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タイトル:609studio No.392◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/07/21


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/07/21  No.392
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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◆現代時評:今週は休載です

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年7月17日号

◆コラム・EYE 09年の肖像:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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<社民党の重大責任>

 7月21日に解散の号砲が鳴る。随分と待たされた総選挙だ。安倍と
福田が恐れを抱いて逃げまくり、選挙管理内閣のはずの麻生内閣も引き
ずってここまで来た。そんな麻生を降ろして、という小泉に近い自民党
議員には正直なところうんざり、である。国民の代表という自覚がわず
かでも残っているのであれば「堂々とまな板のコイになれ」といいたい
。この間の失政の張本人である小泉や竹中は、敵前逃亡よろしくバッジ
をはずすことになる。これだけでも自民党に勝ち目はない。
 そこで9月に誕生するであろう民主党中心の連立政権だが、特に社民
党の重大責任を指摘しておきたい。それは「公明党の二の舞になるな」
ということである。ご存知、公明党は立党の原点を忘れて、ブッシュ政
権の石油略奪のための侵略戦争に加担した。この汚点を消し去ることは
できない。小泉を抑制するどころか、進んで自衛隊の海外派兵に突っ込
んでしまった。いまだ反省の声を聞かない。社民党は断じて公明党にな
ってはならない。その覚悟での連立参加であるべきだろう。日本はいか
なる事由をもってしても戦争に加担してはならない。野中広務の言うと
おりである。

<共産党の対応>

 共産党の新戦略に期待したい。従来からの、落選を前提にした無意味
な、無謀な候補擁立に一定の歯止めをかけるという。「自公体制を崩せ
」という世論に配慮したものだ。これが政権交代に大きく貢献すること
になろう。
 新政権はよりましな政権である。オバマ政権ほどではないが、いい政
策については、積極的に支持していくという。これも画期的な対応であ
る。国民がようやく覚醒した政権交代の流れに棹差すもので評価したい。
 筆者は社民党と共産党が共に提携して第3極を形成することが、日本
政治の安定に不可欠であると訴えてきた。それは、戦前からこの国に潜
む右翼バネに対抗できるとの認識からである。さらに、そのことがアジ
アの平和と安定に貢献できることにもなる。重要な成果を約束できるだ
ろう。
 日本の将来は東アジアとの連携を抜きに、明るさを確保することは不
可能である。両党の存在意義はここにあるし、そうした実績を積み上げ
ることでしか政権中枢を主導する場面が訪れることはないだろう。
 昔、共産党にも造詣の深い宇都宮徳馬に「どうして共産党は伸びない
のか」と尋ねたことがある。彼は「党名を変えるしかない」と断言した
。両党が新党を立ち上げるよう期待したい。
<地方分権と自治体>
 自民党の体たらくは他方で、地方分権のうねりを醸し出している。地
方自治・住民自治は憲法が強く期待しているところである。いまどきの
中央集権体制は時代錯誤だ。目下、財源の地方への委譲に関係者の関心
が移っているが、これは正しくない。地方自治にはすべからく重大な責
任を伴うものである。その覚悟、知恵と能力が備わっていなければ、そ
れこそ中央からの腐敗の地方化でしかない。
 中央ほどではないが、今の地方自治体もかなり腐って異臭を放ってい
る。これにけりをつけることが、何よりも先決なのだ。今回の都議会選
挙の石原与党の敗北は、石原腐敗都政への都民の反発なのである。多か
れ少なかれ伏魔殿のような地方自治体の大掃除が、まず先行することが
肝要である。
 たとえば民主党議員からの転出した首長にしても、その座を占めた途
端、方針を右に代えてしまっているものが目立つ。埼玉県知事などは石
原亜流とみられている。最近まで市民派知事といわれてきた千葉県知事
も狂ってしまったケースである。

<大阪府知事に学べ>

 この機会にあえて「大阪府知事の橋下を見習え」と訴えたい。この若
い知事は、勇気と改革の情熱が、ほかの首長と全く異なる。自身の蓄財
に無関心だし、不正を憎んでいる。高給を食んでいる役人に厳正な対応
・是正を求めている。こんな知事は従来の日本にいなかった。テレビば
かりに出て仕事をしない漫才知事とは天地の差がある。
 「税金を、ただ役人の無駄にぼったくられるだけでいいものか」とい
う庶民的怒りが、彼の知事選に出た動機だったらしい。世の中の資産家
は、あれこれ政治力を行使して脱税に励んでいる。善良な人間はせっせ
と納税するが、それらは大半が役人の無駄金となって消えてゆく。これ
が悲しい日本の自治体財政に付きまとう内情である。
 霞が関を見習っているだけである。ここに大きな金が流れるとどうな
るか、火を見るより明らかだろう。

<自民は官僚・民主は官公労>

 日本の大きながん細胞は、悲しいことに役人天国にある。官僚に抱き
かかえられてきた自民党は、霞が関に改革のメスを入れることはできな
い。今回、民主党はその官僚にメスを入れると張り切っている。成功す
るのかどうか。重大な監視をしていく必要があろう。
 かつて一般の役人は、官公労という役人の労働組合が社会党と一体化
して、高給を手にしてきて今日がある。豊かな時代はそれでよかったが
、いまの日本は沈没している。彼らは社会党が解体すると、今度は民主
党の懐に潜り込んで、したたかにも役人天国の一翼を担っている。財政
破たんの元凶でもある。
 独裁者を待つしか、この悪政のがん摘出は困難なのか。新政権の最大
の課題なのである。あえて指摘しておきたい。
2009年7月19日20時15分記
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年7月17日号
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韓国企業、サハリン州に投資

 先日掲載したようにさる9日、サハリン州政府と韓国の韓・ロ経済協
力研究院がサハリン州への投資協定を結んだ。韓・ロ経済研究院の李・
インソク院長によると、同研究院は李・ミョンバク大統領就任後韓国政
府がロシアへの安全かつ効果的投資のために設立したもので、現在はサ
ハリンを含めハバロフスク、プリモリエ、サハ共和国などの研究に力を
入れている。サハリン州においてはエネルギ産業と水産業、建築業に注
目している。

反日デモ

 さる10日、ユジノサハリンスク市チェーホフセンター前の広場に7
00人余りの市民が集まった中で日本のクリル政策に抗議・反対する集
会が開かれた。集会参加者らは領土問題に対するロシア連邦政府の立場
を支持すると共に国境線を変更しようとする日本を理解できないと訴え
た。集会ではサハリン住民の名義でロシア領土を守るとの決議文を満場
一致で採択した。

低所得層支援政策

 14日、サハリン州住民社会保護管理局会議で2008−2010年
までの低所得住民らに対する支援策を巡っての審議が行われた。当局に
よると、2009年度低所得層支援予算は1億6700万ルーブルに達
しており、今年上半期計画は100%実行され、2万1千人の住民が支
援を受けた。

14人の韓国語教師輩出

 10日、サハリン州国立大学経済及び東洋学部の卒業式があった。同
日、韓国語科の卒業生は14人、皆が韓国語教師の資格を得た。14人
のうち2人が赤色の卒業証書(最優秀生に与える学士証書)を貰った。

来年2万5千人の外国労働者雇用

 サハリン州政府プレスによると、9日サハリン州外国労働者利用問題
担当特別委員会は来年2万5千人の外国労働者を受け入れることにし、
その決定書をロシア連邦保健社会発展省に提出することを決めた。2万
5千のうち、約1万人はビザ無しで入国するとのこと。

対外貿易額30億以上

 税関資料によると、今年上半期サハリン州の対外貿易額は30億50
0万ドルで輸入12%、輸出88%で貨物量は約734万トン。対外貿
易1位は日本(12億2400万ドル)、その次は韓国(10億320
0万ドル)で3位中国(3億7千ドル)4位米国(1億2800万ドル
)5位英国(6000万ドル)の順。主な輸出品は石油(87.6%)
、ガス(6.4%)、石炭(3.4%)、海産物(0.6%)の順。主
な輸入品は金属製品(8140万ドル)、化学製品(2160万ドル)
、鉱物(1060万ドル)、織物や繊維製品と履物(390万ドル)な
どで総額3億6500万ドル。

今年のインフレ率8%

 サハリン州統計局によると、今年に入ってから半年間、サハリン州の
インフレ率は8%。食料品8.4%、工業品6.5%、サービス料9.
3%が引上げられた。特に芋や野菜の缶詰、砂糖、マカロニ、漁製品は
11〜32%、肉類と卵は7.7%、文房具と宝石、衣類などは20%
以上、電子製品や燃料なども12%以上値上がりした。

サハリン州運営委員会会議

 11日、サハリン州韓人会運営委員会が定期会議を開き、永住帰国事
業の継続と残留韓人に対する補助金支払、サハリン地域に韓人のための
アパート建設などの要求書を採択、韓国と日本政府に提出することを決
めた。又、会議の最後にクリル島を昔からの日本領土と発言した日本の
国会議員の発言を批判・ロシアの領土であることを主張するサハリン住
民の立場に賛成するとの決議文を採択した。

夏のキャンプ運営

 サハリンスキ・カレイツクラブが7月13日から3週間、夏休みを利
用しての子供たちの野営キャンププログラムを実施する。初日、サハリ
ン韓人文化センター前の広場に30人余りの参加学生が集まり、開会式
を行った。参加者らは12人の先輩や先生らの指導の下で民族伝統をは
じめパソコン、写真撮影など多様な教育を受ける一方、ダンスやスポー
ツで体力を鍛える。
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セコリョ新聞日本語版バックナンバー
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆コラム・EYE 09年の肖像:片山通夫
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 筆者がインタビューしたさまざまなジャンルの人々の肖像。
http://j-net.obei.jp/katayama/cat49/
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◆[編集長から]              片山通夫
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  いよいよ総選挙。待たされましたね。ここにきて、自民党の支持率や
内閣の支持率は最低レベルまで落ちてしまった。
http://www.asahi.com/politics/update/0719/TKY200907190332.html
(朝日新聞の世論調査)

 首相は「反省と謝罪」表明するというが、遅きに失した感がある。し
かし今更首相を代えてもね。そこが麻生氏の狙い。

 さあ選挙だ。じっくりと各党のマニフェストを読もう。自民党は複数
出る可能性もあると言うが。
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発行     2009年7月21日   No.392
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
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