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タイトル:609studio No.388◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/06/23


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/6/23  No.388
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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◆現代時評:休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年6月12日号

◆コラム・EYE「09年の肖像・本多立太郎翁」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 来週をお楽しみに・・・。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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<過去から敵前逃亡した麻生首相>

 麻生の父親が経営していた福岡県の麻生炭鉱で、強制連行された朝鮮
人らが働かされていたという不確かな話は聞いていたが、オーストラリ
ア・イギリス・オランダの捕虜を強制労働させていたという事実を、恥
ずかしいかな最近知った。友人がメールで知らせてくれたからだ。
 6月19日に外国人記者クラブで、被害者が記者会見をするというの
で、有楽町まで出向いた。被害者とその遺児が代表して会見に臨んだ。
通訳がない会見だったので、多くのやりとりは不明だが、唯一確認でき
たことは、麻生は謝罪するどころか逃げ回って、とうとう89歳になる
オーストラリアの実直な老人に会おうとしなかったことである。人間と
して人道にもとる行為である。

 麻生の母方の祖父・吉田茂は「日本は戦争に負けた。敗北者らしく堂
々と負けっぷりをよくしよう」といって戦後占領期の日本を代表し、経
済の復興を実現した。平和憲法も制定した。麻生には、この吉田の遺伝
子がまるでない。麻生鉱業を率いた利にさとい麻生太賀吉のそれを、そ
っくり受け継いだのであろう。往生際の悪さは、解散を9月へと引き延
ばそうとしていることにも表れていようか。
 歴史を鏡・教訓にできない総理大臣は、海賊対策や北朝鮮問題の対応
にも露見している。それは憲法が禁じる「いけいけどんどん」という小
泉―安倍並みの軍事路線にも踏襲されている。情けない日本代表であろ
うか。総理はいうまでもなく「人間失格」といわれないだろうか。

<麻生炭鉱で強制労働された豪、英、蘭300人>

 そもそもの発端は、関係者の説明によると外務大臣就任時の外務省ホ
ームページだった。麻生鉱業での強制労働を否定したといい、その後の
調査で発覚した。厚生労働省社会援護局業務課が保管している「福岡俘
虜収容所」記録で判明、麻生の言い分が崩れてしまった。あわてて訂正
したという。外務省のいい加減さもひどすぎる。
 豪、英、蘭の捕虜300人が戦時中、麻生鉱業吉隈炭鉱で使役させら
れていた事実を、麻生が渋々認めたのは、昨年12月のことだった。新
聞を克明に読んでいれば知っていただろうが、多くの国民は筆者並みで
はなかったろうか。
 この問題は、人間・麻生の誠実さ、人間性を問うていると思われるの
だが、国会質問の追及によって、ようやく認めるという態度は、とても
不誠実で信頼できない。そんな人物を知らないで鳩山邦夫は、麻生の天
下取りをしたものだろうか。麻生は吉田家と麻生家に泥の上塗りしてい
るのだろう。

<被害者が来日>

 今年2月に元捕虜らが麻生首相に対して謝罪を求める書簡を送った。
普通の人間であれば、なにはともあれお詫びの返書を送ればいい。しか
し、今もって彼は無しのツブテという。徹底した不誠実を貫いている。
同じ日本人として悲しい限りである。彼らは金をくれといっているので
はない。
 この一件を民主党参院議員の藤田幸久は3月9日にも、麻生に対して
「謝罪してはどうか」と国会質問している。この場でも「ごめんなさい
」という当たり前の発言が出来なかった。こうした経緯で89歳のジョ
ー・クームス、それにイギリスから元捕虜の息子のジェームズ・マクア
ナルティ(62歳)が来日した。6月14日から21日まで滞在、この
間に麻生との直接面会を求めたが、駄目だった。
 福岡県飯塚市の麻生鉱業本社では「昔の会社とは関係ない」と開き直
られ、大いに衝撃を受けたという。これが日本財閥なのか、との思いだ
ろう。マクアナルティは会見で「父親は日本の全てが嫌いだった。商品
も何もかもが」と紹介した。

<逃亡はマスコミも>

 新聞を読んでいないので間違いかもしれない。しかし、これは日本に
とって、政府にとって、麻生個人にとって、国際社会にとって、きわめ
て重大な事案である。過去とどう向き合うのか、という課題を人類に突
き付けている。価値の大きい報道である。
 これまでのところ、大きく報道されたと聞かない。友人は「報道管制
を敷いているのではないか」という。イラン並みに?
 そう思い6月20日午前のインターネットの新聞記事を眺めてみた。
一行もなかった。昨日午後の外国人記者クラブの会見記事を探したのだ
が、とうとう見つけることが出来なかった。報道管制・マスコミ談合は
事実かもしれない。言論の自由は憲法が保障しているが、本当にそう
なのか?

 それとも日本マスコミも健忘症なのか。麻生と同じなのか。それとも
腐ったリンゴなのか。あとから確認しなければならないが、どうも心配
でならない。麻生の不都合な事案は報道しない?これは大本営発表では
ないのか。
<日本外国特派員協会>

 外国人記者クラブの会見場を初めて訪問することができた。麻生のお
かげである。外人記者の追及は、日本の記者の比ではない。鋭い。それ
を承知したのは、田中角栄首相がここに姿を見せた途端、金脈問題を追
及され、それが世界に発信されて、あえなく失脚してしまったからであ
る。
 ここのレストランで食事をしたことはあるが、会見場で会見を覗くの
は初めてだ。日本記者クラブに比べて狭い。5つぐらいの細長いテーブ
ルの両脇に木製の椅子がある。ざっと50席か。普段はこれで十分らし
い。今回は入り口に巨漢の事務職員が、さらに20席ほど用意した。背
後はカメラマンが10数人待機していた。
 日本が経済大国として大手を振っていたころは、ここは賑わっていた
という。バブル崩壊後に、多くの仲間は上海や北京に異動した。日本沈
没はこの場でも見聞できる。
 記者団も日本記者クラブ同様、年配者がかなりいる。壇上にクームス
らが陣取り、その横に司会者が次々と手を上げる質問者を指名する。日
本記者クラブのように演説をするものはいない。スピーディーだ。司会
者は質問者がいなくなるまで会見を続行する。眺めていて気分がいい。
理由はわからないが、白人とイエローばかりで、黒人記者はいなかった。
 正式名は日本外国特派員協会である。
 壇上のクームスには驚いた。健康そのものである。目も耳も問題なか
った。記憶力も。光線の加減かもしれないが、少しばかりアイゼンハワ
ーに似ていた。
 一枚の資料写真を配布してくれた。日本敗戦直後に占領軍が集合写真
を撮ったものだ。麻生炭鉱でのものだ。上半身裸であばら骨がくっきり
と出ているものが多い。全体がやせ細っていて痛々しい。両腕、両足は
細い。餓死寸前のものもいる。悲惨な状態が一目でわかる。しかし、彼
らの表情は底抜けに明るい。無事に地獄から生還、母国への帰国が待っ
ているからだろう。
 麻生に見せてやりたい写真である。ひょっとして「二度と戦争をして
はならない」と心変わりするかもしれない。無理な希望だろうか。
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◆セコリョ新聞日本語翻訳版:2009年6月12日号
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反収賄政策

 さる8日、サハリン州政府で「行政機関の収賄行為根絶のための特別
プログラムを設けるための会議」があった。各分野の政府関係者代表ら
が集まった中で、プログラムの初案の検討を行ってから事業案を採択し
、実行に移るための細部事項を決めた。

予想漁獲量去年の9倍

 5月25日にスタートしたマス漁業。サハリン西南海岸では既に5ト
ン以上、今年は去年の9倍の1900トンが獲れるとの予測。

スパルターク競技場オープン

 12日、ロシアの日にユジノサハリンスクでは修理を終えたスパルタ
ーク競技場の開館式と開館記念サッカ試合が行われる。サハリン代表チ
ームと元選手からなるサッカー老兵チーム・モスクワ・ストルリチャチ
ームの試合が見られる。

日本食品工業協会会議で情報交換必要性強調

 駐札幌サハリン州代表部のア・クルトヴォイさんが北海道食品工業協
会の会議に出席し、サハリン州と北海道企業の間に情報交換が不十分で
あると指摘した。「将来を考え、今からロシアとサハリン市場への進出
準備が必要であり、そのためにサハリン企業と合作企業を作って技術や
装備などを供給した方が良い」と強調したと伝えられる。

原住民青少年スポーツ大会

 来る6月25日から1週間、サハリンポオウ少数民族出身青少年らの
スポーツ大会がオハで開かれる。原住民の伝統スポーツの再生と人材養
成を主な目的とする同大会にはサハリン全域から代表選手が参加する予
定。予算はサハリン州が負担する。

エベンギ族に民族言語を

 今年9月1日の新学期からエベンギ族が集中して住んでいるアレクサ
ンドロフスクーサハリンスキ区域のヴィアフト村の幼稚園と学校でエベ
ンギ語の教育を始める。今年4月モスクワで開催された北方少数民族原
住民大会で原住民の民族語の再生が議題に上り、少数民族言語教師の派
遣が決まったのであった。その決定により、ブリャート国立大学のエベ
ンギ語とロシア語学科の卒業生が始めて同地域に派遣されることになっ
た。サハリン州と地元の教育局は若い先生の住宅問題を解決するために
努力しているところ。

失業者減少

サハリン州就業管理局によると、今年4月末の調査では失業者が5、5
28人だったが、6月1日現在では4、655人で減少傾向を見せてい
る。最も失業者の多い地域はマカロフとウゴレゴルスク。又、失業者の
5割は女性、4割は16−29歳までの青年である。

戦友との再会を支援

 サハリン航空社(SAT)が第2次世界大戦64周年を迎え、4月1
8〜5月15日間、戦争老兵らの戦友との再会を支援する特別サービス
を実施している。このサービスは昔の戦場或いは戦友に会いに行く場合
、特別な割引サービスを行うとのことでもう数年前から同時期に実施し
ている。今年は昨年より66人多い146人がこのサービスを利用した。

サハリン韓人にアンケート調査

 さる6日、サハリン韓人センターで韓国外務省と韓国赤十字社のサハ
リン問題担当者の参加の下、永住帰国関連懇談会が開かれた。赤十字社
のウ・クァンホ課長は「日本側は今年で永住帰国事業を終えようとして
いる。しかし、2009年以後にも永住帰国を希望する1世がいるとい
うサハリン韓人らの声があるため、韓国側は何も決めていない。日本側
と話し合うためには資料がいる」と述べた後、7月15日まで残留サハ
リン韓人1世全体を対象に、永住帰国希望者数、同伴家族数、希望する
永住帰国時期などに関するアンケート調査の実施を依頼した。各地の韓
人団体が協力し、韓国語とロシア語で調査を行うことを決めた。
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◆コーヒーブレイク
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*コーヒーブレイク
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆コラム・EYE「09年の肖像・本多立太郎翁」:片山通夫
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 ご本人は「翁」などと言われればさぞかしご不満だろう。本年95歳
だとか。そしてなお現役で活躍されておられるのだから、「翁」と言う
のはまずいかもしれない。「翁」と言う文字の持つ響きが「既に退役さ
れた」かのような印象を持つからである。しかし「年上の方を敬って」
という意味もあるそうだ。

 あえて「退役」と表現した。まさに「翁は現役」である。既にジャー
ナリスト・ネットでも幾度となく紹介している。その際たるものが「ト
ンダ・モンタシリーズ」だ。やむをえない事情がおこり、この6月のパ
リ行きは断念された。もし、事情が許せば来年、行くそうだ。

 「何をしに?」という疑問が湧いてくる。「憲法9条」を輸出するの
だと言う。「翁は憲法9条防衛戦士」なのだ。我国が世界に誇れる平和
憲法を世界に広めたいと言うのが「翁」の切なる願いだと言う。そうい
えば、我国が世界に誇る「カップラーメンからミサイルまで扱うソーゴ
ーショウシャ」がそれを輸出したと言う話はついぞ聞かない。

 さて、本題。事情があってパリ行きを中止された「翁」は暇をもてあ
まし(?)、挙句の果てに歌を創られ、その歌詞が手元に届いた。ここ
で紹介したい。

トンダ・モンタ音頭   作詞 リウタロ

1 あの日 あの時 はじまった
  トンダ・モンタの 世界では
  ハイさよならだ アメリカさん
  グッドバイだよ ジエイタイ
  明るい世界の 夜明けだぜぇ
  ワーイ ワイッ トンダーッ モンタッ!

2 国の予算が 余ってる
  トンダ・モンタの 世界では
  ハイいらっしゃい おばあちゃん
  ウエルカムだよ おじいちゃん
  明るい世界の 夜明けだぜぇ
  ワーイ ワイッ トンダーッ モンタッ!

3 福祉教育 みなOK
  トンダ・モンタの 世界では
  平和非武装 お手のもの
  差別暴力 みなドロン
  明るい世界の 夜明けだぜぇ
  ワーイ ワイッ トンダーッ モンタッ!

4 憲法九条 手から手へ
  トンダ・モンタの 世界では
  ヒトが 本当のヒトとなる
  笑顔 笑顔があふれてる
  明るい世界の 夜明けだぜぇ
  ワーイ ワイッ トンダーッ モンタッ!

 どなたか曲をつけていただけまいか?興味ある方はメールでお知らせ
ください。 ⇒ office@609studio.com
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◆[編集長から]              片山通夫
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 最近筆者は松浦武四郎と雨森芳州に心酔している。いずれも江戸時代
の人物である。先日、北海道の音威子府と言う町で、松浦武四郎ゆかり
の場所に行った。「北海道命名の地」と言われている天塩川のほとりだ

 いずれの人物も今や歴史上の人物だが、松浦武四郎は、アイヌ民族に
対する和人(日本人)の抑圧・搾取に理解が深く、幕府や明治政府に対
して、和人の暴虐をやめるよう進言したという。

 松浦武四郎
 http://www.city.matsusaka.mie.jp/bunka/shisetsu/take_mu/index.html

 一方雨森芳州は、対馬藩にあって、対外(中国や朝鮮)に対して「善
隣外交」を説いたことは有名である。その彼の「誠信の思い」も、時代
が下って明治になると、隣国への侵略にかき消される。むろん、この時
雨森芳州は既に亡くなっている。しかしその精神は受け継がれてしかる
べきであろう。

 雨森芳州
 http://www.town.takatsuki.shiga.jp/contents_detail.php?co=cat&frmId=315&frmCd=11-0-0-0-0
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発行     2009年6月23日   No.388
編集・発行  609studio   Michio Catalan
発行     毎週火曜日  購読料無料
配信          まぐまぐ配信システム       ID:0000052236
              MailuX配信システム        ID:MM3E1B97842E020
e-mail        office@609studio.com
website    http://www.609studio.com
投稿      http://www3.ezbbs.net/06/609studio/
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