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タイトル:609studio No.379◆本澤二郎の「日本の風景」  2009/04/06


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/4/7  No.379
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
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◆現代時評:今週は休載です。

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月3日号

◆コラム・EYE「Webは夕刊を殺した」:片山通夫

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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◆現代時評:今週は休載です。
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 次週をお楽しみに。
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◆本澤二郎の「日本の風景」
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 <印象に残った二つの記者会見>

 3月25日に日本記者クラブで行われた自民党元幹事長の中川秀直と
サウジ大使に転任するイラク大使のさよなら会見は、とても印象に残る
ものだった。両会見が報道されたのかどうか不明だが、現場に足を運ば
ないと確認できない真実を言論人に教えている。以前、警視総監・法務
大臣を歴任した秦野章が筆者に語ってくれた言葉の中に「現場100辺
」があった。真相をつまびらかにするには現場を100回見ろ、という
のだ。

<黒幕言論人に屈する中川元幹事長>

 ごく一部のジャーナリストが懸念していることに、堕ちた右翼言論人
が平和憲法を解体するために暗躍、マスコミを操作するだけではなく、
政界にも工作の手を伸ばし続けていることである。
 相手が相手だから誰も文句をつけない。記事にも報道もできない。彼
らには右翼の政治家・右翼財閥が支援していることも強みの理由である
。金も権力・言論を保持しての工作だから強力で厄介である。
 筆者はそれを本に書いたりしたものだから、言論・教育の自由を奪わ
れてしまった。かくしてブログで抵抗する今日であるが、最近になって
「財界にっぽん」という雑誌が掲載した。これには当方が驚いてしまっ
た。その代わり原稿料は支払われてはいない。戦前もそうだが、リベラ
ル・平和主義者の人生は今日においても厳しい。自分で選択した道だか
ら仕方無いのだが、それもこれも宇都宮徳馬のおかげである。精神はす
こぶる健康なのだから。
 本題に入るが、中川会見の場で、3分の2の改憲勢力結集のための大
連立工作を言論界の二人の人物が暗躍していることに対して、マスコミ
出身政治家として「どう思うか」という珍しい質問が飛び出した。
 相手は、たかが中川である。背後には小泉と森が控えている。森の背
後には右翼の黒幕がまとわりついている。「おかしい」とは死んでもい
えない。案の定、彼は「マスコミ人がそうしたことをしているとは思わ
ない」と口を濁すばかりだった。
 つい最近まで小泉の手先となって麻生おろしに必死だったが、いまや
借りてきた猫のようにおとなしい。1年前にパーティーでの立ち話だっ
たが、筆者が「役人を減らさないと日本がつぶれる。特権を排してせめ
て民間並みにすべきだ。クリントンでもやったではないか」と問い詰め
た際、彼は「110万人を切る」と殊勝な言動を吐いていたものだが、
この日は官僚の地位変更のことしか主張しなかった。
 彼を教育したマスコミの先輩は「ろくろく原稿も書けない男だったよ
」と筆者に解説してくれている。それゆえの政界入りだったのであろう
。森に楯ついて小池百合子を擁立した時の元気はなかった。

<イラク政府は旧満州国?>

 イラク大使の名前をメモするのを忘れてしまった。そのほうが好都合
かもしれない。間もなくサウジアラビアへと赴任するのだという。日本
での4年間に謝意を表した会見であった。見るからに穏健な人物で、膚
の色を除けば英国紳士風情である。
 彼は自分の生い立ちを少しばかり話してくれた。聞いて驚いた。彼は
外交官としての訓練などない。祖国を離れ、アメリカにおいてIT産業で
働いていた技術者という。フセイン独裁の祖国に反発していたのかもし
れない。イラク情勢がただ事ではなかったことは理解できる。ブッシュ
のスカウト作戦をみてとれよう。
 彼はアメリカ社会に溶け込み、英語を駆使するイラク人である。国籍
はイラク、それともアメリカなのか。
 いえることは、典型的なアメリカナイズされたイラク人ということな
のだ。イラク系アメリカ人といってもいい。これではアメリカ政府、と
りわけブッシュ政権にとって格好の日本駐在のイラク大使であったのだ
ろう。やりすぎではないだろうか、という疑問だ。
 ここから類推可能なのだが、イラクの各国大使のみならず、イラク政
府の人材もアメリカナイズされていないだろうか、ということである。
これを日本の過去に当てはめると、侵略を前提とした旧満州国のような
ものではなかろうか。
 アメリカ傀儡政権である。将来のイラクの安定に懸念が生じるはずだ
。アメリカは同じことをアフガニスタンでも強行している。いや日本で
も、というべきか。ちなみに、オバマのアフガン新戦略は軍事に民事を
掛け合わせたものだが、うまくいくとも思えない。彼の政権は、厳しい
内政とアフガンが命取りにならないか。
 イスラエルのガザ攻撃のみならず、ブッシュのイラク戦争こそが戦争
犯罪であろう。米兵の死者は4000人を超えているが、侵略されたイ
ラク人の死者数は、シリア大統領によると70万人といい、英BBCテ
レビは10数万人という。NHKのイラク担当者に聞くと「WHOは1
5万人と公表した。正確なところ誰もわからない」という。数10万人
であろうか。
 これではアメリカの前途は危うい。アメリカ国民はベトナムに加えて
、アフガンとイラクでの背負いきれない加害の荷物に押しつぶされまい
か。アジアを侵略し、それをまともに反省できない日本もまた、近隣国
民から昨今の衰退を嘲笑されているのであろう。

<暖冬の房総・無縁ETC>
 さらさらと 春の小川に 目を覚ます ほとりのヨモギ 緑きわだつ
 荒れはてた 休耕田で ヨモギ採り 鶯の声に 一休みする
 縁台に 腰を下ろすと 花舞台 菜の花アンズ 蝶が舞う
 1週間ほど前に田舎で枝切りしたアンズは満開、菜の花も。桃と桜が
開花寸前だ。今回はこれを切り取り、東京みやげにした。やわらかその
ものの濃緑のニラ、小さなミツバと葺きの葉も。本格的な寒さを経ない
まま通り過ぎた暖冬の房総半島。気候変動に対応できない日本も哀れだ
。子や孫の世代はどうなるのか。
 あぶれる失業大国は、人々を都会から農村へと自給自立に向かうこと
でしか生きられない日本だ。質素だが、健康的な日本にすることも可能
だ。その知恵を日本人は生み出せるか。ことしも老人が近代農機具を駆
使して田畑を耕している。しかし、それも年齢的限界を迎えている。官
僚任せの政治の限界でもあろう。
 土、日の高速道路の料金が安くなるという。ただしETCの機器のない
筆者には無縁。差別政策である。一般道が空いてくれればそれでよしと
したい。しばらく、小さな旅で活路を開こうと思う。    
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◆[セ・コリョ新聞日本語版] :2009年4月3日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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水産業者会議

 3月30日、サハリン州政府主催で地域水産業者会議が行われた。会
議に出席した州知事によると今年サハリン州に割り当てられた漁獲量は
52万5千トン、漁製品生産目標量は60万トントン(昨年比123%
)。昨年、水産業者らの納税額は11億ルーブルで(税金収入総額50
0億ルーブル)前年度より低かった。現在サハリン州には960の水産
企業があるが40社は倒産寸前。水産業に従事している労働者数は8千
人で、彼らの平均賃金は3.1万ルーブル(全ロシア2.24万ルーブ
ルで、前年度に比べ22%も高くなっている。州政府は水産業発展のた
めの特別政策案を採択し、7千万ルーブルの予算を策定している。水産
業者に特別税制を導入する他、船舶購入資金を支援するなど地域根幹産
業の発展に注力する方針であることがわかった。

観光産業振興フォーラム開催

 3月31日、ユジノサハリンスク市サヒンセンターで観光産業及び観
光サービス質の向上のためのフォーラムが樫合された。同行事は国際商
工会とサハリン国際エクスポセンターが主催したもので、サハリン州の
観光産業展望の診断と課題を模索するために開催された。

年金17.5%引上

 今年4月1日から年金生活者らの労働年金額が17.5%引上げられ
る。サハリン州の年金生活者数は15万600人。その中の14万6千
人が労働年金を受けている。

ユジノサハリンスク市内道路修理

 ユジノサハリンスク市政府は都市整備のために9億ルーブルを割当て
ると決定。昨年の4.7億に比べ大幅に増額。しかし、毎年道路や人道
修理作業のために莫大な予算を費やしているため、修理作業の質が問題
視されている。また、除雪した雪の処分も大きな課題。今日まで200
万m3の雪を捨てており、これは大型貨物トーラックで20万回も運ん
だ量である。

北方少数民族児童のために

 サハリン州政府はサハリン北方少数民族出身児童の健康回復と休憩の
ために24万ルーブルを割当てることにし、又、エプソンネプチガス社
も8千ドルの支援を決めた。当予算で夏休みを利用して約90人を民族
伝統文化を学びながら健康を回復するキャンプに参加させるほか、スポ
ーツ専門学校も設立する予定。

古い家に住む住民に新しい住宅を

 現在、サハリン州で新築住宅の入居を待っているのは25万世帯。約
束された無料住宅提供を旧ソ連時代から待っているこの住民たちのため
に州政府は金融危機にも関わらず約5億ルーブルの予算を策定した。

サハリン住民の飲酒量

 2008年、サハリン州のアルコール販売量は68億ルーブル(前年
度比1.9%増加)。住民一人当たりの飲酒量をみると、ヴォドカ21
.5リットル、ワイン6.6リットル、シャンパン 1.1リットル、
コニャック2リットル、ビール73.2リットル。

キルギズ民族文化センターオープン

 今、サハリン州に住んでいるキルギズ人は約2万人。3月21日、サ
ハリン州キルギズ人会は鉄道従業員文化会館内にキルギズ人文化センタ
ーを開設し、キルギズ人若者たちの多文化教育や就業斡旋など多様な支
援活動を行うとのこと。

日本政府宛の決議文

 3月28日、サハリン韓人文化センターで開かれたサハリン州韓人会
運営委員会拡大会議で、3月24日サハリン韓人団体代表者協議会が採
択した日本政府宛ての決議文が公開され承認を受けた。内容は次のよう
なである。
1.2009年以後にもサハリン韓人らの永住帰国が実現できるように
賃貸住宅を用意すること。2.ロシア及びCIS地域に残留する強制連
行被害者らに毎月米ドル300ドルを生活費と医療費の支援名目で支払
うこと。3.サハリン韓人らの未支給賃金と強制郵便貯金を現在の貨幣
価値に換算して補償し、特別基金を設けること。4.永住帰国事業及び
一時母国訪問事業の対象に1世直系家族を入れること。5.永住帰国し
た父母の葬儀に直系或いは親族が参加できるように航空料金を支払うこ
と。
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◆コラム・EYE「春爛漫」;片山通夫
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 「春爛漫」とはなんとも日本的な言葉である。我々がこの言葉を聞い
てイメージするのは桜が咲き乱れるさまである。

▲辞書を引いてみると、爛漫とは「花の咲き乱れるさま」とあり、「あ
りのままに輝き現れるさま。ひかり輝くさま」とある。前者の花は桜で
あり、「桜花爛漫」とも表現される。まさかチューリップやパンジーの
咲き乱れる様をそうは言わない。後者は「天真爛漫」などと使われる。

▲さて時は春。新聞やテレビでも華やかな花見の情報を伝えて、人々を
花見に誘う。桜前線という言葉がある。日本列島の南から北へ、時が移
るのに従って、この前線は北上する。5月の連休の頃には北海道・函館
あたりだとか。この桜前線を追いかけて旅をする人たちもいるという。
なんとも風情のある旅である。

▲ところが世の中、100年に一度の不況だと言われ、派遣切りや内定
取り消しなど、およそ春爛漫の風情とそぐわない世相である。その憂き
目に遭われた方々には、咲き乱れる桜を見ても恨めしいだけかもしれな
い。世間が浮かれていると、自分一人が取り残された気分になる。人間
の心理はそのようなものである。しかしここは考えようで乗り切らなく
てはなるまい。逆境に強い人間を作ってくれる天の配剤と考えて、現状
に立ち向かう気力だけは持ちたいものだ。

▲ほとんどの大企業は人を人とは扱わない風潮になってしまった。まる
でモノ扱いである。必要な時だけ使う。いらなくなればそれまでである
。一方で大企業の株主は利潤をあげて配当を1円でも多くする経営者が
良い経営者で、そうでない経営者は見捨てるという非情な社会になった
。社員(従業員)は当然だが、経営者もたまったものではない。少し長
い目で見ればいいのだが、目の前の利益だけを追求するものだから、社
員は育たない、熟練した技術者は育たないという悪循環に陥る危険に陥
っている。

▲しかし時は春。「春宵一刻値千金」という言葉もある。春の宵にしば
し忘れて、近所の桜を見に出かけてみてはいかがか。世の憂さをしばし
忘れることも必要だし、言葉の持つ美しい響きを堪能できるのではない
かと思う。いまや春爛漫である。天真爛漫にこの時を過ごしたい。
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◆コーヒーブレイクから         
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*コーヒーブレイク
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/

*小説「ムンバイに消ゆ」
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html

*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 北朝鮮の「ミサイル」騒動が一応の終焉をみた。いやこれからが政治
の場での問題か?国連安保理事会や我が国の「独自」制裁…。人工衛星
なのかミサイルなのかはともかく、先のテポドン1に比べると飛躍的に
その技術は向上したようだ。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090406ddm003030144000c.html

 これで核弾頭を搭載すれば・・・。恐ろしい兵器がまた地球上に増え
た。 
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発行     2009年4月7日   No.379
編集・発行  609studio   Michio Katayama
発行     毎週火曜日  購読料無料
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