、今回の民主党内閣の「これは革命に近い」という政治改革
にも国民は安心して新内閣支持率75%を示している。 もしこれが仮
に小沢首班にN大臣、K大臣、S大臣など荒事師の陣立てならば、国民
のあいだに幾許(いくばく)かの行き過ぎに対する危惧の念が醸成され
る可能性が無いとはいえまい。 政治は喧嘩だけではない。先ず誠意を
尽くして相手と交渉するのが筋である。新内閣の態度を危惧している米
国も、鳩山首相の誠意ある友愛外交に対してはそれなりの扱いをしない
わけにはいかないだろう。 

■■ それにしても、鳩山首相の「友愛」精神と、ローマ教皇の回勅「
レールム・ノヴァルム」および「新レールム・ノヴァルム(新しい課題
)」とは不思議によく似通っている。 ひょっとして鳩山はカトリック
かも知れないと思ったりもする。 もしそうでなければ故鳩山一郎によ
るフリーメーソンの友愛同志会や、その母鳩山春子の共立女学校校訓の
「誠実・勤勉・友愛」が隔世遺伝している可能性も考えられる。 駆け
引きと恐喝まがいの政治手法ももうこの辺りで終わりにして、友愛によ
る政治社会の出現を望みたい。
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◆徒然のサハリン「新学期は大変(ロシアの中学校)」
                   :オリホヴィク 美香 
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 日本の実家でのグータラで楽しい夏休みが終わり、9月1日から新学
期が始まりました。怠惰な生活がたたり、私も息子も朝の早起きが一番
大変です。日本とサハリンの時差は2時間(夏時間)。朝6時(日本時
間4時)に起きるのは正直しんどいです。実際、他の人に聞いても、こ
の2時間の時差というのはなかなか体が慣れず辛いもので、かえって朝
晩逆の方が合わせやすいくらいです。

 息子は今年の9月1日から5年生。ロシアでは5年生から9年生が中
学校になります。1番ギムナジアという学校に入りました。息子がいる
5年生は3クラスで各クラスに25−28名の生徒がいます。教科書代
は学校図書館からの貸与。今まで本屋を巡り高いお金を払っていたのに
終われば不要なものになってしまう本が多かったので、助かります。教
科書にはカバーをかけ、書き込みはせず、学年末に図書館に返します。
ただし、ワークブックは購入しなければなりません。手元に置いておき
たい本があれば買えばよいのです。

 ロシアでは義務教育(9年)でも学校ごとにカリキュラムが異なりま
す。特にギムナジア、リセと名のつく学校はそれぞれに特色があります
。ロシアの文豪、詩人のプーシキンの名を冠した1番ギムナジアは文科
系に強く、5年生から第2外国語でフランス語が必修です。10年生(
高校)になると、さらに日本語、ドイツ語かラテン語のうち1つを選択
しなければならないとか。学校レベルでこれだけの教育ができるなんて
、感嘆の念を覚えます。

 私も夫も地元の人間ではないので学校に関する情報が乏しく、詳しい
カリキュラムも知らないまま、とりあえず評判の良さそうな学校に申し
込んだので、フランス語については入学式で回りのPTAの話を聞いて
驚きました。こればっかりは私も夫も習ったことがないので、今までの
英語や他の科目のように助けてあげられません。本人が今のところ楽し
そうにやっているのが幸いです。

 そして、中学校からは土曜日も授業があります。おかげで土日に惰眠
を貪るのが楽しみな私には大打撃。早起きが苦手な息子を学校へ送り出
すためにいつもの通り起きなければなりません。

 給食は実費制で一食40ルーブル(約120円)で、土曜日に次の週
の希望を聞いて支払いをします。その一食は温食(肉又は魚の料理とマ
カロニやマッシュポテトの付け合せ)で、食堂でさらにサラダや飲み物
、パン類などを実費で買うことができます。

 さて、今のところ新しい学校が気に入っている息子ですが、一つだけ
落ち込ませるのが、クラスで一番おチビなことだそうです。さすがに子
供の1・2歳の年齢差は大きなものがあって、普通7歳で入学するとこ
ろを5歳で入学した息子は体が小さいのです。5年生ともなると大人と
変わらないくらい大きい子もいます。体育でバレーボールをする時にと
ても不利なのだと肩を落としていました。でも、これはフランス語より
もどうしようもありません。その分、頭で勝負しろ!!とハッパをかけ
ています。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年9月18日号
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議員候補1460人

 サハリン州選挙委員会によると来る10月11日の州議員選挙に出馬
宣言した人は1460人。しかし、現在候補登録した者数は1338人
。選挙区候補者は805人、比例代表候補は533人。市長選挙候補者
は41人。今回、女性候補者は400人で前回の248人より大幅に増
加し、又、候補者年齢が若くなり、18〜23歳までの候補者が44人
もいる。

10月11日「選挙の日」:サハリン韓人会からのお願い

 尊敬するユジノサハリンスク市民、同胞の皆様!10月11日にユジ
ノサハリンスク市自治体選挙が行われます。積極的に選挙に参加し、投
票してくださるようお願い申し上げます。―サハリン韓人社会団体一同

ドリンスク市(旧落合)成立125周年

 さる12日、ドリンスク市民たちは都市成立125周年を記念した。
サハリン州知事も祝いの場に出席し、又、州予算支援で行われた公共機
関修理の現場をみて回るなどした。

過去100年で最高の漁獲量

 15日、州水産管理局が記者会見を開き、サハリン及びクリル地域が
今年過去100年間最高の漁獲量を達成したと伝えた。管理局によると
、9月14日現在25万トンのマスと1万5千トンの鮭を獲っており、
上がってくるマスと鮭の量が獲り切れないほどの量だった。しかし、こ
んなに沢山捕れたにも関わらず消費者価格は全く下がっていないのはな
ぜ?。

麻薬中毒治療委員会会議

 さる10日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事が麻薬中毒治療委員
会の会議を招集し、治療方法や予防対策などについて話し合った。話し
合った結果、ユジノサハリンスク市に麻薬中毒者治療専門センター(2
70〜350人受容可能)の建設が検討されており、早ければ2012
年にはセンターが完成する。

タタール民族文化自治体発足

 さる9日、サハリン州立図書館で「ユジノサハリンスク・タタール民
族文化自治体」を紹介する集いがあった。本団体は今年8月に公式に登
録を済ませ、今後タタール民族の歴史や伝統、文化、言語などの維持及
び発展させる活動を行う。現在、会員数は40人ほど。

北方少数民族の言語維持

 今月8―11日間、ヤクトツク市で「ロシア教育体制の中で消滅危機
にある母国語」というテーマで国際大会が開催された。大会に参加した
地方政権、社会団体、学者、教師などは3日間に渡って北方地域やシベ
リア、極東地域に住む少数民族らの母国語維持のための活動や提案を聞
くほか、今後の課題について話し合った。発表によると原住民言語を教
える教師も教材も殆ど無く若い世代は殆どが民族言語を知らないとのこ
と。

ユジノサハリンスク市(旧豊原)成立127周年を盛大に祝う

 さる12日、ユジノサハリンスク市成立127周年を祝う記念行事は
、オートバイに乗った青年と軍人たちと市民らの勝利の広場からレーニ
ン広場までサハリン州とユジノサハリンスク市の旗を揚げての行進から
始まった。レーニン広場には州知事、市長をはじめ大勢の市民が彼らの
登場を熱い拍手で迎えた。このようにして始まった記念行事は、市内各
地での記念コンサートや展示会などへと続き、翌日13日には世界的に
も有名なモスクワ軍事オーケストラの公演もあって、2日間に渡っての
大きなお祭りだった。

農企業被害状況調査

 さる15日の自治体代表会議で極東地域大統領代表ヴェ・キシャエブ
さんは、今年夏に極東地域を襲った大雨による農企業の被害状況の調査
を指示した。又、被害の大きい企業に対しては融資などの借金を免じる
などの対策を講じることを検討しようと提案した。

不法漁業

 サハリン州警察は不法漁業で55トンの海産物をとった人々を摘発し
た。彼らによる損害額は500万ルーブルに相当し、3割の不法漁業者
は弁償したが、残りの7割は失業者或いは低所得者層で弁償能力も無い
とのこと。
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◆コラムEYE 
   岡田外相・フリージャーナリストにも開放と明言:片山通夫
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 岡田外相が外務省の記者会見を「原則としてすべてのメディアに開放
する」と述べたという記事が毎日新聞に掲載された。事実なら朗報であ
る。以前、長野県知事だった田中康夫衆議院議員が、「脱記者クラブ」
宣言をして、一般の雑誌やフリージャーナリストにも記者会見へのアク
セスを可能にしたことがあった。

 現在、一般的には官公庁に「記者クラブ」というものが存在する。
「記者クラブ」の功罪に関しては論じられ尽くしているようなのでここ
では割愛したい。ただ外国から見れば「閉鎖的で」信じられないような
組織だと見られていることだけは付け加えておきたい。このことは、日
本の民主主義が「排他的だ」という評価だ。

 先に、鳩山首相が、その就任会見で、ネットメディアなどが締め出し
たという批判が起こっていいる。政権発足初日から「公約破り」が行わ
れたというわけだ。
(参考:三室勇の「不定期ZUBORA」)
http://j-net.obei.jp/mimuro/2009/09/post-11.html

 その批判にこたえたわけではないだろうが、今回、外務省では岡田外
相の指示で「フリージャーナリスト」に対しても記者会見の場を提供す
るという。ちなみに外務省記者クラブは「霞クラブ 」という。
 記者クラブ崩壊への大きな一歩だと言える。

 記者クラブに関する弊害は次の点があげられる。

まず、先に上げた「閉鎖性、排他性」が第一だ。特定の加盟社がニュー
スを独占しながら、他方では、ほかのメディアの情報源へのアクセスを
拒んで、情報を独占。

また、大きな問題だが、ニュース・ソースとの癒着、談合の危険がある
。これは取材先の官庁などからの情報操作に結びつきかねない危険だ。

金太郎飴的報道に陥っている。「横並記事」が多く「問題を掘り下げた
記事が少ない」と読者は感じているのではと思う。

編集された情報、つまり大マスコミの恣意的な情報操作に陥いる危険が
ある。
数多あるニュースを取捨選択して、当事者(=マスコミやそれへの情報
提供者である官公庁など)の都合の良いニュースだけを掲載するという
危険がある。
 
 このように記者クラブの弊害がなくなる可能性を秘めたこのニュース
は歓迎できるニュースだ。今後の成り行きを見つめるとともに、ジャー
ナリスト・ネットでも参加する時期が来ているのではないかと考える必
要がある。この措置が、先に述べた「鳩山首相就任記者会見のフリージ
ャーナリスト締め出し」への回答だったと思いたい。批判はネット上で
は殺到していたのだから...。
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◆[編集長から]              片山通夫
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 ようやく秋色が濃くなって来ました。暑さに弱い筆者も朝夕は元気い
っぱいです。元気いっぱいと言えば、発足なった鳩山内閣。マニフェス
トに書かれた公約を実行に移さんと元気いっぱいのようです。
 
 中でも興味を引くのは、岡田外務相の日米間に横たわる闇の部分の解
明。自民党政治の垢を落とさんと意気込んでいる。
 核密約、沖縄密約などの問題だ。期限を切っての解明と言うから期待
できる。

 一方の自民党は総裁選真っ最中。「健全な野党」になれるか、それと
も変わらぬ密室政治を目指すのか、ここが正念場だ。
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発行     2009年9月22日   No.401
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
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