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タイトル:609studio No.381◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/04/21


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/4/21  No.381
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など
話題満載! 
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」:<夏日の日本>

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月17日号

◆コラム・EYE「アメリカとキューバそして日本と北朝鮮」:片山通夫

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 Ken氏の「現代時評」は隔週でお届けしております。次週をお楽し
みに。
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◆本澤二郎の「日本の風景」 
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 <夏日の日本>
 東京は桜吹雪の土曜日だ。遅れて八重桜が3分咲き、公園のケヤキは
鶯色に美しくもさわやかに着飾っていた。とはいえ日中の気温は25度
を超えて文字通りの夏日で、人々はまだ春だというのに「暑い」を連発
していた。

 昨夜(10日)田舎から上京したのだが、房総半島の桜は満開だった
し、我が家の桃の花もきれいに咲き誇っていた。水田には水がはられて、
田植え目前の田園風景を見せつけていた。今年初めて蛙の合唱を耳にし
た。山は萌黄色に衣替えして、近づく夏を印象付けていた。半月ほど前
に植えたジャガイモが、かぶっていた土をはじいて濃緑の芽を地上に吹
き出していた。庭の雑草地から野生の三つ葉と山椒の若芽を摘んで東京
に持ち帰った。

 嫌な光景も目にした。農家では畑を農機具で耕作した後、薬を撒いて
いた。除草剤ではないか。いい気分はしない。
 タケノコは今年不作だという。理由は不明だ。この機会に戦後、雨後
のタケノコのように誕生した新聞などマスコミ事情について、筆者の見
聞をあらかた整理しておきたい。多くの日本人は、新聞はみな同じと思
い違いをしているからである。世論を作り上げるマスコミ・言論機関は
国家ではなくて「国民に奉仕する」という原則を守らねばならないのだ
が、それこそ言論の自由・表現の自由をよいことに、中には世論をあら
ぬ方向へと引きずりこむマスコミ・メディアも存在する。

<日本のメディア>
 戦前の日本マスコミの全ては、軍部に屈服、侵略戦争の推進・宣伝に
深く加担するという恥ずべき歴史を刻んでいる。戦後は従って、権力の
走狗とならない健全な立場を堅持する、国民に奉仕することを公約して
再生の道を歩み始めた。
 すなわち中立・公正・不偏不党が日本マスコミのあるべき姿となった
。権力に屈しないリベラルである。平和主義を重視する立場からの報道
である。だが、米ソの冷戦構造・反共主義という国際政治に翻弄された
日本政府によって右傾化路線に舵を切り、大事な原則を放棄するメディ
アが現れてきた。財界右翼が支援する新聞、そして旧内務官僚が経営に
入り込んだ新聞が、与党の右派勢力と結びついて不偏不党の立場を放棄
してきている。
 公正・中立というあるべき公約を放棄してしまっている。ここに世論
形成において、国民に奉仕するというのではなく、国民世論を操作・作
り出すマスコミが現出している。権力と癒着するマスコミ・政府の広報
新聞が誕生する日本に危うさが生じてきている。これらは独裁国のマス
コミと大差がないのである。
 むろん、中にはなんとか健全さを維持しようとしているマスコミも存
在しているが、その力は経営難に比例して徐々に弱まっている。マスコ
ミの衰退は、健全野党の力を削ぐというマイナスの効果をもたらしてい
るだけではない。悪しき権力の走狗という過去に逆転させている。ここ
が深刻この上ないのである。

<読売新聞>
 80年代に中曽根内閣が誕生すると、同内閣の広報新聞に変身したマ
スコミが読売新聞である。戦前は小さな新聞だったが、戦後は大衆が関
心を抱く事件ものを大きく取り上げて部数を伸ばしてきた。ひところ、
高級紙といわれた朝日新聞のライバル紙として知られた。
 敗戦後、共産党シンパから主導権を奪うと、戦前の権力の権化とされ
る内務官僚を経営陣に送り込み、体制との関係を強化してきた。その極
め付きの人物が現在も読売のドンといわれるナベツネこと渡部恒雄であ
る。彼こそ戦後右翼のドンとなった児玉誉士夫の盟友だったことでも知
られている。児玉は戦後保守党の源流である鳩山・自由党の設立と選挙
資金を提供した黒幕である。鳩山、岸の政権を実現させた。中曽根内閣
の基礎を作り上げた右翼人士としても定評がある。
 ナベツネが実権を掌握した80年代から一挙にリベラル色を放棄して
、体制の維持・存続という格別の役割を、ことさら担ってきている、と
指摘されて久しい。野球チーム「巨人」軍を武器にして野球ファンを、
新聞の読者にしてきた。いまや発行部数で朝日新聞を抜いてしまってい
る。部数の拡張にもっとも力を入れてきた新聞でもあった。
 重大な点は、自ら平和憲法を解体する方針を打ち出して、ことごとく
護憲勢力に横やりを入れてきている。現在、改憲のための3分の2の勢
力確保のためにナベツネ自ら、中曽根康弘ともども大連立工作に余念が
ない。「国民に奉仕する」という原則を無視して政治介入しているので
ある。「おごる平家」さながら、である。
 系列に日本テレビが存在する。配下に地方のテレビ局もあり、新聞を
読まない国民にも、その影響力、世論形成に予想外の力を発揮して、改
憲世論を全国的に醸成している。保守・極右政治を主導しているといっ
ていい。悪質である。
 改憲右翼新聞は、いうまでもなく反共政策の推進にも一役買っている
。必然的にレーガンやブッシュというワシントンの右翼政権の活動を強
力に支援する報道にも力を入れてきている。オバマに対してはどうか?

<産経新聞>
 読売に先行する形で、いち早く財界右翼の音頭で新聞を発行してきた
のが産経新聞である。スポンサーの中には、財界右翼と結びついてきた
台湾独立派の勢力も含まれている。典型的露骨な反共新聞に徹して今日
を迎えている。
 系列の出版社は、戦後否定された皇国史観を基礎にした教科書を出版
して、ここ数年、話題をさらっている。天皇制国家主義がこびりついて
いるマスコミだと筆者は分析している。中曽根、小泉、安倍といった右
翼政権支援に特に力を入れてきている、と与党内からも指摘されている
。むろん、共産圏報道では、時に客観性が問われることになる。
 さすがに右翼路線が際立つため、知識人の評価は必ずしも高いわけで
はない。低い。新聞の値段を安くしたりしてきているが、部数は伸びて
いない。とはいえ系列のフジテレビは、日本テレビと同様、世論形成に
一役買っている。産経は沈下しても、フジテレビは善戦しているようだ。

<日経新聞>
 経済界をスポンサーにしているため、報道の主力を経済に向けている
。不況時にはサラリーマンも手にする新聞である。72年の国交正常化
のさいは、日本の経済界と与党の保守本流が主導したこともあって、日
経も前向きに日中報道に取り組んだものである。
 弱点は財界におんぶに抱っこされている関係で、いざという場面で自
立できないとみられている。たとえば、読売や産経が財界右翼の意向を
受けて平和憲法の解体に熱心だが、日経も人々に知られることなく改憲
新聞に変質していた。
 筆者は昨年、日経の友人が出版パーティーを開いた際、関係者に確認
して、その編集方針の変化を悟ったほどである。むろん、産経や読売ほ
ど露骨に改憲へ向けた世論操作はしていない、と理解している。財界の
圧力に屈したものであろう。日経OBは「商業右翼。金になるので改憲を
打ち出したもの」と筆者に解説してくれた。
 御存じ、財界は財閥が主導している。彼らこそが保守党最大のスポン
サーである。武器・弾薬生産は財閥の独占といっていい。平和・軍縮派
の宇都宮徳馬が生前、筆者に教えてくれたことだが、「右翼への資金提
供は財閥」なのである。日本右翼が衰退しない原因なのだろう。
 戦前の純粋右翼は、財閥の暴利にも攻撃を加えていたが、戦後は財閥
の走狗になっているようである。
 日経はテレビ東京を系列にしている。新聞とテレビの連携が、日本の
主流マスコミの特徴でもある。

<朝日新聞>
 日本知識人が最も愛読した新聞、それが朝日であった。かつてはそう
だった。自民党右派の政治家などは「左翼新聞」というレッテルを貼っ
たりしてきたが、今日はそうした見方は当たらない。
 朝日の右傾化こそが、戦後マスコミの変身を読売と共に代表している
。近年の北朝鮮報道などでは、まるで産経のお株を奪ってしまった、と
評価する者までいる。うなずける点である。他方、ワシントンとの接近
が目立ってきている。
 だからといって、政府・自民党と癒着しているのか、というと、必ず
しもすべてがそうではない。ただ、小泉改革を必死で支援した報道姿勢
には、朝日社内でも批判されているらしい。
 朝日の右傾化には、ここ20数年来の右翼の暴力的弾圧と関係が深い
、というのが、筆者なりの分析である。右翼・暴力に屈した朝日に明日
はあるのだろうか。最近、週刊誌の「週刊新潮」が、朝日阪神支局襲撃
事件の犯人と称する右翼人物の告白記事を載せた。真犯人をCIAとす
るものだが、朝日はそこへの取材をあいまいにしたまま「偽りの告白」
といって排除した。果たしてそうなのか。オバマ政権になった現在、裏
付け取材をすべきではないだろうか。
 テレビ朝日が系列テレビであるが、ここでは番組の一部に客観的・政
府批判をするものもある。唯一の救いだが、他方で暴力団出身政治家を
番組に登場させるいかがわしさをも見せつけている。
 筆者の友人の何人かが朝日新聞購読を辞めている。一人の弁護士は毎
日新聞に切り替えたし、元自民党大臣は東京新聞を取り始めている。筆
者は20代から朝日の読者だったが、4年前に引っ越しをした時に購読
を辞めた。朝日右傾化による部数減は大きいかもしれない。
 しかし、だからといって朝日と読売は異なる。市民サイドの報道では
前者がまだ圧倒している。古くからの朝日ファンが逃げ出したわけでも
ないだろう。覚醒を強く求めたい。国民奉仕を忘却するな、と。

<毎日新聞>
 リベラルな報道姿勢では、毎日がそれなりに奮戦している。ただし、
毎日の弱点は厳しい経営事情にある。経営に失敗して部数を減らしてき
ている。読売とは対称的である。この機会に読売や朝日にあきた読者は
、ぜひとも毎日を薦めたい。毎日の独り立ちを願うものである。
 野球チームを手放したことも販売力の低下を確実にしたとされる。新
聞販売店対策の失敗も経営を危うくさせたらしい。そのため一部の団体
に肩入れすることになる。公明党・創価学会の機関紙を、毎日関連の印
刷会社で刷ることでなんとか経営危機を乗り切っているという。むろん
、スポンサーの機嫌を損なう活字はタブーである。
 だが、厳しい経営事情が真っ当な記者を育てていることも事実だ。賃
金の豊かな朝日などに、切れ味のよい記事が少なくなったのも、給与と
無関係ではないだろう。なお、系列のTBSテレビも全てが保守化して
いるわけではない。いい番組が報道とドキュメントで見られる。

<共同通信>
 全国の地方新聞・ブロック新聞に国際ニュースや国政・経済ニュース
を配信している通信社で知られる。最近は変わってしまったようだが、
以前は強力な労働組合が存在した。権力に対抗する果敢な記者ばかりだ
った。
 切れ味のよい記事を地方新聞に配信、全国に影響力を見せつけていた
。記者の質がよかった。近年、そうした良さに変化がみられる。権力に
屈する編集責任者が出てきている、と共同OBによって指摘されている。
共同から革新的・進歩的な活字が消えると、時事通信と変わりないもの
になって、通信社としての存続が危ぶまれることになろうか。
 共同通信の情報はテレビや政府機関にも配信されている。

<時事通信>
 共同に対して政府寄りという制約が、この通信社にはまとわりついて
いる。配信先は政府や地方自治体、企業へと広がっている。政治ニュー
スを期待する専門家は少ない。むしろ、経済報道に力を入れている。
 政府・自治体との癒着関係を利用した強力な講演会組織を有している
。筆者も生活のため一時ここで講師をしたが、政府批判をした途端、そ
の地位をはずされてしまった。政府広報の通信社が時事の限界といって
いいだろう。

<ブロック紙>
 守備範囲が数県にまたがっている新聞をブロック紙と呼んでいる。産
経もこれに属するかもしれない。有力なブロック新聞というと、東京新
聞である。実は東京新聞は筆者が働いてきた東京タイムズより早く倒産
、名古屋に本社がある中日新聞社に買収されてしまった。関東では東京
新聞のまま売られているが、発行は中日新聞である。
 昔ながらのリベラルを貫いているようだが、最近、フジテレビに出演
している右派の論客を、企画ものの連載に起用していることを知り、や
はり右傾化へと歩調を合わせていることを認識させられた。まじめな記
者は少なくない。勇気を持て、といいたい。
 北海道新聞や西日本新聞、中国新聞などもブロック紙である。炭鉱の
多かった北海道や広島を抱える中国は、まだリベラル色が濃いのではな
いか。

<地方新聞>
 共同通信の原稿を大量に利用している県紙・地方新聞には、まだ善戦
しているものもある。たとえば、長野県の信濃毎日とか沖縄の新聞は真
っ当なほうである。神奈川新聞もいいほうだろう。とはいえ、県と癒着
することで、かろうじて生き延びてきている地方新聞も少なくない。

<スポーツ新聞>
 読売新聞の系列にはスポーツ新聞もある。スポーツ好きの会社員を標
的にした新聞だが、相応の読者を抱えている。しかし、スポーツだけで
は読者の確保は容易ではない。政治や社会記事を載せて若者の気を引こ
うと必死のようである。

<夕刊紙>
 読者の多い夕刊紙というと、日刊ゲンダイと夕刊フジである。前者は
、権力に屈しない勇気ある新聞として大都市圏で販売を伸ばしてきてい
る。筆者もよくコメントを出している。多くの新聞が、右傾化して権力
の走狗となって面白みが欠けているため、勢い日刊ゲンダイにサラリー
マンの支持が集まることになる。
 他方、夕刊フジは産経系列の新聞。体制寄りである。一時、筆者も原
稿を依頼されたものである。

<週刊誌・雑誌>
 週刊誌というと、新聞社系と出版社系がある。「サンデー毎日」「週
刊朝日」が前者で、後者は「週刊新潮」「週刊文春」「週刊現代」「週
刊ポスト」「週刊大衆」「週刊実話」「アサヒ芸能」など。政権から漏
らされた記事、反対に手厳しく追及する記事などで新聞に面白みがない
中で、市民の関心を引く報道も少なくない。
 今日、月刊誌の販売は低調で次々と廃刊の憂き目に追い込まれている
。活字人間は携帯電話やパソコンの普及で減少、同時に広告の落ち込み
が新聞とテレビに経営面で悪影響を与えている。
 いい記事、国民に奉仕する真っ当なマスコミ・メディアのみが生き残
れるマスコミ環境に置かれてきている昨今といえよう。

<NHK>
 最後に公共放送としてのNHKがある。かつては、テレビやラジオ報
道で最も安定・客観報道と理解されてきた。理由は健全な労働組合の存
在があったからである。いま、それが御用組合化して力を喪失してしま
った。権力との対決は不可能で、外交や政府関係の微妙な報道では、客
観性にかける。
 NHKに対する市民の反発は筆者を含めて少なくない。とはいえ豊富
な資金力によって、時にはいい記録ものを制作することもある。昨今、
政界と財界、官界の圧力にことさら弱さを見せているのが知識人の不満
となっている。
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◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月17日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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大統領との映像会話

 先週の9日、メドベーゼフ大統領が映像を通じて国内各地域の住民と
対話をするというプログラムが企画され、その初出演者らがエトロフと
クナシリ島の住民だった。映像対話にはサハリン州知事と極東大統領代
表も一緒に出演し、共に住民らの苦情を聞き、その解決策を探った。エ
トロフとクナシリ島で問題となっているのは医師不足。病院の新設や医
療設備の現代化、医療関係者の賃金引上(月平均給料医師7.5万ルー
ブル、看護婦3.7万ルーブル)などで医療環境は改善されつつ有るに
も拘らず医師不足には頭を抱えているとのこと。現在、20人程医師が
不足しているが、主な原因は住宅問題。住宅が提供されないため外部か
ら医師が来ない。州や市政府は民間業者から新築の住宅を購入(2世帯
)するなどして何らかの解決策を探ってはいるが力不足。クリル地域で
は今年中に12世帯、来年6世帯の住宅を新設して医師を呼ぶ計画。ア
・ホロシャヴィンサハリン州知事は「専門家たちが地方で長期間働ける
ような環境づくりが何より課題だ」と人材不足に頭を痛めている地方の
立場に対する理解と協力を強調した。

「ミハイル・カルキン・ブラスキー」称号メダル受賞

 イ・ブロダブカ駐サハリンロシア連邦刑事担当主任が「ミハイル・カ
ルキン・ブラスキー」称号メダルを受賞した。本賞は2008年、前刑
務所初代監督官ミハイル・カルキン・ブラスキーを偲んで制定されたも
ので、メダルには彼の顔が刻んである。受賞式でサハリン州知事は「サ
ハリン州の刑事部門の発展と強化に寄与した功労が評価され…」と授賞
の理由を説明した。

ユジノサハリンスク市立室内オーケストラ創立10周年記念コンサート

 13日、チェーホフセンターで創立10周年を迎えたユジノサハリン
スク市立室内オーケストラの記念コンサートが開かれた。1999年2
月2日に創立されて以来、韓国や日本での海外演奏を含め350回に渡
るコンサートを開いてきた。記念コンサートには韓国からバリトン歌手
と民謡歌手が友情出演もし盛大な国際的舞台となった。州や市政府人事
や文化人、同僚など多くがオーケストラメンバーに花束を贈る他、長く
活動したメンバーには政府からの感謝状が送られた。

雪が解けて氾濫

 最近、雪が解けてできた水でユジノサハリンスク市東部地域に位置す
る平屋に浸水の危険性があると市政府が注意を呼びかけている。市政府
は現在、排水口周りに積もっている雪を拾い捨てる作業を集中的に行っ
ている。

水道水の質が悪い

 先週のサハリン州政府2008年事業報告によると、サハリン州内で
伝染病が広がっている主な原因の一つは水道水の質が悪いため。水道水
に鉄とマンガンが多く含まれている他、衛生法を違反している給水施設
なども問題だと監視当局が発表した。

暖房は順調に…

 9日、サハリン州政府は動力及び住宅管理局会議を開き、この冬季の
暖房事業総括を行った。報告によると、ボイラーの故障事故もなくアパ
ートへの熱供給も順調に送られた。しかし、シャフチョルスク、ドリン
スク、アレクサンドル・サハリンスク、ポロナイスクなどの地域では電
気と暖房料金の滞納が続いている。2009〜2010年にかけての暖
房事業は今年9月中旬まで完了すべきで必要予算は18億ルーブルだと
は当局の話。

熊狩りスタート

 サハリン州での熊狩り許可期間が発表された。4月20日から1カ月
間はサハリン南部とクリル島の南部と中央地域で、5月1日からはサハ
リン州北部と北クリル島で一般人による熊狩りが許可される。発行予定
許可証は120枚、昨年に比べ4倍も増加した。許可証はサハリン州山
林保護地区管理局で申請し得ることができる。

幼児殺人事件

 今年4月7日、ドリンスク地域のある住宅で幼児の死体が発見。調査
によると殺人者は母親。3月3日、一人で子供を生みその場で首を縛り
殺したとのこと。

酒を飲んで殺人

 今年4月5日、ホルムスクの道路で67歳の女性の死体が発見された
。調べによると、一緒に酒を飲んでいた女性と口喧嘩になり、相手の女
性がナイフで女性の腹部と頭部を刺して殺人した。

サハリン同胞慰安公演

 12日の夕方、サハリン韓人文化センターで韓国のバリトン歌手と民
謡歌手らの同胞慰安公演があった。韓国の国際文化交流会の協力で慰問
公演が実現されたが、彼らと一緒にサハリン韓人文化センターで伝統芸
術を学んでいる生徒らと韓人芸術人らの共演もあって、まさに国際交流
の場となった。

コンクール「サハリン大学生らの春−2009」
でサムルノリチーム優勝

 ユジノサハリンスク市で5日間に渡って行われた「サハリン大学生ら
の春−2009」コンクールが9日、幕を閉じた。州内19カ所の大学
の500人余りの学生が参加して踊りや歌唱力などを才能を競い合った
結果、サハリン韓人文化センターで韓国伝統芸術を学んでいるサムルノ
リグルプ「ハヌル(空)」が最優秀賞を取った。

二重徴用被害者遺族会の徐・チョンギル会長「祖国栄誉の星」という勲
章を受賞

 今月10日、サハリンで社会政治関連活動を行っている機関や団体の
代表らとユジノサハリンスク市長との懇談会の際、水産業者のサハリン
韓人二重徴用被害者遺族会の会長を歴任している徐・チョンギルさんが
「祖国栄誉の星」という勲章をもらった。徐さんは多年間サハリン州の
発展に貢献した上ロシアと韓国との交流に寄与した功労で本賞を受賞し
たのである。
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◆コラム・EYE「アメリカとキューバそして日本と北朝鮮」:片山通夫
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 1962年当時、米ソ冷戦の極限に達した。その具体的な事件が「キ
ューバ危機」と呼ばれる、ソ連のミサイルがキューバに持ち込まれた事
件だ。当然の如くアメリカは猛烈な反発をした。一方、わが国では「キ
ューバ危機」の少し前、日朝赤十字社のカルカッタ協定により1959
年12月から開始された北朝鮮への在日朝鮮人の帰還が始まっていた。

 いずれも半世紀ほど前の出来事である。その後、そのキューバはカス
トロ議長が政治の第一線から引き、アメリカにはオバマ大統領が生まれ
、時代の変化を感じさせる。最近の外電では、オバマ大統領は矢継ぎ早
に対キューバ政策を変えている。そのひとつが、キューバへの渡航や送
金などについて一連の規制緩和であり、米州機構(OAS)に加盟する
南北アメリカ34カ国の首脳による米州サミットでの同大統領の「キュ
ーバとの関係を新たな方向に動かす」というスピーチである。 

 一方我が国と北朝鮮の関係は最悪の状況になっている。1959年に
始まった帰還運動も「夢の楽園」から「地獄の国」に転落、北朝鮮の強
硬政策は、核兵器を持つか否かの極限の状況である。拉致問題が解決さ
れない限り、ミサイルが廃棄されない限り、わが国との関係はますます
悪化するようである。 

 この二つの関係の違いは何が原因なのか考えてみた。ブッシュ大統領
という「戦争の顔」を持った大統領が引き、オバマというリベラルな大
統領の登場がアメリカという国を変化させている。従来からの軍事力一
辺倒の政策を洗い直し出したオバマ政権。 
一方、わが国は、混乱する国内政治から国民の関心を逸らせるためにか
、「北朝鮮という悪役」をことさら大きく取り上げているようにも思え
る。 

 キューバと北朝鮮。二つの国の類似点は少ない。しかしいずれの国も
小国であり、アメリカにはキューバ系のメリカ人、日本には在日韓国・
朝鮮人が、いきさつは違っても住んでいる。筆者は「大国」を自任する
日本とアメリカが、同じ時期に全く正反対の政策をとっていることに興
味を覚える。 

 米ソ対立という冷戦を20年も前に終えた世界で、なお新たな対立を
模索していたブッシュ前政権。そして「チェンジ」を合言葉に登場した
オバマ大統領のアメリカと、ブッシュ政権時代の、いや、今持って冷戦
時代の残渣を引きずっている日本。 

 いずれが正しい選択なのか、それこそ歴史が証明してくれるのだろう
が、「現在(今)を生きる我々はそれを待てない」という焦燥感にただ
怯えるだけである。 
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◆コーヒーブレイク案内         
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*コーヒーブレイク
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/

*小説「ムンバイに消ゆ」
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*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 しかし「軽い首相」だ。過日、日本記者クラブでの記者会見。

詳細はジャーナリスト同盟の長沼氏の報告で。↓ ↓
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51424146.html

 その首相が2月のサハリン日露首脳会談で「独創的で型にはまらない
アプローチ」により領土交渉を行うと確認した。首相の言う「独創的な
アプローチ」とは何を指すのか、具体的な言及はなかった。官僚任せで
なく、政治が解決すると言うのだろう。

 さて来月にはロシアのプーチン首相がやってくる。その前に「独創的
なアプローチ」の中身が知りたい。漫画のノリで、領土問題を論じられ
てはたまらない。
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発行     2009年4月21日   No.381
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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