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タイトル:609studio No.374◆現代時評:「ついに陽の目をみるか政府紙幣」  2009/03/03


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【609 Studio 】メール・マガジン 2009/3/3  No.374
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「現代社会を斬る!」をコンセプトに論説委員Ken氏の論説「現代時
評」をはじめ、政治評論家、本澤二郎氏の政治評論、また、ロシア唯一
の韓国語新聞サハリンの「セコリョ」ダイジェスト版、その他、寄稿記
事など話題満載! 
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───────────◆◆◆INDEX◆◆◆───────────

◆現代時評:「ついに陽の目をみるか政府紙幣」   Ken

◆本澤二郎の「日本の風景」

◆コラム・EYE:サハリンで。「日本の恥。世界の嘲笑」

◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版]:2009年2月27日号

◆コーヒーブレイクから

◆編集長から
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お届けできなかった韓国語新聞「セコリョ」日本語訳は以下に掲載

2009年2月13日号
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-332.html

2009年2月20日号
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-333.html

セコリョ新聞写真記者 Lee Esikさんの写真
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          小説「ムンバイに消ゆ」

  この小説は初めてインドへ行った時に受けた強烈な印象をそのまま
  書いたものです。お読みいただき、皆様の感想をお寄せください。

     小説「ムンバイに消ゆ」は以下に掲載してあります。

  http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-category-8.html

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◆現代時評:「ついに陽の目をみるか政府紙幣」   Ken
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◆◆ ウイキペデイア 政府紙幣(せいふしへい)とは、政府が直接発
行し通貨としての通用力が与えられた紙幣のことである。中央銀行の発
行する銀行券と同じ法定通貨としての価値を持つ。 多くの国では、政
府管轄の印刷局(日本は国立印刷局)や印刷会社で製造した紙幣をいっ
たん中央銀行に交付して、中央銀行が銀行券として流通させることが一
般的であるが、現在でも一部の国では、政府機関が直接紙幣を発行して
いる場合がある。たとえばシンガポールの通貨シンガポールドルはシン
ガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)が発行と
管理を行っているが、これは中央銀行の業務を政府自ら行っているとい
える。 

■■ 10年来、筑波大学の丹羽元教授が、バカか変わり者扱いされな
がら主張してきた「政府紙幣発行論」がようやく陽の目を見る ように
なり、ここ数ヶ月で誰もが公然とこの論に加担してもいい雰囲気が出来
てきたらしい。 丹羽春喜先生にとってはまことにお目出度い話だ。

■■ つい先般の小泉内閣の終あたりでは伊吹財務相はもとより、現財
務相の与謝野氏や白川日銀総裁らも口を揃えて「政府紙幣の発行などと
んでもない」と、素人の床屋談義扱いし、けんもほろろの口ぶりだった
のが、ここ2月の後半から急に風向きが変ってきた。 近来、これほど
急激に風向きが変った政治主張もめったにないだろう。

■■ じゃ、それまで殆ど中央の学者・政治家、あるいはエコノミスト
たちが挙って政府紙幣発行を、話にもならぬとして一笑に付してきた原
因はどこにあったのだろう。 

■■ 彼らのいままでの否定論の原因を辿って見ると、どうやらそれは
今まで彼らの知識の外にある、つまりあまりにも常識外れ、荒唐無稽の
話として、考えが及ばなかったのではないだろうか。 いうなれば天動
説中の、ガリレオの地動説のごときだったかも・・。 

■■ 概して言えば日本の知識人と称される連中は常識はずれ、並外れ
の議論を好まない種族である。 「みんなの行く方向へついて行く」の
は得意だが、「人と違った方へは行きたくない。もし他と違う方向へ行
って事故でも起これば身の破滅である」といった考え方が身にこびり付
いているせいである。

■■ 最初、丹羽教授は言った、「銀行券の代わりに政府紙幣を発行す
ればいい。国債発行のように金利負担も要らぬし償還義務も無い。元手
は紙代と印刷費だけで、それも上手にやれば不要に近い。日銀に政府紙
幣発行権だけを売れば、コストはただ同様である」と。

■■ それを聞いた財務官、エコノミストたちはその天衣無縫ぶりに度
肝をぬかれ、「この世の中にそんなうまい話はありようがない」と、思
うばかりであった。 常識的な人間の思考範囲というのは先ずそういっ
たもので、それをあながち責めるわけにはいかない。 だいたいがいま
の日本の上級職試験に合格したような、そしてインテリと称せられるよ
うな人々にとってはそれが平衡感覚という、彼らに与えられた天からの
武器であった。

■■ だから、いまなお彼らがこの「政府紙幣発行」論に懐疑的である
根拠はほぼ決まっている。 曰く、「もしそのような打ち出の小槌的で
野放図なことが許されるならば、将来に於ける国家財政のモーラルハザ
ードに重大な影響を及ぼす」と。 

■■ それがつい2・3カ月前までは、むしろ「政府紙幣など発行すれ
ば、国家の信用が薄れ、円価の下落によるインフレが急速に亢進する」
というのが財政当局の一致した見解であった。

■■ いまや悪性インフレ説がやや薄れ、モーラルハザード説の方へ変
化したのは、この「政府紙幣発行」論が最初、丹羽教授といういわば地
方の先生の論だったから日本に於ける経済の権威者たちは否定できたの
だが、つい先般来日したノーベル賞のスティグリッツ・米コロンビア大
教授が、「生産力過剰でデフレ気味の日本は、今こそ政府紙幣の発行を
・・」とアジられ、インフレ亢進説は昼間の泡のように消えてしまった
からである。 丹羽先生を変人扱いしたエコノミストたちもノーベル賞
の先生には弱かった。

■■ 繰り返すがボクの見たところ、この「政府紙幣発行論」の弱みは
、関西学院という地方大学出身者である丹羽先生が唱えたからであり、
もしこれが東大とか、いま流行の慶應出身の経済学者が言い出し人なら
ば、じつはそれほど簡単に否定されなくてもよかったのではないかと考
えられる。 それが今回は恐れ多くもノーベル賞のスティグリッツ大先
生が音頭をとったものだから、もう誰憚るところもない。 自民党の、
菅という集団就職出身議員を先頭に、威勢のいい連中が高々と政府紙幣
発行論を主張するものだから、もうここまでついた火は簡単に収まらな
い。 まず近い将来に必ず政府紙幣はこの国で陽の目を見ると、ボクな
どは思う。 丹羽先生、苦節10年の大手柄である。

■■ ところがさて、四角四面の堅物である与謝野財務相などがいう「
政府紙幣のモーラルハザード説」はどうなるか。 なるほど、濡れ手で
泡の政府紙幣が一度に800兆円も発行されたら問題だろう。 が、丹
羽先生やノーベル賞のスティグリッツ教授が言うように、デフレ・イン
フレ動向を監視しつつ、徐々に調節して新札を発行すれば、そう大きな
問題は起こらぬだろう。 それとも、味を占めたら一挙に際限も無くモ
ーラル・ハザードを越えて突き進むようなわが政府ならば、政府自身に
自制能力がないのだから、選挙による総意で退陣させるのが国民の主権
行使であるはずだ。 
 
■■ つまり、この場合のモーラル・ハザードとは、政府のモーラルハ
ザードであり、頑是無い個々国民のモーラル・ハザードの問題ではない
のだ。 政府自らが自制能力について自信が無いからこその「モーラル
ハザード説」であることを、与謝野財務相、白川日銀総裁などはよく弁
えて欲しい。

■■ 今回の全世界に渉る経済の大騒動は、米国政府のみならず、わが
政府もまた、景気回復のために国家の資金を無限に投入しなければなら
ない100年に一度の緊急時であることは、みな熟知している。 しか
し肝心の資金はどこから捻出するのか。 米国政府はFRBに 無理や
り国債を買わせるしかないだろう。 わが日本も国債を増発して、日銀
に買い取らせるつもりか、ならば蛸が足を食うのと変りはない。 無利
子国債を発行し、相続税を免除するという手も論じられているが、それ
も蛸の足食いの一種である。 それよりも政府紙幣発行の方がまだしも
単純で他への影響が少ない。 結局のところ政府は「政府紙幣発行」を
次善の方法として採用するだろう。 

■■ それを早くも見透かした市井の娯楽雑誌「週刊OOO」などは、
「政府紙幣を大量に印刷し、国民1人当たり20枚ずつ無償で配れば、
景気振興に直接効果がある」と囃し立てている。 少々過激な方法だが
、少なくともデフレから脱却する起爆剤程度にはなるだろう。

■■ ところでここで妙なことを思い出した。 薩摩藩家老、調所笑左
衛門は、土地の習慣で稚児趣味を常としていた。 それが年齢が来て、
美しい妻女を娶った。 一晩、致してみるにあまりにも美味であった。
 とろけるような美味に酔った笑左衛門、「これはあまりにも美味し過
ぎ、普段づかいには勿体無い、紋日だけにとっておこう。普段は稚児だ
けで・・」ということにした。まことに律儀な調所笑左衛門、藩政を一
手に引受け、藩財政の窮乏をめでたく救ったが、後日藩ぐるみの密貿易
が幕府に漏れ、罪を一身に背負って自刃して生涯を終わった、という。 

■■ あまりにも美味な「政府紙幣」発行。 国債発行と異なり、金利
負担はないし、償還義務も無い。 適宜発行し、あるいはその発行権を
丹羽先生仰せのように日銀に売却さえすればカネは打出の小槌のごとく
無限に出てくる。 まさに調書笑左衛門奥方の美味に比すべきか、朕陀
の媚薬秘酒とも言うべきか。 財政を預かる堅物、与謝野財務相が前も
って心配するのもあながち杞憂とは言えない。あまりにも大事なものは
紋日だけにとっておく律儀な心掛けの人にのみこうした政府紙幣発行権
は保管させておくに限る、と言うべきであろうか。 
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◆本澤二郎の「日本の風景」
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<小沢発言は一歩前進>
 民主党の小沢代表が「米軍は横須賀(第7艦隊)で十分」と発言した
という。一歩前進である。沖縄・三沢などは不要というのであろうが、
正論である。麻生は「小沢は防衛をわかっていない」と反撃しているが
、麻生こそ防衛の素人である。
 多少の外交・防衛の知識のある日本人であれば、米軍の日本駐留がワ
シントンのアジア・太平洋戦略に基づいていることを承知している。「
日本防衛」は付け足しでしかない。後者が事実であれば、政府は自衛隊
も防衛省も解体すればいい。壮大なる血税の無駄なのだから、5兆円を
福祉に回せば国民は大歓迎だろう。

  かつて「ヤンキー・ゴー・ホーム」という叫びが革新政党の間から聞
こえていた。現在は、ソ連が崩壊しているというのに、どうしたことか
聞かれない。フィリピンは米軍を基地から追い出している。混迷のイラ
クでさえもNOといって撤兵が日程化の段階に入っている。北朝鮮と対
峙している韓国にも、米軍撤退を求める声は小さくない。今回の小沢の
一言で目を覚ました日本人が多いだろう。ただし、その代わりに「自衛
力を強化する。核を保有する」という周辺に緊張を振りまくような軍拡
政策だけは、断じてNOである。

 米軍の撤退は、沖縄経済の自立を約束するだろう。厚木などの大騒音
公害をなくせる。いいことずくめである。もう一つ釘をさしておく必要
がある。小沢の9条改憲論である。中曽根ら国家主義者がわめいている
方向でもあるが、これはとんでもない間違いだ。戦後の経済復興と他国
の戦争に巻き込まれないという9条実績を、日本人は忘れてはいない。
9条に感謝する心がなければ、日本はおろかアジアの指導者になれない。

<永世中立国で軍縮>
 21世紀初頭は、ワシントンに兵器・石油財閥による帝国主義の政府
が誕生したことから、不幸にして戦争の世紀にはまり込んでしまった。
それが結果的に、21世紀帝国を崩壊させた。常識的にみて米帝国の再
現はない。金融の手品に引っ掛かるものなど二度と出ないであろうから
。たとえ経済復興に成功しても、使用できない核だけの「普通の大国」
のアメリカでしかない。イギリス化の道が待っている。暴走しない好ま
しいアメリカである。
 「オバマのワシントン」は、安全保障面で世界を安定化させるであろ
う。ロシアや中国も経済に、それも環境に優しい政策へと突き進むこと
ができる。それを可能にする決め手は軍縮である。軍縮の世界が21世
紀の本来の姿なのである。
 「普通の大国」ワシントンは、日本に自立の機会を与えてくれるだろ
う。日本は戦後60余年を経て、ようやく二本足で歩ける国際環境を手
にしたことになったのだ。こうした認識が、日本人にとって何よりも大
事である。
 思えば、世界に誇れる憲法を手にしながらも日本は、米国の戦争に間
接的につき合わされ、外交と防衛の権限をワシントンに握られてきた。
あまつさえ他国の軍隊にがんじがらめにされている日本である。小沢で
なくても、日本人であれば右や左に関係なく「もういい加減にしないか
」とわめきたい気分だろう。そんな叫びを受け止めてくれるワシントン
の新政権なのだと思いたい。

 日本の自立は、人類の英知が結集して実現した9条憲法を具体化させ
ることである。「第7艦隊で十分」とする小沢論が真実であれば、永世
中立国へと舵を切る日本でなければならない。そうなれば、軍縮を主導
できる日本の国際社会での発言力は増大するだろう。隣国の信頼を構築
することも可能である。

 東アジア経済共同体を主導できる地位も確保できるだろう。日本の持
てる製造力を大いに発揮できるだろう。「21世紀はアジアの世紀」に
することが可能なのだ。健康的に繁栄するアジアである。
 日本は、中曽根バブル経済の大失敗と世界的金融危機という2重の経
済危機で、戦後の貴重な福祉国家・日本の誇れる制度を崩壊させている
。それによる先行き不透明な日本社会だが、指摘した新たな航海は、人
々に希望を与えかねないだろう。その精神的効果は計り知れないほど絶
大であろう。第一、若者に夢を抱かせることができる。これもすごい。
 繰り返すが、いかなる軍事的陣営に属さない永世中立国を日本は目指
すしかない。その機会を手にしたのである。そこに向かって「前進せよ
」と絶叫したい。

<オバマ予算教書>
 ワシントン時間の2月26日、オバマは先の議会演説に続いて200
9年度の予算教書を議会に提出した。史上最大の赤字予算だ。およそ1
70兆円の財政赤字を組んでいる。
 年収25万ドル以上の富裕層に増税を課してゆく。富の公平な分配は
、当たり前の合理主義に根ざしている。
 日本の歴代政権と正反対の政策である。日本もまた、ブッシュ政権と
同様に富裕層への減税を行ってきた。今の麻生政府は、それを踏襲して
いる。富裕・金持ちのための税制を強行してきている。格差社会を意図
的に推進してきた。
 「国民生活第一」という民主党が、オバマ路線を採用できるのかどう
か。民主党中心の次期政権を占う材料である。
 大借金予算のオバマは、他方で「子供にツケを回さない。財政規律を
貫く」とも公約した。自民党政権との落差は、ここにおいて決定的だろ
う。「軍事費を削減する」という公約は、クリントン政権と同じだ。「
徹底的に財政の無駄を排除する」というのである。既得権益・利権に蝕
まれている自公政権に出来ないことが、オバマのワシントンはやりぬく
というのである。注目したい。
 日本の財政赤字はアメリカの比ではない。国民一人当たり1000万
円の借金をしている。孫の世代にツケを回している。オバマのアメリカ
は日本よりずっとマシなのである。

<低次元の小泉―武部ライン>
 ひるがえって永田町はというと、まことに次元の低い権力抗争が続い
ている。「かんぽの宿」払い下げ事件を暴かれ、偽装の郵政民営化が表
面化しつつある中で、小泉による「麻生おろし」が進行している。
 筆者も気付くのが遅すぎたのだが、問題は「かんぽの宿」利権に限ら
ない。郵政民営化には、莫大な国民の資産も自動的に引き継がれている
のだ。これぞ新たな財閥の誕生を意味する。
 仮に、事業がうまくゆかない場面では、既成財閥が郵政を吸収・合併
するかもしれない。その場合、国民の莫大な財産は既成財閥のものにな
る。東京駅前の土地だけでもすごい。これが全国いたるところにあるの
だが、この国民の資産が民間にタダで移転する。こんな馬鹿げた、ふざ
けたことが起きていいのだろうか。

 中国でも似たような事件が頻繁に起きた。国有企業の民営化である。
この場面で政府・党・企業の幹部らが、空前の利権を懐に入れた。人民
の政治不信の元凶となっている。郵政民営化は、これよりもはるかに大
きな巨大利権が、特定民間企業に無料で移転している。ゆゆしい一大事
ではないか。空前の背任・横領事件といえないだろうか。

 土地・建物の無料移転は、国民の資産を奪う重大な犯罪ではないか。
民営化法を改正して、これら郵政資産を国・国民に返却させなければな
らないのではないか。専門家の指摘を待つまで気付かなかったのだが、
これはどえらい事件ではないのか。鳩山総務相は気付いているのであろ
うか。

 小泉の「麻生おろし」も、こうした巨大利権に気付いてみると、よく
納得ができよう。ここにきて小泉内閣の幹事長だった武部も表舞台に飛
び出してきた。ホリエモン資金が云々された人物である。数十人の小泉
チルドレンを率いてきている。相応の資金もあるという。
 これで「麻生おろし」の顔ぶれが出そろった。小泉を筆頭に中川秀直
、小池、石原、武部である。部外者は竹中である。2009年度の大借
金予算が、本日27日に衆院議院を通過した。いよいよ小泉の「郵政利
権に蓋をかける」ための「麻生おろし」本番が始まるのだという。

 小泉の「麻生おろし」が、仮に成功したとしても、郵政利権暴きが止
まることはない。次期政権は、さらに徹底した墓暴きをするであろう。
天の声だからである。郵政民営化に大義などなかったことが、さらに明
らかにされていくであろう。
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◆コラム・EYE:サハリンで。「日本の恥。世界の嘲笑」
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  サハリンに行っていた。そこでサハリンで見聞きした話を紹介した
い。最初は恥ずかしながら我が国の大臣の国際的醜態ニュースの話。 
 言わずと知れた中川昭一前財務・金融相の「もうろう記者会見」の話
である。写真はその会見の様子を伝えるロシア・ベスチTV。ロシア国営
テレビのニュース番組です。(ベスチはロシア語でニュースの意味)の
画面。
写真を見る>>
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-334.html

 ロシアで酔っぱらいの政治家で有名なのが故エリツイン元大統領。ウ
オッカの呑みすぎだとか、酔っていたので飛行機から側近が降ろさなか
ったとか、酒にまつわるエピソードに事欠かない大統領だった。

 ここに掲げたテレビのニュースを見ながら知人のロシア人がこういっ
た。「そりゃ、うち(ロシア)のエリツイン大統領も酔っぱらいだって
いう話だよ。でもね、国際会議の記者会見であんな醜態は見せなかった
」エリツイン大統領は酔った姿で世界のニュースを独り占めはしなかっ
たという話。

 このニュース、ロシアでは何度も流していた。サハリンで見られる韓
国のKBSやMBCをチェックしてみたら同様だった。
世界中に流れているんだ。
 こんなニュースを外国で見るのは「どうしようもなく恥ずかしい」も
のだ。

 筆者でも写真を撮る前にはどんなに勧められても絶対に酒は飲まない
のに…。
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◆[セ・コリョ新聞ダイジェスト版] :2009年2月27日号
              発行 ユジノサハリンスク市 翻訳 Kil Sang
◇詳細/写真、記事は関連Webへ → http://www.609studio.com
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州政府の2009年度基本課題

 今月24日の州政府会議で、州知事は2009年度優先課題を発表した
。発表によると、今年注力事業はサハリン州経済発展の根幹となる動力イ
ンフラ調整が最も重要視され、具体的にはユジノサハリンスク市のガス化
と発電所と電気網の現代化、そして、石炭産業発展のためのウゴレゴルス
ク−イリインスク間鉄道建設と港の整備。ア・ホロシャヴィン州知事は州
の根幹産業である大陸鵬開発事業の継続のために地域政府が一層積極的に
強力してくれることを強調した。

ユジノサハリンスク空港リフォーム

 先週、ロシア連邦運輸省はユジノサハリンスク空港リフォーム事業が2
011年には終わると伝えた。空港の建物と内装、滑走路の整備など空港
リフォーム予算は総42億8600万ルーブル。

2009年−青年の年

 20日、サハリン州政府の呼掛けで「2009年−青年の年」の記念行
事組織会議が開かれた。青年政策関連政府関係者と青年団体関係者などが
出席した中、具体的な事業案が検討され、予定している行事件数は120
件にのぼる。

屋内スケート場建設

 先日、州知事はユジノサハリンスク市長や市政府関係者らと会って、2
009年度のスポーツ関連施設の拡充問題について話し合った。同事業案
の一環として、ユジノサハリンスク市には予算1億ルーブルの屋内スケー
ト場の建設を進めれれており、敷地は既に決まり(ゴリキ通りとプルカイ
エフ通りの交差点)、25日は州知事出席下で着工式をも行った。

サハリン州食品価格引上

 2008年度の昨年、サハリン州の食品価格は平均16.4%値上した
。非食品の場合は9.8%、サービス料金は11.3%が高くなったとの
こと。特に麺類は42%、パン類26%、果物や野菜21%、肉類20%
、乳製品12%が値上した。又、自動車ベンジン23%、一般燃料22%
、薬品13%、タバコ12%、家電製品6%が値上し、サービス分野では
バス料金25%、銭湯入場料19%が値上した。その間の住民平均月給は
30%引上しており、具体的な引上率は資源開発部門では2.2倍、財政
関連1.6倍、建築関連26%。

園長が詐欺

 ウゴレゴルスク第27幼稚園の園長がK某氏の名前を洗濯担当職員とし
て給料帳に偽記入し、37万ルーブルを着服したことが分かり、告訴され
た。

サハリン出張所にキム・チョンス総領事赴任

 24日、駐ウラジオストク韓国総領事館ユジノサハリンスク出張所の新
任所長としてキム・チョンス総領事が赴任した。キム総領事は1954年
生で、1979年から外務省に勤務しはじめ、その間運営担当官室、企画
調整室を経て、海外ではアルヘンチーナ、パナマ、米国、ロシアのウラジ
オストク、ベトナムなどで勤務。

知識経済部の李・ユンホ長官老人センター訪問

 プロゴルドノエ液化ガス工場完工式へ参加するために來島した韓国の地
域経済部の李・ユンホ長官が、サハリンを発つ当日の午前中、ユジノサハ
リンスク市韓人会が運営する老人亭(老人センター)を訪ね、20人余り
の1世たちと懇談した。李長官は「寒さ厳しい異国の地で苦労してきた1
世たちを考えると心が痛い」と感想を述べた後、運営のために使ってほし
いと寄付金を渡した。

サハリン州韓人老人会決算会議で採択された決定書

 先週土曜日の21日、サハリン州韓人老人会は2008年度決算会議を
開き、事業内容と会計報告を行った後、2009年度事業方針を決める他
、来る4月に予定されている韓国と日本の赤十字社と韓人会との3者協議
会に提出するために準備した書簡の内容を伝えた。二つの文書を内容は以
下の通りである。

韓国と日本の赤十字社宛ての書簡
 第2次世界大戦前と戦中、日本は総動員法の下で多くの我が同胞1世た
ちをサハリンの炭鉱や山、鉄道・軍用道路・軍施設建設現場へ強制連行し
、辛い強制労働をさせた。そして、戦後、家族が待っている祖国へ帰るこ
とも出来ないまま64年間も悲しく苦しい人生を送らせた。それにも関わ
らず今日現在まで戦後処理は綺麗に出来ていない。今、残留サハリン韓人
1世らの解決を急ぐ問題は以下のものである。

一、永住帰国問題:今年中に集団永住帰国問題を解決してほしい。又、今
後賃貸住宅に空きが出来る次第追加的永住帰国ができるようにしてほしい。
二、残留1世のためにサハリンに住宅を建設してほしい。
三、1世の高齢化が急速に進むにつれて早速、物的心理的被害に対する損
害賠償を行ってほしい。(65歳以上)
四、残留1世たちの離散家族訪問、墓参りへの支援。
五、遺家族に対する生計支援次元で特別基金を開設運営すること。

2009年度事業方針
一、被害補償要求、永住帰国事業の継続化。
二、生計支援基金づくりのためのアンケート調査実施。
三、民族文化、言語、伝統維持発展のための事業案作成、実施。
四、韓人文化センター内、資料の整備。
五、資料「サハリン韓人強制動員史及び移住史」の編集のための資料収集
と委員会組織。
六、東京で進行中の戦時郵便貯金などの補償請求裁判のために必要な資料
の提供。
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お届けできなかった韓国語新聞「セコリョ」日本語訳は以下に掲載

2009年2月13日号
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-332.html

2009年2月20日号
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◆コーヒーブレイクから         
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*コーヒーブレイクへ
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*小説「ムンバイに消ゆ」連載再開!
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*備忘録
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*セコリョ新聞日本語版
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◆[編集長から]              片山通夫
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 長い間休刊していました。この間に、G7で我が国の財務大臣が醜
態を演じてくれました。海外でこのニュースを知った時の驚きは国内
で接した場合とはまた違う反応でした。
 繰り返し流される映像には閉口というわけです。本人はさぞやと思
うのですが、議員辞職もせず、あまり堪えていないようです。

このニュースに関しては以下のページを!
http://coffeebraek.blog59.fc2.com/blog-entry-334.html
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発行     2009年3月3日   No.374
編集・発行  609studio   Michio Katayama
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