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タイトル:609studio No.394 ◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/08/04


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/8/4  No.394
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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◆現代時評:今週は休載です

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年7月31日号

◆コラム・EYE 09年の肖像:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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<気象異変>
 地球の温暖化をどれほどの為政者が心配しているであろうか。気象異
変・気候変動が人類にとっての不安材料である。実際問題、多くの人民
も為政者も日々の経済・生活に追いまくられている。環境を破壊してい
る経済人たちは、相変わらず不利になると考えているさまざまな環境規
制に反対して、政治や行政に圧力をかけている。

 オバマ政権が誕生して、企業代表のブッシュ政権が消滅すると、環境
問題の専門家は喜んだものだが、現実には新政権も自国経済の処理に頭
を痛めて、その解決の目途さえ立っていない。中東での戦争や軋轢に汲
々としている。多かれ少なかれ各国の為政者にとって、環境問題は優先
順位の低いものとなっている。

 それは日本でも同様である。ようやく環境庁から環境省になったもの
の、その格付けは政府部内では財政や金融・経済担当のそれに比べると
低い。麻生内閣では連立相手の公明党のポストでしかない。9月に誕生
する新政権はどうなのか。目下、与野党は「子供手当」論の財源で言い
争っている。人間生活の基盤である水・空気が汚染され、食料確保が困
難になりつつある地球環境に目を向けようとしていない。「1年以内に
電気自動車に切り替えよう」というぐらいの発想さえない。公害企業を
なくそうとする政策がないのだ。そのためには経済活動が低下しても、
命を守るために仕方がないのだが、政治家はだれ一人口にしない。こぞ
って地球温暖化に向けて突っ走っている。
 異常気象が、今の日本にも明白に警告を発しているというのに、であ
る。麻生内閣のいう「日本を守る」という意味は、つくられた脅威であ
る隣国から、軍事力で日本を守るということらしい。人間を守ることで
はない。お笑いの世界である。日本国総理大臣には、何もわかっていな
いのである。

<農業に打撃>

 ここにきて日照時間が著しく少ないことが、少しだけ報道されてきて
いる。気象庁の能力の限界を露呈している。夏の太陽が降り注いでくれ
ないのだ。過去にも経験した記憶があるが、その深刻さがまるでわかっ
ていない。

 野菜や穀物・果物の生産に影響を与えている。食料危機が起きるかも
しれない。日本だけならまだしも、これが地球規模で起きたら人類は消
滅するのであろう。他方で「10年後に日本人の所得を100万円増や
す」という自民党の政策には驚かされるばかりだ。脳神経外科医に診察
してもらってはどうか。
 早くも農産品の値上がりが始まっている。便乗組も目立つ。家庭の主
婦なら、この異常気象・気候変動がわかっているだろう。行政官も政治
家もわかっていないが、家計を預かっているものは彼らと違う。
 今年の米の生産はどうなるのか。農水省の担当官であれば真っ青にな
っているはずである。中には「在庫米を吐きだせる機会になる」と喜ぶ
ものもいるだろうが、気候変動が1年で終わってくれるという保障は全
くない。

<竜巻が日本でも>

 昨夜「トルネード」というドイツ映画を見た。巨大な竜巻というと、
アメリカの専売特許とみられてきたが、それがドイツを襲うという政治
家や役人に警鐘を鳴らす作品である。
 アメリカでの多発もまた気候変動によるものである。それが世界のい
たるところで発生するかもしれない。日本でも過去に何度か経験してい
るが、筆者ですら今年は2回も発生したことを確認している。人間だけ
でなく、家や車を空中高く巻き上げるすさまじい竜巻についての気象庁
の対応はにぶい。竜巻警報など出せないらしい。被害が起きても、しば
らくは「突風」でごまかしている。
 これからは日本でも、この「トルネード」が発生するのかもしれない
。寒気と暖気が交差して積乱雲が発生するという気象状況は、この日本
でも、世界のいたるところで起きるかもしれない。地球温暖化に走る人
間への警告の一つとして認識すべきであろう。

<科学も無力>

 アメリカでの竜巻を見ていると、それに全く無力な人間を思い知らさ
れるだけである。人類を消滅させる核兵器を大量に保有している科学の
国でも、この竜巻に手も足もでないのである。
 自然の猛威に無力なのである。抑止力がないのだ。そうだとすれば、
気象異変を引き起こしている地球環境を元の状態に戻すしか方法はない
だろう。温暖化の根っこを断つしかない。先進国の優雅な生活を落とす
のである。低炭素社会にすればいい。これは決断すれば可能である。G8
、G20、国連の任務であろう。各国為政者全ての責任と義務なのである。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年7月31日号
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ニブフ文字創造30周年

 8月9日全世界少数民族の日を迎え、サハリンはノグリキでニブフ文
字創造30周年を記念する催しを行う。ニブフ出身の有名な作家ウラジ
ミル・サンキさんがニブフの言語を文字で表して30周年。少数民族の
多くが住んでいる各地から民族代表芸術団が参加して祝賀公演を行う他
、ニブフ民族の伝統料理や工芸教室、展示会なども開く予定。2002
年の人口調査によると、サハリン州北方少数民族人口は3,271人。
その中でニブフ族2,450人で最も多く、ヴィルタ298人、オロチ
42人、ナナイツ150人である。

住民収入9%増加

 28日、極東地域大統領代表ヴェ・イシャエフさんは極東地域の経済
状況が他地域に比べ良好であると伝えた。過去半年間、極東地域全体に
おける失業者数は昨年同期に比べ26%増加したにも拘らず住民の収入
も増加し、サハリン州の場合9%増加した。

新学期準備に万全

 27日、ユジノサハリンスクのア・ロブキン市長が市内の学校を回っ
て新学期準備状況を調べた。市政府広報センターによると、市政府は学
校の修理予算を昨年の3倍増やしており、8月15日まで市内全体学校
が修理を終えるようの指示されている。

国際青年スポーツ大会

 8月1―5日までユジノサハリンスク市児童スポーツ学校で第3回国
際青年スポーツ大会が開かれる。日本、フランス、モンゴル、韓国、キ
ルギスタンなどの海外の他、チタ、サマラ、イルクーツク、ハバロフス
クなど国内からも参加する。

電話詐欺被害額200万ルーブル

 今年に入って29件の電話詐欺事件があった。「息子が交通事故を起
こし人が死んだ」などの嘘を言って、相手を混乱に陥れた後、送金を要
求する詐欺手法で、ユジノサハリンスク市住民らの被害額は総200万
ルーブル以上。警察はこのような電話を受けたら直ぐ警察に知らせ確認
を取るようにと住民たちに呼びかけている。

元警察官が犯人

 さる18日の昼4時頃、ユジノサハリンスク市ミーラ通り住宅街の歩
道で交通事故が置き2人の青年が即死した。運転手は元警察官で昼から
酒を飲んでハンドル操作を誤り歩道に入ったが、丁度ウラジオストクか
ら夏休みを利用してサハリンで働いていた二人の青年が車にひかれて即
死した。

公園内鉄道55周年

 1954年ユジノサハリンスク市ガガーリン公園内に2Kmの子供鉄
道が敷設されて今年で55年。鉄道学校の生徒らの運転練習用にも使わ
れてきた同鉄道の延べ利用客数は180万人。サハリンではこの列車に
乗ったことのない子供はいないはず。

一世らの遠足

 さる25日、ユジノサハリンスク市31号学校の広場に150人余り
の韓人一世が集まり、歌と踊り、ゲームなどで健康的で楽しい一日を過
ごした。毎年夏、ユジノサハリンスク市韓人会が主催している同行事。
今年は韓国ホンイク大學から奉仕活動のために来ている20人余りの大
学生が参加し年寄りを一層楽しくさせた。

27人被害者追悼碑掃除

 26日、サハリンのカレイスキクラブの若い団員らがポジャルスコエ
村(旧瑞穂村)にある27人韓人被害者碑を訪ね、掃除と法事を行った。
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セコリョ新聞日本語版バックナンバー
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆コラム・EYE 「アイヌ民族考」:片山通夫
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 アイヌ民族を我が国の先住民として認定し、政策を確実に推進してい
くための新たな立法措置を、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識
者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)が求めた。松浦武四郎の
例を引くまでもなく、先住民として北海道などに、アイヌ民族は住んで
いた。

▲それを正面から認めることができなかった我が国の政策が、一部政治
家の「単一民族」発言につながった。また、アイヌ民族に対する「同化
政策」にも拍車がかかったのではないか。ある意味では、この同化政策
は「民族抹殺」である。

▲アイヌ民族は千島列島、サハリン、そして北海道、東北などに先住し
ていた。この歴史的事実は、動かしがたい。間宮林蔵、松浦武四郎、そ
して松前藩とその下で働いていた商人たち。史実はたくさんある。たと
えば、松前藩は、当時「蝦夷地」と呼ばれていた北海道で、アイヌ民族
を働かせていた。江戸時代、米の出来高が、その藩の財力だった。たと
えば、加賀百万石などの「石」は米を計量する単位だ。しかし、極寒の
「蝦夷地」では当時米を作ることができなかった。米に代わるものが、
アイヌとの独占交易権だった。

▲そのアイヌ民族を今更「先住民」として認めるというのは、一歩前進
ではあろうが遅すぎる。筆者は、所謂北方領土問題に関して、次のよう
な考えを持っている。所謂北方領土問題を解決するための一つの方法を
思っていただきたいのだが、この島々を「先住民であるアイヌ民族に返
還する」という方法である。

▲我が国はむろん、ロシアにも「アイヌ民族に返還」するよう、持ちか
けるのだ。そのうえで、国連など国際世論に「先住民族の権利を回復す
るための措置」だと訴える。ロシアもこの案に同意すれば、北方領土は
、アイヌ民族に帰属する。帰属したうえで、日露両国でこの島々を借り
受けるのは如何か。つまり、お金を払ってアイヌ民族はむろん、日ロ両
国民の混住の地とするわけだ。

▲そんなことをすれば「北海道も返せ」と言われるぞと言う声が聞こえ
て来そうだ。それはその時の話し合いで考えればいいのではないか。い
ずれにしても「蝦夷地」だった北海道は、彼らが自由に生きてきた土地
であり、われわれ和人は新参者なのだから。そんなことに欲を出さない
で、疲弊した我が国の現状に目を向けて「限界集落」だの、「過疎地」
、「シャッター街」という言葉を「死語」にしたいものだ。

【参考・先住民族と土地の権利】
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2522
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◆[編集長から]              片山通夫
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 各党のマニフェストが発表されて、やっと比べることができるように
なった。ここでじっくり、各党のマニフェストを研究しなければならな
い。
 暑い夏休み。マニフェストを研究する時間を持ちたいもの。こんな時
決して、テレビや新聞などマスコミの「マニフェスト比較論争」を参考
にしないことが肝要だ。

 国民の義務として「自分の眼で確かめる」ことをお勧めしたい。
安易なコメンテーターの言動に惑わされることなく。

 では、ご健闘を祈りたい。筆者も頑張る。
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発行     2009年8月4日   No.394
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
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