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タイトル:609studio No.376◆現代時評:「早春賦とさらばハイセイコー、それに定額給付金」  2009/03/17


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/3/17  No.376
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「早春賦とさらばハイセイコー、それに定額給付金」 ken

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆コラム・EYE:

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から

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          小説「ムンバイに消ゆ」

  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

      小説「ムンバイに消ゆ」の連載は終了しました。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:「早春賦とさらばハイセイコー、それに定額給付金」 ken
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◆◆ 総務省ホームページ 2009,1.29 定額給付金の概要 
施策の目的 景気後退下での住民の不安に対処するため、住民への生活
支援を行うことを目的とし、あわせて、住民に広く給付することにより
、地域の経済対策に資するものです。 給付対象者及び申請・受給者 給
付対象者は、基準日(平成21年2月1日)において、1)又は2)のいずれ
かに該当する者 1) 住民基本台帳に記録されている者 2) 外国人登録
原票に登録されている者(不法滞在者及び短期滞在者のみ対象外。)申
請・受給者は、給付対象者の属する世帯の世帯主(外国人については、
各給付対象者)。 給付額 給付対象者1人につき12,000円 (た
だし、基準日において65歳以上の者及び18歳以下の者については2
0,000円)

■■ 春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 唄は想えど 時にあらず
やと声もたてず 時にあらずと 声もたてず・・・、ご存知往年の女学生
の叙情詩歌「早春譜」である。 外の季節はもう完全に春の装いだが、
実社会、実体経済の方は今を盛りと寒風が吹き荒んでいる。 前内閣の
財政担当大臣をはじめ、一度はわが世の春の経済学者、エコノミストた
ちも、「時にあらず」と、声も立てない。 今ごろ下手に名乗りをあげ
ると、火の粉が身に降りかかってこないとも限らず「沈黙は金」である
。なにしろ100年に一度の経済大騒動である、だんまりで保身するに
しくはない。

■■ そういったエコノミストたちとは違い、無責任でも構わぬ浪人集
団の自称評論家ブロガーたちは相変わらず威勢がいい。 次々と弱い者
を探し出してきては狙い撃ちして非難を繰り返す。 自称日本一の読者
数を誇る小野O光O氏は陰謀番組よろしく、わが検察が国策捜査で野党
首領を落とし入れようとしていると非難し、かたや中国通を自称する宮
崎某先生は中国が今にも没落するかのごとき一方的情報を触れ回ってい
る。 が、あにはからんや、中国は益々世界のカネをかき集めて健在振
りを誇り、角栄金丸の後継者がゼネコン大手の闇がねを今なおかき集め
ているのは庶民周知の事実である。     

■■ 小泉内閣お抱えの経済学者やエコノミストたちは、本業として今
もどこかの禄を食んでいて、「時にあらずと声を立てず」でも困らぬが
、いわゆる自称評論家ブロガーたちは日銭を稼ぐ必要もあり、少々怪し
げな論なりとも日々発表し続けねばならぬ立場だから、舌禍は覚悟の上
で無責任な論を日々吐き続けている。 声を立てないのをひ弱な谷間の
鶯に擬するとすれば、臆面無くいまもなお雑言を繰り返しているのは留
鳥になった鵯(ひよどり)に例えられぬこともない。 が、どちらにせ
よ彼らの主張に自信が無いことはいまさら言うまでもない。100年に
一度といわれるこの経済の大不況下、自信のある経済の専門家など世界
中探してもどこにも居ないのだ。

■■ そうした中に在って、「ぜひとも俺たちにやらせろ」と言ってい
るのは、うまくいかなくても命はおろか、罰金も取られない無責任な政
治家どもだけと考えていい。 ボクら戦争を生き延びてきた世代は、失
敗すれば戦死か絞首刑と腹を括っていたものだが、今頃の政治家官僚た
ちはそのようなせっぱ詰まった立場を知らなさ過ぎる。 「さらばハイ
セイコー」では「誰のために走るのか 何を求めて 走るのか」と歌うが
、彼ら政治家や官僚たちは「誰のための政治か、何を求めての政治か」
をよくよく考えて欲しい。 いわゆる内輪の「政局」のため、日々内戦
を繰り広げてもらっては国民が迷惑である。ほんとうは、与野党、それ
に官僚も一丸となってこの経済難局に一億一心で対処しなければならな
い場であるべきなのだ。

■■ だから、日々の新聞ネットにラジオ・テレビを聞いていると、こ
れでも社会の上に立つ人々かと疑いたくなるような、ひ弱な悲観論ばか
りが面の皮厚く横行している。 なぜこんな世に生まれてきたかと、わ
れとわが身に愛想が尽きる、と言いたい。 国会は延長に続く延長の年
中国会だが、そのつど政治家どもは延長による給与手当てを受け取り、
ますます国庫の金を消費しているのだ。

■■ そうした中にあって庶民には唯一つささやかな光明がある。それ
は政府が1万2000円呉れるというニュースだ。いつ頂けるのか待ち
どほしい。 麻生さんや音羽御殿ならばプライドもあり、景気振興のた
めという大義名分でもなければ受け取り難いだろうがが、そうでない庶
民にとっては頂くのに躊躇があろうか。 

■■ その点、ボクは一介の年金生活者だ。 年金以外には今のところ
一文のカネの入ってくるアテもない。たとい1万2000円といえども
臨時予想外の不労所得、考えてみると有難い。じつのところボクは生ま
れてこのかた、つまり後期高齢者になるまでの間、ただの一度も政府か
ら(年金は別として)おカネなど貰った記憶が無い。兵隊にとられてい
る間は、兵卒として僅かな俸給を貰っていたのかも知れぬが、班長殿か
らお札の手渡しを受けた記憶はさらに無い。ひょっとすると軍事郵便貯
金口座に自動振込みされていたかも知れぬが、その郵便貯金を引き出し
た記憶もないから、おそらく戦後の大インフレで軍事郵便貯金など吹っ
飛んでしまっていたのでなかろうか。 とにかく政府がカネを呉れると
いうのは、ひじょうに珍しく、もちろん有難い。こと定額給付金につい
ては、大げさに言えば現政府唯一の善政といっても過言ではない。いわ
ば政府の後ろに阿弥陀さまのような後光がさしている。 
 
■■ さてその1万2000円、いやボクのような老人には2万円か。
 その1万2000円か2万円、いったい何という名目のカネか。思い
出そうとしてもどうしても思い出せず、あらためてネット検索してみた
。 「1万2000円」と入力するとさっそく出てきた、正式の名前は
「定額給付金」である。おまけに総務省の発表では、日本人だけでなく
住み着いている外国人にも渡すとのこと。これぞまさしく住民への典型
的な「善政」である。

■■ もっともへそ曲がりのブロガー氏によれば、ついこの間、IMF
に10兆円渡すと、麻生首相や辞職した泥酔大臣が約束したそのカネを
IMFへは中止して定額給付金に回せば5倍、つまりボクなら10万円
貰える計算になるという。ならばなお有難い。が、それでまた政府与野
党間の政局騒動になり兼ねず、いささか剣呑である。ここのところは1
万2000円を先ず頂戴しておくに限る。名目など、景気振興給付金で
も生活補給涙金でも構わぬし、ましてそのカネの出所が赤字国債であろ
うと霞ヶ関埋蔵金であろうとどうでもいい。どうせ1000兆円の財政
不足国日本の政府が出すカネの僅か2兆円、あとのことはあとのことに
しておこう。この際、しかめっ面らしい予算の出所についての論議など
、大した意味は無い。 

■■ 出す出さないの、ここ数ヶ月の政治家・官僚の議論など、世間知
らずの暇つぶし議論以外の何ものでもない。聞くところによればお隣の
台湾はすでにほぼ同額を「消費券」という名目で配布し終わり、ひじょ
うに好評だったという。それはそうだろう、お金を貰って喜ばぬ国民な
どどこにも居ない。政府役人のお偉方は、大義名分を整えるより、民心
の機微を悟ることが先決である。出すと決めたものを出し遅れるから、
票をねらって選挙前まで留めおこうとしていると、痛くない腹も探られ
るのだ。
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◆本澤二郎の「日本の風景」
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 <100年に一度>
 世界経済は「100年に一度」と誰しもが口にする。印象では為政者
がこの言葉に飛びついて、発言の枕詞にしている。それを不思議なこと
に誰しもが受け入れている。妙な現象ではある。それも世界的なのだか
ら。事実だとしても問題は、その効果が絶大であることに、人々はあま
り気にとめていない風である。特に政治的効果についてだ。

 言葉と文字は、人間が他の生き物たちと異なる存在であることを、ご
く自然に知らしめている。肉体から発する感情表現によって、多くの生
物は自己の意思を伝えることが可能で、この点は共通している。しかし
、言葉と文字は、正確に相手に対して自己を表現することができる。
 人間の偉大さなのであろう。他人と仲良くすることも出来るし、その
反対も容易に可能になってしまう。サーカスの綱渡りをしている人間社
会なのだろう。これの天才がドイツのヒトラーだった。彼は言葉の天才
だから、傲慢・非情な独裁者になれたのだろう。
 これの日本版というと、筆者が直接見聞してきた政治家では、中曽根
と小泉である。扇動者・アジテイターとして秀でていた。その分、子羊
のような国民は不幸をもらってしまった。言葉と文字の政治的効果につ
いて、人類はいまだ十分に体得していないかのようである。

<グリーンスパン>
 ところで、この「100年に一度の経済危機」という言葉を発したの
は、久しくウォール街の金融政策の舵取りをしてきた元FRB議長のグ
リーンスパンという老人である。クリントン・ブッシュ政権で金融世界
の運転を任されてきた。
 恐らく、彼の存在なくしてニューヨークの金融暴走はなかったであろ
う。そこでは金融バブルへの、あくなき博打商品が開発されて、それが
世界にばらまかれていたのだから、ひどい世紀の詐欺事件である。専門
家は、今になって大声上げて「1の価値を30倍にした紙でしかない商
品を世界の金融機関にばらまいていた」と非難する。事件発覚後に指摘
するのだが、もしそうだとすると、彼ら世界のエコノミストたちも共犯
ではないだろうか。だいたい金を扱う人間に良心のひとかけらもない人
種が多いらしい。
 事情通の弁護士は銀行員を「金貸し」と呼んでいる。仕事で彼らと付
き合う人間は相当の覚悟を必要とするのか。グローバリズムを好んで使
用してきた面々も、ウォール街の詐欺集団に相当貢献してきたことにな
る。「私は違う」という学者が何人いるだろうか。言論人にいるだろう
か?
 ともあれ、いまやグローバリズムの震源地がニューヨークであったこ
とも理解できよう。グローバリズムという言葉を流行させておいて、博
打商品を世界の隅々までに送り込んだのである。流行語に飛びつくと、
その瞬間、人は詐欺師の手の中にはまり込んでしまうものなのだ。
 むろん、流行の共犯者はジャーナリストということになる。経済ジャ
ーナリストの質も問われなければならないが、これを政治ジャーナリス
トが思考停止したまま頻繁に使用すると、市民はどえらい被害と悲劇を
こうむることになる。
 そして「100年に一度」の言葉を発したグリーンスパンである。最
近、マスコミにも登場しない。逃げているのだろう。彼はこの造語によ
って自らの免罪符にしているのである。「100年に一度」の危機だか
ら、どうしようもなかった、といいたいのだろうが、金利を低く抑えて
資金を市場にだぶつかせる中で、このいかがわしい商品は誕生したもの
である。事件の土壌を用意したであろうグリーンスパンを、神のように
あがめてきたウォール街である。

<無責任世界>
 金融バブルが、資源争奪のためのイラク戦争を可能にさせたともいえ
る。ブッシュの暴走も、ウォール街に世界資金をかき集めることで可能
となった。ブッシュ政権はそれゆえに米国を破綻させた。そうして予想
外の大統領が誕生した。
 ブッシュは国民から非難され、盟友の英国ブレアも失墜した。一人小
泉だけが、麻生おろしに懸命になっている。寛大なる日本国民のお陰だ。
 その麻生は「100年に一度」を利用して解散を遅らせている。子孫
に借金を残すバラマキ予算の失敗は90年代から実施、成果が全くなか
った。それでいて、またせっせと借金を作っている。麻生家の子孫が、
大手を振って歩けなくなることなど考えていないらしい。自公政権の成
れの果て、である。失政の積み重ねの上に解散を遅らせているのである。
 また、中曽根バブルで戦後経済の成果をご破算にした本人が、いまも
「改憲」のための大連立をわめきながら、セガレを外務大臣に据えてい
る。恐ろしくもあっぱれな日本である。主権者を愚民と認識しているか
らであろう。
 この「100年に一度」を、実は世界の為政者が、こぞって自己保身
のために乱発している。市民をなだめすかし、その一方で自らの免罪に
と悪用している。ずる賢い為政者が地球を舞台にして巧妙に演技してい
る。無責任だ。

<身の丈生活>
 まともな為政者はいるのかどうか。まだ見つけることができないのが
悔しい。本来ならどうするのか。
 事実を徹底的に調べ上げ、分析をし、それを公表する。人類の失敗の
教訓とするのである。関係者の責任もとらせる。思考する人間集団であ
ればそうする。同時に、小さくなった経済力に見合った生活に組み替え
る。それを人民に伝える。無駄や贅沢をなくす公平・公正な施策を矢継
ぎ早に打ち出していく。特権を排除するのである。富の公平分配をする
ことで、大衆の不満を抑制する。オバマでもそうしようとしている。
 これを公人から率先する。それを民間も習う。これしか社会の安定を
維持することはできない。数十年前の生活に戻せばいい。血税で特権グ
ループだけ面倒をみるという不公平な政策を強行すれば、必ず反発を買
うことになろう。
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◆コラム・EYE:「北方領土問題」:片山通夫
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 去る2月18日。麻生首相が、首相として戦後初めてサハリン(樺太
)を訪問した。LNGプラントの稼働式に参加するためである。その時
、メドヴェージェフ・ロシア大統領と会談した。 
外務省の日露首脳会談(於:サハリン)(概要)によると、北方領土問
題に関しては次のようになっている。
http://www.mofa.go.jp/Mofaj/kaidan/s_aso/russia_09/gaiyo.html

(イ)この問題を我々の世代で解決すること、(ロ)これまでに達成さ
れた諸合意及び諸文書に基づいて作業を行うこと、(ハ)メドヴェージ
ェフ大統領が指示を出した、「新たな、独創的で、型にはまらないアプ
ローチ」の下で作業を行うこと、(ニ)帰属の問題の最終的な解決につ
ながるよう作業を加速すべく追加的な指示を出すことで一致。

 この話をサハリンで筆者は知り合いのロシア人何人かと話した。それ
を再現してみる。彼らはごく普通のロシア人である。ただ、今のところ
ロシアという国は、ソ連時代からの名残なのか、国民操縦法なのか、十
分に国民に対して情報を公開しているとは言い難い。まして領土問題の
ような微妙な情報を十分流しているとは決していえないということを前
もって書いておく必要がある。

 さて、本題。

最初に筆者がこのように切り出した。
「お宅のテレビは盛んにうちの国の財務大臣の酔っ払った映像を繰り返
し流しているのだが、麻生首相が来て領土問題を話したはずなんだが、
そんなニュースは流れているのか」
「いや、領土問題?南クリル(ロシアではこう呼ぶ)のことか?」
「ああ、その南クリルのこと」
「聞かないな。サハリン2のことと、今や世界的に有名なアンタの国の
大臣のこと…」
「・・・。その南クリルのうちの2島を日本に返すとか言ったというん
だが。大統領が」
このことを筆者がいったら、彼らは口々に「ニエット!」を口にする。
「ニエット」とは「No」の意味である。
「そんなことはあり得ない。あそこは我々の父や祖父の時代に『血であ
がなって取り戻した』島だ。」
「そんなことを大統領が言うはずがない。仮にモスクワがそういっても
サハリンが許さない。大祖国戦争(第二次世界大戦)以来、あの島に我
々は相当の投資をしてきた」

 その場にいたすべてがこのような意味のことを話す。

その中で一人の男が話を打ち切るようにこう言った。
「今、サハリンは石油や天然ガスが出ている。しかしいつかはこの資源
も枯渇する。一方南クリルの海域には相当量の地下資源が眠っていると
いう研究もある。そんな地域をだれが手放すと思う?」

 北方領土に「相当量の地下資源が眠っている」という事実は筆者は知
らないし、このことが事実かどうかも確認しようがない。「もし事実な
ら…」と考えると島が返ってくるということは未来永劫ないのかもしれ
ない。アメリカも中東へ石油のために戦争に出かけるのだ。今「領土と
して版図に入れているロシア」が、外務省が言うように「アジア太平洋
地域における戦略的な関係を構築」してまで、「相当量の地下資源が眠
っている」領土を返すとは思えない。それは単にわが国の国民が思って
いるように、歴史的に見て「わが国固有の領土」というだけの問題では
なくなるからである。
http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ts/hrt/
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年3月13日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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 バク・ウラジミル市長を支持する集会

さる5日、サハリン州政府情報政策管理局のア・バヤンジン局長が最近
のネベリスク地域問題で説明会を開いた。局長は「2月末、サハリン州
検事局予審委員会がネベリスク市長バク・ウラジミルさんが越権疑惑で
刑事責任を問う訴訟を起こして、世間の注目を浴びているがマスコミの
報道が予審過程に与える影響を考え、より慎重に扱ってほしい」と述べ
た。騒ぎの中でもネベリスクでは計画通り復帰事業が順調に進められて
おり、今まで数回に渡って連邦監査院の調査があったが、予算実行に疑
惑を受けたことは全く無かった。それでも、7日、ユジノサハリンスク
市裁判所は朴市長に臨時免職処分を下ろした。これが発表された11日
午後、ネベリスク市では250人余りの市民がレーニン広場に集まって
バク市長の無罪を訴える他、朴市長を支持する決定書を大統領宛てに送
ることを決めた。朴市長は病院に入院中であるため集会には参加できな
かった。

国際学術探査チーム組織

 日・露学術探査共同チーム(日本登山家コクボ・ツヨシさんと考古学
者ポロナイスク郷土博物館研究員エス・ゴルブホフさん)が来る5月か
ら11月までの半年間サハリン沿岸を共同で探査することになった。二
人は海洋学、考古学、動物学、民族学、民俗学など多様な視点から地域
研究を行う予定であり、写真やビデオ撮影など資料収集をも行うつもり
である。

州内で11のホテル建設中

 昨年サハリン州に新しいホテルが2カ所増えた。サハリン州商工会に
よると、今日現在も11カ所でホテルを新築中であるとのこと。7カ所
はユジノサハリンスク市で、4カ所は地方に建築中。サハリン州には既
に70にも及ぶホテルがあり、その中の33カ所はユジノサハリンスク
市に位置している。現在、ホテルで働いている人は1、548人。

ショッピングセンターや飲食店増加

 今年中に飲食店とショッピングセンターが20カ所新たにオープンす
る。去年も7つのショッピングセンターが建てられた。現在、州内にシ
ョッピングセンターと飲食店の数は6,594カ所で、総2万3,28
0人がここで働いている。

サハリン住民3分の1、ユジノサハリンスク市に居住

 公式統計によると、ユジノサハリンスク市人口は18万1400人。
しかし、実際の人口は24万人と推定されている。即ちサハリン州住民
の3分の1が州中央都市に居住しているとのこと。ユジノサハリンスク
市では最近、15年ぶりに出生率が死亡率を上回る他、昨年の場合、2
、693人が他地域へ移住した反面、それより多い3,749人が移住
してきた。

男性より女性が多い

 サハリン州女性人口は男性より2万2千人多い27万人(52.1%
)。人口構成を見ると、16歳未満は4万4,800人、経済労働力の
ある16〜55歳まで16万2千人、年金生活者の55歳以上は6万6
,600人であることがわかった。又、学歴は大卒が23,3%(男性
17%)、専門学校卒33.4%(男性24.3%)で男性より高学歴
である。しかし、就職率は59.7%で71.1%の男性より低い。女
性の職業をみると、保健、教育、商業、ホテルや飲食店、会計分野が多
い。

夜のアルコール販売禁止

 サハリン州議会は深夜(12〜4時)のアルコール販売を禁止する法
案を採択した。連邦法では現在、深夜のアルコール販売の禁止対象はキ
オスクのみ。しかし、サハリン州議会はこれは公正ではないと判断し、
競争条件を公平にするために全体商店に拡大・適用することにしたので
ある。

婦人会主催の3・8祝賀行事

 去る8日の昼、ユジノサハリンスク市にある「ロジナ文化会館」で、
サハリン州韓人婦人会が主催する3.8国際女性デー祝賀コンサートと
食事会があった。ユジノサハリンスク市韓国領事館出張所長新任キム・
ジョンス領事や韓人連合会の百・スギョン会長、鄭・ワレリ州議員など
多くの男性代表が出席して女性たちに祝賀のメッセージを贈った。又、
サハリン韓人社会の教育、文化、芸術分野の発展に寄与した多くの女性
にサハリン州文化管理局長から感謝状が送られた。会場を訪れた200
人余りは百・スギョンオーケストラやエトノス児童芸術学校韓民族班学
生らの祝賀公演の後、婦人会が用意した食事会で楽しく話し合い、歌い
、踊り、和気藹々な雰囲気だった。

ロシア山岳スキー大会でア・朴君5位

 先週末、チェリャビンスク州でロシア青年山岳スキー選手権大会が開
かれた。14〜15歳までの選手120人が出場した中で、サハリン州
代表朴・アルチョム君(サハリン州青年オリンピック予備スポーツ学校
に通っている)が5位を取った。14歳の朴君のトレーナーは父親朴・
アレクサンドルだという。
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◆コーヒーブレイクから         
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*コーヒーブレイク
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*小説「ムンバイに消ゆ」連載終了!
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

*備忘録
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*セコリョ新聞日本語版
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-1.html
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◆[編集長から]              片山通夫
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 麻生首相はどうも衆議院議員の任期いっぱいまでつとめる気らしい。
北朝鮮の「人工衛星」問題、ソマリア沖の海賊退治、それに「千載一遇」
といえば不謹慎だが「百年に一度の」不況・景気対策と打つべき手をどん
どん繰り出して、「選挙どころではない」と意気軒昂。
 一方攻める側の野党は、小沢代表の西松事件で意気消沈の様。
このまま、任期満了までゆくのかと思えば、なんだかむなしい。

 4月は転勤の季節。知り合いの新聞記者も移動。一人は大阪から東京へ
、そして東京からは一人が仙台へ。今一人は退職し、ロンドンから東京へ
帰ってくる人も。めまぐるしいのは昨今の気候だけではなさそうだ。
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発行     2009年3月17日   No.376
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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