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タイトル:609studio No.390◆本澤二郎の「日本の風景」   2009/07/07


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/07/07  No.390
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年7月3日号

◆コラム・EYE「七夕」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに・・・。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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 <詐欺・偽装の天国>
 
 貧すれば鈍すなのか。経済活動では詐欺や偽装が繰り返し行われてい
る。まともな事業などないかのようである。財閥・日本銀行協会という
と、日本資本主義の中枢・本山だが、そこが政府を操作して郵政事業を
民営化、自分たちの懐に入れてしまっている。専門家は「いずれメガバ
ンクの傘下に組み入れられる」と決めつけている。340兆円もの預金
・保険金を有する国民の共有資産を、いとも簡単に合法的に争奪した恐
ろしい犯罪である可能性が高い。マスコミ関係者が関与しなければ、こ
んな大それた犯罪は成立しないだろう。空前の詐欺・偽装の典型であろ
う。
 小さい詐欺・偽装事件は、ゴマンとあることが日々の報道で判明して
いる。隠れている犯罪はいくらでもあるのだろう。最近の事例では、病
院の診療報酬詐取事件が話題をさらっている。病院の不正はいたるとこ
ろで行われている。食品の産地偽装などはかわいいほうである。
 マンション管理会社による詐欺・横領事件も多発している。銀行員の
それは毎度のことである。銀行の残高証明は、容易に偽造されるという
事実を数年前に知った。いたるところカードが氾濫しているが、ここに
も落とし穴があるらしい。
 資本主義社会の主役である経営者が、自分が生き延びるために詐欺・
横領のための偽装に手を貸している。「偽装こそが経営者」という雰囲
気である。資本家が率先して犯罪に手を染める社会は、かのマルクスの
世界に戻ったようである。
 信用・信頼という言葉が消えた社会である。これこそが資本主義社会
なのか。それとも偽装資本主義なのか。人間が人間を信用できない社会
に人々は生活をしているのであろうか。あらゆる思想・宗教も無力であ
る。原始の人間社会にたどり着いたものなのか。

<政治の偽装>

 資本家に負けず劣らず偽装をこらしている政界も、これまた尋常では
ない。ブッシュの2つの戦争は偽装なくして具体化しなかった。「白い
粉」をまき散らして、人々に恐怖を植え付けた。さらに「大量破壊兵器
の存在」という偽装情報を米国民のみならず、国連に浸透させることで
、戦争は起こされたものである。
 そんなブッシュに追随したイギリスのブレアが、もはやマスコミに登
場することはほとんどない。だが、日本の小泉は「麻生降ろし」の黒幕
として時折浮上している。ブッシュも小泉も偽装政治家なのだ。
 偽装は必ず暴かれるものである。かつての小沢の金集めも西松事件で
その一角が暴露された。閣僚の二階にも。小沢と交代した鳩山にも政治
資金にからんでの偽装が表面化している。腐敗・横領のたぐいの金でな
いことが、せめてもの救いだろうが。せめて弁護士任せではなく、経理
担当秘書をマスコミに出すぐらいの誠意を見せる必要があろう。
 岸信介が強行した60年安保改定において、有事の核の持ち込みに関
する密約文書を歴代の政府・外務大臣は否定している。ワシントンや善
良な元官僚が「存在する」といっているのに、日本政府は偽装している
。滑稽でさえある。
 麻生は戦前の麻生炭鉱に絡む捕虜の強制労働について隠そうとしてい
た。最近、オーストラリアとイギリスから被害当事者と遺族が日本にや
ってきたが、とうとう会おうともしなかった。偽装の発覚を恐れている
のであろう。情けない。これをまともに報道しない日本マスコミの罪も
重い。

<首長の跋扈>

 昨日、米アラスカ知事のペイリンが「1か月以内に辞任する」と突然
、記者会見で公表、米マスコミ界の話題をさらった。彼女は、先の大統
領選挙において共和党の老人候補のペットのような格好で登場した。こ
とほど共和党は、ブッシュ戦争によってたたきのめされていた証拠でも
ある。
 政治経験のない知事だというのに「次の大統領を狙っている」との憶
測を呼んでいる。副大統領候補になって「私でも」と勘違いしているの
かもしれない。同じ知事でも愛人に会うために数日、姿をくらました州
知事が現れた。彼も大統領候補とされている。
 同じような人物は日本にもいた。任期途中で知事を辞めて自民党総裁
になりたい、といいだした宮崎県知事である。地方の首長が大暴れでき
る、自民党と共和党に共通する雰囲気があるのであろう。
 冗談にも程というものがあろう。電波が彼ら彼女を偽装してくれてい
るため、当人が錯覚してしまっているからなのか。ことほど日本政界も
腐っている。まだ民主党のほうが、はるかにましであろう。
 まともな論評をしないマスコミが悪い。

<公共電波の暴走>

 その昔、ワシントンに核軍拡に狂奔した大統領がいた。ロナルド・レ
ーガン、ハリウッドの俳優だった人物である。ハリウッドというと、カ
リフォルニア州である。俳優が知事になる風土があるらしい。いまのシ
ュワルツネッガーも俳優だった。レーガンが先陣を切ったのだが、なに
ゆえに俳優が大統領になれたのか。米国の民度も、そんなに高くはない。
 このころ平和・軍縮派の宇都宮徳馬はよくこんな話をしていた。さる
有名なアメリカ上院のステーツマンの説明を引用した。「彼は、それは
テレビですよ。テレビ宣伝がきいて選挙に勝ったのですよ、と言ってい
た」と。うなずける。
 芸能人・タレントが大阪、千葉、宮崎に誕生している。誰でも政治家
になれるという点で民主的でいいのだが、他方、住民・国民の代表とし
ての資質が求められる。見識のある人物・人々に奉仕する有能な人物が
手を上げる職業である。有権者の質とも関係する。
 これまでのところ、官僚たちがこの席を占めた。だが、彼らは住民奉
仕の精神・モラルの面で欠落していた。そのことが芸能人に機会を与え
た。民度が問われているのだが、なかなか改善されていない。

 問題はどこにあるのか。新聞というよりもテレビにある。テレビの不
見識報道に起因している。視聴率競争が、ことさらタレント・芸能人を
宣伝する。レーガンが登場した土壌は日本にも、テレビ報道にある。公
共放送という観念が、テレビ側に不足している。
 課題はマスコミ界の側にある。見識のある人物がテレビ局にいないか
らである。スポンサーに振り回されるものが多すぎる。ここを正すのに
日本新聞協会・日本記者クラブの執拗な努力と記者教育が求められてい
る。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年7月3日号
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ガスプロト社原油探査

 先月30日、ガスプロムの姉妹会社ガスプロト社のユ・シャマロフ社
長を団長とする同社代表団がサハリン州知事と接見した。ガスプロと社
はサハリンー3開発案に基づき、今年ノグリキから56マイル離れたオ
ホーツクの海底3100mの原油埋蔵地の探査を行う。州知事はロシア
企業のサハリン進出を歓迎すると述べる後、政府や関係局との協力関係
構築を強調した。また、ガスプロと社側は探査の際、環境問題に最大の
注意を払うと伝えた。

今年冬季準備会議

 先月29日、サハリン州政府定期会議が開かれ、今年の暖房シーズン
に向かっての準備進行状況について話し合われた。政府は今年の暖房シ
ーズン予算を15億ルーブルと策定し、7億は州予算から傑出する方針
だ。ボイラーや水道網などの修理は昨年より1.5倍増える予定で台風
などで被害を受けた地域のインフラを早期に復旧させるように催促した。

添付予算割当

 今年サハリン州政府へ添付予算40億ルーブルが入る。州知事はこの
予算をすべて自治体に割り当て、住宅や道路など地方のインフラ調整に
費やす方針だ。州知事はこの旨を発表しながら「自治体が予算執行を見
送っているが、日々物価が上昇している今、予算不足問題を生じさせる
」と素早い予算執行を訴えた。

人口調査マーク発表

 ロシア連邦政府は来年実施する全ロシア人口調査事業のマークを発表
した。丸の中で手を繋いでいる人々を描いたデザインは調査票、ポスタ
ー、記念品などすべての関連ものに使われる。

アルタイ代表団來島

 先週、アルタイ辺境ヤ・イシュチン副知事を団長としたアルタイ訪問
団がサハリンを訪れた。小麦粉をはじめ穀物、飼料、又ボイラー設備な
どをサハリンへ供給しているアルタイ辺境地域は建設部門における経験
交流と協力関係構築の可能性を探るために訪問した。

サハリン州の歴史を振り返る本出版

 先週金曜日、サハリン州の歴史を記録、保存するために20年間行わ
れている出版事業「サハリン追憶の本」の最後の23冊目が発行された
。サハリン州の歴史16冊、ユジノサハリンスク市の歴史6冊など22
冊が既に発行されたが、最後の23冊目には島の歴史に残る5万人の住
民の名前が載っているのが特徴。

サハリン版オレオレ詐欺

 6月25日、ホルムスク市で電話詐欺事件発生。69歳の女性に息子
を名乗る男性が電話をかけ、交通事故を起こしその処理のために15万
ルーブルが要ると助けを要請した。女性はパニック状態に陥り、偽の息
子が来させたタクシー運転手に家にあった全てのお金9万4千ルーブル
を渡した。警察が今調べ中。

韓国語教師研修

 6月30日から4日間、サハリン韓国教育院とサハリン州韓国語教師
協会が共同主催するサハリン韓国語教師の夏季研修が韓人文化センター
で行われた。30人余りの現地教師が参加し、韓国から招待した専門家
らの講義を聴取する他、伝統楽器体験、歌で教える韓国語など日頃の経
験を相互交換する機会を持った。今年は特に外来語と新造語を中心に変
化していく韓国語実態について勉強した。
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セコリョ新聞日本語版バックナンバー
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆コラム・EYE 「七夕」:片山通夫
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 今日7日は七夕だ。

 七夕の伝説は中国からやってきた。天帝の怒りに触れて、年に一度の
逢瀬を楽しみにしている織り姫と彦星の物語は子供の時から教えられた
多分に儒教的な物語である。

▲ところが天の川を挟んで二つの星は実際は14.4光年ほど離れていて、
これは、光のスピードでも約14年半かかってしまう距離だという。とて
も年に一度の逢瀬を楽しめる距離ではない、生半可な「遠距離恋愛」で
はないのだ。

▲七夕伝説の生まれた時代の天文学的知識と現代の知識の違いは、二つ
の距離を算出してみせる。科学の発達は時には無粋なことになる。とも
あれ、七夕祭りは太陽暦になってから日本では梅雨のさなかにやってく
る。仙台などでは8月に行われるようだが。

▲一方、無粋なことが天界ならぬ政界で行われている。麻生内閣の支持
率が低落していて、9月10日に切れる衆議院議員の任期を前に、自民
党がもめ続けているのだ。「選挙の顔」として昨年秋に選んだはずの首
相を引きずり降ろそうとする勢力や、しゃにむにこのまま突っ走ろうと
いう勢力、その間で右往左往しながら、好き勝手な持論を吐く政治家た
ちがうごめいている。挙句の果てに、宮崎県知事が「総裁候補」を条件
に衆議院選に立候補するとかしないとかかしましいことである。

▲話は変わるが今年の夏至は6月21日だった。それから11日目が「
半夏生」(はんげしょう)だ。また半夏生は7月2日から七夕の頃の5
日間を言うとか。この頃になると、田植えも終えて農家もほっと一息つ
く頃である。半夏生には物忌みが護られていた時代もあった。地方によ
って違うが、天から毒気が下りてくると言って井戸に覆いをする地域や
、物の毛が徘徊するといわれた地域もあったそうでこの時期に農作業を
してはいけないといわれていたとか。
 そういえば、昨今、ナガタムラでは「票田亡者」や「金食い虫」が徘
徊する「半夏生」となっている。妖怪に目を曇らされないよう、心して
来るべき選挙に臨みたいものだ。
 
七夕や 真緒の地獄 湧きたぎつ 山口誓子
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◆[編集長から]              片山通夫
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 先日5日の日曜日、久しぶりに物置から釣竿を出してみた。実を言う
と、筆者唯一の趣味が釣りである。もっとも、最近年なのか、釣竿を出
して見るという行為もめったにしなくなった。以前といっても、20年
ほども前には、暇さえあれば海へ、川へ出かけていった。

 筆者の釣りは、そのほとんどが海か川である。餌はつけない。筆者の
美学では、生餌で釣るのは卑怯千万。ルアーという疑似餌で釣る。
 そのルアーもスプーンと言う形のものに限られる。スプーンは、その
名の通り、スプーン=匙である。このスプーンが生まれるきっかけが面
白い。

 何でも、英国で生まれたと言うことらしい。湖畔で食事中に、誤って
スプーンを水に落とした。落ちたスプーンを鱒が咥えたのを見た人がこ
れをヒントに、スプーンの柄を切り取り、針をつけた・・・。
 筆者にとっては、このエピソードがうれしくて、釣りを始め、ルアー
・フィッシングに目覚め、そしてスプーン一辺倒と言う、まったく融通
の利かない釣りである。

 そんな金属のスプーンを小魚と間違えて襲ってくる魚は、所謂フィッ
シュ・イーターで、種類が限られている。だから、ほとんど釣れない。
 しかし、それでも筆者にとっては、ルアーフィッシングは楽しみであ
る。そろそろ、季節も良いので、久しぶりに出かけて見たいものだ。

 えっ?ターゲット?そりゃ、スズキ(鱸)ですよ。この魚は、大きな
ものだと、メータークラス。それに、都会の海にも現れるので、釣れる
確率は高い。(・・・・という話を聞いたことがある・・・・)
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発行     2009年7月7日   No.390
編集・発行  609studio   Michio Catalan
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