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───────────────────────────────── 【609 Studio 】メール・マガジン 2009/3/24 No.377 ───────────────────────────────── 「現代社会を斬る！」をコンセプトに論説委員Ｋｅｎ氏の論説「現代時 評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一 の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」日本語版、その他、寄稿記事など 話題満載！ ───────────────────────────────── 609studio ウェブサイト http://www.609studio.com/ ジャーナリスト・ネット ウェブサイト http://www.journalist-net.com/ サハリン・韓国語新聞 http://www.609studio.com/sakhalinmedia.html ブログ コーヒーブレイク（ほぼ毎日更新） http://609studio.sblo.jp/ ＤＶＤ アリランの流れる島 詳細 http://www.609studio.com/html/news-3.html ユジノサハリンスク ライブカメラ http://www.snc.ru/rus/camera_w.htm ───────────◆◆◆ＩＮＤＥＸ◆◆◆─────────── ◆現代時評：今週は休載です。 ◆本澤二郎の「日本の風景」 ◆[セ・コリョ新聞日本語版] ：２００９年３月２０日号 ◆コラム・ＥＹＥ「魔女狩り」：片山通夫 ◆コーヒーブレイクから ◆編集長から ───────────────────────────────── ◆現代時評：休載 ───────────────────────────────── 次週をお楽しみに。 ───────────────────────────────── ◎片山通夫写真集「サハリン」好評発売中！！◎ 写真集「サハリン」が未知谷から発行されています。是非書店 もしくは609studioでお求めください。 四六判１６０頁 １６００円(税別) ISBN4-89642-138-8 C0072 未知谷 HP http://www.michitani.com/index.html または office@609studio.com ───────────────────────────────── ◆本澤二郎の「日本の風景」 ───────────────────────────────── ＜ろくでなし＞ 田舎で農作業中、ウグイスのさえずり、それこそ美しい田園交響曲を また今回も聞いた。東京みやげにと、遅く植えた大根を収穫、それに庭 先のつぼみを膨らませている杏の小枝を切り取った。菜の花もマンショ ンの殺風景には、癒し効果を発揮してくれるので。しおれても花瓶に入 れると生き返り、数日黄色い花を咲かせてくれる。夜中に上京してイン ターネット情報に目をやると、小沢一郎が「検察と対決をする」とすご んでいるではないか。ふとシャンソンの「ろくでなし」という曲を思い 出した。 ＜出処進退＞ 政治家の引け際が難しいことはわかる。権力と利権と名誉がからんで いる。だが、小沢の態度にはあきれる。まさに「ろくでなし」だ。元産 経ＯＢが「田舎のアンちゃん」と呼んでいたが、そのレベルなのか。彼 の自民党時代を承知している関係者なら皆「検察はどうして逮捕しない のか」と怒る。その気持ちは筆者も理解できる。 小沢の「やりすぎ」は今日まで続行してきたことを、今回の事件が物 語っている。金丸利権の継承者は、野党時代も。 潔く民主党代表を辞めるべきだろう。辞めなければ、側近は辞めさせ なければならない。政権の交代を願望する有権者の期待でもある。本来 、小沢の女房役の鳩山由紀夫が彼の首に鈴をつける責任があるのだが。 ところがどうだろう。幹事長は必死で小沢をかばい、小沢応援団の団 長になりきっている。思えば、二人とも政治権力を武器に生きてきた世 襲議員の代表である。麻生・安倍・小泉らと同類だ。企業からの金集め は当然なのだろう。数日前、突然「企業献金を禁止すべきだ」と予想外 の主張をして関心を集めているが、なんのことはない、自民党が反対す るとにらんでの発言であろう。ろくでなし発言のレベルだろう。 ＜大連立・改憲が狙い？＞ 小沢の金庫番逮捕で民主党の圧勝はなくなった。安堵している面々は 、中曽根・ナベツネらだ。彼らのあくなき思惑・策謀は大連立による平 和憲法解体にある。兵器財閥の狙いでもある。イラク・アフガンへの派 兵で味をしめてのものだろう、今度はそそくさとソマリア沖派兵を強行 した。彼らの操作が及んでいる麻生内閣というのも嘆かわししい限りだ 。黒幕政治の恐怖とでもいえようか。 ところで、政権交代をもくろむ民主党は、なんとしても不人気総理の 麻生との対決に希望を抱いている。他方、自公政権は腐敗・金権の小沢 との対決に期待と希望を抱いている。それかあらぬか今日の報道の中に は「東京地検特捜部が小沢への事情聴取をやめる」とあった。官邸が検 察にブレーキをかけたと思われる。まじめな検察官には耐えられないだ ろう。 法務・検察もこのレベルなのだから、日本の法治主義もお話にならな い。二階捜査もしないということだろう。国民の政治不信増大を甘くみ ているのであろう。 小沢を傷ついたまま生き延ばそうという魂胆なのである。右翼・改憲 派の策略と見るのだが、うがちすぎだろうか。小沢の開き直りと検察の 捜査抑制に因果関係があるとみたい。 ＜打撃は小政党と平和国民＞ 大連立の助走を食い止める必要があろう。日本の誇り（平和憲法）が 消滅するかもしれないからである。小政党が弾き飛ばされる。小さく固 まっている、さして賢くもない小政党もまた大連立の支援者という歴史 的評価を受けることになろう。 筆者は久しく第３極の結成を呼びかけているのだが、悲しいことに大 局を見極めて大同団結を決断する指導者がいない。党派性・イデオロギ ーにこだわる小心者の集団を化している。知恵を出せといいたい。アジ ア諸国民の支援にも期待したいのだが、かの国々もそれぞれが自国の枠 の中で、日々の生活に追いまくられてその余裕さえもない。八方塞だ。 平和市民の団体はどうか。５・３記念日に向けた動きは毎度のことだ が、本来であればこの日に第３極結成が求められる。まずは歴史的経緯 から、社民と共産の支持者が連携する動きを本格化する義務があろう。 平和を求める宗教団体・労働団体なども、これに大同団結すれば、日本 の宝を守ることが出来るかもしれない。 そうなれば、永世中立国と東アジア経済共同体へと舵を切る前進する 日本は可能と考えるのだが、どうであろうか。 ＜中曽根バブルの教訓＞ 話しは多少ずれるが、麻生内閣は補正予算を２度も、そして本予算成 立後にまたまた大型補正をとわめいて、解散時期を７月の都議選以降に 引き延ばす算段である。ここには中曽根バブルの教訓は、全く生かされ ていない。ひたすら財政を痛みつける大借金予算、すなわち孫たちにツ ケ回しをして、目の前の選挙での勝利のみに専念している。ろくでなし は麻生も、である。 中曽根バブルの教訓は、いかに借金して景気刺激予算を編成しても景 気はよくならなかった、借金の山が築かれただけだった、孫たちに借金 を残した、という実績だけ残した。どうしてかというと、途上国の場合 だと、財政出動によるその後の発展が期待できる。日本のような経済が 伸びきっている先進国では、赤字予算を組んで大金を投入しても景気は よくならない。これが教訓である。「失われた１０年」が証明している。 どうしてもというのであれば、孫たちへの借金によって今よりも生活 環境が豊かになるというものでなければ評価されない。大気汚染がなく なる、騒音公害がなくなるなど現在よりも数段、環境を改善する投資で なければ無意味・無駄でしかない。 たとえば、車を全て電気自動車にする、そのための投資なら孫たちは 、騒音や排ガスのない、著しく少ない社会を生きられるだろう。そのた めの電力も太陽や風などの自然エネルギーで賄う社会建設だ。選挙目当 ての麻生バラマキ予算による借金つくりは、最悪の未来を約束するだけ と断じていい。 余談だが、今朝ＣＮＮが伝えた米国によるイラク戦争の６年間経費は ざっと８０００億ドル。米国民がろくでなし大統領に怒るわけだが、い かにも遅すぎる。英ＢＢＣは１０数万人のイラク人が死んだという。シ リアのアサド大統領は７０万人だと言っている。この被害・災害をアメ リカは今後、数百年かけて償うことになろう。 ろくでなしは、各国の政治世界に跋扈している。人々はろくでなしを 駆逐する勇気が必要といえよう。 そういえば、昨今日本のテレビ・マスコミはＷＢＣ報道に熱狂してい る。野球の本場・アメリカでは「ＷＢＣって何」といわれているという のに。それに若いゴルファーのことも、さらには連日、ＮＡＳＡの宇宙 駅の細部を伝えるということに、公共の電波を提供している。 「スポーツ・娯楽に目を向けさせよ」という当局の意向に、いかにも 忠実であることか。 ───────────────────────────────── ◆[セ・コリョ新聞日本語版] ：２００９年３月２０日号 発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang ◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com ───────────────────────────────── 忍び寄る不況 １２日、サハリン州知事傘下政治相談会の会議で再び経済危機克服問 題が議論された。サハリン州経済委員会の資料によると、経済危機の中 でも、液化天然ガス工場の稼動や石油輸出、鮭・マス漁で２００９年生 産量は１５％増加すると見込んでおり、州政府は水産業に７千万ルーブ ル、農業に３億５千万ルーブルの予算を策定しており、中小企業振興の ため１億ルーブルの補助金が出される可能性もある。しかし、州知事は 会議で「我が州はまだ世界金融危機を経験していない。もう直ぐここま で迫ってくる。既にその兆候が見られ始めた。商業流通量が減り、失業 者数が増え、銀行も経営が苦しくなっている」と関係者に警戒意識を緩 めないよう勧告した。 ２０１０年人口調査実施 ２０１０年１０月１４日から２５日までロシア全国で人口調査が実施 される。２月に開かれた全ロシア統計職員会議では、３つの地域でテス トを行った新しいアンケート紙が配られた。２００２年度に比べ質問項 目が３つ増えた。即ち、女性に出産した子供の数を聞く、また、主な生 計手段、１年前に何処に居住していたか、若し移転しているならばその 理由と経緯が問われる。 選挙キャンペーン準備着手 今年１０月にユジノサハリンスク市長と市議員の選挙がある。選挙管 理委員長のエレナ・ラリノノワさんによると、現在有権者確認作業が進 行中であり、４月には区選挙委員たちを対象に研修が実施されるとのこ と。 極東地域住民に航空運賃割引 １６日開催されたロシア政府会議で極東地域住民のために航空運賃補 助金（５０％）を支給することを決めた。対象年齢は２３歳までの若者 と６０歳以上の高年齢者で、時期は５月１５日〜９月１５日の間。区間 は極東からモスクワ、サンクト・ペテルブルグ、黒海沿岸まで。来月か ら１日から実施される。 社会保険基金学生らに休養費用支援 サハリン州社会保険基金は今年、州内学生らの休養のために８、２０ ０万ルーブルを支援する。この予算で１万８千人の学生がサナトリ（医 療治療を含めた休養施設）やキャンプに参加できる。現在、このような 施設に入ろうとすると一人当たり１８、０００ルーブルを払わなければ いけない。 給食問題で 先週、サハリン州消費監査管理局のイエ・ストレコワ総責任者は、州 内学校の給食状況が悪いと指摘した。メニューも豊富ではなく、又、食 品価格の値上で缶詰などが多く使われていることがわかった。一部の農 村や夜間学校では給食サービスもない状態。また、冷蔵庫など厨房施設 や設備も悪いとのこと。 購買力低下 今年１月のサハリン州民１当りの平均所得は１６，８７６ルーブルで 昨年同期に比べて１．４％低い。住民らは収入の９２．２％を商品やサ ービス料金として使っており（昨年同期７９％）、外貨購入に１４％を 、１％は貯金している。サハリン州統計局資料によると需要も大幅に減 っている。商店を経営している人たちの話によると、金融危機のために 販売量が３分の１に減っている。 在外同胞財団の奨学金授与式 １３日、ユジノサハリンスク駐在の韓国総領事館出張所で在外同胞財 団奨学金授与式が行われた。在外同胞財団は海外同胞人材育成のために 毎年、優秀な同胞大学生７人を先発して一人当り年間８４０ドルの奨学 金を支給している。新任キム・チョンス領事は今年の奨学生として選ば れた７人（サハリン国立大学韓国語科の学生６人）に直接後半期の奨学 金（４２０ドル）を渡し励ましの言葉をかけた。 父を探しています 韓国ソウルの江北地域に住む朴・ノスさん（１９４３年生）が、１９ ４２年７月２日サハリンに労働者として徴用された（国家記録保存会） 父親の朴・チャンレさんを探しています。当時、父親は２６歳。朴・チ ャンレさんは忠清南道大田市テドク郡サンネ面ナンヴォ里６８番地で１ ９２１年１０月１７日に生まれた（実際の出生年度は１９１６年度推定 ）。一緒に徴用された同郷人はカン・ジュンソク（当時２５歳）、金・ チョンギ（当時２４歳）。朴・チャンレさんの生死について知っている 方はサハリン州韓人会（４２−２６−１９）へ連絡を。 ───────────────────────────────── ◆コラム・ＥＹＥ「魔女狩り」：片山通夫 ───────────────────────────────── 魔女狩りが横行しているという。「民衆の間から起こった魔女狩りは １５世紀から１８世紀までにかけてみられ、全ヨーロッパで最大４万人 が処刑された」とある。 その魔女狩りが現代もあるといえば驚かれる方も多いだろう。筆者の 手元に届いたアムネスティ・インターナショナルからのメールでは、「 アフリカ西部の国ガンビアで魔女狩りが横行し、１０００人あまりが捕 らえられて幻覚を起こす液体を飲ませた」と訴えている。 ニュースはCNN でも伝えられた。 魔女狩りは中世から行われていた忌むべき風習だが、単に宗教的な意 味合いにとどまらず、政治的な意図でそれが行われるところが恐ろしい 。つまり時の政権が反対派を押さえ込むために利用するというケースも あるようだ。ガンビアのケースがそうであろうと思われる。 しかし反省したいことがある。それは我々の周りにも魔女狩りさなが らの「排他的な行動」をとる場合はないだろうか。日本人は一般に「横 並び思考」する。他の人と同じで無ければ不安になるようだ。これは逆 に言うと「異質なものを受け入れがたい」ということになる。またそれ は自信のなさの裏返しでもあろう。アジアに属する我国なのに、アジア の人々を差別するケースが後を立たない。 昨今、政界では検察ファッショが囁かれている。果たして事実か否か は不明だが、こんな記事を眼にした。 我々は「小沢代表」の辣腕振りを知っている。そして、安倍氏から福 田氏、そして現在の麻生首相と、自民党の凋落振りを目の当たりにして いる。次の総選挙で、政権交代は必至だとは巷間の大方の見方である。 政権交代が困る官僚も権力もあるだろう。さすれば「魔女狩り」が必要 悪として行われる危険も無きにしも非ずとなる。「国策捜査」と言われ る所以である。 ともあれ、筆者は自身で心の中で「魔女狩り」をしていないか。あら ゆる差別を今一度身の回りで考えてみた。この先週末からの連休に考え る時間を持ったことは有意義な「刻」だった。 ───────────────────────────────── ◆コーヒーブレイクから ───────────────────────────────── ＊コーヒーブレイク http://coffeebraek.blog59.fc2.com/ ＊小説「ムンバイに消ゆ」 http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html ＊備忘録 http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-3.html ＊セコリョ新聞日本語版 http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html ───────────────────────────────── ◆[編集長から] 片山通夫 ───────────────────────────────── このメール・マガジンを読まれる（はずの）３月２４日には、民主党 小沢代表が西松巨額献金事件に関して、何らかのコメントを出し、自ら の去就を明らかにしている可能性が大きい。 読者の皆さんがどのように思われているのかはともかく、毎日新聞が 興味深い調査をネット上で行った。自民党のイメージに関してである。 結果は「傲慢」という言葉が７２％でトップになった。 この調査がすべてではないだろうが、考えさせられる結果だ。 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090322k0000m010012000c.html さて、時は春・・・だが、明るいニュースはなさそう。 せめて凡人は「春眠」ならぬ「惰眠」にいそしむしかない。 ───────────────────────────────── 発行 ２００９年３月２４日 No.３７７ 編集・発行 609studio Michio Katayama 発行 毎週火曜日 購読料無料 配信 まぐまぐ配信システム ID:0000052236 MailuX配信システム ID:MM3E1B97842E020 e-mail office@609studio.com website http://www.609studio.com 投稿 http://www3.ezbbs.net/06/609studio/ 購読 購読解除は websiteへ ◇禁・無断転載◇ ───────────────────────────────── |