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タイトル:609studio No.396◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/08/18


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/8/18  No.396
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年8月14日号

◆コラム・EYE「居酒屋談義」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに…。
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◆本澤二郎の「日本の風景
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<鋭い韓英メディア>
 ずいぶん前のことだが、日本に滞在したことのある中国人が、当局に
よる汚職犯罪関係者への逮捕・家宅捜査の場面が、即座にテレビ報道さ
れている姿に驚いていた。実際は、大物政治家や財閥の本丸には手が届
かないようになっているのだが、そうした事情は外国人にはわからない
。多くの日本人は自由闊達なマスコミだと信じ込んでいるが、肝心要の
部分では不可能に近い。
 先般のテレビ出演でも人権保障の日本、そうでない中国、選挙のある
日本、ない中国ということを声高にわめく日本人出演者には辟易してし
まったが、彼らは日本にも人権は確立しているなどと胸を張れる状況に
はないことを知らないらしい。真に公正な選挙が実施されているのかと
いうと、そうではないという事実に無知なのである。
 海外メディアに比べると、日本のそれは明らかに劣る。韓国の新聞電
子版を昨夜、のぞいてみて大いに感心させられた。

<つくる会―松下政経塾・PHP>

 筆者は右翼的言動が目立つ松下幸之助が立ち上げた松下政経塾議員に
ついて、政治専門家としてそれなりに関心を持って眺めてきた。一度、
侵略戦争を美化・肯定するような発言をする自民党女性議員とのインタ
ビューで、それを確実に理解した。そして、同じような議員が民主党に
たくさんいることを知った。取材してみて松下政経塾の独特の教育は、
若者に反共・偏狭民族主義を叩き込んでいることに驚愕してしまった。
 会社の後輩にも新聞記者を辞めて政経塾に入り、現在、地方議員をし
ているものもいる。名古屋市長をしている河村たかしにも教えてもらっ
た。当初は彼も、政経塾出身議員との交流があったからである。おおむ
ね政経塾の正体をつかむことができた。国民の代表にふさわしいのかと
いうと、悲しいかなNOである。日本国憲法を全く理解していない極右グ
ループだからである。
 しかし、マスコミは松下関係の広告を大量に載せている。スポンサー
の悪口は書けない。その資金力で言論を封じ、仲間を取り込んできてい
る。その中枢がPHP研究所を名乗る出版社であることも確認できた。
ここから自民・民主両党の議員に指令が出ているという構図を分析した。
 だが、政経塾と歪曲歴史教科書グループである「新しい歴史教科書を
つくる会」との深い結びつきなど知る由もなかった。ここを韓国・中央
日報電子版はしっかりとつかんでいたのである。

 「つくる会」を「極右勢力」と正しく報道していたのである。最近、
横浜市が東京・杉並区同様に「つくる会」の教科書採用を決めたことに
同電子版は「横浜の中田も杉並の山田も共に政経塾出身の右翼」と断じ
ている。政経塾首長による「右寄り教育委員の任命によって、つくる会
の教科書採用となった」と鋭く分析している。これは見事である。日本
マスコミが回避している点である。筆者も頷ける。

 東京都知事の石原も同じようなことをしている。教育委員に「つくる
会」支援者を紛れ込ませる手である。日本民主主義の危うい側面である。

 民主党の影の実力者・小沢一郎が郷土の先輩・原敬の墓前にかしずい
て「今の日本は戦前の昭和史に似ている」と喝破したというが、これが
本気の発言であれば、彼はまともな証拠である。その通りなのだから。
彼が政経塾をどう見ているのか。小沢変身が真実であれば、日本の将来
に少しは期待できるかもしれない。

<沈む英国・沈む日本>

 韓国紙電子版は、英週刊誌「ニューズウィーク」8月17日号の「小
さな英国」論を紹介している。英国メディアは勇気がある。イラク戦争
を強行したブッシュとブレアを、「戦争犯罪者」と弾劾する著名人の言
動を報道している。
 さて同誌の論調は、金融危機で沈没した金融都市・ロンドンを容赦な
く分析している。日本は中曽根バブルさえ分析を逃げているが、さすが
は英国である。「偉大な英国さようなら」と現状を正しく伝えている。
そこには誇張するというような姿勢はみられない。夢と期待の消えた英
国と分析している。
 「もはや世界の舞台での役割を見直すしかない」「ブレア時代は軍事
介入をして、まるで米国の51番目の州になった」「たとえ保守党にな
っても、英国の墜落を止めることはできないだろう」などと決めつけて
いる。
 書き手は著名人のコメント、それは「英国は沈む国だ」で結んでいる。

 ところで、これは英国だけのことだろうか。NOである。日本のことで
もある。日本も確実に沈んでいる。先が見えないのは英国と同様なので
ある。それはアメリカにもいえよう。日本ではそれでも「昇る太陽」と
いうまやかしの本が、最近まで店頭に並んでいた。
 中曽根バブル・小泉偽装改革を経て日本丸は難破してしまった。それ
でいて麻生は3年後に景気は回復する、成長戦略などというヒトラー並
みに同じ言葉を繰り返し叫び、それをマスコミ、特にテレビが放映して
いる。
 頼りのアメリカも苦闘の時代に突入してしまった。日本製品を買える
金のないアメリカである。EUもこけてしまった。残るは中国だけだ。そ
の中国もまた、日本とアメリカへの輸出に頼り切っているのである。
<舵を切れ>

 日本は自立するしか道はないのである。アメリカの51州では生きて
いけない。わかりきっていることである。東アジア共同体という新たな
展望を切り開く先導役になるのである。そのためには外交の舵を切るし
かない。東アジアとの連帯である。
 永世中立国になればいい。日本国憲法の指し示す方向である。アジア
版スイスである。隣国との信頼確保確立への唯一の手段である。近隣国
・アジアは歓迎するだろう。ワシントンもオバマなら理解を示すだろう
。アメリカとも平和友好条約を結べばいい。不要・形骸化する安保条約
にもケリをつけられるだろう。
 日本の活躍・活動の舞台は東アジアからである。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年8月14日号
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医療協力調印

 さる11日、ユジノサハリンスク市でサハリン州立病院と韓国のハ
ンヤン大学付属病院が国際協力協定を調印した。ハンヤン大學側はサ
ハリンに約3万人の同胞がいるために協力がより意味深いと前置きし
ながら今後の相互交流活動が両国民の健康増進に役立って欲しいと述
べた。

ロシア連邦議長來島

 さる11日、ロシア連邦会議長のエス・ミロノフ議長がサハリンと
クリル列島の社会経済発展実態を調べるために來島した。到着して直
ぐクリルを訪れた後、ユジノサハリンスク市政府関係者と企業家らと
実務会談を行い、重要な建築現場の視察した。

支援物資拒否を日本に伝達

 ロシア外務省によるとさる7日、ロシア連邦外務省はクリルスクと
ユジノクリルスク地域への日本の支援物資を断るとモスクワの日本大
使館に正式に知らせた。ロシア外務省は1994年の地震以降南部ク
リル島を持続的に助けてきた日本側に謝意を表わした後、今後は必要
ないと説明したとのこと。

水産博覧会開催

 来る9月29〜10月1日までユジノサハリンスク市でサハリンエ
キスポセンター主催で水産博覧会が開かれる。サハリンの根幹産業の
一つである水産業の発展のために先端技術導入や地域間交流の場を作
るために開催される。

7.5千平方メートルの住宅完成

 サハリン州は今年上半期に7万5千平方メートルの住宅を完成し、
目標の110%の成果を成し遂げた。州政府は2006〜2015年
までの住宅発展策の一環として今年は約17億ルーブルの予算を投資
を割当てている。来年は20万平方メートルの住宅を建設する予定。

スイカとウリの行商は不法

 ユジノサハリンスク市政府は今年、衛生上の問題で夏の果物スイカ
とウリの行商を禁止した。しかし、今も不法で道端で無許可の販売し
ている人たちがいる。彼らの多くは不法滞在者の外国人で今後は5万
ルーブル以上の罰金に処される。

北クリルへ石炭運搬

 今年の冬季暖房季節準備として北クリルに石炭6千トンが運ばれた
。石炭運搬計画は100%計画通り実践されており、今後、ディーゼ
ル燃料の供給のみが残っている。現在1500トンのディゼル燃料が
運ばれたが400トン必要とのこと。

韓国から医療奉仕団來島

 11日、サハリン韓人文化センターで韓国のハンヤン大学付属病院
の国際医療奉仕団(医師、看護婦、薬剤師など)27人が午前9時半
から夕方5時まで医療奉仕を行った。同胞やロシア人を含め300人
の市民が医療相談や診察を受け、薬も貰った。団長の金・テスン教授
によると、同奉仕団は23年前から医療奉仕を行っており、海外での
奉仕活動はラオス、モンゴルに続いてサハリンが3回目だと言う。

海洋国境守備隊親善試合

 さる6日、ユジノサハリンスク市のスパルタクス競技場で、韓・ロ
共同訓練のためにコルサコフ港に入港した韓国の海洋警察団とロシア
連邦国境守備隊とで親善サッカ試合が開かれた。6対1でロシア側が
勝利。

韓国赤十字社青少年奉仕団サハリンへ

 韓国赤十字社傘下青少年奉仕団の大学生29人が今月7〜17日ま
でサハリンで奉仕活動を行っている。学生たちは韓人歴史を勉強しな
がら、学校の修理、韓人老人会館で慰問公演など多様な活動を行って
いる。
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セコリョ新聞日本語版バックナンバー
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◆コラム・EYE「居酒屋談義」:片山通夫
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 おなじみの馬鹿馬鹿しいお噂を・・・。
 この世界に生きる我々同様と言う、つまり長屋に住む熊さんや八っあ
んもこの度の総選挙に関しては無関心でいられないようで。

「しかし何だよな、今度ばかりは世の中変わっちゃうんでないかい?」
と熊さん。
「ホントかね?世間じゃなんだか言ってるけど・・・」
熊さんが八っあんと仕事帰りに一杯呑みながら居酒屋談義を始めた。
「なんてったってさ、ここ(東京)じゃ政権与党の公明党の親分が別嬪
の刺客に刺されるって大騒ぎだぜ」と熊さん。
「そんなこと起るかい。なんてったって、あの党はがっちりした組織を
持ってるんだから」
「イヤイヤ、それが証拠にご本人はべったり選挙区に張りついてるって
話だよ」
「そりゃ、てぇへんだ。先の都議選とはわけが違うって寸法か」
「何しろ、自民党支持者の中には創価学会嫌いてのがゴロゴロだってよ
。だからあんまりあてに出来ねえんだとさ」
「へえ。それじゃ、政権与党の間でもひびが入っちまう」
 こんなことを話していたら、カウンターの隣にいた年配の男性が声を
かけてきた。
「面白い話をしましょうかね。まあ、一杯お付き合いくださいよ」
「へえ、こりゃどうも」と八っあん。
「いや、あなた方のこの選挙の話は面白いところを見てなさる。私の国
の話も面白いですよ」
「お国はどちらで?」
「加賀百万石の御城下、石川です」
「へ!加賀百万石?」キョトンと熊さん。
「いやいや、その郊外の小松市なんですよ。そこに自民党のオーモノ面
した元首相がでんと構えてるんですがね。昨年の参議院選の『姫のトラ
退治』みたいなことになってるんですよ」
「おー、その話、聞いたことありますぜ。何でも名古屋の市長さんの秘
書やっていたって別嬪でやんしょ?」
「おい、熊公。おめえって奴は別嬪だとしっかり覚えてるんだな」
「あたりめえよ。週刊誌やテレビが張り付いてるって話よ」
「よく知っていなさる。そうなんですよ。何でも『姫の熊退治』だそう
で」
「へっ。トラから熊かい。おい熊公、おめえも姫に刺されたらどーだい」
「余計なお世話だ。しかし世の中、大変なことになってるんで」
ひと息ついて、今度は熊公が「旦那。おひとついかがです」
「これはこれは。頂きましょう。ところでお二人はどう思われますかな。
今度の選挙で政権交代は起りますかな」
「そんなこと言われたって、あっしらにゃ学があるわけでなし、分かり
やせんよ。旦那」と熊さん。
「でもネエ、旦那。いっぺんここらで変わってみても良いんじゃないか
なって気はしますぜ。そりゃ、誰だってはじめは頼りねえもんだが、そ
のうち何とかなるって」と八っあん。
「時々入れ代りゃ、世の中良くなると言うもんだ。なあ、熊公」
「そうだってよ。今度のマニフェストって奴には、とんでもなく世の中
良くなるようなことばかり書いてあるって話だからよ」
「いやいや、お二人には恐れ入りましたよ。こういってはなんだが、我
々、名もない市民は今度の選挙というチャンスを最大限に活かしてよい
世の中になるよう、政党に約束させなければなりませんな」
「そうともナ、ハチ公。俺たちゃ主権者って奴なんだ。しっかり見極め
なきゃ」

「ところで、旦那。麻生首相がこの前、どっかで『負けっぷり良くせな
いかん』って言ったって言うんですが、どういうことなんでしょうね」
「何言ってんだ、熊公。はなっから負けるつもりなんだろうさ。ねえ、
旦那」
「あのお人の言われることは良く分かりませんな。まさか、負けるつも
りではないでしょうが」

 真夏の夜の居酒屋談義は尽きることがないようで・・・。
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◆[編集長から]              片山通夫
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 総選挙が告示された。いよいよである。自民党が政権の座を死守でき
るか?それとも…。

 各地の情報を集めてみると、圧倒的とまでは言わないが、民主党の評
判が高いようだ。今週号の週刊誌などは軒並み「自民党全滅か?」と言
うような論調だ。

 小泉チルドレンは無論のこと、武部元幹事長、朦朧会見の中川前財務
相をはじめ、森元首相など大物と言われている人たちの苦戦が伝えられ
ている。中には「当確」ならぬ「落確」と太鼓判を押された?人も。

 はてさて、日本の政治に地殻変動は起こるのか。じっくりと各党の公
約を読んで考える時間を持とうではないか。
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発行     2009年8月18日   No.396
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
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