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タイトル:609studio No.382◆現代時評:「大学過剰時代」  ken  2009/04/28


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/4/28  No.382
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
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◆現代時評:「大学過剰時代」  ken 

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月24日号

◆コラム・EYE「春宵一刻値千金」:片山通夫

◆コーヒーブレイク

◆編集長から

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◆現代時評:「大学過剰時代」  ken 
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◆◆ 産経新聞 2009,3.31 法科大学院の評価を行う認証評
価機関「日弁連法務研究財団」は31日、平成20年度下期に審査した
7校の評価結果を公表、うち3校が基準を一部満たしていないとして「
不適合」となった。これで法科大学院74校のうち、平成16年春に開
校した68校のすべてが同財団などの評価を受け、不適合は約3分の1
に当たる22校を数えた。  同財団は、「法科大学院が増えすぎた傾
向があり、なかでも無理をしてつくられたところが厳しい評価を受けた
印象がある」としている。

◆◆ 読売オンライン 2009.4.18  定員割れとなった11
校のうち、奥羽大歯学部(定員96人に対し入学者53人)、松本歯科
大(80人に対し45人)、日本歯科大新潟生命歯学部(96人に対し
57人)の3校の欠員は定員の4割以上に達した。 さらに、北海道医
療大歯学部、岩手医科大歯学部、神奈川歯科大も、1割〜3割の定員割
れだった。予定されていた入試終了後に、急きょ追加募集を行いながら
、定員に届かなかった学校も5校あった。これほど大幅な定員割れは初
めてという。

■■ いまごろ大学、大学院の過剰が目立つ。 その筆頭が統廃合を勧
められている弁護士養成の法科大学院と、歯科大学である。 この二つ
の大学については、ついに来るものが来たかといった感じだ。 統廃業
を勧められているだけでなく、このままいけばいずれは志願者不足で学
校閉鎖になることは見えすえていた。

■■ それとは別に、いま世の父兄方を悩ませているのが、子供たちの
教育費の異常な高騰で、とてもでないが父兄の負担に耐えられなくなる
ところまで来ているということだ。 かたや大学過剰、かたや教育費の
異常高騰に悩む親が居るという現象は、それ自体が異常な社会現象であ
る。 いまの日本の大学進学熱は、教育熱心というよりむしろ社会的奢
侈の極まれるものというべきでは無いだろうか。 分不相応に高価な消
費財を買いたがる日本社会の奢侈癖が、子女の教育という大義名分を与
えられ、それが嵩じて毎年数百万円といった高コストの大学への殺到が
社会システムとして定着してしまった。 親はそのため骨身を削り、そ
れで懐を肥やすのは、無責任な学校経営者と称する企業家たちだけであ
る。 肝心の子供たちは果たして勉強してくれているのだろか。 「本
日休講」と聞くと、喜ぶ学生が多いとか・・。 

■■ ボクの周辺にはこうしたいわば「大学経営業者」が何人か居て、
学部または専門学校の場合、年間100万円前後の授業料プラス数十万
円の教材費を徴収し、加えて政府からの補助金をたくさん貰っている。
 彼らは高級車を乗り回し、藍綬褒章を貰うという栄典にまで浴してい
る。 これが大学院となると授業料は一挙に倍以上に跳ね上がり、笑い
が止まらない。 何か新しい教科で大学学部が創れるとなると、彼ら「
大学屋」はなりふり構わず新しい大学学部の開設に飛びつく。法科大学
院がその適例であった。 

■■ もっとも日本の場合、大学であろうと高等学校であろうと、就職
斡旋というハローワークの代理店みたいな卒業生に対するサービスがほ
ぼ慣行化してきた。 ボクの友人で世間に顔が広い某教授などは、定年
を過ぎてなお「就職斡旋担当教授」の肩書きで教授定年を延長してもら
っていた。 が、最近の就職難時代では、卒業生全員に就職斡旋出来な
くても致し方ないとの諦めムードでサボタージュを決め込んでいる大学
もあると聞く。 そういったばあい、就職斡旋のみ期待して数年間の高
い授業料を払い込んできた学生及びその父兄にとっては、いえば「タダ
取られ」の「契約不履行大学」になるのだが、いまさら大学の古い入学
要項を読み直してみても「卒業時に絶対に就職を斡旋します」と書いて
ないから訴えて出るわけにもいかない。

■■ だいたい大学教育の濫觴は4世紀のギリシャに始る。 そのころ
の大学は先ずセブン・アーツと称する教養を教えるにあった。 セブン
・アーツ(Arts=科目)はリベラル・アーツとも称され、グラマ(文法)
、レトリック(修辞学)、ロジック(論理学)と、それに算術、幾何学
、天文学、音楽と、あわせて7科目であった。 7科目をいちおう習得
し終わるとバチェラー(学士)の資格が貰え、さらにそれを深くマスタ
ーするとマスター・オブ・アーツの称号が与えられた。 日本の「修士
」に似ている。 いまごろ米国で盛んなMBAというのは
Master of business administration つまり経営学修士課程終了の
ことである。マスター・オブ・アーツを終り、さらにそれを自分で自在
にこなすようになれば、「ものごとを一人で深く考える能力」が出来た
として「哲学博士」、いわゆる「PhD」の称号が与えられるのはいま
も昔も変らない。 ただ日本では「哲学」を学問として認める習慣がな
いから「哲学博士」の称号もない。

■■ リベラル・アーツを習うまでの予備勉強が作文能力の習得で、高
校課程をレトリック・コースと言った。 先ずなにを勉強するにしても
作文能力が基礎として必要であることは今も昔も変らない。 つまり、
作文(レトリック)コース、学士(バチェラー)コース、修士(マスタ
ー)コース、博士(ドクター)コースと進み、最終的にすべてのものが
一人で考えられるようになれば哲学博士(PhD)である。

■■ ところが日本では哲学がドイツ哲学の過剰影響で文学のうちに組
み込まれてしまったという明治以来の特殊現象があり、学問本来の目的
であった「哲学」が欠落し、大学は高度な職業教育を施す場とのコンセ
プトが定着してしまった。 いまなおわが国の大学教育に一般教養や哲
学の軽視が存続しているゆえんであり、そのかわりに大学が職業斡旋機
関であるという実態が定着している。

 有利で高級な職業を斡旋してもらうためには大学を出なければならな
い、さらにもっと有利な職業を斡旋してもらうためには大学院を出る必
要があるという世間の評価は定着し、大学の教科内容(シラバス)はど
うでもいいから、とにかく大学、そして大学院を目指すという日本的習
慣が起こり、それを標榜して次々と雨後の筍のごとく大学が出来、さら
に屋上屋を重ねて大学院が出現したのであった。

■■ ところが最近のように、肝心の反対給付たるべき大学の職業斡旋
がうまくいかなくなり、授業料だけは高いままに据え置かれる大学とい
うのは、就職斡旋をのみ希望して入学した学生たちにとっては、まさに
約束不履行大学なのだ。 これなら、なまじ大学などというコストの高
いところへ行くのではなかったという反省がいま世間で起こっている。
 
■■ そしてその先頭を切ったのが法科大学院と歯科大学である。 法
科大学院は弁護士資格を得ることをほぼ目的としている。 が、法科大
学院を終了しても司法試験合格率は半分にも満たない。 よしんば司法
試験に合格したとしても、いわゆる居候弁護士の初任給は500万円が
やっとである。 高い授業料を払い法科大学院を出ても差引き採算はペ
イしない。 この実態が判れば法科大学院への志願者は激減するに違い
ない。 政府は弁護士100万人の米国を模して、わが国でも弁護士を
増やせばいいと考え、法科大学院を創ったらしいが、わが国の現状では
弁護士の必要人数は最大見積りでも5万人程度で、弁護士会は需給のイ
ンバランスに金切り声を上げている。 米国の弁護士というのは、異常
な訴訟狂社会であると同時に、日本の行政書士、司法書士(solicitor)
,特許弁理士(patent attorney)なども合わせての総数であった。い
まや弁護士過剰時代に突入した日本では就職斡旋機関としての法科大学
院が存続し得るレーゾンディテールは少ない。
    
■■ 歯科医大も似たような話だ。 歯科医師の過剰傾向は続き、いま
ごろ雇われ歯科医師の仕事に有りつけたとしても、年収300万円が普
通である。 にも拘らず私立歯科医大への入学時寄付金は1000万円
が相場のままである。 どう考えても私立歯科医大へ入学する採算メリ
ットは少ない。

■■ それよりもっと酷いのは一般大学の文学部、経済学部、商学部、
法学部、各種情報学部などである。 事実としていまごろ大学で習うの
は、一般教養と称して中学高校生並みの「読み書き」に過ぎず、それで
いて、卒業時の大学による就職斡旋は望み薄なのだ。

■■ もうこの辺りで、無分別な大学入学志向だけはやめるのが常識人
としての考え方でなかろうか。 いたずらに、見せ掛けだけの高学歴志
向は奢侈の極まれるものとしてピリオドを打つ方が、個々の家庭にとっ
ても、国家社会にとってもずっと経済的である。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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 <自民・民主コンビのワシントン訪問>
 詳しくは承知していないのだが、安倍元総理と元民主党代表の前原が
仲良くアメリカを訪問している。前者は政権担当したさい、集団的自衛
権の行使ができるように必死で汗をかいたことで知られる。岸の孫とし
ての極右体質は、小泉や森を上回っている。遺伝子と関係があるのかも
しれない。後者は民主党の防衛族の第一人者で、小沢の改憲軍拡論をは
るかに超えている。極右人士が、政権政党とこれから政権を担うかもし
れない政党に存在している事実を、国民はしかと認識しておく必要があ
ろう。
 もちろん、そうだからといって彼らに国民が羊のように従うわけでは
ない。だが、権力とメディアが2人3脚で作動すると、これは予想外な
事態を招来させる。民主主義も絵に描いた餅になってしまう。
 ブッシュ時代のアメリカ、イギリス、それに日本も、である。日本で
は郵政民営化も権力とメディアが結びついて、偽装改革が強行された。
小泉内閣の派兵も同じである。権力がマスコミを懐柔すると、憲法さえ
も無視してなんでも出来るのである。法治国家でなくなる。日本民主主
義の弱さは、国民の弱さでもある。鈴木宗男が「検察はやろうと思えば
、どんな政治家でも逮捕できる」という本を書いたらしいが、確かにそ
うであろう。
 したがって、マスコミは「国民に奉仕する」「権力に屈しない」とい
う原則を断じて死守しなければならない。今日では朝日・読売・NHK
に、その重責があるのだということを忘れてほしくない。

<前原政権売り込む安倍>

 安倍はアメリカで「未来の総理大臣・前原」を懸命に売り込んでいた
。与党の元総理が、野党の防衛族議員を宣伝しているのだ。民主党政権
へのアレルギーをなくしている、民主党政権は問題ない、と訴えている
のである。
 といっても、彼のわずかな人脈は共和党である。政権を奪われてしま
っている。だから国務長官や国防長官がわざわざ時間を割いてくれるだ
ろうか。クリントンは東京で小沢との会見を求め、何とか会うことがで
きた。
 安倍は麻生を支援してきたが、9月か10月にはおしまいになる。そ
のあとに民主党が政権を担当するだろう。そのときの総理大臣が前原だ
と信じて、売り込みを図っているのであろうが、そうだとすると自民党
側からすると反党行為ではないのか。こんなことは過去において考えら
れない行動である。
 しかも「前原政権は自民党の防衛政策と同じだ」とも宣伝した、と現
地特派員は伝えている。ということは、「集団的自衛権を行使する民主
党」であるから、心配ご無用だと説得しているのであろう。麻生も小沢
も、坊ちゃん3世にこけにされているのである。なんでもありの政界と
はいえ、不思議な前原と安倍のワシントン行脚であろうか。

<坊ちゃん3世の夢>
 安倍の思惑はなにか。参院選挙で歴史的惨敗の責任者にもかかわらず
、それでも彼は辞めなかった。「前原の民主党のために敗北したのだ」
とうそぶいているのかもしれない。自民党からすると、安倍は疫病神な
のだ。本来、政界を引退すべきだろうが、そうした責任感など坊ちゃん
3世には無縁だ。
 それどころか、いち早く「将来の総理」に食らいつくことで、自らの
復権を果たそうというのではなかろうか。たとえそうだとしても、反対
党の政治家を擁立しようというのだから、党紀に違反するだろう。帰国
した安倍に、自民党執行部がどんな罰則を科すのか、それとも先の小泉
の所業を正さないまま済ましたように無視するのか。
 「前原政権」を夢見る安倍は、その先にもう一度、自分の政権を夢見
ているのかもしれない。自民党を敗北させ、さらに民主党にも手を突っ
込むという従来の政党人には考えられない安倍行動には、やはり国民の
監視が必要だろう。

<松下政経塾の野望>
 両者の行動には、松下政経塾の戦略も介在していると見られがちだ。
松下幸之助の最後の野心は、政治を掌握することだった。人間ワンマン
になると、政権奪取への思いが強くなるらしい。彼は、政治狂とみられ
がちな若者に民族主義を徹底してたたきこみ、彼らを政界に送り込み「
政治の刷新」を夢みたらしい。
 「神道教育を叩き込み天皇教・靖国派を養成している」という分析は
正しいのかもしれない。自民党の右翼議員と波長がぴったりだ。必然的
に改憲軍拡派が彼ら政経塾の体質となって、安保や防衛の族議員となっ
ていく。自民党内の族議員との連帯が確立することになる。
 その先陣を切っているのが前原である。彼のパートナーが安倍や小
泉だ。松下の資金力がそうした活動を支えてきているのだろう。宗教じ
みている点で「公明党とお似合い」と指摘する向きもある。
 これの作戦本部が政経塾というのである。PHPという出版社も連携
して動く。ここでは改憲軍拡がらみの出版物が少なくない。

<ブランドを変えた松下>
 政経塾の民族主義教育は、既に知られているようだ。松下電器のブラ
ンド名は「ナショナル」である。日本民族の高揚を狙ってつけたものか
。第三者には、そんな響きを印象付けてきた。そこに松下政経塾議員の
右翼的な発言と行動が表面化したものだから、明確に「ナショナル」を
裏付けてしまった。
 松下にとって国際的商品を製造・販売するうえで、これはマイナスに
なってしまう。特に近隣国と過去の不幸な歴史がビジネスに損害を与え
かねない。こうした判断が、松下をして「パナソニック」ブランドに統
一したのではなかろうか。
 企業は変身したが、政治の方は相変わらずの民族教育による政治家生
産に余念がない。前原は安倍という元総理を抱え込むことで、麻生後に
展望を開きたい、という思惑が透けて見える。これを小沢―鳩山―菅ラ
インがどう対応するのか、興味ある焦点だろう。

<狙いはステルス機購入か>
 筆者の憶測だが、ブッシュ政権は日本へのステルス機(F22)の輸
出に待ったをかけた。アジア諸国の懸念に配慮したのである。オバマ政
権は、このべらぼうな金食い戦闘機の生産を中止しようとしている。
 日本の防衛当局は国の財政などおかまいなく、この戦闘機の輸入に必
死である。今回の二人の防衛族のワシントン訪問の狙いは、これの輸入
に向けたひそかな工作ではないのか、との憶測を呼んでいる。
 今後10年間、米国の財政は悪化したまま推移する可能性もある。国
防予算は大きく削られていく。イラク撤兵は財政難に最大の原因がある
。米軍需産業は武器輸出に方向を変えることになる。F22の輸出はア
ジアに軍拡のうねりを招来させよう。アジアどころか、世界にも。武器
輸出による軍拡の時代を到来させかねない。

 安倍と前原には、筆者の目には日米軍需産業がまとわりついている、
と見える。死の商人と政治権力の結びつきである。岸や中曽根の踏み込
んだ世界でもある。なかなか国民の目に届かない世界だ。
 武器輸出・死の商人が戦争の真犯人なのである。彼らにまとわりつか
れた政治家や官僚は、もはや自制をすることなどできない。これにメデ
ィアを介在させることで、危機は容易に生まれるのである。
 国民に奉仕するマスコミが現れない限り、アジアの平和と安定は確保
できない。NHK・朝日・読売をしかと注視していく必要がある。あえ
て強調したい。
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◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月24日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ →
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2010年人口調査委員会組織

 サハリン州で2010年人口調査実施を向けての委員会が組織された
。サハリン州行政機関、州統計局、法律機関、連邦機関などの関係者か
らなる人口調査実施委員会は、21日に初の会議を開き、具体的な事業
日程について話し合った。

春・夏の連休はいつ?

 ロシア労働尾y日就業担当連邦当局によると、今年の春と夏の3日連
休は3回。5月1日は金曜日。その故、1日〜3日まで休み。又、5月
9日(勝利の記念日)が土曜日であるため、月曜日の11日まで3日間
連休。そして、ロシアの日である6月12日が金曜日であるため、12
日〜14日まで3日連休。

産院オープン

 先週、ポロナイスク区域で市立中央病院付属産院が6カ月間の修理を
終え、再び開院した。開院式にはア・ホロシャヴィンサハリン州知事も
参加した。サハリン州政府は修理のために5.500万ルーブルを支援
した。

中小企業を支援しよう

 さる16日、サハリン国立大学でサハリン州が主催する「2009−
ビジネスフォーラム」が開催された。フォーラムにはユジノサハリンス
ク市政府と市議会関係者とサハリン州議員、中小企業人、大学生らが参
加した。フォーラムによると、現在、若者たちは企業に入社し、又、そ
こで昇進などを通じて成功するなどの夢を持っていない。彼らは自ら会
社を起こし成功しようとする傾向が強く、月給などの給料を主な生計手
段と考えていない。そのため、若者たちの創業と成功を支援することが
サハリン州の社会経済発展を齎すというのが世論。州統計局によると、
サハリン州の若者数(13〜30歳)は15万7千人。そして、ユジノ
サハリンスク市の若者人口は5万人余り。最近の経済危機で就業できな
い若者数が増加している。

数百万ルーブルの代わりにバック

 さる15日、ノグリキ区域中央病院の会計員が強盗にあってバックを
盗られた事が分かった。しかし、4人組の強盗が狙っていたのは給料の
入ったバックだった。彼らが盗っていった会計員のバックには携帯と少
しの現金の入っている財布のみ。病院の職員らに払う給料は自動車の後
ろの席においていたバックに入っていたのに強盗たちは会計員が持って
いたバックが大きいものだったために間違って盗って逃げたのである。
警察は強盗団を手配中。

結核予防治療所を新築

 サハリン州政府保健管理局によると、近々ユジノサハリンスク市イエ
メリヤノフ通りの小児科病院の近くに小児科結核予防治療所が新築され
る。現在の建物は修理もできないほど老朽化が進んでいるため州政府は
新築を決めた。新しい治療所は一日100人ほどの患者をみることがで
きる規模で設計、建設される。

飢え死になりそうだった双子の赤ちゃん

 ネベリスクに住むイリナ(24歳の女性)は、3月29日の朝から友
達の家で酒を飲みながら暇を潰していた。生まれて1年半の双子の息子
達を家に置き去りにしたまま。3月31日、予定より早く出張から帰っ
てきた主人は恐ろしい風景を目撃。3日間、放置された双子の赤ちゃん
たちは飢餓状態で泣く気力までもなく床やソファで横になっていた。オ
ムツも替えなかったため、赤ちゃんたちの皮膚も酷く悪くなっていた。
救急車を呼んで双子は病院に運ばれ、幸い救われた。しかし、母のイリ
ナは病院にも顔を出していない。お父さんの帰りが遅かったらどうなっ
ただろう。検察は児童虐待の容疑で母イリナに刑事責任を問わせる考え
だ。

金・チョンス領事、サハリン西部沿岸地方訪問

 ユジノサハリンスク駐在韓国領事館出張所の金・チョンス領事が15
日から2日間、地方の韓人生活実態を把握するためにウゴレゴルスク、
シャフチョルスク、クラスノゴルスクなどのサハリン州西部沿岸を訪ね
、地域の韓人同胞らの話を聞いた。同行した朴・ヘリョン韓人会長と全
・サンジュ老人会長は永住帰国やサハリン特別法案を巡っての最近の情
勢を説明した。話を聞いた地方韓人会は特別法案を支持する決議案を採
択した。このような地方訪問は今後も続くとのこと。
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◆コラム・EYE「春宵一刻値千金」:片山通夫
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 駆け足で通り過ぎるように、桜とともに春が逝く。春が逝くにつれて
日が長くなってくる。ではこの「春宵」の「宵」は何時頃を指すのだろ
うか。

 それにはまず、この詩を知りたい。

春宵一刻値千金 (しゅんしょういっこくあたいせんきん)
花有清香月有陰 (はなにせいかあり、つきにかげあり)
歌管樓臺聲細細 (かかんのろうだいこえさいさい)
鞦韆院落夜沈沈 (しゅうせんいんらくよるちんちん)

宋(中国)の詩人、蘇東坡の「春宵」という詩である。意味は次の通り
のようだ。

花の香かそけき春の宵
おぼろにかすむ月の影
うたげの声の静まりて
ぶらんこぶらぶら夜は更ける

こうなると「春宵」は「宵」でなくて「夜」と解した方が良いようだ。
宴会でもあったのだろうか。その宴も終わりに近づき、月の影が庭に。
なぜここで「ぶらんこ」が出てくるのかよくわからないが、ともかくそ
れに乗っているうちに夜が更ける・・・。
 これだけじゃ、あまりにも散文的だ。「春の宵」は色香が漂わなくて
は…。宴を抜けて庭に出た二人の影を朧月が・・・。そこで何があった
のかはわからないが、美女と酒と心地よい春の宵(夜)だ。何があった
っておかしくはない。と思いきや、蘇東坡先生、ぶらんこを持ち出した。

 ところが日本ではこうはゆかない。大田蜀山人の狂歌には「春宵一刻
値千金」は「一刻(2時間)で千金」ならと・・・。
 「一刻を千金づつにしめあげて六万両の春の曙」
そういえば「花見の会」が政界でも催されていたが、「花見の怪」にな
ってはいまいか?

 さてせめて庶民の我々は春の宵を屋台で安い酒でも飲んで春を惜しむ
としますか。 
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◆コーヒーブレイク ⇒ほぼ毎日更新!       
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*備忘録
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◆[編集長から]              片山通夫
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  豚インフルエンザが、メキシコやアメリカで。ヨーロッパにも波及
しそうな勢いだ。WHOは「非常事態」とは思っていないのか、それ
とも恣意的に情報を押えているのか、動きが鈍そうな報道が。

 筆者は小さな畑を持っている。今年は枝豆、アスパラガス、ハーブ
それにトマトやジャガイモなどを植えた。みんなそれなりに育って来
ているように、素人目には見える。昨日など、にんにくの水栽培まで
手を出して、家人に笑われている。
 こうした植物を育てていると、ちょっとだけだが自然に回帰出来た
ような気分になる。

 豚インフルエンザだけじゃなく、過去にない病気が地球を覆ってい
るのを聞くにつけ、如何に人間が「自然をいじくりすぎたか」を感じ
る。

 月曜日に新聞に「ブルガリアのヨーグルトが売れている」というニ
ュースを読んだ。EUに加盟を果たしたブルガリアに「外国資本のヨ
ーグルト製造会社」が進出したそうだが、今世界を覆っている不況で
その外国資本がブルガリアから撤退したという。ヨーグルト無くては
おさまらないブルガリア人は国産ヨーグルトに目を向けたおかげだ。
 グローバルの波で一時は倒産の危機を感じていたブルガリア民族資
本の起死回生である。

 自然も経済も人間がいじくりまわしすぎるとどんな結果になるのか
という結末を見た思いだ。筆者の小さな畑で「地産地消」に励むとす
るか。とても小さな抵抗なのだ。
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発行     2009年4月28日   No.382
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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