メルマガ:片山通夫のnewsletter「609studio」
タイトル:609studio No.391◆現代時評:「広島市長の憂鬱」  2009/07/14


─────────────────────────────────
【609 Studio 】メール・マガジン 2009/07/14  No.391
─────────────────────────────────
「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
─────────────────────────────────
              お知らせ

      サハリン州立美術館で日本の写真展を開いています。
   http://www.609studio.com/sakhalin0906Ex/japan/index.html

─────────────────────────────────
          609studio ウェブサイト   
         http://www.609studio.com/

       オリジナルプリント販売開始 詳細 
    http://www.609studio.com/html/originalprint/index.html


       DVD アリランの流れる島 詳細 
     http://www.609studio.com/html/news-3.html 

       ジャーナリスト・ネット ウェブサイト
        http://www.journalist-net.com/

          サハリン・韓国語新聞
     http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html

           ブログ 取材手帖
        http://j-net.obei.jp/katayama/

───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「広島市長の憂鬱」 ken

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年7月10日号

◆コラム・EYE「北方領土問題」:片山通夫

◆編集長から

─────────────────────────────────
◆現代時評:「広島市長の憂鬱」 ken
─────────────────────────────────
 ◆◆ 産経ニュース 2009.6.29 元航空幕僚長、田母神俊
雄氏を原爆記念日(8月6日)に広島市に招き開催予定の講演会につい
て、同市の秋葉忠利市長が、被爆者や遺族の悲しみを増す恐れがあると
して日程変更を29日、文書で要請した。主催者側は予定通り実施する
構えだが今後、憲法の「集会の自由」が脅かされ、「言論封殺」と批判
された"田母神事件"が再燃する恐れも出てきた。

◆◆ 読売オンライン 2009.7ー08 日米両政府は7日、米国
の「核の傘」を巡る両国の協議の場を初めて正式に設け、月内にも初会
合を開く方向で検討を始めた。 複数の日米関係筋が明らかにした。外
務、防衛両省と米国務省、国防総省の局次長・審議官級の枠組みとする
方向で、協議では、有事の際の核兵器の具体的な運用に関して日本側が
説明を受け、オバマ大統領が目指す大幅な核軍縮と核抑止の整合性など
を話し合う。日本に対する「核の傘」は、日米安全保障条約に基づき、
米国が保有する核兵器によって日本に対する第三国からの核攻撃を抑止
する仕組みだ。

■■ 「そうした日に、広島の地において、マスコミに注目され市民へ
の影響も大きい貴殿が「ヒロシマの平和を疑う」という演題で講演され
ることは、夜明け前から心静かに原爆死没者の慰霊を行う被爆者や肉親
を失った遺族の悲しみを、いやが上にも増す結果となりかねません。広
島における8月6日の意味は表現の自由と同様に重要なものと考えてい
ます。 つきましては、こうした事実に思いを致し、被爆者や原爆死没
者の遺族をはじめとした多くの広島市民の心情に御配慮をいただき、講
演の日程の変更を御検討いただければ幸いです。」

■■ 上記は6月29日付けで秋葉広島市長が田母神前航空幕僚長と日
本会議広島宛に発送した要請書の一節である。 文面は丁重、しかも要
領を得ていてボクなどは好感を持つ。 がしかし、これでも秋葉広島市
長の公権乱用であるとか中国・朝鮮寄りの思想であるとかの批判があち
こちから寄せられていて、はたして田母神氏の講演会が8月6日原爆の
日に実施されるかどうか、いまのところ予断を許さない。 秋葉市長と
しては、その日が来るまで憂鬱であろう。

■■ 周知の通り秋葉広島市長は以前から一貫して核廃絶を唱えており
、それは原爆の被害にあった広島市民の圧倒的支持を得て今日に至って
いる。 60年に及ぶ、そうした広島市民の核廃絶への悲願が毎年高潮
に達する8月6日の原爆忌に、その広島で核保有を訴えようとする田母
神氏の講演会というのはいくらナンでも過激すぎる。 「貴殿がいつ何
処で何を発言するかは当然の権利です」と言いながら、なお秋葉市長が
「ご遠慮願いたい」と頼むのは無理からぬことである。 それを一部の
過激な人たちは言論の自由の危機とまで極言する。 どちらが常識的で
温厚な言い分かは明らかだ。

■■ 田母神氏側は、「核廃絶を唱えるだけで平和は齎されない、はた
してこれで広島は安全か」と問いかける。 近隣の準敵国が核装備を増
強している段階でわが国だけが核兵器を持たないのでは国家の安全を期
しがたい。 西欧諸国並みに少なくとも米国の持込んでいる核兵器の米
軍との緊急時における共用(Nuclear Shearing)程度は自衛隊にも許さ
れるべきであると、田母神氏は主張する。

■■ 広島市長および広島市民が核の絶対廃絶を唱える心情は、とりわ
けボクのような戦中派にとってはじゅうぶん理解でき、賛同したい。だ
からといって 田母神氏および日本会議が、近隣無法国の暴発に対抗す
るためには抑止力としての核兵器を持つべきであるとの論も無理からぬ
ことと理解するに吝かではない。 ではさて、現実問題として秋葉市長
、田母神氏の両論のどちらに組するか。これは難しい。

■■ それを考えるための前提として、一つはっきりさせておくべきこ
とがある。 「核廃絶」と「核削減」の違いである。 先般プラハにお
いて米国オバマ大統領は「核廃絶へ具体的な目標を示す演説」をした。
 だが米国は「核廃絶」ではなくて「核削減」の約束をロシア大統領と
同じ週に交わしている。廃絶と削減ではあまりにも開きが大きすぎる。
 「持つ」か「持たない」の違いには天と地の開きがある。

■■米国は北朝鮮に対して「核放棄」を強く慫慂し、日本もそれに追随
している。 米国の態度は「自分たちは核を持つが、北朝鮮には持つな
」というのだが、それでは北朝鮮が納得するはずはない。 我々が無法
のならず者国家と言っている北朝鮮にもそれなりの理屈があり、彼らは
「自分たちの核は核抑止力用である」と称していて、それにはじゅうぶ
ん筋が通っている。 先ず米国の核を廃絶してから、北朝鮮にもそれを
要求するのが筋道というものだ。 「自分は持つが、貴方は持つな」と
いうのでは理が通らない。

■■ わが日本が、米国という世界警察の核の傘により安全を守っても
らっているのは事実であり、米国に核廃絶などされたら即座に日本が困
る。 そうでなくても、ここ1.2年の中国、北朝鮮やイランなどの外
交態度が横柄なのは米国の世界警察としての箍(たが)が緩んでいるの
が原因であると言われている。 なるほど日本は核兵器を持たない。が
、とりあえず国際的に安全なのは米国の核の傘のもとにあるからである
。 同盟国米国の核の傘の元に居る限り北朝鮮も日本への攻撃を躊躇す
るだろう。その米国に核廃絶などされたら、わが国は危うい。 

■■ 今のところ万が一、金王朝が血迷って核弾頭付きミサイルを撃ち
込んできても、有効打は最初の1発だけで、後は米国製の核兵器によっ
て金王朝が消滅するという状況くらい解っているはずだから、彼らがそ
のような無鉄砲なことはしないと考えてほぼ間違い無い。

■■ もし北朝鮮の核ミサイルがわが国へ向けて発射されたら、最初の
1発は5分間で日本へ到着するのだから、こればかりは防止しようがな
い、いざぎよく一発は打たれる覚悟をしよう。 その最初の一発を恐れ
て、北朝鮮に核を放棄させようとする策略は、いたずらに北朝鮮の恐喝
外交を増長させるだけである。 それより、ひとたび核兵器を使用した
ら、それで北朝鮮という国は滅亡する、と彼らに思はせる方が、打たせ
ないための効果としては大きい。

■■ つまり我々日本のとるべき方策は、米国に世界警察の体面を維持
させることに努めるべきで、そのために米国は今後とも核兵器を保持す
る必要がある。 そして世界警察としての米国と同盟を結び、緊急のと
きに日本は米国の持つ核兵器を使用させてもらえばいいのであり、日本
独自の核兵器の保持など必要でない。 その意味において田母神氏のい
ま主張している「米軍との核兵器共用」論は正しく、それに気付いた日
本政府も遅蒔きながら有事の際の核兵器の具体的な運用に関して米国と
具体的討議に入った、と最近のニュースは報じる。

■■ いま米国に核廃絶を求めるということは、米国に世界警察として
の役割を辞退してくれということである。 米国が世界警察の役から降
りるのなら、その代替をどこか他の国に求めねばならぬ。なぜならこの
世界には無法者を志向する国がまだ多い。 そういった米国の代替がで
きそうな国は地球上では今のところ中国しかない。 もし中国が、鳩山
流の「友愛」だけで世界警察の役目を請け負ってくれればそれでもいい
。 しかしもし中国が世界警察の地位につけば、おそらくその横暴ぶり
は米国以上になるであろう。 どちらに世界警察の役目を頼むかとなれ
ば、ボクとしては米国に頼む方がいい。 世界警察の庇護さえあれば、
その警察が少々頼りなくても、今更わが国自身で核武装するよりより安
全である。

■■ 念のため再度言うならば、秋葉広島市長および広島市民たちの全
世界核廃棄への願いも方向として正しく、それはそれなりに日時をかけ
て推進すべきである。 また、米国が核保有する限り、北朝鮮に核廃絶
を求めても効果がないことを我々は覚悟する必要がある。 世界警察と
しての米国には核兵器を持ってもらい、北朝鮮の核開発には目を瞑るし
かない現状であることをわれわれはもっと深刻に知り、いたずらに妄動
すべきでない。
─────────────────────────────────
    ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中!!◎

 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店
    もしくは609studioでお求めください。
 
         四六判160頁 1600円(税別)
          ISBN4-89642-138-8 C0072

    未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html
    または    office@609studio.com

─────────────────────────────────  
◆本澤二郎の「日本の風景」 
───────────────────────────────── 
<臓器移植法改正案に反対>

 人の命と真正面から向き合わねばならない臓器移植法改正案が衆院で
なんなく可決、参院でもそそくさと処理されようとしている。何も欧米
方式が正しいわけではない。見習う必要などない。問題の本質をまだ国
民の多数は理解していない。臓器移植法そのものにも反対する議員も少
なくない。反対したい。一歩間違えると、家族も医師も殺人の汚名を着
るかもしれない。それでもいいのであろうか。第一、その判定をする能
力に問題はないのか、あるいは利害が命の判定を左右しないものか、と
いう危険性も大きい。
 先日、元国土庁事務次官経験者とおしゃべりしていると、彼は突然、
臓器移植法改正案について筆者の意見を求めてきた。「問題がありすぎ
る。慎重のうえにも慎重を期する必要がある」と答えた。筆者にこのこ
とを教えてくれた御仁は、医師である祖母に育てられた元自民党代議士
である。彼は現役時代、死刑廃止の議員連盟を立ち上げている。

<脳死は死と断定できない>

 現時点で、果たして「脳死は人の死」と断定できるのであろうか。こ
れの解明がまだ十分とはいえないだろう。脳そのものを科学は解明でき
てはいない。永遠に不可能と思われる。人知の及ばない分野ではないだ
ろうか。脳死を死と断定するのは不能かもしれない。そもそも脳死とは
なんなのか。医学者の間でも議論があるはずである。したがって、脳死
を死と判定する医師にもともとの困難さを伴っている。

<家族に判定できるのか>

 家族の了解があれば、臓器提供ができるというが、ごく普通の家族に
とってそんな大それた判断などできるわけがない。推進する多くの政治
家は、そうした場面、経験を身近にしていないから、安直に可能と考え
ているようだが、いざ当事者になると、そんな簡単なものではない。
 たとえ医師が「もうだめだ」と判断していても、家族はそれでも必死
で神に祈るような気持ちで奇跡を信じようとするものである。それが当
たり前の家族のきずなである。むろん、中にはそうでないものもいるだ
ろうが、そうした家族は数少ないだろう。
 臓器提供患者の年齢や病状とかさまざまな要素もからむ。家族は医療
に全くの無知だから、たとえ医師から脳死認定を受けても、ひたすら神
仏にも手を合わせるだろう。とても臓器提供などという判断など持ち合
わせることなど出来ない。不思議なことは、推進する議員グループの大
将は、元小児科医で、それでいて日本を戦争のできる憲法改悪に熱心と
いう老人である。とても「はいそうですか」とはならないだろう。
 要するに、推進する医師や政治家は、自ら不幸な家族体験をしていな
い面々ばかりのようだ。体験者の声をもっと聞く必要があろう。病院の
治療にただおろおろするだけの家族は、他方で医師のいいなりでもある
。ここにも危うい落とし穴、誤った判断をする危険性をはらんでいる。

<医師の判定も疑問>

 脳死を全ての医師に任せられるであろうか。筆者の体験からして、と
てもそうは思えない。医師にはピンからキリまでいるという事実を、息
子の仰天医療ミスで10年前に初めて知った。問題の医師はかなりいる
のである。
 筆者はそれまで医師を、えらい人だとハナから信じてきたアホな人間
だった。大学病院は最高の治療をしてくれるものとばかり信じてきた。
わけても東大医学部出身の医師は、最高の医師だと思い込んでいた。ま
さか、そんな環境のもとでの医療ミスなど想像さえできなかった。
 重大な過失はそこで発生した。CTもMRIも十二分に分析できなかった
医師だった。息子は頭痛でもって必死でもがいていたのだが、医師も看
護師も痛み止めの薬を飲ませるだけで、ベッドに放置していた。死の寸
前で緊急手術をしたが、もはや診断ミスとその後の過失看護によって植
物人間にさせられてしまった。
 犯罪的過失にもかかわらず担当した教授と助教授から謝罪はない。人
間性に欠ける医師は共に東大医学部出身である。こんな連中に脳死判定
をまかせられようか。NOである。こうした事例は、取材してみると年間
で推定数万人、最大4万人にも及んでいるという専門家の指摘もある。

<人間の命は地球より重い>

 前にも書いたが、人間一人の命は地球よりも重い。佐藤栄作の発言を
思い出す。最近知ったのだが、大平正芳が吉田茂を回顧する場面で同じ
言葉を使っている。ということは、吉田が頻繁に使用していたのかもし
れない。
 警察官僚だった亀井静香は、死刑廃止議員連盟で活躍しているが、彼
は冤罪を重大視している。罪のないものが死刑にされる、という現実で
ある。人間は過ちばかりして生きる動物である。不運が人を死に追い込
んでしまうものだ。裁判官・捜査官も間違いをする。だから死刑を廃止
すると訴えている。医師も過ちをする。脳死の判定をする資格のない医
師もいるのである。

<命が金になる?>

 問題はほかにもある。臓器移植には大金が動く。これに心を動かされ
る医療関係者がいないという保障はない。通常でも、金にまつわる医師
の犯罪はいくいらでもある。健康保険を詐取する医師はたくさんいる。
 ということは、人間の命が金によって測定されかねない。これほどの
不道徳もないだろう。医師を信じたいが、信じろという方に無理があろ
う。
 以上のような課題、問題が山積している臓器移植である。何億かけて
も亡くなる事例が少なくないではないか。時期尚早である。命を金で測
定することに、そもそも問題があるのである。経済・政治が介入するこ
とになる。
─────────────────────────────────  
◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年7月10日号
───────────────────────────────── 
日本の医療支援拒否

 さる6日、ア・ホロシャヴィンサハリン州知事が召集したクリル社会
経済問題会議で最近の日本国会議員のクリル島に関する発言を巡っての
議論がなされ、クリルに対する日本の医療支援の拒否とクリル島と日本
との無ビザ観光客交換を一時中止することを決めた。又、州国際対外経
済及び地域間交流委員会によると、10日夕方5時ユジノサハリンスク
市チェホフセンター前の広場で日本のクリル政策に反対する集会を開く
とのこと。

サハリン州失業率1.3%

 サハリン州就業管理局によると、7月1日現在、州内失業率は1.3
%で3−5月に比べ少々減少した。6日開かれた州政府会議で第1副知
事は労働市場の安定、中小企業支援に注力することを支持した。

洪水被害者らへ支援

 イエジナヤ・ロシア党サハリン支部党員らの呼掛けで先月大雨と強風
によって家の浸水などの被害を受けた住民らの募金活動があり、州政府
の職員らが一日分の給料を寄付した。募金はまずマカロフ地域の被害者
らに伝えられるとのこと。

デジタル放送に転換

 2015年からロシアのテレ・ラジオ放送がデジタル方式に転換する
。デジタル放送が始まるとデジタルTVを購入し視聴料を払わなければ
いけない。デジタル化するには1千270億ルーブルという巨額の予算
が必要であり、800億ルーブルは連邦政府が負担する。デジタル化は
2010年まず極東地域から始まり、それから南部地域、カフカス地域
へと拡大される。

インタビュー:世界韓人会長大会参加報告

 先日、6月23−26日間韓国で開催された世界韓人会長大会に参加
して帰国した朴・ヘリョン会長にインタビューした。
・大会でサハリン韓人問題に触れる機会があったか。
・勿論、我々の切迫な問題について話した。しかし、いつものように大
会参加者らは殆ど興味を示さなかった。
・韓国訪問の際、誰に会ったか。
・安山コヒャンマウルで李・ファス国会議員に偶然会った。李議員もサ
ハリン同胞支援のための特別法案を提出した。しかし、この法案は主に
既に永住帰国した人々を対象にしている。サハリン残留者に対する支援
が必要であると伝えた。そして、サハリンで李議員の法案を検討しその
結果を伝えると言った。

今年永住帰国希望者874人

 さる7日、サハリン州韓人離散家族会事務所に社会団体関係者が集ま
り、永住帰国対象者選定委員会議に参加して帰国した李・スジン離散家
族会会長の帰国報告があった。韓国赤十字社によると、今年の永住帰国
者予定者は874人(1世588人、2世249人)で年末まで600
人が先に永住帰国し、来年3月に2次団が全員永住帰国することになる
。そして、サハリン同胞永住帰国及び定着支援に関する特別法案の国会
承認を得るために関係者に協力を要請しており、又KIN(地球村同胞
連帯)など韓国の民間団体が今年の8月末に同法案を支援するための現
地大会を開催する予定であることを伝えた。

片山通夫の写真展

 サハリン州立美術館で今月2〜8月1日まで「写真の中の日本」とい
うテーマで片山通夫さんの展覧会が開催される。40年間世界中を回り
ながら活動を続けているカメラマン片山さんは1990年代末からはサ
ハリン韓人に大きな関心を持って韓人社会を撮り続けており、5月には
セコリョ新聞創刊60周年を記念して同社カメラマン李・イエシクさん
と二人で「悲しみと喜びの歌(サハリン韓人)」というタイトルで同美
術館で1カ月間写真展を開いた。それに続いて今月は日本の自然や歴史
、文化、生活を伝える片山さんの個人展が開かれるようになった。

写真展詳細(展示写真も)
http://www.609studio.com/sakhalin0906Ex/japan/index.html
─────────────────────────────────
セコリョ新聞日本語版バックナンバー
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
─────────────────────────────────
◆コラム・EYE「北方領土問題」:片山通夫
─────────────────────────────────
 あまり、国内では関心がないのか、全国的に盛り上がりに欠ける報道
に驚いた。ことは我が国の歴史的かつ領土という「国益」に関する問題
なのにだ。
 北方領土問題である。開催中のイタリア・ラクイラサミットで麻生首
相は、この問題をメドべージェフ露大統領と話し合って、低迷する内閣
支持率を打開する予定だと聞いた。ところが、過日、国会では「改正北
方領土問題等解決促進特措法」が国会で可決・成立したのに伴って、ロ
シア側の反応が著しい。先ず、モスクワの反応だが、ロシアのドボルコ
ビッチ大統領補佐官が日ロ首脳会談にとって「良い雰囲気を醸成しない
」と論評した。(インタファクス通信)また、ロシア議会でも下院国際
委員会のクビツィンスキー副委員長領土交渉をめぐり「メドベージェフ
大統領とプーチン首相を厳しい立場に立たせている」と指摘し、北方領
土問題等解決促進特措法の成立は時期尚早だと指摘した。
 
 一方、現地、択捉や国後でも、訪問中の「ビザなし渡航」の一行は厳
しい立場に立たされ、島民との対話集会も中止となった。今後、この「
ビザなし渡航」が継続されるか否かは微妙だといわれている。

 北方領土を「わが国固有の領土」と国内法で初めて明記した改正北方
領土問題等解決促進特別措置法(北特法)が、3日午前の参院本会議で
全会一致で可決、成立した。なぜ、この時期なのか筆者には理解できな
い。マスコミの取り扱いも地味なものだったように、この問題が国民的
注目を集めるということは残念ながらないようだ。国会が、この問題で
、政府の後押しをするということなんだろうが、いたずらにロシアを刺
激して交渉を難航させる危険があるということは自明の理ではないか。
外交は非常にデリケートな問題だ。ましてロシア国民の、特に地元、サ
ハリン州の感情は無視できまい。それだけに十分な注意が必要だと思う
のだが。

後日譚:サミットでは特に北方領土問題に関し進展はなかった。
─────────────────────────────────
◆[編集長から]              片山通夫
─────────────────────────────────
  ずいぶん国民を馬鹿にした話だ。核密約文書で中曽根外相が「調査考
えてない。ないんだから」とは・・・。(朝日新聞)
http://www.asahi.com/politics/update/0710/TKY200907100048.html

 外相の言葉は「密約はない」というものだが、元政府高官ら外務省幹
部が破棄指示を証言しているというのにだ。おまけにアメリカで公開さ
れた公文書などで存在が確認されていた。

 そりゃ、今更「あった」とは口が裂けても言えないだろうが、早々に
「廃棄処分」した外務省の意図も丸見え。もし、いや、次の総選挙で、
民主党が政権をとったらと思うと、居ても立っても居られないだろう。
「ないはずの文書」が出てきた例は過去にもあった。だから「破棄した
」のだとしたら、国民をなめたことになる。

 このあたりを是非追求してもらいたいものだ。官僚の好きなままにさ
せる政治の在り方を考え直してもいいのでは。明治以降、官僚の天下は
ずいぶん時間を経ている。

さてその民主党、奈良市長選と東京都議選で周知のように「嵐のごとき
」大勝をした。自民党からは「暴風雨だ」という声も。「都政と国政は
違う」と強がりもあるが、怒涛のような流れは無視できない。

 自民党内の麻生降ろしと首相官邸のせめぎあいが始まった。民主党は
早々と、首相の不信任案と問責決議案を提出するようだ。麻生首相にと
っては、まさに「内憂外患」の夏。

 もしかして「自民党をぶっつぶす」のは、小泉元首相でなく、麻生首
相かもしれない。
─────────────────────────────────
発行     2009年7月14日   No.391
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236
MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020
e-mail       office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿     http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
購読 購読解除は websiteへ

           ◇禁・無断転載◇
─────────────────────────────────

ブラウザの閉じるボタンで閉じてください。